ルルルシルク

シルクの特徴

「シルクは生き物」

東京農業大学シルク研究の第一人者のよると、シルクは 保湿力と保温力、速乾性に優れ、身体の湿気をとるそうです。シルクは生き物です。フィブロインというタンパク質があり、シミの原因となる 活性酸素を抑制し、シミやくすみを防止するのに効果的とのことでした。人間の皮膚と同じ約 20 種類のアミノ酸から構成されているので、 心地よく肌に馴染みます。シルクは製品になってもタンパク質効果があることがわかりました。汗でべたべたする時でも、すぐに乾き肌はサラサラです。

「シルクは着る栄養」

睡眠コンサルタントさんによると、シルクパジャマは驚異の美肌効果があり、美容効果抜群と説明されています。睡眠中はコップ1杯の汗をかくので、 寝ている間に肌は乾燥しますが、シルクパジャマは乾燥から肌を守ります。保湿力を比較するために、1日目綿パジャマを着て、2日目シルクパジャマを着て寝る実験によると5人の試験者全員、翌朝7時の起床時に、お肌の水分量を計測した結果、 綿とシルクの差は平均12.8%でした。シルクパジャマは美肌にも効果があるんですね。

シルクの長所

シルクの長所は、挙げればきりがないほどたくさんありますが、ここではその一部を紹介させていただきます。

シルクは優れた素材ですが、短所もあります。しかし、きちんと把握し理解してあつかえば、末永くご愛用いただけますので、 参考にしていただければと思います。

シルクの短所

シルクの長所は、挙げればきりがないほどたくさんありますが、ここではその一部を紹介させていただきます。

摩擦による静電気

雷の正体をご存知ですか?実は雷は、雲の粒がこすれ合って静電気が発生したものなのです。衣類の静電気も同じ原理で、雷とは規模は違いますが衣擦れによって発生するものです。

静電気は摩擦で発生します。しかし、同じ摩擦でも、それぞれの素材によって静電気の極性や発生量が異なります。それを表にしたものが左記の「摩擦帯電列」です。

(例1)ポリエステルとシルクを摩擦したらポリ(-)はシルク(+)に帯電する

(例2)羊毛ウールとシルクを摩擦したら、ウール(+)にシルク(-)に帯電する

摩擦帯電列の距離が遠いほど「静電気の量は大きく」、摩擦帯電列の距離が近いほど「静電気の量は小さい」。

(例3)静電気の量は、ウール×シルク<ウール×木綿

よく「○○は静電気がおきやすくて、□□は静電気がおきにくい」という言い方をしますが、実際はそういった確定した結果は存在しません。静電気は単体の素材で決まるのではなく、着合わせる素材によって変わるからです。上の表ですと、プラスとマイナスが離れている方が静電気を発生しやすくします。つまりシルクを身に着けた場合、ウールの素材のものとポリエステルの素材のものでは、ポリエステル素材のものを身に着けたときの方が、摩擦が大きくなります。着合わせたり重ね着をしたりする時に、これらのことが大きなヒントになります。シルクを着るときの静電気対策として、上記の表のなるべく近い素材のものを着合わせるようにすると良いでしょう。市販されているスカートで、表地がシルクで裏地がポリエステルのものがあります。これは、摩擦を招く組み合わせなので注意してくださいね。

シルクの種類

シルクの種類は組み合せしだいで無限近くあるようです。ここでは、基本的な要素からの種類分けでみていきます。

繭(まゆ)と絹糸による種類

(1)家蚕(かさん)

屋内で飼育された蚕。人が蚕の食物(桑の葉)を管理することで、蚕の口の形状がほぼ一定となり、なめらかな糸ができます。

(2)野蚕(やさん)

屋外で飼育された蚕。ややザラついた絹糸になり、油分が多くて染めにくいですが、優しい肌触りです。ちなみに野生のニワトリが存在しないよ うに、野生の蚕は存在しません。人間の管理なしには生きられず、野生回帰能力を完全に失っています。

(3)産地による呼称

・天蚕(てんさん)...日本の原産。現在、数は少ないが全国各地で飼育されています。

・柞蚕(さくさん)...中国が原産。中国とインドで飼育されています。

・ムガ蚕...インドのアッサム地方で飼育されています。

・エリ蚕...インドのアッサム地方が原産。中国でも多く飼育されている蚕です。

・その他...ブラジル・ウズベキスタンなどで、現在の日本より多くの蚕を飼育しています。

繭(まゆ)と絹糸による種類

(1)生糸(きいと)

屋内で飼育された蚕。人が蚕の食物(桑の葉)を管理することで、蚕の口の形状がほぼ一定となり、なめらかな糸ができます。

(2)練糸(ねりいと)

生糸の表面の蛋白質セリシンを、石鹸・灰汁・曹達などでアルカリ処理して取り除いた、光沢と柔軟さのある絹糸。このときセリシンを完全100%取り除くと、逆に光沢は著しく劣ってしまうそうです。

(3)撚糸(よりいと/ねんし)

文字通り「撚り」をかけた糸、またはそれをさらにより合わせた糸。弱く撚ると「ちりめん」となって、独特なシワの風味がある絹布ができます。一方、強く撚って「水ねり」すると、復元力があってシワになりにくい絹布ができます。

(4)その他

・玉糸(たまいと)...二匹以上の蚕が1つの繭を作ることがあり、節の多い太めの糸になります。もともと売り物にならず普段着として使われましたが、織りのユニークさで人気もあります。

・真綿(まわた)...蚕の繭を煮て引き伸ばして綿にしたもの。空気を含んだ、毛糸のような感じに仕上がります。(コットンの木綿とは違います。)

・紬糸(つむぎいと)...上記の真綿より糸を紡ぎだしたものが紬糸であり、大島つむぎが有名です。

・絹紡糸(けんぼうし)...生糸のくずをワタにして練って紡いだもので、一番毛糸に似た糸となります。劣化しやすい欠点があります。

・紬糸(つむぎいと)...生糸と副蚕糸(ふくさんし)等をワタにし紡いだもので使いやすい。副蚕糸とは繭の蛹肌(さなぎはだ)で、繭の最内層です。繊維が細すぎて繰糸には適しません。

・絹撚糸(きぬねんし)...生糸、絹紡糸、紬糸等を何本か合わせてネジあげて、強度と太さと風合いをもたせます。

値段・輸入シルクなど

(1) 値段

最高級のものは皇室で使う「あけぼの」で、一反40 万円もするようです。(一反は幅約37 センチ、長さ約12.5 メートルくらいが標準とされる)一等繭で作ったものは、およそ一反10 万円くらい。一方、韓国産や中国産は一反1 万円しないものもあるといわれます。

(2) 輸入シルク

・スパンシルク...家蚕(かさん)からできた、美しい光沢のシルク。光沢があってなめらかな、いかにも「シルク」という感じの優雅な風合いがあります。それには蚕の口の形を一定に保つ必要があり、人が管理した食べ物が蚕に与えられています。

・タッサーシルク...インド全域の森林地帯で棲息する野蚕(やさん)からできた、独特な控えめな光沢のあるシルク。自然樹木の葉を食るため口の形がいびつになり、ザクザクとした風合いとなります。

・ノイルシルク...絹紡糸(けんぼうし)のように生糸クズで作った、光沢のない綿に似たシルク。繊維にすき間があるので、ふくらみのある太目の糸ができ暖かい感じがあります。

シルクのお手入れ

洗濯機でシルクを洗う方法

干し方を工夫すればアイロン不要

シルクは乾きやすく、水分が残っている状態で干しても、シワにならずきれいに乾きます。風通しの良い日陰で自然乾燥させ、干し方を工夫す ればアイロンをかけずにすみます。

万一のシワのアイロンのかけ方

万一、シワになってしまった場合のアイロンのかけ方です。アイロンをかける場合は必ず綿布を当て、温度は130 度くらいで素早くかけましょう。シワを伸ばすにはスチームアイロンが有効ですが、スチームアイロンはシミの原因になることもあるので、使いすぎないようにしましょう。もしもスチームアイロンがない場合は霧吹きを使いますが、その際は十分に離して行いましょう。シルクは摩擦に弱いので、必ず綿の当て布をし、滑らせず 丁寧に押すようにアイロンしましょう。

汗染みと防ぎ方

シルクの汗染みの防ぎ方は汗をかいたら、出来るだけ早く洗ってください。汗をかいたままの状態で放置せず、保管するときは必ず洗濯し、良く乾燥させて保存して下さい

色落ちの原因

天然素材のシルクは基本的に色落ちしやすく(特に濃い色)、以下のような原因が考えられます。

  • 特に、シワ・摩擦は毛羽立ちを招きます。そして、これが原因となって生地表面の光の反射を変化させたり、繊維内部の染料が行き渡ってない部分が露出したりする、という現象が起きます。 シワや摩擦をできるだけ避けて、ご愛用ください。
  • 保管方法

    シルクは動物性タンパク繊維です。なので、かびや虫食いなどで黄変する可能性がありますので、適切な洗濯を施した後、よく乾燥させ、湿気・直射日光を避けた涼しい所に保管してください。照明(特に蛍光灯)の近くも避けましょう。和ダンスに収納の場合、収納前にハンガーにかけて湿気をとります。タンスには乾燥剤を入れたり、時々陰干ししたりして風を当てましょう。防虫剤は直接布地に当たらないようにし、2種以上の防虫剤を同時に入れないようにしてください。また、クリーニングに出した場合、ビニール袋のままでは通気性が悪いので取り外します。

    ブラッシングについて

    シルクは摩擦に弱いため、原則ブラッシングは避けてください。しかし、毛羽立ちを軽くそろえる場合は、柔らかいビロード等をご使用いただければ大丈夫です。

    シルクの歴史

    シルクの歴史は、5000 年前にさかのぼるそうです。野生の蚕(カイコ)を飼育し、繭(まゆ)を集め、そこから絹糸を紡ぎ出したのがはじまりとされています。シルクの魅力はさまざまな国の商人の心をうばい、遠方から海を渡り山を越え、シルクを求めてやってきたそうです。それが「シルクロード(絹の道」」です。

    保管方法

    シルクの生産は紀元前3000 年~6000 年頃、中国で始まったといわれています。そしてシルクロード(絹の道)を通じて輸出されていました。 紀元前1000 年頃のエジプト遺跡からも、中国絹の断片が発見されています。その後、古代ローマでもシルク人気が高まり、法律でシルク製品を禁止したほどだったそうです。

    ヨーロッパへ

    6世紀になって東ローマ帝国でシルクが生産されるようになり、12 世紀ではヴェネツィアがシルク貿易に力を入れたので、イタリア各地で生産されるようになりました。やがてフランスの南東部リヨンが、シルク生産の中心となっていきました。一方、シルクの国産化に失敗したイギリスでは、中国産の良質な生糸を多く輸入しました。しかしイギリスが中国(清)に輸出できるものは望遠鏡など、当時それほど中国で需要がないものばかりだったので、イギリスの貿易赤字は膨らんでいきました。そしてその穴埋めとして、イギリスは当時植民地であったインドでアヘンを生産し、中国に輸出したのです。これがアヘン戦争へと発展していったのです。当時のシルクの存在の大きさが伺えますね。

    日本へ

    日本ではすでに、弥生時代にシルクの製法は伝わっていたそうですが、その品質は中国産には及ばず、日本の上流階級は常に中国産を重宝していました。やがて、これが日中貿易の原動力となっていました。室町時代からの戦乱などの影響で、日本産の蚕は劣悪となっていきますが、その後、江戸時代の到来とともに、各地で品質改良が進められました。そして江戸時代中期には、日本産のシルクは中国産と比べても見劣りがなくなっていきました。このため幕末の開港後は、シルクが日本の重要な輸出品となったのです。

    <日本のシルク最盛期>

    日本と中国における最初の近代的な製糸工場である富岡製糸場と、中国上海の寶昌糸廠などの機械化による生産量の増大は、シルクの国際価格の暴落を招き、ヨーロッパのシルク生産に大打撃を与えました。(当時、富岡製糸場の機械化を技術指導したのはフランス人、機械はスイス製でした。)1909 年、日本の生糸生産量は世界最高となります。その後、生糸は明治、大正と日本の主要な外貨獲得源でしたが、1929年以降の世界恐慌で世界的に生糸価格が暴落したのが原因で、日本のシルク産業にも影がみえてきました。

    <日本のシルクの衰退>

    戦後、日本のシルク生産は衰退しました。1998 年の統計では、日本は世界第5位の生産高ではありますが、中国・インド・ブラジルの上位3ヶ国で全世界の生産の9 割を占められ、4位のウズベキスタンも日本を大きく引き離していました。2010 年には、日本国内の製糸会社は2 社のみとなっているそうで、「国産シルク」と表示されていても、どの段階での国産なのかはよく分からないのが現状です。

    シルクの現状

    ここでは、日本産業の先駆けとして、大きな役割を果たしてきた蚕糸産業の現在の状況に触れていきます。

    貴重な繭(まゆ)と生産推移

    まず以下の図をご覧ください。

    この図表から、繭100kg から作られる生糸は、わずか18.5kg だということがわかります。世界の繭(まゆ)生産量は,1950 年代の生産量が約20万トンだったものが、1995年には100万トン近くまで増加しました。しかし、2000年には60万トン程度にまで落ち込み、近年の生産量は70万トン程度となっています。生糸生産量も同様で、1950年代に2万トン程度であったものが1995年には約11万トンにまで増加しましたが、2000年には8万トン弱にまで落ち込み、近年は約12 万トンの生産量となっています。また、近年のシルクの国内生産も、年々、養蚕農家数、繭生産量ともに著しく減少しているのが現実です。

    42ゲージについて

    「シルクは生き物」

    肌トラブル解消のため、皮膚に良いもの、身体に良いものをと探し続け、シルクに出会い、試作をかさね、肌着に最適なシルク、42ゲージのシルクニット肌着が完成しました。高品質な糸とイタリア製の編み機でゆっくりと時間をかけて編んでいくため、コストが高くなりすぎて市場に出回らず、中国でも3工場しか作れない、貴重なシルクニット素材です。
    シルクニット42ゲージ肌着においては、世界でも弊社が一番多く、製作販売しております。