洗練されたデザインは時を経ても変わらぬ価値があるもの。こちらの『Nikon Z fc』は発表時にそのカメラらしいルックスが話題になりました。筆者は懐かしさが溢れ出てきましたが、世代でない方も「カメラらしくてかっこいい！」と思ったことでしょう。そんな”Good looking”なカメラに最新の技術が詰まっているというのですから、興味をそそられないわけがありません。筆者はどちらかというと機能重視で、多少見栄えが好みでなくても使うタチではあるのですが、このカメラなら手の中でダイヤルを回しても絵になりそうで気分があがります。組み合わせて使用したのはキットレンズの『Nikon NIKKOR Z DX 16-50mm F3.5-6.3 VR』のほか『Nikon NIKKOR Z MC 50mm F2.8』と『Nikon NIKKOR Z DX 50-250mm F4.5-6.3 VR』です。折しも発売日である2021年7月23日は東京オリンピックの開幕日。東京の空にブルーインパルスが舞う様子からご覧ください。

小窓の向こうはキッズの遊び場。大人には狭い螺旋状のすべり台があり、子どもたちは自由に滑ったり登ったり楽しんでいます。丸窓からチラチラと覗く小さな体のパーツが愛らしいです。

光が十文字型に紗幕を伝います。金糸が織り込まれているようで、反射して上品な艶が浮かび上がります。光は光源以外は正確な位置がわかりにくいですが、紗幕に当たることでその存在を確かなものとします。霧の中に光が射したように神々しくも幻想的な風景となります。

カフェで注文したお気に入りのハンバーガー。パティ2枚、チーズ2枚というボリューム満点の逸品ですが、刻まれた玉ねぎとピクルスもたくさん入っているので、味に飽きてしまうことなく完食できるのです。マクロレンズなので具材をクローズアップ撮影することもできましたが、重なりや包み紙を入れる方がおいしそうに見える撮り方です。

ウサギの耳がついた帽子を勧められたので、被ってモニターをくるりと回し自撮りしました。カメラはスマホより自撮りがしにくそうなものですが、fcならばそんな使い方も無理なくできるのです。スマホより高画質な手持ちの自撮りができるのはアドバンテージとなることでしょう。

閉店後のお花屋さん。あえて多くのガラスへの写り込みを入れます。シンプルな写真もいいですが情報の多い写真もまた面白いものです。この写真のポイントは夕刻を感じられること。店内の光だけでは時刻を想像しにくいですから、あえてそういう仕掛けを作っておくのです。

白い月が小さく写っています。月のドアップよりもこのような抜け感のある写真が好きです。またシルエットになりがちな葉の部分にライトが当たって緑色が生きています。空のブルーと葉のグリーンという寒色の組み合わせが、気温がやや下がってきた暑い日の夕方であることを感じさせます。

洋風の公衆電話がありました。電話ボックスに貼られているカラフルなシールや、周囲の木々の緑が反射して電話のボタンを引き立てるよいアクセントになっています。

お気に入りのカメラで身近なお気に入りたちを撮る。そんな使い方をしたいカメラです。どんなファッションにもスッと馴染むルックスは、小型・軽量であることも相まって日常に馴染むでしょう。それでいてレンズを交換できる高画質で本格的なカメラですから、撮る喜びやクリエイティブな刺激も得ることができます。ぜひ『Nikon Z fc』がある暮らしを想像してみてください。