❏のし(熨斗)とは?
「のし」は鮑(あわび)を薄く熨したものが起源となっており、「生もの」の象徴でした。
供え物としてのしを添えることで、生ものを添えた贈り物とすることになっていました。
そのため贈り物自体が生もの(魚介類、肉、鰹節、塩干物)の場合はのしは必要ありません。
また、のしの起源である鮑(あわび)は長寿の象徴であり、末永く続くようなお祝いごとに適しています。
そのため、弔事の場合は必ずのしが無く水引だけが印刷された「掛け紙」を使用します。
❏水引とは
「水引」とは、贈答品を贈るときに包む奉書紙を結び止めるための「こより」のようなもののことです。
現在は水引が紙にあらかじめ印刷されたものを用いることが多く、贈り主が自らの手で結ぶことは少なくなってきました。
水引には、包みを止めるという役割だけではなく「結び目によって贈り主のこころを表現する」という役割もあります。
❏一度きりであってほしいお祝い事など
「結び切り」
「結びきり」は一度結んだらほどけることのないことから、「これっきり、一度きり、二度とは繰り返してはいけない」といった意味があります。
何度もあるべきではない贈り物に用いられます。
【使用シーン】
結婚祝い・お見舞い・弔事など。
結婚祝いのみ、紅白5本ずつの水引を2つに合わせ計10本にすることで、両家ならびに男女が1つになることを表します。
お見舞いなどは紅白5本を用います。
❏何度あっても嬉しいお祝い事など
「花結び」
「花結び(蝶結び)」は、片方の水引を引くとほどけ、再度結ぶことができることから、何度繰り返してもよい贈り物に用いられます。
【使用シーン】結婚以外の御祝・内祝・一般贈答など
一般的には紅白の水引を使います。
特別におめでたい場合や贈る金額が大きい場合は金銀の水引を用いることもあります。
❏表書きの選び方
贈り物をするとき、かけ紙(のし紙)に表書きを入れます。
表書きにはさまざまなものがあり、贈る相手や目的に合わせて選びましょう。
「粗品」と表現することがよくありますが、大切な贈り物につける表書きにはふさわしくありません。
感謝の気持ちで贈る時は「御礼」「謝礼」などとするほうが自然です。