〜SONY RX100M5 試写レポート〜

次の進化が想像できないハイスペックコンパクト『SONY RX100M5』
※画像はオリジナルから縮小しています。
SONY RX100M5 焦点距離:10.60mm(35mm換算:29mm) / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:125 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5

SONY RX100M5

パナソニックやニコンも新製品の発売が控える1インチセンサー搭載の高級コンパクトカメラにおいて、不動の地位を確立している「SONY RX100」シリーズに待望の新製品が登場しました。
初代「RX100」が発売されてから約4年。デジタルカメラの驚異的な進化を象徴するかのような短いスパンでの後継機の投入により、今回紹介する『RX100M5』は早くも5世代目。歴代のモデルはそれぞれ完成度が高く、未だ現行モデルとして活躍中です。はたして5世代目はどのように進化したのか?さっそく撮影に出掛けてきました。

新開発のセンサーと画像処理エンジンをサポートするフロントエンドLSIの採用で、1インチセンサー搭載のコンパクトカメラとしては世界最速の高速AFと高速連写を実現したとのこと。 いつものとおりにカメラを構えシャッターボタンを半押するとAFが瞬時に合焦、想像以上の早さに驚きました。世界最速のキャッチフレーズは伊達ではありません。


SONY RX100M5 焦点距離:15.31mm(35mm換算:42mm) / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/250秒 / ISO:125 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5


意地悪でピントの合わせにくい煙る常香炉を逆光で狙ってみましたが、迷うことなく合焦しました。広範囲に配置された315点像面位相差AFセンサーの威力をまざまざと見せつけられた印象です。
315点と聞くとポイントが多すぎて操作しにくい印象ですが、用途によってスポットの大きさを選択できるので、普段は選択ポイントを移動しやすいLサイズ、よりピンポイントを狙いたいときはSサイズでと言った使いわけが便利です。


SONY RX100M5 焦点距離:18.51mm(35mm換算:50mm) / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:125 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5


「RX100M3」で焦点距離が広角寄りに見直され、以後継承されている24-70mm相当のカールツァイスブランドのバリオゾナーT*レンズは抜群の安定感です。クリアでコントラストの高い描写は、本当にコンパクトカメラかと疑いたくなります。


SONY RX100M5 焦点距離:10.70mm(35mm換算:29mm) / 絞り:F4 / シャッタースピード:1/100秒 / ISO:125 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5


透明感の高い描写は、澄みわたった秋空も綺麗に再現してくれます。スカイツリーなど構造物の細部もしっかり捉えており、カメラの高い解像力を確認することができます。コンパクトなボディに収まる小さなレンズですが、周辺光量減も見られず隅々まで綺麗な描写を披露してくれます。


SONY RX100M5 焦点距離:13.34mm(35mm換算:36mm) / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:800 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5


次の撮影に移動中、駅で見慣れない色の電車に遭遇しました。カメラはカバンの中にしまっていたものの、すぐに取り出せるサイズ感と高い機動力のおかげでわずかな停車時間でも逃さず撮ることができました。 強い日差しとホーム屋根の影でコントラスト差が大きくなりましたが電車の派手なカラーもそのままに捉えます。


SONY RX100M5 焦点距離:8.80mm(35mm換算:24mm) / 絞り:F1.8 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:200 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5


約5cmまで寄れるマクロ機能と広角端F1.8の大きなボケ味で、柔らかさと高い質感描写の両方を堪能できます。


SONY RX100M5 焦点距離:13.34mm(35mm換算:36mm) / 絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/500秒 / ISO:250 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5


土手のコスモスの花畑の上を列車が走り抜けます。鉄橋の柱の隙間を狙うため、強化された連写モードを試してみました。
カタログスペックでは、秒間最高約24コマで150枚の連続撮影が可能とありますが、今回は普段使い慣れている一眼レフに合わせて約10コマ/秒のモードを選択します。画像はRaw+JPEG(FINE)、メモリーはClass10のSDHCカードの旧モデルです。 左右からの列車の接近に合わせて連写開始、階調に連写が進み約70枚位のところで速度が低下しました。RAW+JPEGですから画像を×2と想定すれば150枚の連続撮影が裏付けられたことになります。約7秒もの間、シャッターを切り続けたスペックに改めて驚きます。


SONY RX100M5 焦点距離:9.33mm(35mm換算:25mm) / 絞り:F2 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:200 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5


細いロープ柵の上にトンボを発見。小さな被写体への接写はピント合わせが難しいですが、ここでも先ほどの細かなAF設定が重宝しました。またフリーアングル液晶のおかげで、位置に関係なくカメラを向けられるのも便利です。


SONY RX100M5 焦点距離:8.80mm(35mm換算:24mm) / 絞り:F1.8 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:200 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5


薄いコスモスの花びらの質感を強調するように太陽を透かしてみました。グラデーションが綺麗に再現されています。 強烈な逆光状態では露出補正の反映を確認しながら撮影できるポップアップのファインダーが大活躍しました。


SONY RX100M5 焦点距離:8.80mm(35mm換算:24mm) / 絞り:F3.5 / シャッタースピード:1/200秒 / ISO:6400 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5



SONY RX100M5 焦点距離:15.94mm(35mm換算:43mm) / 絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/320秒 / ISO:12800 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5


1インチセンサーで気になるのが高感度撮影時のノイズ耐性ですが、集光効率を高める裏面照射型センサーのおかげで、高感度時のザラつきもよく軽減されています。便利な内蔵ストロボ付きですが、ストロボを使用しなくても室内や夜間撮影でも活躍してくれることでしょう。


SONY RX100M5 焦点距離:25.70mm(35mm換算:70mm) / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/50秒 / ISO:200 / 使用機材:SONY Cyber-shot DSC-RX100M5


望遠端でも綺麗な描写です。夕日のグラーデーションも綺麗に再現してくれました。
たまたま立ち寄った屋上でスカイツリーの後ろに太陽が沈んでいく、ダイヤモンド富士ならぬダイヤモンドスカイツリーが拝めました。予想もしていなかったイベントにカメラは常に携帯しておきたいアイテムだと改めて感じました。そしてコンパクトで高画質の本機はまさにピッタリの1台です。


SONY RX100M5

これだけの進化を果たしながら外観は歴代モデルと変化なし。重さもRX100M4と比べ僅か1g増の約299gとコンパクトに収まっています。速いAFと連写機能はコンパクトカメラと呼ぶのを躊躇うほどで、次の進化が想像できないハイスペックぶりを披露してくれました。
最近重い機材が苦になりつつある筆者ですが、便利な機能が捨てきれず未だ軽量化が図れていないところへの本機の登場に心を大きく揺さぶられました。コンパクトカメラと侮ってはいけません。一眼カメラを凌駕するスペックを秘めた驚異のコンデジをぜひ体感してみてください。

Photo by MAP CAMERA Staff
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