シリンダー型式別・交換可能パーツ集




 かっては美和ロック社の中心商品で、このタイプのシリンダーを利用した商品も多数あったが、防犯性能の問題からそのほとんどがカタログから姿を消している。しかし、かっての流通量から、交換可能なシリンダーの数も、それなりに多い。
 廃止の最大の理由は、シリンダーのもぎ取り強度の弱さである。レバーハンドル錠の「LD」「LDSP」は十数年前に「LA」等に型式変更され、本締り錠の「BH」も平成15年に廃止された。よって、このタイプをシリンダー交換したからといって、ピッキング以外の防犯性能は、あまり変化しないと言う考え方もある。

 ちなみに、美和ロック社は 「BH」に若干の強度変更を加え、名称を「DZ」とし補修部品制定した。よって、現在MIWA純正シリンダーは「DZ」と言って買い求めなければならない。

 なお、GOAL V−18など一部交換用シリンダーについては、シリンダー本体の直径がMIWA純正品(26.7mm)より大きめ(31mm)となっており、現行の扉の穴の径によっては、やすりなどによる拡張加工が必要となる。
 また、現行のシリンダーは、リングカラーの直径が44mm前後だが(V-18は49mm前後)、ディスクシリンダー当時の標準は38mmだったので、場合によっては扉枠などに干渉する可能性があるので、注意が必要だ。(細身のものが必要な場合は別途指定を要しますが、MIWA純正品以外では対応できません)

主な対応型式









LA、DA対応シリンダー (画像をクリックすると販売ページに、タイトルをクリックするとシリンダー解説へ、それぞれ飛びます)
複製難易なスティックキー
Q-18のMK対応型
防塵シャッター搭載機
ディンプル最安価シリンダー
カバのスタンダード仕様
カバスターの廉価版
カバのOEM製品
美和の現行標準シリンダー
U9のリバーシブルタイプ
U9のディンプルキータイプ
GOALの最上位機種
ドイツの老舗メーカー製品
スウェーデン製の独自機構
標準的ディンプルシリンダー
ショウワの最上位機種
賃貸に最適な無限チェンジ
LDが簡単に暗証番号錠に!
LDが簡単にリモコン錠に!




LA、DA対応、対策サムターン (画像をクリックすると、販売ページに飛びます)
空転する簡単後付パーツ
押して回す後付けパーツ
カバー脱着、後付タイプ
施錠できる交換用サム
つまみ脱着式交換サム
LA、DA対応、カム送り対策/補修・修理用部品 (画像をクリックすると、販売ページに飛びます)
後付け用ガードプレート
新感覚のドアチェーン
サムターン回し対策/補修用



LD、BH、DZシリンダー・サムターンの交換方法
このタイプは、シリンダー、サムターン共、交換方法はほぼ同じです。(※ ケースとシリンダーの装着状態をわかりやすくするため、シリンダーのリングカラーを取り外した状態で画像を掲載しています。実際にはリングカラーがついた状態で作業を行ってください。)

(1)
シリンダーの場合、現在使用しているキーを、かぎが回せる状態まで差し込む。
(サムターンの場合はそのままでOK)
(2)
フロントプレートをはずす。
註) この状態以降、ドアは必ず開放状態で保持してください。フロントをはずした状態でドアが閉まると、開扉出来なくなることがあります。かんぬきをせり出した状態で作業するのが、もっとも確実です。  

(3)
シリンダー(サムターン)の真横にある十字の「回転止めビス」を、ゆるむ方向(逆時計回り)に回す。(使用工具 ; +ドライバーの2番=一般標準サイズ)
(4)
そのビスが完全にゆるんだ状態で、シリンダー(もしくはサムターン)を逆時計回りに、脱落するまで回す。
(5)
逆の手順で装着する。
サムターンはつまみ部を持てば締め込み易いが、シリンダーの場合は最初に噛み込むまでが少々やりにくく、手間取ることが多い。その場合、画像のようにキーを中途まで挿した状態で締め込むと、割と簡単にはめ込むことができる。
ただし、最初の1回転程度まで入ったら、キーを完全に差し込む。そうしないと(7)で解説するカムの勘合ができなず、装着できない。
(6)
シリンダーの場合はキーは抜き差しができる位置、サムターンの場合はつまみは縦もしくは真横のいずれかで保持し、周りのリングのみを回転させねじ込む要領で行う。
その間、キー、もしくはサムターンのつまみは、絶対に回転させないようにする。
(7)
上画像のように、キー回転と連動するシリンダー裏側の「カム」が、ケースのカム穴に確実に水平、もしくは垂直(シリンダー種により異なります)に勘合するように気をつけながら、シリンダーの回転が完全に止まるまでねじ込む。
回転が止まったと思ったら、無理してそれ以上締め込まないようにする。あまり強く締めすぎると、ネジ山が壊れることがある。

カムが正しくはまっていないと、1〜3回転もすれば回転が止まる。勘違いして、その状態で回転止めビスを締め込むケースがあるが、それだとまったく回転止めが効いておらず、施開錠が不可能なばかりか、シリンダーが空転して外れてしまうので気をつけよう。
(8)
完全に止まった状態から、刻印が正しく読める位置=回転止めビスが確実に噛む位置まで、少し戻す。

その位置で回転止めビスを、動かなくなるまで締め込む。
正しい位置でシリンダーが装着されていれば、下の項の画像のように、ネジの頭が完全に埋没する。そうならない場合は、回転位置がずれている可能性があるので、(4)や(6)の要領で、少しずつ位置をずらして、正しい位置を探る。
(9) 正しい固定状態とそうでない状態の見分け方
シリンダーが正しく固定された状態とは、シリンダーのネジ部の左右にあるスリット溝(小さい丸内)のどちらかに回転止めの爪(大きい丸内)が落ち込んでいる状態である。正しく装着が完了した状態では、左図のようになる。右図の状態であれば、正しい状態ではない。
右の状態では、フロントプレートを装着しても、ネジの部分だけ押し上げられ浮いた状態になるため、外観でも判断できる。

注意! よくある装着トラブル・シューティング 
うまくシリンダーがねじ込めない  シリンダーがねじ込みにくい場合>

 リングカラーが空転する、捕まえにくいなど、ねじ込み、緩めにくい場合は、(5)のようにキーを半分まで差し込んで、そのキーを掴んで回転させると、簡単に回せるようになります。少しでも入れば、あとは楽になります。(キーを完全に差し込んでしまうと、空転して回しにくくなりますので、ご注意ください)

 ただし、それでも固いと感じた場合は、無理をせずに作業を中断してください。キーが曲がったり、折れたりする事があります。たとえば、回転止め金具が中途半端に出っ張ったままだったり、最悪ねじ山が潰れていたりすると、回転が出来ないことがあります。
なお、ある程度ねじ込めた後は、上記(5)の要領に戻り、完全に差し込んでから作業を続ける必要があります。
シリンダーが回転しない、はずれない  シリンダー脱着にはキーが必要です>

BHタイプのシリンダーを脱着する場合、旧来のディスクシリンダータイプはその必要がありませんでしたが、他の交換用シリンダーの場合、キーを差したまま装着しなければなりません。
キーを紛失すると、シリンダーを取り外すことができなくなるります。シリンダーやケースを破壊する必要が生じ、DIYでは交換することができなくなるので、気をつけなければなりません。もしそのような場合は、ご相談ください。
装着したが、キーが抜けない  シリンダーとキーの方向性に注意!>

キーの抜け位置が、上下逆になっている可能性があります。
BHシリンダーは装着時、常にキーが正しい方向(抜ける方向)に向くようにしなければなりません。抜け位置が上下逆になると、せっかく装着が終了したように見えても、キーが抜けなくいといった状態になってしまいます。その場合、いったんシリンダーをはずし、キーの抜き差しが確実にできることを確認し、キーはその方向のまま保持しつつ、シリンダーをねじ込みます。
ドアを閉めたら、フロントプレートが枠にぶつかるようになった  回転止めビスが正しく入っていますか?>

(9)の画像のように、回転止めビスが正しく入っていないと、フロントプレートが浮き上がり、その部分がドア枠に当たってしまうことがあります。もう一度状態を確認しましょう。
なお、知識が不足した施工業者の仕事で、最初からフロントプレートが浮き上がった状態になっていることもありますが、正しい状態ではありません。







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