基本のKEY カンパーニュ ~大型パン生地の成形に向けて~

フランス語で「田舎パン」と呼ばれるカンパーニュは、バゲットなどと同じくシンプルな配合で素朴な風味が特徴の大型パンです。
形はシンプルな円形が基本となり、王冠形や馬蹄形、棒状など色々あります。
中級編第1回目では、基本の円形で大きな生地玉の成形を練習しましょう。成形に慣れてくると、今後の食パンなどの大型パン成形などに役立ちます。

シェフのワンポイントアドバイス

成形の際に手粉を使いすぎると、パン生地が滑り上手く丸めることが難しくなったり、色付きの悪い焼き上がりになってしまうので注意しましょう。

材料 (1個分)

材料名 配合率 分量
準強力粉(リスドオル)

90% 450g

ライ麦全粒粉(アーレファイン)

10% 50g

2% 10g

セミドライイースト 赤

0.6% 3g

ユーロモルト

0.4% 2g

水(ぬるま湯)

66% 330g

 

   

【道具】

   

発酵ねかしかご

   

作り方

1.下準備

・ぬるま湯(約30℃)を2つに分け、ユーロモルトとセミドライイーストをそれぞれしっかり溶かしておきます。
・準強力粉、ライ麦全粒粉、塩を混ぜ合わせておきます。
・打ち粉の準備をしておきます。

※打ち粉の配合は、目の粗いお粉と準強力粉を1:1でブレンドすることをおすすめします。
例)ライ麦:準強力粉、もしくは全粒粉:準強力粉


2.ミキシング

ボウルにユーロモルト溶液、混ぜ合わせておいた粉類、イースト溶液の順番に入れ、粉っぽくなくなる程度に混ぜ合わせます。

 ■推奨捏ね上げ温度:22~23℃

3.フロアタイム

軽く丸めた生地を約20分休ませ、パンチを行いガス抜きをします。
再び生地を約20分休ませてから、油脂を塗ったボウルに丸めず平たい状態で入れ5℃の冷蔵庫で12~18時間発酵させます。

シェフのワンポイントアドバイス

丸めずに平たくするのは、オーバーナイトの際に平均的に冷めるようにするためと、翌朝均一に復温しやすくするためです。 また、生地が乾燥しないようにボウルごとビニール袋に入れてください。



4.復温

冷蔵庫から取り出し、生地の中心温度が約20℃になるまでしっかりと復温します。

シェフのワンポイントアドバイス

重量と高さがある焼き上がりのカンパーニュは、生地が均一な温度になっていないと、クラム(内層)の気泡が綺麗に縦に出ている部分と目が詰まってしまう部分が出来てしまうので、しっかりと復温してください。

    復温
    復温

5.成形

ブール形(丸)に成形し、張りと弾力がある状態に生地を締めます。

シェフのワンポイントアドバイス

生地膜が切れたり荒れたりしないように注意してください。
また、ガスが漏れてしまわないように生地の閉じ口をしっかり閉じてください。
生地を締めることで、ボリュームのあるパンになる他、火の通りが良くなるので、色付きと口溶けの良いパンに仕上がります。

    成形
    成形

成形後、分量外の打ち粉をふるっておいたバヌトン、または発酵ねかしかごに生地を入れます。

※今回は、バヌトンの代用として調理ざるによく乾燥したキャンバス地の布を入れたものを使用しています。
※大きな生地玉になると発酵中に生地がだれやすくなるので、形を保ちながら発酵をさせるためにバヌトンに入れます。


    成形
    成形

6.ホイロ

温度30℃、湿度75%の発酵器で約60分発酵させます。


    復温

7.焼成

バヌトンから生地をひっくり返すように、クッキングシートを敷いた天板に載せます。
生地の上から分量外の打ち粉を上面に軽く振り掛け、お好みのクープを入れます。


    焼成
    焼成

【クープのPointを動画で!】


230℃に予熱しておいたオーブンに入れ、温度を210℃に設定し直して30~35分焼成します。

※スチーム機能がある場合はスチームを入れ、無ければ霧吹きをして焼成してください。
※オーブンの機種・小麦粉等の違いにより焼き上がり時間・焼き上がり方は異なります。お持ちのオーブンに合わせて、温度や時間を調節してください。

シェフのワンポイントアドバイス

焼き込みをしっかりすることで、より一層粉の滋味深い風味を味わっていただけます。


    焼成

8.完成

    完成

備考
所要時間:3時間以上
レシピ作成者:Shimizu、photo:Konishi

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