〜Nikon D810 試写レポート〜

大進化を遂げた自信作『Nikon D810』
※画像はオリジナルから縮小しています。
Nikon D810 焦点距離:24mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S 14-24mm F2.8G ED

Nikon D810

「Nikon D4」から「Nikon D4S」への進化から遅れること4ヶ月、もう一つのフラッグシップ機が待望のモデルチェンジを果たしました。
ニコンデジタル一眼レフ史上最高画質を手に入れたと謳う『Nikon D810』、否応無しにその期待は高まります。早速撮影に出掛けてきました。

カメラの進化はファインダーを覗いた瞬間から感じる事ができました。 ファインダー内に表示される設定情報が「Nikon D7100」と同様の有機EL表示に変更された事によって、大きなフルサイズのファインダーがより明るくクリアーに見えるのです。
より見やすい表示になったおかげで、明るい屋外でもしっかり設定情報が確認できます。透明感の高いファインダーのキレがさらに増した感があり、最近忘れていたファインダーを覗く気持ち良さを思い出させてくれました。


Nikon D810 焦点距離:70mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:3200 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S 24-70mm F2.8G ED


最高画質と謳うだけあって、素晴らしい鮮鋭感と精細感です。
水、石、竹、被写体全ての質感を忠実に表現しています。静けさの中に滴がゆっくりと落ちる音まで聞こえてきそうな状況描写に、画質の凄さを再認識させられます。


Nikon D810 焦点距離:17mm / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:64 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S14-24mm F2.8G ED


高感度ばかりに気をとられていた最近のデジタルカメラですが、「Nikon D810」はベース感度をISO 64からISO12800と、低感度側も進化させてきました。
フォトダイオードが光の情報をより多く蓄積することでISO 64実現したとの事。
正直、ノイズ処理技術の向上で肉眼ではその違いを見いだす事はできませんが、動画撮影等でNDフィルターを使われていた方にとっては嬉しい進化だと言えます。


Nikon D810 焦点距離:40mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S 24-70mm F2.8G ED



Nikon D810 焦点距離:70mm / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/30秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S 24-70mm F2.8G ED


今回の撮影で一番衝撃を受けたのはシャッター時の感触です。ミラーの駆動機構の見直しで、驚くほどミラーショックが軽減されました。
高画素機では僅かなブレも拾ってしまう為、シャッター速度を意識する事が多かったのですが、機構ブレが軽減されたおかげでそのハードルが下がり、より気軽な撮影が可能になりました。
さらにライブビュー時は電子先幕シャッターに切り替えるこで、ブレの発生を無くすことができます。
「D800シリーズ」の難敵であったブレにしっかり対応してくる辺りに、シリーズの正統進化を感じることができました。


Nikon D810 焦点距離:14mm / 絞り:F6.3 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:1600 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S 14-24mm F2.8G ED


古木の持つ独特の質感をしっかり捉えています。
PCで拡大する度に見えてくる細かい描写は、驚きの連続です。


Nikon D810 焦点距離:18mm / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S 14-24mm F2.8G ED



Nikon D810 焦点距離:14mm / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:800 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S 14-24mm F2.8G ED


普段寄ることの出来ない細かな装飾部分もご覧のとおり。光の織りなすグラーデーションも美しく、階調表現の高さも伝わります。


Nikon D810 焦点距離:31mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S 24-70mm F2.8G ED


ローパスフィルターレス仕様の新型センサーの鮮鋭感は凄いの一言。
3635万画素と有効画素数の増加は僅かでしたが、「D4S」と同じく"EXPPED4"に進化した画像処理エンジンが、センサーの能力を存分に引き出してくれています。
フレアが発生する強い反射光下での撮影でも、ビルの細かなディテールをしっかり捉えています。
モアレ感も無く「D800」と「D800E」の良いとろを合わせ、更に強化した素晴らしい進化と言えるでしょう。


Nikon D810 焦点距離:28mm / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S 24-70mm F2.8G ED


新たに加わったピクチャーコントロール「フラット」も試してみました。
隙間から逆光が落ちる難しいシーン、今までの感覚で想像すると黒く潰れてしまうイメージですが、彫刻の細部までしっかり確認する事ができます。
白飛びも黒潰れも抑えらたバランスの良いまさにフラットな画は、より質感を伝えてくれるので、加工用素材や商品撮影など商業写真にも重宝しそうです。


Nikon D810 焦点距離:70mm / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S 24-70mm F2.8G ED



Nikon D810 焦点距離:70mm / 絞り:F13 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D810 +AF-S 24-70mm F2.8G ED


「Nikon D4」から「Nikon D4S」に進化した際に、見直されたAF性能も「Nikon D810」に搭載されています。
狙った所にスムーズに合焦するのはもちろん、風に揺れる被写体の動きにもしっかり追従しました。


Nikon D810

数多くの機能進化を果たした「Nikon D810」。他にも「i」ボタンの搭載や液晶モニターの高精細化など、使いやすさも向上しています。
一見、変化の無い様に見える外観デザインも、グリップの形状など細かな部分が改良。実際に手にすると、見比べていただけでは気づかなかった事が、より手に馴染むボディからしっかり伝わってきます。

そしてフェイスも。「D810」のロゴが正面を向き格好良くなりました。
「どうだ!D810ここにあり!!」
今まで控えめだったロゴがしっかり主張するようになり、カメラからそんな声が聞こえてきそうです。
ニコンが史上最高と謳うだけの自信作。その自信がしっかり伝わる素晴らしいカメラです。



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