〜PENTAX 645Z 試写レポート〜

孤高の頂『PENTAX 645Z』
※画像はオリジナルから縮小しています。
PENTAX 645Z 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX D FA645 55mm F2.8AL[IF]SDM AW

dp2 quattro

ペンタックスから待望の645Dの後継機種『645Z』が発売になりました。
35mm判フルサイズセンサーに比べ約1.7倍の面積を持つ最新のCMOSセンサーを搭載してた本機。その画素数は5140万画素というとてつもない数字で、近年高画素化の進むデジタルカメラの中でも他を大きく引き離すスペックとなっています。
そして前モデルに比べ人物撮影を意識した大幅なレスポンスアップと、上限感度がISO1600からISO204800という超高感度になった事にも大きな注目点です。 風景撮影だけでなく様々な撮影シーンに対応できるカメラとして開発された今回の645Z。いかなる進化を遂げたのか試したいと思います。

PENTAX 645Z 絞り:F8 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX D FA645 55mm F2.8AL[IF]SDM AW

どのくらいまで写るものかと思い、頭上の木の葉を撮影してみました。拡大してみると白トビする事無く、葉の一枚一枚がくっきりと解像しているのがわかります。思わず「すごい」と口ずさんでしまった写真です。


PENTAX 645Z 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:160 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX HD D FA645 Macro 90mm F2.8 ED AW SR



PENTAX 645Z 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:200 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX HD D FA645 Macro 90mm F2.8 ED AW SR



PENTAX 645Z 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/640秒 / ISO:400 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX HD D FA645 Macro 90mm F2.8 ED AW SR



PENTAX 645Z 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:320 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX HD D FA645 Macro 90mm F2.8 ED AW SR



PENTAX 645Z 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/60秒 / ISO:400 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX HD D FA645 Macro 90mm F2.8 ED AW SR

撮影時かなり日差しが強かったのですが、ハイライト部とシャドウ部が潰れる事無く描写されています。 そして緻密に描写された細かいディティールは見事としか言いようがありません。


PENTAX 645Z 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/80秒 / ISO:1600 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX D FA645 55mm F2.8AL[IF]SDM AW


データを見ていただけるとわかりますが、ISO1600で撮影した写真です。前モデルでは最高常用感度だった数字でしたが、645Zではノイズを感じる事無くまだまだ余裕を感じられます。今でこそ高感度撮影が強いカメラが多く出ていますが、中判デジタルでこの写りは驚異的な低ノイズです。


PENTAX 645Z


中判デジタル機は扱いが難しいのではという先入観があったのですが、この645Zを実際に使ってみてそのイメージが覆されました。
自分自身で驚いた事なのですが、初めてこのカメラ手にして全く迷う事なく操作と設定を変更し撮影が出来たこと。それは筆者が以前PENTAX機を愛用していたというのもあるかもしれませんが、使い方が今のデジタル一眼レフとほとんど一緒なのです。
重さ・大きさはもちろん大きいですが、感覚的にはフルサイズ機に24-70mm/F2.8のレンズを付けたカメラと大きく変わらない取り回しの良さ。
グリップ部はしっかりとホールドでき、手持ち撮影でも安心して使用できます。
5140万画素という超高画素機ですが、全くストレスを感じさせないレスポンスの良さ、それでいて解像力・色調・ボケ味が非常にリッチで中判カメラらしい写真が撮影できます。

PENTAX 645Z 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:400 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX D FA645 55mm F2.8AL[IF]SDM AW



PENTAX 645Z 絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:800 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX D FA645 55mm F2.8AL[IF]SDM AW



PENTAX 645Z 絞り:F8 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:160 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX HD D FA645 Macro 90mm F2.8 ED AW SR

写真に含まれる色情報が豊富なのでモノクロ現像も意のままに。黒の中にある繊細なトーンはモノクロ写真でも実に立体的な写真にしてくれます。


PENTAX 645Z 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:400 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX HD D FA645 Macro 90mm F2.8 ED AW SR

中判デジタルで紫陽花をマクロ撮影。色の深さを感じます。

PENTAX 645Z 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:200 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX D FA645 55mm F2.8AL[IF]SDM AW



PENTAX 645Z 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/125秒 / ISO:640 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX D FA645 55mm F2.8AL[IF]SDM AW

F2.8での絞り開放撮影。浅い被写界深度のボケの美しさとピント面の緻密な解像力に驚かされます。


PENTAX 645Z 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/60秒 / ISO:1600 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX HD D FA645 Macro 90mm F2.8 ED AW SR



PENTAX 645Z 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:800 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX D FA645 55mm F2.8AL[IF]SDM AW



PENTAX 645Z 絞り:F4 / シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:400 / 使用機材:PENTAX 645Z + PENTAX HD D FA645 Macro 90mm F2.8 ED AW SR




dp2 quattro

撮影を終えじっくりと写真を確認すると、その圧倒的な描写力にため息が出るほどでした。
やはりセンサーサイズが大きいというのは、ただ解像力が高いということではなく内在する色調やグレーのトーンなどの写真を作る情報が非常に豊かで、今まで使用してきたカメラとは質感が違うように感じます。
本機は前モデルに比べあらゆる点で進化を感じるカメラになっていました。
今までは三脚を使った風景写真用カメラのような存在だったのですが、高感度性能は格段に良くなり連射撮影も可能です。 フィールドカメラという自らのポジションをさらに広げ、スタジオ撮影から大自然の中での撮影までカバーできる中判デジタル機です。 ペンタックスの示す最高画質の提案『645Z』。中判カメラと写真作りへの熱意と革新を感じさせてくれる一台です。


Photo by Y.Horie


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