〜SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM 試写レポート〜

被写体の魅力を引き出してくれる1本『SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM』
※画像はオリジナルから縮小しています。
SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F1.8/ シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM

SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM

次々にハイクオリティなレンズやカメラを生み出しているシグマから、またまた新レンズの登場です。その名も『SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM』。
私は前々からシグマのレンズが大好きで、中でもArtラインレンズシリーズの大ファンです。ボケの美しさもさることながら、がっちりピントが合った時のあのカミソリのようにシャープな描写は一度味わったら忘れられません。…そんなArtラインレンズシリーズから、今度は135mmが発売されると言うではありませんか!これには期待をするなと言うのが無理な話と言うもの。
はやる気持ちを抑えつつ早速箱からレンズを取り出してみると、85mmがなかなかのヘビー級だったので135mmはもっと大きくなるのかと思いきや、あまり変わらないサイズ感に驚きました。重量に至ってはむしろ10g軽いくらいです。85mmと比べてF値が少し暗いとはいえ、85mmと135mmでほぼ同じサイズ感…しかも同じクオリティのレンズともなると、かなりの開発苦労があったのではないでしょうか。
本レンズは2017年4月7日発売。丁度たくさんの花が芽吹く時期に発売するということで、今回は花の写真を多数交えてご紹介いたします。

冒頭の写真は、陽光という種類の桜。河津桜のように濃いピンク色をした花びらが特徴的な桜です。
開放から鮮明に被写体を捉えてくれるだけでなく、花びらのしっとりとした質感まで写しだしてくれているのは、描写力に特化したArtレンズだからこそ為せる業。
レンズ側面に備え付けられているフォーカスリミッターを活用することで、遠景・近景共にスムーズな撮影を楽しむことが可能です。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


群生している花を少し離れたところから狙いましたが、手前〜奥にかけてのなだらかなボケの層が美しいですね。ああ、やっぱりArtレンズは良いな…。としみじみ感じた1枚です。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F1.8/ シャッタースピード:1/6400秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


本日撮影に出向いたのは、狭山湖周辺。正式名称は山口貯水池で、ダム湖百選にも選ばれている有名な湖です。2万本もの桜があるため桜の名所としても有名なのですが、私が行った時にはまだソメイヨシノは開花しておらず、代わりにカンザクラや冒頭にご紹介した陽光等、色の濃い桜が気持ちよさそうに日の光を浴びていました。

こちらは風にそよぐ水面を撮影した1枚。おだやかな水の流れと遠くから聞こえるウグイスの囀りに癒されつつ、撮影を続けます。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F2.5/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


まだまだ冷たい風が吹く日もありますが、降りそそぐ日差しはすっかり春そのもの。
きらきらと綺麗な正円を描いてくれている玉ボケが美しいです。…Artレンズで撮影をするたびに思いますが、Artレンズのボケが本当に好きで好きでたまりません。
5,000万画素以上の超高画素デジタル一眼カメラにも対応する高い解像力を備えていながら価格がここまで抑えられているというのもポイントです。シグマレンズのコストパフォーマンスの高さには毎回驚かされるものがあります。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F4.5/ シャッタースピード:1/160秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


エメラルドグリーン色をした美しい湖畔に写る草木を収めましたが、中央から周辺まで余すことなく解像しています。シグマのレンズが生み出す落ち着いた色合いと湖の静穏な雰囲気が上手くマッチしてくれました。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F2.2/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


冒頭でもご紹介した陽光を、今度は少し遠くの方から。遠くから撮影しても手前と奥の枝の遠近感がしっかりと表現されているのは中望遠レンズだからこそ。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F4.5/ シャッタースピード:1/160秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


被写体から少し離れる必要はあるものの、スナップ撮影もこなしてくれます。今日は自然の中での撮影がメインでしたが、例えば人ごみの中でワンポイントだけ風景を切り取りたい時にはうってつけの焦点距離なのではないでしょうか。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F2.5/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


圧縮効果を利用することで、普段見ている景色を印象的に切り取ることが出来るのも中望遠レンズのメリットのうちの1つ。
撮る角度や撮影するポジションによって出てくる画ががらりと変わるのはどのレンズにも言えることですが、中望遠や望遠レンズの場合はそれがより顕著に見られますね。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/400秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


ディストーションチャートを見てみると少しだけ糸巻き型を描いていますが、実際は撮影の際にディストーションが気になることは一度もありませんでした。それどころか、ピシッと気持ちいいくらいに真っ直ぐ写ってくれます。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F1.8/ シャッタースピード:1/8000秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


桜の陰に隠れてしまいがちですが、春と言えば菜の花の存在も忘れてはなりません。ぶわっと広がる菜の花畑の中の一輪にピントを合わせたカットがこちら。背景の花の輪郭さえも飲み込んでしまうボケ味。まさに「究極の135mm」といって間違いないでしょう。その看板に偽りなしです。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


狭山湖から程ないところに、大きな遊園地があります。この遊園地の中でも頭一つ飛び出ているのがこちらの「ジャイロタワー」と呼ばれるアトラクション。小さいころによく乗ったなあ、なんて昔の思い出に浸りつつ真下からシャッターを切りましたが、開放での描写はもちろんのこと、少し絞り込んだ際のシャープネスさには思わず感動してしまいます。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/1250秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


ゆっくりと回転を繰り返す大きな観覧車。クリアでヌケの良いシグマレンズの描写も相まって、色とりどりのゴンドラがバックの青空によく映えます。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F2.2/ シャッタースピード:1/200秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


現状、発売されるのはキヤノン、ニコン、シグマ用の3本のみとなっていますが、『マウントコンバーターMC-11』を介することでソニーEマウントユーザーの方も本レンズでの撮影を楽しむことが可能です。
少し前まではあまり名前を聞かなかったマウントアダプターも、ミラーレスカメラの普及により今や当たり前の存在になってきました。 シグマは有償でマウント交換サービスを行っているのも特徴的ですが、マウントの垣根を越えてレンズを使用できるというのはレンズの買い替えの必要が無くなるので嬉しいですね。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM 絞り:F1.8/ シャッタースピード:1/500秒 / ISO:100/ 使用機材:Canon EOS 5D Mark IV ボディ + SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM


帰りがけにホームで撮影をした1枚。フォーカスの速度はなかなかのもので、開放でも狙ったところにバシッとピントを合わせてくれます。冒頭でもご紹介したフォーカスリミッターをうまく使えばその精度は更に上がるので、1日を通してストレスなく快適な撮影を楽しむことが出来ました。


SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM
SIGMA (シグマ) A 135mm F1.8 DG HSM


『SIGMA A 135mm F1.8 DG HSM』いかがでしたでしょうか。
まるで「このレンズに撮れないものはない!」と主張するかのような、見ていると吸い込まれてしまいそうなくらいに大きな前玉が印象的。シグマのレンズはその描写力もさることながら、洗練されたレンズデザインが所有欲をも満たしてくれます。
本レンズの登場により、Artラインの単焦点レンズも広角から中望遠域まで一通り揃いました。冒頭でレンズのF値について少し触れましたが、シグマのメーカーサイトを見てみるとF1.4での設計も一応するにはしていたそうなのですが、どうやらありえないほど大きくなるということでF1.8に落ち着いたのだそうです。明るければ明るいほど表現の幅が広がるので嬉しいですが、あまり大きすぎると持ち出す機会も減ってしまいますから、F1.8で落ち着いて正解だったのではと思います。

撮影をしていて思ったのが、このレンズで撮影をしたものは例えそれが何気なくレンズを向けた1枚であったとしても、全てが作品になってしまうということ。それだけ導き出してくれる画が素晴らしいので、撮影をしていて楽しくて仕方ありませんでした。撮影に集中していて気付きませんでしたが、撮影が終わってみるといつもの何倍ものシャッターを切っていたことに自分自身驚いたほどです。

これからの季節だと桜はまだ八重桜が残っていますし、散り際のソメイヨシノを撮るのも乙なもの。簡易防塵・防滴性能を備えているため、夏のレジャーに持って行っても活躍してくれることでしょう。
「究極の中望遠レンズ」その写りの素晴らしさを、ぜひその目でお確かめください。

Photo by MAP CAMERA Staff
お買い物はこちら