〜SONY α7S 試写レポート〜

高感度耐性が織りなす美しさ『SONY α7S』
※画像はオリジナルから縮小しています。
SONY α7S 焦点距離:70mm / 絞り:F11 / シャッタースピード:1/50秒 / ISO:12800 / 使用機材:SONY α7S +Vario-Tessar FE24-70mm F4 ZA OSS

SONY α7S

誰も作らなかったカメラ、フルサイズミラーレス一眼「SONY α7R / α7」がデビューしたのが2013年11月。それから僅か7ヶ月で新製品の発売とは、SONYの開発力と早さにつくづく驚かされます。
今回デビューした『α7S』は、先行モデルの「α7R/α7」の使いやすいベースをそのままに、高感度性能がさらに強化されたモデルです。

イメージセンサーの画像ピッチを拡散させ、1画素あたりの集光率を大幅に拡大したという新型CMOSセンサーを搭載したとの事。
スカイツリーの光が織りなすグラデーションがとても綺麗に表現されています。
ISO12800とは思えない綺麗な描写に、高感度耐性が格段に向上しているのが瞬時に分かりました。


SONY α7S 焦点距離:52mm / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7S +Vario-Tessar FE24-70mm F4 ZA OSS


高感度に強くなった分、画素数が1220万画素に抑えられています。最新機種の大半が2000万画素越えをしてくる昨今、画質の見劣りを心配しましたが十分綺麗です。
質感描写もしっかりしており、必要以上に画像を拡大しなければ他のモデルと遜色ありません。
そしてなによりレンズの特性を上手に受け止めており、レンズのボケがさらに柔らかく美しくなった様に感じます。


SONY α7S 焦点距離:24mm / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7S +Vario-Tessar FE24-70mm F4 ZA OSS


少し引いた撮影でも、細かい凹凸までしっかり捉えています。
さすがにトリミングに耐えるかという面では疑問符が付きますが、画面全体で勝負するのであれば、画像データ容量も考えてバランスの良い画素数と思えます。
画面全体での構図をしっかり考えて撮れば、写真技術も向上しそう。そんな気分にさせてくれるカメラです。


SONY α7S 焦点距離:26mm / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:51200 / 使用機材:SONY α7S +Vario-Tessar FE24-70mm F4 ZA OSS


ISO51200での撮影では若干のザラツキが見えてきましたが、嫌な色被りもなく、フィルムカメラに似た程よい粒子感と言えるでしょう。
「α7R / α7」の常用感度〜ISO25600を軽々とクリアしたあたりに本機のコンセプトが明確に見えてきます。


SONY α7S 焦点距離:27mm / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/160秒 / ISO:6400 / 使用機材:SONY α7S +Vario-Tessar FE24-70mm F4 ZA OSS



SONY α7S 焦点距離:70mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:16000 / 使用機材:SONY α7S +Vario-Tessar FE24-70mm F4 ZA OSS


何気なく撮った1枚を後で確認してビックリ。本当にISO 16000かと何度も見直しました。
あまりにクリアーな画質に、今まで培ってきた感度の概念がすべて覆されました。


SONY α7S 焦点距離:24mm / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/60秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7S +Vario-Tessar FE24-70mm F4 ZA OSS



SONY α7S 焦点距離:70mm / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/60秒 / ISO:100 / 使用機材:SONY α7S +Vario-Tessar FE24-70mm F4 ZA OSS


柔らかい木漏れ日も上手に拾ってくれる優しい描写は、昼夜に問わず活躍してくれます。


SONY α7S


画素数を減らした事により画質の低下を心配しましたが、光をより上手に扱う事で見事にカバー。むしろ優しい描写を好まれる方には待望の1台かもしれません。
今までは画素数が多いと上位機というイメージでしたが、「α7」3兄弟には全く当てはまりません。
画素数の進化だけが画質を向上させるのではない。改めてデジタルカメラの奥深さを感じました。

Photo by N.K


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