北海道小麦畑見学レポート

~北海道中川郡 本別町 「前田農産食品株式会社」編~

2019年7月16日(火)曇り



ママパンで取り扱いをさせていただいている「はるきらり」。
通称「前田さんちのはるきらり」の前田農産食品株式会社さんへお邪魔してきました。

まずは小麦畑の様子から

「はるきらり」の圃場。

今年は豊作かな。
今年は昨年よりはまだマシな方。
日照時間は短いですが……。
訪れた日もどんよりとした曇り空。
ずっとこんな天気が続いています。
小麦って収穫して乾燥してみないと実際に豊作だったのかが分からないんですよ。
一見実が実っているように見えても、実が詰まっていなかったり……。
乾燥して選別してみないと、どれだけ製粉でいるかがわからない。
難しい作物ですよね。
昔はただ一生懸命に作るだけって感じでした。


けど、使って下さるお客様が分かって、自分が何をどうすればいいのかが見えてきた。
使って下さる方が見えるようになったのは、元江別製粉の佐久間さんのおかげです。

しっかりと実が詰まった「はるきらり」
比較的育てやすい品種だそうで、その上、使って下さるベーカリー店からは「使いやすい」「困ったときは、はるきらり!」などのお声をいただくそうです。



続いて、大人気のキタノカオリの圃場です。

畑の一部の「キタノカオリ」が倒れています。
今年の春先は雨が非常に少なく、畑がひび割れてしまいそうだったので肥料をやったのですが、満遍なく行きわたらなかったようで、肥料が良く効いた部分の生育が良くなり、穂が重くなって倒れたようです。
「キタノカオリ」は雨に弱い品種であり、収穫目前に雨が降ると穂発芽といって小麦が発芽してしまい、加工後に低アミロと呼ばれる粘度の低い小麦粉になってしまいます。
粘度が低いと形状を保ちにくくなるため、パンなどの 加工性が低くなるようです。

しかし今年のキタノカオリの生育は概ね順調との事です。



前田農産さんでは、ゆめちからも育種されています。

前田さんの事務所の前のゆめちからの圃場。
「はるきらり」、「キタノカオリ」と違い、しっかりと色付いています。

収穫目前。 今年も良い麦が取れますように!

あとは収穫前に雨が降らないことを祈るばかりです。

北海道の農業について

小麦は毎年同じ場所で栽培が出来ない作物です。
連作すると土地が弱り品質の良い小麦が育たない。
そういった事を避けるために小麦農家さんは転作を行っています。

転作とは、小麦、ビート、大豆、小豆、ひまわりなどの作物を、1年おきに場所を変えて栽培する事。
前田さんももちろん転作をされていて、ビートなども栽培されています。

ビート(砂糖大根)の畑。

近年は、ひまわりの栽培に力を入れられています。
「なんでひまわりって思うでしょ!自分が作った作物を 使って下さる方が見えるようになると、何を作れば喜んで下さるだろう??って考えるじゃないですか!自分のお客様の多くはベーカリー店。ひまわりの種ってベーカリー店で喜ばれますよね!」
今まであるようであまりなかった北海道産のひまわりの種。
皆様のお手元に届く日は近いかもしれませんね。

北海道の気候に合ったひまわりを探すためにアメリカまで出向き、気温などのデータをもとに研究所で品種を選び作付けをされています。

また、単に作付けするだけではなく、地域の活性化にも一役かっていらっしゃいます。
今年7月は「十勝ほんべつひまわり迷路2019」というイベントを開催されました。
約3万坪のひまわり畑に迷路を作って皆で楽しむ。



迷路の全貌は目視では見えないのですが、ドローンを使って上空から見ると……

ひまわり畑に「令和」の文字が!
最新技術(GPS等)を巧みに使い、畑に幾何学模様と迷路を作成。




また、ひまわり以外にもポップコーンを作られています。
とうもろこしの栽培から、ポップコーンの製品化まで一貫して行われています。
新たな作物の栽培、そしてその先に見えている製品化への挑戦にはしっかりとした道筋があります。

ひとつは、挑戦することで喜んで下さるお客様が見えている事。
もうひとつは、北海道の農家さんの悩みどころでもある冬の仕事を自分達で作る事。
冬に作物が作れないからです。


もちろん!小麦にもこだわりがあります。
通常は栽培して収穫してJAなどへ持ち込んで終了なのですが、前田さんは栽培して収穫後、自社で乾燥から選別まで行われます。
作られた小麦をご自身で乾燥から選別まで行う事によって、製粉した製品としての品質と安心に繋がっているのだと感じました。

巨大な機械で収穫し、乾燥から選別まで行われています。

前田さんにお会いして感じたこと。

事務所に何気なく貼られていたのは「あなたにとって農業経営ってなんですか?」と書かれた1枚の紙。

千差万別の答えのない農業経営。
人口減少、少子高齢化、海外産農作物の流入などなど、激変する時代にどう対応するのか?
答えが無いから、実践実例から学び、新たな可能性を創り、持続可能な地域農業に貢献したい。
農業者~農業経営って何だろう?本気で考えてみませんか?

まさに前田さんは本気で考えて、答えを出されている方だと感じました。
ひたむきに。真っすぐに。農業に向き合う。
そして楽しんでいらっしゃる。
これからの北海道での農業のあり方を見せていただいた1日でありました。

とてもお忙しくされている中、私たちに時間をとっていただきありがとうございました。
本当は前田さんの畑の前で一緒に写真を撮りたかったのですが、日もどっぷりと暮れて撮れませんでした。
夕ご飯をご一緒していただき、その後一緒に写真撮ってもらいました。

「やっぱり、なんでも楽しくないとね!」と前田さん。

前田さんの商品を
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北海道の豊かな大地で育てられ、ゴールデンイエローに色づいたとうもろこしから作られています。程よく塩味が効いたポップコーンは、食べ始めると手が止まりません。
500Wの電子レンジで約2分30秒温めるだけで、美味しいポップコーンが簡単にできあがります。お子様のおやつはもちろん、おつまみにもおすすめです。

強力粉 はるきらり 2.5kg

作業性が良く、あっさりとした味わいともちっとした食感のパンに仕上がります。また、吸水率が高いのも特徴のひとつです。食パンはもちろん、フランスパン作りにもご使用いただけます。

強力粉 キタノカオリ 2.5kg

クリーム色の粉色と小麦らしい香りが人気の品種で、吸水が非常に良くもちもちしたパンに仕上がります。もちもちの食感を生かしたベーグルやチャバタにオススメです。

穫れたての小麦
挽きたてのおいしさ

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