お祭りには「神輿・山車」など威勢のよい掛け声を愉しむ祭りはもちろん、「季節の花」や「伝統的な信仰行事」など鑑賞を愉しむ祭りは多くの写真愛好家に注目されています。
『祭り撮影特集』第一弾は、江戸情緒溢れる伝統的な鑑賞を愉しむ祭り『ほおずき市』『朝顔まつり』をご紹介いたします。
台東区の浅草寺で開催されるお祭り。 境内には鮮やかな朱色と緑のコントラストが実に美しい「ほおずき」。はだか電球が吊るされた活気ある露店と売り子たちの威勢の良い掛け声。近頃では老若男女 浴衣で訪れる方も多く思わずファインダー越しに胸が高鳴る光景です。
明和年間が起源とされ、約250年の歴史ある浅草の夏の風物詩。
薬草としても知られる「ほおずき」は実を水で丸のみすれば、病を絶てるといった民間信仰があったと言い伝えられています。また、ほおずき市は「四万六千日」とも呼ばれ、開催日に参拝することで4万6,000日参拝することに相当するご利益があるとも。風情だけでなくご利益のある伝統行事なのです。
境内の一角で開催されていることから被写体との距離感も近く、「広角ズームレンズ」「標準ズームレンズ」がオススメです。
朝から夜遅くまで賑わいは続きますで、カメラを片手に参加してみてはいかがでしょうか。
『ほおずき市』に持っていきたい広角ズームレンズ
『ほおずき市』に持っていきたい標準ズームレンズ
上野からほど近い入谷で開催される下町の夏の風物詩。 入谷鬼子母神や言問通りが会場となり、朝顔の習性にあわせ 朝五時から開催しています。夜露にあたった鮮やかな青や紫の朝顔は実に美しく、思わず見入ってしまうことでしょう。
昔は入谷田圃 一帯の植木屋が多く栽培し、江戸時代から開催されていた伝統的な文化でしたが、一度は幕を閉じ、昭和初期に再び開催されるようになりました。
会場は広いものの、約40万人が参加する一大イベント。会場の雰囲気を撮影するなら「望遠ズームレンズ」や「高倍率ズームレンズ」がおすすめです!
朝5時から夜遅くまで開催されているため、混雑を回避するなら早朝がお勧めですが1日通してお愉しみいただける祭りです。 お気に入りの機材を片手に参加してみてはいかがでしょうか。
『朝顔まつり』に持っていきたい望遠ズームレンズ
『朝顔まつり』に持っていきたい高倍率ズームレンズ
お祭りを写真に収めるうえで、機材選びは人それぞれ。ポイントは祭りを「どう愉しみたいのか?」に尽きると考えています。
・祭りを躍動感溢れる大迫力な一枚に仕上げたい。 ・遠い位置からでも被写体を大きく捉えたい。 ・自らの撮影ポジションを変えずに画角で表現の幅を広げたい。
このような目的や撮影方法であれば単焦点レンズより、ズームレンズがおすすめです。
では、単焦点レンズの持ち味はというと
・ワーキングディスタンスを活かして、被写体との会話であったり身近に起こる光景と対話しながらシャッターを切る。 ・メインの祭りを「愉しみつつ」写真にも残したい。 ・単焦点レンズだから実現できる美しいボケ味。その場の空気感をも表現します。
レンズ交換は 忘れて、肩からは潔く「お気に入りの単玉」を。気になる被写体があれば、自ら歩み寄り表現を愉しんでみてはいかがでしょうか?
もちろんレンズの明るさを活かし、昼も夜も万能にお使いいただけることでしょう。
おすすめの単焦点コンパクト
おすすめの単焦点レンズ
賑やかな雰囲気を楽しみに、または様々な出店を回るなど、お祭りは家族や友人と一緒に行くという方が多いでしょう。日本の伝統衣装である浴衣も、今やお祭りの日のために着るドレスのようなもの。普段とは違う特別な日の姿をぜひ写真に収めましょう。
会場の混み具合にもよりますが、一般的にポートレートレンズと呼ばれている中望遠?望遠レンズでは撮影が難しいシーンが多いかもしれません。また、被写体だけでなく周りの雰囲気も一緒に納めたほうがいい写真になると思いますので、35mmや50mmの明るい単焦点レンズがオススメです。祭り撮影には広角ズームが何かと便利ではありますが、ポートレート撮影では歪みが気になります。思い出を残すためにもプラスでポートレート用に使えるレンズを持っていきましょう。
おすすめの明るい単焦点レンズ
梅雨の長雨、夏の夕立、激しい雷雨。 屋外で行われる祭りは、開催の是非を夏の天気に左右されることもしばしばあります。特に祭り撮影では突然の雨やゲリラ豪雨に注意しなくてはなりません。
実際に祭りを愛するスタッフを襲ったゲリラ豪雨の話を聞いてみました。
私のライフワークである祭りと言えば「よさこい」。 今や日本各地で「○○よさこい」と名のつく祭りが開催され、老若男女を問わず踊りを愉しむ祭りになりました。私は毎年、よさこいの本場高知の祭り撮影に出かけています。
ちょうどこの撮影日も日中の気温35℃以上の過酷な中、昼間の演舞を踊り切りようやく夜風が気持ちよくなった頃・・・に悲劇は起こります。
昼間の酷暑が影響し雷雲が急に発達!最初はポツ、ポツ程度だった雨粒が我々のチームが踊り始めた直後にゲリラ雷雨に変貌!
よさこい祭りは雨天決行で進行されるので咄嗟の天候急変には機材の防塵・防滴機能に頼るしか術がありませんでした。
バケツをひっくり返した・・という例えが良くありますが、バケツの水どころか、地上における撮影で「まずい!息が出来ない!溺れるかも!」という恐怖を感じながらの撮影体験もこの日が生まれて初めての事でした。
今思うと、チームの仲間70名の記録と思い出を残すという使命感以外、なぜあのような状況で撮影が続けられたのか…、そして撮影をやり遂げる事が出来たのは、使用していた機材の防塵・防滴機能に助けられたからだと感じています。
しかし、念のため申し上げたいのは、防塵・防滴機能は完全防水ではありません。その防滴機能を最大限生かすには、ボディ&レンズどちらもが防滴機能を備えている機材での組合せが実現できてのみ、その機能が生かされることになります。
基本、撮影機材は濡らさず、大事に使っていただくべきものですが、予期せぬ突然の事態に対して頼りになる存在である事は間違いありません。
最近は「予想外」「想定外」の降雨がよく起こりますが、更なる備えとしてレインカバーも併用すればなお心強いと思うので、もしもの備えは絶対おススメします。
おすすめの防塵防滴レンズ
おすすめの防塵防滴レンズ
夏の雨には万全の対策を!
|