着物豆知識

着物のサイズの測り方

このサイトや実際の着物屋さんで「あ、これいいなぁ」というものを発見したとします。価格もそんなに高くないし、欲しいな!買っちゃおうかな?と決断する前に見ておくべきもう一つの項目がそう、「サイズ」です。

いくら気に入った着物でも、サイズが合っていなくては残念ながらそのままでは着られません。リサイクル着物はすでに仕立て上がった状態でお店に並んでいるので、自分に合ったサイズのものを選ぶか、仕立て直すしかないのです。

洋服では聞きなじみのない用語や単位が出てくるので最初は当惑するかも知れませんが、見るポイントを理解すればとても簡単です。サイズをよく確認して、かしこくリサイクル着物を楽しめるようになりましょう♪

着物のサイズの測り方〜女性編〜

最初の関門…「センチ」じゃない!

1尺はだいたい38㎝

着物のサイズを確認しようとして、一番最初に出てくる問題が「単位が分からない」ということ。よそおい堂のサイズ表記は全てcm表記を採用していますが、今でも尺や寸で表記している着物のお店は少なくありません。和裁業界では尺寸法が現役ですので、その方が分かりやすい人もいるのです。
さて、着物のサイズ表記に使われる尺は鯨尺(くじらじゃく)と呼ばれ、1尺≒37.8cmです。1寸はその10分の1ですので約3.8cmとなります。他に一尺≒30.3cmの曲尺(かねじゃく)というものがありますが、着物のサイズ表記で使用されるのは鯨尺ですので間違えないようにしましょう。とりあえず、「1尺は38cmくらい」とだけ覚えておけば大丈夫です。

着付けで調整できるので、だいたいでOK!

着物のサイズの見方ですが、実は着物のサイズは洋服と違って、多少短かったり長かったりしても何とかなってしまうものなのです。
洋服がその人の体に合わせて作られる、いわば「完成型」の衣服なのに対し、着物は体に合わせて「着付ける」作業が必要な、ある意味では未完成の衣服なのです。その分着付けで自由が効くため、自分の体に合わせて快適に着ることができます。
それでは、最低限見ておくべきポイントを押さえておきましょう。

裄と身丈だけ知っておこう

着物屋さんに並んでいる仕立て上がりの着物には、各部に沿ってサイズがいくつも書いてあることが多いですね(既製品の浴衣などでもそうです)。
よそおい堂の商品にも「裄(ゆき)」「身丈(みたけ)」「袖丈(そでたけ)」「袖幅(そではば)」「前幅(まえはば)」「後幅(うしろはば)」の6項目と、それを基にしたサイズ(身長の目安)を掲載していますが、まずは「裄」と「身丈」だけ分かればOKです。この2つは着た時の見た目に直結する部分ですので、必ず選ぶ時に確認しましょう。特に裄は重要です。

着物の各部の名前

前は袖丈、前幅。後ろは袖幅、身丈、後幅、裄。

裄とは

裄は、着物の真ん中の縫い目(背縫い)から袖の端っこ(袖口)までの長さを表します。これが長すぎたり短すぎたりすると、手首が隠れたり七分袖みたいになったりして、せっかくの着物姿がかっこわるいことになってしまいます。
自分の裄丈は、首の後ろのぐりぐりから、肩にそって手首のぐりぐりまでの長さを測ることで分かります。このとき、腕は斜め45度に下ろしておくと正確に測れます。
また、着物の下に着る長襦袢は着物の裄丈から約1cm短く、逆に着物の上に着る羽織やコートでは1cm長くした長さで探すと、長すぎて飛び出してくるということがなくなります。

裄丈の測り方

首の後ろのぐりぐりがあるところから、肩に沿って手首のぐりぐりのあるところまでの長さを計ります。腕は45度にします。測った長さが68㎝だったら… 長襦袢は「裄67㎝」着物は「裄68㎝」羽織は「裄69㎝」くらいのものを探すとちょうどいいはず!

身丈とは

裄が着物の横の長さだったのに対し身丈は縦の長さで、背縫いの一番上から一番下までの長さを表します。
(こうやって測る身丈の長さを正確には「背丈からの身丈」と言います。)
女性の着物は「おはしょり」といって、帯の下にタックを取るようにして着ますので、袖を通した時に床に引きずるくらいの長さが必要になります。
おはしょりの分と着る時の長さ(着丈)を合計すると、自分の身長と同じくらいの身丈がある着物がちょうどいいはずです。ただしおはしょりの量で調整が利き ますので、身長ぴったりではなく、プラマイ5~6cmくらいを目安に選びましょう。身長が155cmの人なら、着丈がだいたい150~160cmの範囲にある着 物を充分着ることができます。

まず1枚着てみて、感覚を掴む

これで自分の裄と身丈が分かり、自分に合ったサイズの着物を探せるようになりましたが、サイズを把握できたら、まずは1枚そのサイズのものを入手し、着た時の感覚を掴むことをおすすめします。
着物の着付けは料理の味付けと同じように、人によって長め・短めの好みが表れますので、自分のサイズのものを1枚着ることで、次に探す時の手がかりにもなるでしょう。

それでは、自分のサイズに合った素敵な着物が見つかることを願っています!


着物のサイズの測り方〜男性編〜

上記で女性の着物のサイズの測り方を説明しましたが、男性用の着物にしかない特殊な単位、みたいなものは特にありません。同じように気軽に、自分に似合うかっこいい着物を探しましょう!

身丈だけがちょっと違う

1尺はだいたい38㎝

着物のサイズを見るときのチェックポイントについておさらいしておきましょう。
●サイズはだいたいでOK(1cmくらいの誤差はなんとかなる)
●1尺はだいたい38cm
●自分の「裄」と「身丈」を知っておく

着物の各部の名前

前は袖丈、前幅。後ろは袖幅、身丈、後幅、裄。

裄丈の測り方

首の後ろのぐりぐりがあるところから、肩に沿って手首のぐりぐりのあるところまでの長さを計ります。腕は45度にします。測った長さが68㎝だったら… 長襦袢は「裄75㎝」着物は「裄76㎝」羽織は「裄77㎝」くらいのものを探すとちょうどいいはず!

裄丈の測り方は女性と同様、首の後ろのぐりぐりから手首のぐりぐりまでですが、身丈の出し方は違います。男の着物は「身丈=着丈」です。つまり、着る時におはしょりを取らないので、羽織った時にちょうど良く地面すれすれの長さである必要があります。
ちょうどいい身丈は「身長—30cm」で計算できます。身長が178cmの人なら148cmを中心に、マイナス3cmからプラス4cmくらいの範囲のものがちょうど良い長さです。実物を手に取れるなら、羽織って確認してみるとより確実です。

どうしても短いのしか見つからない

男性に限った話ではないのですが、男性の方が多く直面する問題に「自分に合う大きいサイズのものがない」というのがあります。身長が170cmより大きい人だと、リサイクル着物ではちょうど良いサイズが見つけられなかったり、あっても他のサイズより少ないので高かったりします。(これを書いている店主が178cmなので、まさにそういう目に遭っています…。) それでも柄が気に入ってしまったりものすごく安かったりして、どうしても着たい!という場合は、以下のような方法で無理矢理着ることも、一応可能です。普段着として気軽に着るなら、これくらいの自由さはあってもいいはずです。


1.部屋着専用にする

外に出たらかっこわるい状態でも、好きで家の中で着ている分には誰も文句を言えません。すね丸見えでも、着物姿になることで自分が満足できるなら…それもまたありです。


2.袴をはく

店主もまさにこれを実践しています。着物が短くてもその上に袴をはけば隠すことができますし、動きやすくなりますし、そしてかっこよさを割り増しで きます。良いことずくめです。欠点をあげるなら、裾にある柄が隠れてしまうことや、慣れないとトイレの時に少し大変なことでしょうか。無地の袴を持ってい ると普段着にもできて便利です。ちなみに、袴の長さの目安は(身長−25)×0.6で計算できます。


3.仕立て直しをする

ものすごく気に入ってしまって大切に着たい着物は、着物屋さんに持って行って仕立て直しをお願いしましょう。店員さんが色々相談に乗ってくれると思いますが、サイズによっては伸ばすのが難しい場合もあります。 一番確実な方法ですが、仕立て直し代金が着物を買った金額を超えるようなことが大半です。本当に大切にしたい着物に対する最終手段のようなものでしょうか。


以上、男着物のサイズについてお伝えしました。着付けは女性よりも簡単ですので、リサイクル着物を上手に活用して着物デビューも素敵だと思いますよ。ぜひ「大和男児」になれるよう頑張ってみてください。