シリンダー型式別・交換可能パーツ集




 おもに、公団住宅用として開発された錠で、室内側に四角い箱状の本体が露出して設置されている事から「面付箱錠」とも呼ばれています。画像のノブ式のものが一般的ですが、後年、バリアフリー用途としてレバーハンドルタイプも発売されました。

 このタイプは、現在では美和ロック社をはじめとした数社で、すでに廃番扱い(MIWAは補修部品としては取り寄せ可能)となっています。交換用のシリンダーが設定されていない製品も珍しくありません。しかし、錠本体の取り付け寸法は他社メーカー間と規格統一がなされていますので、MIWAのPMKと本体ごと交換することで、ここにある多彩なシリンダーを採用することができます。

 この錠のシリンダーは室内側の箱状本体に直接連結されています。交換する場合は、本体を取りはずことになります。

MIWA対応型式
要注意型式



 要注意型式の刻印のものは、製造年式によってシリンダー交換がが不可能な場合がある物を指します
おもな同型機種

<同型機種について>
これら公団型面付け錠はそれぞれに対応できる交換用シリンダー、サムターン回し対策パーツはほとんど存在しませんが、それらが多くラインナップされているMIWA PMKと、一切の加工をすることなく交換することが可能です。そのようにすることで、各種の防犯対策がが可能になります。左画像のPMK寸法と適合するかどうか、ご確認ください。
<初期型PMKについて>
PMKの初期型は、今から30数年前の製品ですが、今でも稀に見かけることがあります。
シリンダーは旧式の「67ディスクシリンダー」が装着されています。シリンダーの直径が28.5mmと、後期の「75PM」タイプ(24.5mm)よりも大振りになっています。
また、メーカー名の刻印が丸っこい字体の旧ロゴになっています。

このタイプは、シリンダーのみの交換はできません。他の同型機種同様、錠すべてを交換しなければなりません。ただし、上記A寸法が若干ずれて、斜めにビスが入ることがあります。
<ECシリンダー型PMKについて>
「75PM」表記であっても、画像のようなマグネット式の電子キー「ECシリンダー」が装着されているケースは、他種のシリンダーに交換することはできません。
同等のECシリンダーであれば交換できますが、他のシリンダーをご希望の場合は、やはり錠全交換をすることになります。

<PMK装飾錠タイプについて>
MIWA PMK(刻印、75PM)には、ケースを利用した装飾錠があります。外部がサムラッチ(親指でつまみを押して開けるタイプ)となります。
装飾錠タイプであっても、一般のPMKシリンダーと交換が可能です。ただし、色がシルバー系に限定されます。

注) この同型機種は、現在の防犯基準では、玄関での使用がてきとうでないものとされています。本来は別途補助錠設置等の対策を推奨される錠です。
「MIWA PMK」は補修部品のため、法定性能表示義務は負いませんが、“現行商品”「GOAL」「SHOWA」については、カム送り耐久のみ5分以上(耐久性あり)で、他のピッキング耐久性などはすべて5分未満の表示となっています。


MIWA PMK
「75PM」刻印がある錠は「PMK」という商品になります。このタイプの錠としては、もっとも普及したタイプで、交換用部品も唯一充実しています。同型であっても刻印が違う旧式の中には、シリンダー交換ができないものもありますので、ご注意ください。        
PMK対応シリンダー (画像をクリックすると販売ページに、タイトルをクリックするとシリンダー解説へ、それぞれ飛びます)
複製難易なスティックキー
Q-18のMK対応型
防塵シャッター搭載機
ディンプル最安価シリンダー
カバのスタンダード仕様
カバのOEM製品
美和の現行標準シリンダー
U9のリバーシブルタイプ
GOALの最上位機種
標準的ディンプルシリンダー
ドイツの老舗メーカー製品
PMK対応、対策サムターン (画像をクリックすると、販売ページに飛びます)
カバー脱着、後付タイプ
押して回す後付けパーツ




PMK対応、補修・修理用部品 (画像をクリックすると、販売ページに飛びます)
補修交換用ケース
補修交換用ケース
新感覚のドアチェーン
サムターン回し対策/補修用



GOAL 4350シリーズ
 現在もカタログにも記載されている現行機種。ノブタイプ(4350)とレバーハンドルタイプ(L435)がありますが、どちらもシリンダーは同型です。ただし、ケース等に一切の型式刻印がありませんので、外観的に製品を判断していただくほかありません。
 最近生産された製品以外では、片ピン(6ピン)シリンダーからV−18へのバージョンアップ交換はできません。交換したい場合は、本体ケースごと交換しなければなりまぜん。
 この製品はMIWA PMKと、一切の加工をすることなく交換することが可能です。「PMK」は交換できるシリンダーの種類が多彩で、選択肢が広がります。また、「4350」には制定されていない、本格的なサムターン回し対策グッズも導入できます。



SHOWA 7680シリーズ
 現在もカタログにも記載されている現行機種。ノブタイプ(7680E、7680KJ)とレバーハンドルタイプ(7680L)がありますが、どちらもシリンダーは同型です。ただし、ケース等に一切の型式刻印がありませんので、外観的に製品を判断していただくほかありません。
 「7680E」と「7680L」については、バージョンアップ交換部品はほとんどありません。ただし、MIWA PMKと、一切の加工をすることなく交換することが可能です。「PMK」は交換できるシリンダーの種類が多彩で、選択肢が広がります。また、「7680」には制定されていない、本格的なサムターン回し対策グッズも導入できます。
 「7680KJ」については、SHOWA純正のシリンダーと交換が可能ですので、そちらをご利用ください。本体交換については、室外側のプレートの設置方法が異なるため、ビス穴追加加工をしなければ設置はできません。

 なお、「ショウワ(旧昭和ロック)」は、数年前に一度倒産しましたが、現在は別資本により「ユーシン・ショウワ」として継続されています。

SHOWA公団錠のバリエーションについて
ノブ式の7680には「E」と「KJ」の2種が存在し、それらは外観がまったく異なります。「KJ」については、ドア外側のプレートを止めるビス穴を増設しなければ、「PMK」と交換することはできません。交換用のシリンダーはいくつかありますので、とりあえずそちらで対応することもできます。
7680E
7680KJ
MIWA PMKと同等規格の製品。PMKと本体交換が可能。
旧公団錠をモチーフとしたセパレートデザインタイプ。他の公団錠と切り欠きなしで交換することはできない.

KJの交換手順はこちら>>
7680E交換可能シリンダー
7680KJ交換可能シリンダー
標準的ディンプルシリンダー
ショウワの最上位機種
標準的ディンプルシリンダー







 MIWA PMK シリンダー交換手順
@まず、ノブをはずします。
室内側ノブの首下にあるビスを逆時計回りに回すと、ビスが外れます。
Aビスを撤去した後、まっすぐノブを引き抜くことができます。
外部からも、同様に引き抜くことができます。
B室内側の本体箱を止めているビスを4本ともはずします。
Cそのまま引き抜けば、本体がはずれます。
外側の長座プレートははずす必要はありません。
Dシリンダーは、台座プレートといっしょに、本体に4本のビスで固定されています。
4本ともはずします。はずし方については、下の注意書きを熟読ください。

Eシリンダーが座板とも外れます。
F同じ手順で新しいシリンダーをつけて完成です。
シリンダー種によっては、もとの台座プレートを再利用するものと、新たに付属のものに交換するものがあります。それぞれの商品の説明書をご覧ください。
<WARNING!>
 シリンダーを固定しているビスは、たいへん固めに締め込まれていますので、回し方が悪いと、頭が潰れて、回せなくなってきしまいます。必ず、ドライバーを強く押し付けながら回してください。また、必ずサイズが合ったドライバー(+の2番)をご使用ください。
 ねじ頭が潰れると、通常の工具や手法でではずすことが、たいへん困難になります。もしそのような状態になった場合は、電話かメールでお気軽にご相談ください。



SHOWA 7680KJ シリンダーの交換手順
@PMKと同様、室内側ノブの固定ビスをはずしたのちノブを左回りに回すと、ネジの要領ではずれます。
室外側ノブは、引き抜くだけで外れます。
Aノブをはずした後、室外側のノブの丸座を左回りに回し、はずします。ペンキ等で塗り固められるなどして回りにくいことが多いので、その場合布を巻いたハンマーなどで軽く叩くなどしてみてください。
シリンダーのリングは差し込んでいるだけなので、ケース本体を引き抜けば勝手にに取れます。
B本体の裏板に3本のビスがあります。これをはずし、裏板を起こすように動かすと、裏プレートがはずれます。
このとき、あまり無茶に動かすと、錠内部の部品がバラバラになり、修復に手間取ることがありますので、特にご注意ください。
Cシリンダーは、裏板の裏から2本のビスで固定されています。それをはずすと、シリンダーが外れます。

シリンダーを交換した後、逆の手順で装着してください。