（231008）〈特別企画〉達男のためのベルテッドコート入門

いつもNaisをご覧いただきありがとうございます。
モダンブルーの羽田でございます。

ようやくに秋深まり、街は少しずつロングコートの季節を迎えようとしております。
今季もモダンブルーには伊達男に相応しきコートの名作・名品が数多く到着しておりますが、今週のNais日曜版ではその中でも近年注目度が増しております「ベルテッドコート」にフォーカスしてご案内させていただければと思います。
腰にベルトを巻くタイプの総称として定着した感のあるベルテッドコートではありますが、その元祖とも言えるタイロッケンコートやトレンチコート、あるいはモダンにアップデートされたニューエイジタイプなど、その意匠は実に多彩。
今回は大きく3つのタイプに分類し、それぞれの特徴や魅力について、最新のラインナップとともにお届けさせていただきます。

日曜午後のひととき、お買い物の手引きのひとつとして、ごゆっくりとお愉しみいただけますと幸いです。

近年、クラシコの世界でも広く見られるいわゆるベルテッドコートですが、その基本形となるのが、胸ボタンを介さないガウンコートのシルエットをベースに、その名の通りベルトを「巻く」仕様で誕生した「ラップコート（Wrap Coat）」。
レディースでは多く見られるベルテッドコートの始祖ですが、メンズ、特にイタリアクラシコにおいては、HEVO（イーヴォ）のシングルブレストコートの名作「OSTUNI（オストゥーニ）」に代表される、ボタン留め+着脱可能なベルトという二段階仕様のアップデートモデルが主流となっております。
南イタリアの美しき要塞都市から名づけられた本作は、春夏と秋冬のシーズンごとに生地や素材をチェンジしながら、年間を通して伊達男たちに愛されるスタンダードナンバー。
サイドのベルトループで支えつつ、身体の手前でラフにざっくり巻いて垂らしたベルトが、着こなしのアクセントとしてもエレガントかつ絶妙な視覚効果を発揮してくれます。

PICKUP ITEMS
おすすめアイテム

HEVO/OSTUNI

HEVO/CISTERNINO

BOTTEGA VENETA

続いて、歴史的に見ても前述のラップコートを原型とし、ベルトに付属するバックルを前身頃に２つ、後身頃に１つ、合計3カ所設置することで、着脱時にスムーズかつ着用時の安定感をもたらしてくれる「タイロッケンコート（Tielocken Coat）」。
1895年にあのBURBERRY（バーバリー）が英国軍将校向けに納入したものが原型とされており、後述のトレンチコートの登場で一時は衰退したものの、ファッションアイテムのひとつとして再び日の目を見たのちは、ベルテッドコートの代表格として広く浸透していきました。近年では後身頃のバックルを排したものも多く、TAGLIATORE（タリアトーレ）の「BALDWIN（ボールドウィン）」もそのひとつ。
またさらに前身頃のバックルを１つにしたHEVOの「BRINDISI（ブリンディジ）」、あるいは前身頃の前身頃の右側にベルトが直接「付属」したタイプとしてTAGLIATOREの「BENTON（ベントン）」など、数多くの派生モデルもあり、スタイルに合わせた豊富なデザインの選択肢も大きな魅力のひとつです。

PICKUP ITEMS
おすすめアイテム

TAGLIATORE/BALDWIN

HEVO/BRINDISI

TAGLIATORE/BENTON

最後にご紹介させていただきますベルテッドコートは、両肩に設えたエポレットや胸元のガンラップ、あるいはDカンといったシンボリックな意匠が目を惹くダブルブレスト仕様の「トレンチコート（Trench Coat）」です。
Trenchとは「塹壕」の意であり、1900年頃に開発された軍用防水コートが第一次世界大戦を機に英国軍の塹壕戦で広く使われるようになったのがその起源。
そのデザインはタイロッケンコートがベースとなっているため、ベルトループやバックルの仕様は基本的に同様であり、違いとしては先述のディテール部分に多くを見出すことができます。
広くトレンチと言えばBURBERRY（バーバリー）、あるいはAquascutum（アクアスキュータム）といった英国の老舗ブランドが有名ですが、現代ではSAINT LAURENT（サンローラン）など数多くの高級メゾンやブランドにおいてもモダンな新作が続々と登場、注目を集めております。
この秋冬ぜひ、遊び心あるトレンチコートもぜひお試しくださいませ。

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おすすめアイテム

SAINT LAURENT

AMI ALEXANDRE MATTIUSSI