オーガニックイチジクと ISIK 社

2019年8月22日

<イチジクの最大産地「トルコ共和国」を訪ねて>

関西国際空港からミュンヘン(ドイツ)経由してトルコ共和国アドナンメンデス国際空港に到着。現在、日本とトルコ共和国を結ぶ直行便は成田空港からのイスタンブール行きしかなく、目的地まではイスタンブールから国内線に乗り換えるか、トルコ入国前に他国のハブ空港で乗り換える必要があります。その場合、仁川空港またはミュンヘン空港で乗り換えることが一般的のようです。
ドイツミュンヘン空港
アドナンメンデス空港
22:30、アドナンメンデス空港に到着。遅い時間のためか、この飛行機の乗客以外には殆ど人はいません。入国はとてもスムーズ!着陸から入国まで30分程度でトルコ共和国に入国しました。乗り継ぎ時間を含めて約19時間、さすがに明日からの視察に備えて、空港からホテルに直行しました。

<トルコ第3の都市イズミル>

トルコ共和国と聞いて思い浮かぶ都市は、東西の文化が交差し、シルクロードの出発点となっている「イスタンブール」。またはトルコ共和国の首都アンカラでしょうか。今回は、イチジク産地を訪ねるためにトルコ共和国第3の都市「イズミル」から入国しました。イズミル港は輸出入の大型船が出入りし、商業工業の拠点となっています。私たちが輸入しているイチジクもこの港から輸出されています。また、イズミルはギリシャ語でスルミナと呼ばれています。白イチジクを「スルミナ」と併記することもありますが、白イチジクの原種がこの地域に存在している事と、沢山の収穫されたイチジクがこの港から海外に運ばれている事に起因しているかもしれません。

<いよいよイチジクの産地を訪問>

イズミルの中心地から車で約2時間、イチジクの産地に到着しました。
目の前に広がる広大な土地の緑の部分や1000m級の山々の斜面も全てイチジクが植えられています。
そのため、この辺りは、トルコ語でINCIR OVA(インジュリオーバ=イチジク平野)と呼ばれています。
今回の見学ツアーには北欧からのお客様もご一緒だったため、低地のコンベンショナル(一般品)なイチジクも視察しました。

<イチジク畑に入園>

一眼レフカメラ、GoPro、スマホを身につけて畑に足を踏み入れました。
赤っぽい土はかなり乾燥し、簡単に土埃が舞います。空気は乾いていますが午前中にもかかわらず、すでに気温は35℃を超えています。
畑の中央にある作業倉庫(納屋)まではかなり歩きます。
後でわかったのですがこちらの畑は20ヘクタールもありました。
おおよそ、東京ドームの4倍以上の広さですね。

畑を歩いてすぐに感じたことは、オリーブの木がイチジクと同じぐらい植えられていることです。
右の木がオリーブの木
ISIKのアグロノミスト(作物栽培管理者)に確認すると、イチジクの木を好む害虫とオリーブの木を好む害虫は天敵同士でお互いを捕食または攻撃し合い、自然に淘汰されて樹木や果実が守られるのだそうです。素晴らしい自然農法です。
この方法は平地でも山間部でも取り入れられている昔ながらの栽培の知恵です。

畑を歩いていると、イチジクの木にたくさんの果実が実っています。
少し乾燥し、表皮が薄茶色に変わったイチジクは農家の手によって丁寧に収穫されます。
また、イチジクは、乾燥が進むと自然落下もします。そのため、地面に落ちたイチジクも同じように手摘みします。
収穫されたイチジクは、太陽光の下で4~5日程度天日干しをしたのち、買い付けに来たブローカーに販売されます。
さて、引き続き畑を歩き回るとひときわ大きく、葉の色が青々としたイチジクの木に遭遇しました。
実は、この木はイチジクの”雄”の木です。
イチジクには、雄の木と雌の木が存在して、私たちが口にする果実は雌の木から収穫したものです。雄の木に実るイチジクは、小さく小粒です。
また、1本の雄の木で敷地内の雌の木の受粉を全て賄うことができます。
受粉を促進するために、雌の木に雄の木から採取したイチジクをブラさげています。
農園の一時保管倉庫です。
外気温とは5℃以上も室温が低く、涼しく感じます。
収穫したイチジクは、一旦こちらに保管され、一時選別されます。
今日収穫されたイチジク。とても柔らか~い!
見学の後は、農家の皆さんと一緒にチャイタイム。
ぶどうのガーデンアーチの下でいただくチャイは格別ですね。
休憩が終わると農家の皆さんは、トラクターの荷台に乗って、イチジクの収穫に向かいます。
皆さん、気さくで明るい方が多いですね!私たちも、そろそろ出発の時間です。

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