〜FUJIFILM フジノン XF35mm F2 R WR 試写レポート〜

もう1つのXF35mm『FUJIFILM XF35 F2 R WR』
※画像はオリジナルから縮小しています。
FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/750秒 / ISO:400/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR

FUJIFILM XF35mm F2 R WR
高性能な単焦点レンズが数多くラインナップされているXシリーズより新たな単焦点レンズが登場しました。今回は『FUJIFILM (フジフイルム) フジノン XF35mm F2 R WR』のご紹介です。今まで発売されていたレンズは焦点距離の隙間を埋めるようなラインナップの仕方でしたが、今回は『XF35mm F1.4 R』がありながら同じ35mmの新レンズということで、その立ち位置や描写が非常に気になるところです。一般的に言えばレンズが明るいほど高性能で高級というイメージがあり、それより暗くなると廉価版というイメージがありますが、なにやらこのXF35mm F2 R WRは少し違うようです。では早速作例を見てみましょう。


FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/1700秒 / ISO:200/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR


工事現場にそびえる多くのクレーン。大きな重機を見ていると子供のようにワクワクしてしまいます。
今回は小型のレンズという事でボディも小型のX-T10を選びました。撮影時の絞りはF5.6。コントラスト・抜けのよさ・発色などいい描写を見せてくれます。


FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/1700秒 / ISO:400/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR


光のの反射が美しい高層ビル。筆者はXF35mm F1.4 Rを所有しているのですが、なんとなく線の出し方が違う印象です。このF35mm F2 R WRの方が太い感じを受けますね。感覚的に言うとF1.4 Rが鉛筆でいうHBで、F2 RがBくらいの違いと言ったらいいでしょうか。輪郭線が力強く描写されています。


FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F2/ シャッタースピード:1/2900秒 / ISO:200/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR





FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/3500秒 / ISO:200/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR


床と水面の写り込みを意識して撮影した2枚。コントラストが高いので明瞭感のある被写体をよりくっきりと見せる事が得意なレンズと言えます。ハイライトが当たる部分も滲むことなく、絞り開放から安定した描写を発揮してくれました。


FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F4/ シャッタースピード:1/1500秒 / ISO:200/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR


レンズとイメージセンサーの話になってしまうかもしれませんが、白い被写体を撮らせたらフジフイルムの右に出るものは居ないのでは?と思うほど素晴らしい表現力です。白い船体の微妙な色の濃淡を見事に写し出しています。


FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F5.6/ シャッタースピード:1/400秒 / ISO:200/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR


FUJIFILM XF35mm F2 R WR

XF35mm F2 R WRを使用してみて感じたのは『コンパクトと堅実性』という事。冒頭でも述べた通り決してXF35mm F1.4 Rの廉価版レンズという事ではなく、小型化と描写のバランスを取った明るさF2のレンズです。レンズ自体の作りもかなり凝っていて、鏡筒全面に金属を使用した確かな作り込み。マニュアル操作を意識したピントリングと絞り環のしっとりと重いトルク感もAFレンズとは思えない完成度の高さです。そしてAFスピードはインナーフォーカス採用により最速0.08秒という超高速を実現。さらに防塵・防滴・-10℃の耐低温構造というXF35mm F1.4 Rにはなかった機能も盛り込まれています。レンズの明るさというのはカメラ好きにとって魅力的な数値ではありますが、このXF35mm F2 R WRは明るさ以上の魅力が詰まった1本です。


FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/2000秒 / ISO:400/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR





FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/250秒 / ISO:200/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR


「線が少し太い」と表現しておいてなんですが、フォーカスを合わせたハーブに生えた細かな毛の一本一本を写し出しています。後ボケも美しいですね。フジノンレンズらしい繊細さを感じられる描写です。 余談ですがこのハーブは『ボリジ』という花を食べる品種のようです。つい最近妻が種を買ってきて私も覚えました。


FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F2/ シャッタースピード:1/75秒 / ISO:400/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR


最短撮影距離は35cmから。絞り開放で撮影すればシャープなフォーカス部を出しつつ濃密なボケ味も楽しむことができるレンズです。


FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F4.5/ シャッタースピード:1/1900秒 / ISO:400/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR





FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F4.5/ シャッタースピード:1/1900秒 / ISO:400/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR


夕日に照らされる旅客船の船内。ただ濃い色ではなく、深く味のある色合いと階調表現はさすがFUJIFILMといったところでしょう。長い歴史と当時この船に込められた想いなども写し出しているように思えます。


FUJIFILM XF35mm F2 R WR 絞り:F2.8/ シャッタースピード:1/250秒 / ISO:800/ 使用機材:FUJIFILM(フジフイルム) X-T10 + XF35mm F2 R WR





FUJIFILM XF35mm F2 R WR


『FUJIFILM (フジフイルム) フジノン XF35mm F2 R WR』の試写を終えた感想は ”最高にちょうどいいレンズ”ということ。私も含めXシリーズのユーザーはFUJIFILM機が出す独特な色合いと描写力の高いレンズに魅せられている方だと思いますが、最近のレンズラインナップ「写りは最高だけど、ちょっと大きくない?」と心のどこかで思っていました。かといってレンズの描写にはこだわりたいというジレンマがあるんですよね。しかしXF35mm F2 R WRは他のXレンズと比べても見劣りしない描写力ながらポケットに入りそうなコンパクトサイズ。今回のX-T10との組み合わせはまるでX30を持っているようなサイズ感なのに写りは上位機種に引けを取らない素晴らしいものでした。スナップ撮影で50mmレンズをメインとしている方にはこの組み合わせは最高だと思いますよ。操作も良く軽快で画質も◎なレンズです。また、ボディがX-Pro1を使用しているなら光学ファインダーがレンズでケラれない大きさになっています。別売のレンズフード LH-XF35-2を組み合わせると写りだけじゃなくルックスもレンジファインダー機の格好良さが一段上がりますので是非お試しください。


Photo by MAP CAMERA Staff
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