安全靴と安全作業靴の違い に戻る

ミドリ安全が作る靴とは – 足の構造


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人と歩く足の底の筋肉が運動して、血管を収縮させ、血液を心臓に押し戻す働きをします。つまりポンプの働きを果たすわけで、第二の心臓といわれる所以です。また、人間の骨は全身で約200のパーツからなり、そのうちおよそ1/4が足首から下に集まっています。それほどに足は複雑で精密な構造を持っています。人間が二本の足で立ち、歩き、走るといった人間独自の働きができるのも、これらの骨と筋肉、靱帯、神経の総合作業なのです。安全靴の設計は、まず足の構造を徹底的に研究することからはじまります。

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足には3つのアーチがある。

人間が2本の足で立ち、前後左右、自由に身体の移動ができるのは、足に3つのアーチがあるからです。足の内側アーチ、外側アーチ、そして前足横軸アーチ、これからの3つのアーチが、歩行時にバネの役目を果たします。shose02_02

足の疲労は、腰、肩、内臓に。

shose02_03長時間にわたって足に負担がかかり続けると、足全体、とくに「舟状骨」が下がって、土踏まず部のアーチが体重を支えきれなくなります。アーチがバネの働きを失ってベタっと低くなる、いわゆる「ベタ足」状態です。こうなると歩幅が小さくなり、疲れが疲れを呼び、やがては足の痛みに、さらには腰や肩、内臓まで悪影響を与えます。

腰痛を減少させた安全靴。

ミドリ安全は、日本の足の権威である城戸正博医学博士と共同ワークを行ってきました。
長年にわたる調査・研究・改良の成果に、安全靴による腰痛の減少・緩和があげられます。
ミドリの安全靴の導入によって、ある製紙工場では、男性で64%から14%に、女性は70%から24%に、腰痛が緩和・減少しました。安全靴は、ただ足を保護するだけでなく、働く人の健康を守るための靴であることを示す一例です。

日本の安全靴は、ミドリ安全からはじまった。

安全草履

日本の安全靴のルーツをさかのぼると、1950年頃につくられた「安全草履(あんぜんぞうり)」にたどりつきます。
これは草履に先芯を取り付け、ソールに古いゴムタイヤを使用したもの。
ミドリ安全は「優れた安全品質がすべてに優先されなくてはならない」という理念のもと、安全靴・安全保護具のリーディングカンパニーとして時代を先取りしてきました。
1982年には「工業技術院賞」を受賞。これはJIS取得工場の中から品質管理が特に優良な企業に送られる賞で、安全靴業界では初めてのことでした。また業界で初めて、働く人の健康に考慮した「健康安全靴」を開発したのもミドリ安全です。ミドリ安全は、つねに時代に先駆けることによって、プロの信頼に応えるブランドであり続けてきました。

ミドリ安全が作る靴とは – 安全靴について


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働く人の足を保護し危険を避ける。これが安全靴の基本です。そして疲労を軽減して、さらに快適性を促進する、これも広義で安全性を高めることになります。ミドリ安全は、医学的見地から、さまざまの工夫を安全靴の開発にもたらしました。アーチクッション、ダブルアーチサポートなどの多くの機能を付加して、足の疲労を大幅に軽減するだけでなく、足の機能そのものを向上させることも実現。作業や歩行自他が快適さを体験させてくれます。日本人の足型を熟知した、ミドリ安全ならではのコンフォート設計でハイレベルな安全靴を完成させています。

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①アーチクッション
足のアーチの落ち込みを防ぎ、疲労を軽減するクッションです。


②ダブルアーチサポート
shose01_02アウトソールと一体成型されたダブルアーチサポートが、足の両側面のアーチをしっかりと固定し、アーチクッションの効果を高めます。踵骨の内転・外転防止に効果があります。


③インソール
吸湿性に優れ、しかも表面はベタつかない素材を、インソールに使用しています。


④衝撃吸収スポンジ
衝撃吸収性に優れたスポンジ材を踵部に採用。発泡ポリウレタン2層底との相乗効果で歩行時の衝撃を大幅にやわらげ、疲労を軽減します。


⑤シャンク
shose01_03ソールの不踏部に取り付けられたシャンクがバネの働きをして、歩行をサポート。舟状骨の低下も防ぎ、疲労を軽減します。


⑥ワイド先芯
足先への圧迫を抑える、幅広のワイド先芯。軽量で、鋼製先芯と同じ安全性(男性用はS種・女性用はL種)を持っています。


⑦甲革
安全靴に加工された天然皮革を使用。耐久性に優れた素材を、ソフトな風合いに仕上げました。


⑧甲裏材
履き心地をより快適にするために、吸湿性に優れ、しかも表面はベタつかない素材を使用しています。


⑨トップラインクッション
踵部を柔らかく包み込み、アキレス腱を守ります。


⑩ミッドソール
クッション性に優れた低密度発泡ポリウレタンをミッドソールに採用。
優れた衝撃吸収性が足への負担を軽くし、疲労を軽減します。


⑪ストームウェルト
油や水の浸透防止に効果を発揮するストームウェルト(水切り構造)。甲革の接着部の損傷も防ぎます。


⑫ヒールカット
アウトソールには耐滑性・耐摩耗性に優れた高密度発泡ポリウレタンを採用。
グリップ意匠は、労働省安全技術指針最高レベルの区分4の耐滑性を実現しています。


⑬耐滑ソール
アウトソールには耐滑性・耐摩耗性に優れた高密度発泡ポリウレタンを採用。
グリップ意匠は、労働省安全技術指針最高レベルの区分4の耐滑性を実現しています。


⑭不踏部グリップ意匠
パイプや昇柱作業での耐滑性を高めるために、不踵部にもグリップ意匠を採用しています。

ミドリ安全が作る靴とは – 生産・管理体制


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ミドリ安全は、安全靴メーカーとして、原皮の調達から鞣製、ゴムの加工、製品化にいたるまで、自社工場における一貫生産体制を確立しています。また高品質な製品を、安定して製造するために、IP(Injection Process)マシンなど最新の設備や技術を、時代に先がけて導入してきました。私たちは、JIS規格を安全靴の最も基本的な条件と考え、自社で厳しいテストを実施し、これをクリアした信頼性の高い製品をお届けしています。

shose03_01「原皮の調達」
クロムフリーレザーをはじめ、原革の調達から鞣製まで、
グループ会社にて行っています。
shose03_02「CADシステムによる設計」
足型や靴底の設計からパターン製作まで、すべてCADで行い、
お客様のニーズを先取りした製品を生みだします。
shose03_03「最新のIPマシン」
高品質で、快適性に優れた発泡ポリウレタン2層底安全靴の製造を
可能にした最新のIPマシンです。
shose03_04「圧迫試験」
中底と先芯のアーチ最高部の間に、油粘土をはさみ、
所定の圧迫重量を徐々に加え、試験片の最低部(すきま)を
測定します。
shose03_05「衝撃試験」
重さ20kgの鋼製重鐘を試験片に落下させ、
中底と先芯のアーチ最高部との間に挿入した油粘土の
最低部の高さ(すきま)を測定します。