「よりよく見える」天体望遠鏡をお届けしたいルーペスタジオの想い

世の中にはたくさんの天体望遠鏡が溢れています。
細長いもの、ドラム缶のようなもの、簡単に運べるもの、大きな施設に設置されているもの…
どの天体望遠鏡を選べばいいのか悩んでいる方は、ぜひルーペスタジオの天体望遠鏡のお話にお付き合いください。

天体望遠鏡を購入するお客様の求めているものってなんだろう

最初にルーペスタジオが考えたのは、お客様が天体望遠鏡を購入することになったきっかけです。

学校で習ったから、プラネタリウムが面白かったから、帰省したときの星空がとてもきれいだったから…
星に興味を持つきっかけは様々ですが、一度興味を持ったら、「もっといろいろな星を見てみたい」「もっと大きく見てみたい」と、より星を楽しむために天体望遠鏡が欲しくなるのは必然です。また、お子様やお孫様に勉強を兼ねて…とプレゼントされる親御様も多くいらっしゃいます。

つまり、天体望遠鏡を購入される方のうち、ほとんどの方があまり天体望遠鏡に触れたことの無い方だということになります。

そして、初めての方に大切なのは、やはり「簡単に扱えること」だとルーペスタジオは考えています。

でも、天体望遠鏡って高そう…

一般的なイメージとして天体望遠鏡は高額そうで、そして確かに数十万円の天体望遠鏡もあります。
でも実は1万円くらいから天体望遠鏡を購入することができます!

そして、初めて天体望遠鏡を購入する方には、ぜひルーペスタジオの天体望遠鏡を選んでいただきたいのです。

初心者向けの天体望遠鏡で大切なこと

ルーペスタジオが初めて天体望遠鏡に触れる際にもっとも大切だと考えているのが、扱いやすさ。
なんと、天体望遠鏡を購入した半分近い方がきちんと使えずに押し入れにしまったままになっているそうです(※メーカーによる非公式の発表で、正確な統計ではありません)。
当店のお客様へのヒアリングでも、「使い方が分からなかった」という声が非常に多くあり、ルーペスタジオはまずそこに注目しました。

天体望遠鏡はもっと扱いやすいものでないといけない

天体望遠鏡で最初につまづきやすいのが、「ファインダー調整」という作業です。天体望遠鏡には、ファインダーという小さな覗き穴のようなものが付いています。多くの天体望遠鏡はこのファインダーも望遠鏡となっており、倍率の低いファインダーで対象物をとらえ、天体望遠鏡本体で観測するという手順で星を楽しみます。
当然ながら、このファインダーと天体望遠鏡本体は同じものが見えてないといけません。しかし、天体望遠鏡を組み立たてただけでは、この2つは同じ方向を向いていないのです。
初めて聞いた方は驚かれるのですが、「本体とファインダーが同じ方向を向いてないといけない」のに、「最初は向いていないのが当たり前」なんです。そして、この2つを同じ方向に向けるのが「ファインダー調整」です。
観測の上で一番大切な手順を、初めて天体望遠鏡に触れた方が自分で行わいないといけない…そのハードルの高さが「天体望遠鏡を上手く使えない」ことなっています。
素晴らしい世界が目の前まで迫っているのに、素晴らしい世界を楽しむための道具を購入したのに…なんてもったいない!!

使えないなら、いっそ無くせばいい

ファインダーの調整ができないことによって天体望遠鏡を使ってもらえないなら、いっそファインダーを無くせばいい。

ルーペスタジオの辿り着いた結論はこれでした。

もともとファインダーの中には照準の機能のみ付いていて、望遠の機能が無いタイプもあります。ファインダーがあることによって調整が発生し、天体望遠鏡が使えないとなってしまうなら、調整の必要のないファインダーにしてしまおう。

そして生まれたのが、「素通しファインダー」です。

調整が不要で直感的に使用でき、すぐに観測することができる。まさにいいことづくめです。

おすすめなのは屈折式鏡筒と経緯台の組み合わせ

ファインダーの問題はクリアしました。しかしまだまだ課題はあります。実は天体望遠鏡には、その構造によっていくつかの種類があるのです。
天体望遠鏡は鏡筒と呼ばれる筒の部分、架台と呼ばれる鏡筒を支える部分に分かれており、それぞれ大きく分けて2つの種類があります。

鏡筒には、筒の先にレンズがついている「屈折式」、底に鏡がついている「反射式」。
架台には上下左右に動かせる「経緯台」、星の動きに合わせて円周する「赤道儀」があります。

この鏡筒と架台の組み合わせの中から初心者にもっともおすすめなのが「屈折式鏡筒」+「経緯台」です。

これは「屈折式」と「反射式」を比べた場合、「反射式」には初心者に大きなハードルとなるデメリットがあるからです。

反射式のデメリット

・すぐに観測できない
ドラム缶のような太い鏡筒の「反射式」は中身が空洞になっており、温度の変化によって筒の中に気流が生まれます。それによって像が揺らぎ、ピントが合わなくなります。温度が順応し、観測できるようになるまで時間がかかってしまいます。
・衝撃に弱い
「反射式」は筒の底に鏡があり、衝撃によって鏡がずれることでピントが合わなくなります。ずれた鏡には光軸調整という作業が必要となる上、慣れていない方にはかなり難しい作業になりますので、メンテナンス性という意味で扱いやすいとは言えません。

続いて「経緯台」と「赤道儀」を比べた場合も、「赤道儀」には初心者に勧めづらいデメリットがあります。

赤道儀のデメリット

・セッティングが難しい
最初に「赤道儀」を北極星に向ける極軸合わせという作業があり、これは天体望遠鏡を少しでも移動させるたびに必要となります。また、上下左右へ直感的に動かせる「経緯台」と違い、星に合わせた動きをする「赤道儀」は扱いに慣れが必要です。
・重量がある
その特殊な形状から、安定を保つために本体の重量が重かったり、別途重りが必要となることがあり、気楽に観測するには少々不便な面があります。

屈折式、経緯台はともに

  • 準備が簡単

  • 扱いが簡単

  • メンテナンスが簡単

という、初心者が初めて天体望遠鏡に触れるのにもっともおすすめの組み合わせとなっています。
もちろん、ルーペスタジオがおすすめする初心者向けの天体望遠鏡も屈折式+経緯台です!

倍率は天体望遠鏡の性能ではありません

天体望遠鏡を初めて購入する際に、つい目がいってしまうのが「倍率」。
倍率が高ければ高いほど高性能…実はそれは間違いなのです。

天体望遠鏡にはレンズに応じた適正倍率というのがありますが、倍率そのものを上げることは簡単にできます。しかし、高くなった倍率できちんと観測できるかというと、実はそうではないのです。

適正倍率は対物レンズ口径の約2倍

適正倍率は対物レンズ口径の約2倍まで、すなわち口径60mmの天体望遠鏡なら120倍、口径80mmの天体望遠鏡なら160倍までが適正倍率です。適正倍率を超えるとだんだんとぼやけてきて、2.5倍を超えるとほとんどピントが合わなくなります。
つまり、入門用の口径50mmの天体望遠鏡が250倍まで対応していたとしても、250倍でくっきりと観測できるわけではないのです。

しかし、初めて天体望遠鏡を購入される方には分かりにくいことです。
ルーペスタジオの初心者向け天体望遠鏡は倍率で初心者の方を惑わさず、きっちりとレンズの性能を活かした倍率を設定しています。

ルーペスタジオの天体望遠鏡

ルーペスタジオの天体望遠鏡へのこだわり

初心者の方が扱いやすい天体望遠鏡を、妥協なく作るには…
簡単に操作できる天体望遠鏡ができあがっても、肝心の性能が悪ければ意味がありません。
初めての天体望遠鏡だからこそ、しっかりと星を見る感動を味わって欲しい。
そこで行き着いたのは、やはり日本の「ものづくり」でした。

純国産 Made in Japan のこだわり

ルーペスタジオの天体望遠鏡はすべて純国産です。
岩手県で職人さんがすべて手作業で、レンズの研磨から部品の組み上げまでを行っています。

これは非常に珍しいことで、現在は大きなメーカーさんでもエントリーモデルの天体望遠鏡はほとんど中国で作られています。
もちろん、中国製の天体望遠鏡が駄目だということではありません。

しかしながら、海外で生産された天体望遠鏡は品質にムラのあることが多いのも事実です。
また、多くの初心者は他の天体望遠鏡との比較をすることも少ないため、その品質を知るチャンスもありません。

レンズ一枚、部品の一つ一つまで熟練の職人さんによる検品が行われているルーペスタジオの天体望遠鏡は、もっと高額な中国製の天体望遠鏡よりも、はるかに見え味で勝ります。

岩手のものづくり

天体望遠鏡でいちばん大事なのは、対物レンズというメインのレンズです。
この対物レンズの性能がそのまま天体望遠鏡の性能を左右すると言っても過言ではありません。そしてここでも、ルーペスタジオは「よりよく見える」を追求しました。
ルーペスタジオの天体望遠鏡のレンズを作っているのは、国内でも有数のレンズメーカー・久保田光学です。

レンズの芯取りを行っています。2枚以上のレンズを組み合わせて拡大する天体望遠鏡では、レンズの中心の一番膨らんでいる部分がちょうど真ん中に来ていないと、光がまっすぐに通ることができずに美しい星がぼやけてしまいます。
全てのレンズの中心があうように研削する作業が芯取りなのです。

ルーペスタジオの天体望遠鏡の対物レンズはアクロマート式。
これは凸レンズと凹レンズの2枚のレンズを重ね合わせて1枚のレンズを作る方法で、色収差という色がボケて見える現象を抑えることができます。

久保田光学では、すべてのレンズの製作、研磨、検品まで熟練した職人による手作業で行われています。
大阪にあるルーペスタジオも岩手県の久保田光学を訪れ、その素晴らしい精度に「この職人の方々によるレンズは間違いない、最高の天体望遠鏡が出来上がる」と確信しました。

入門用天体望遠鏡ではあり得ない、細部へのこだわり

こだわりはレンズだけではありません。
この最高のレンズを最大限に活かすため、同じく岩手県の大一光学でも一切妥協のない職人さんの手による組み上げが行われています。

鏡筒の内側をツヤ消しの黒で塗装するのは、光が乱反射しないようにするため。

鏡筒内に遮光環を複数個はめ込むのは、余計な光を侵入させたいため。

どちらも入門用の中国製天体望遠鏡ではあり得ない精度で施工されています。これぞ日本の「ものづくり」です。
なぜここまで日本製にこだわったのか、高精度の製品を国内で生産するのか。

すべては、皆さんに星空を楽しんでもらうためです。

こちらはレンズの分解能をチェックしているところです。二枚目の画像のドットがきちんと離れて見えているかを一台一台すべてチェックしていきます。すべての商品をチェックしているため個体差、いわゆる製品の当たり外れがありません。

一つのパーツを複数回に分けて塗装しています。手間を惜しまない職人さんのこだわりが光ります。

こだわりの塗装現場をぜひ動画でご覧ください。何度も何度も丁寧に色をつけていく様子がうかがえます。

天頂ミラーの内側を黒く塗装しています。鏡筒と同じく光を乱反射させないためですが、入門用天体望遠鏡でこのようなパーツ一つ一つまで処理を行っていることは、安価な海外製では考えられません。
工場で見た職人さんたちのこだわりは、ルーペスタジオにとって驚きの連続でした。

皆さんに素晴らしい星空を楽しんでもらうために、職人さんたちが全身全霊を込めて、ルーペスタジオの天体望遠鏡を作ってくれているのです。

ルーペスタジオの天体望遠鏡

天体望遠鏡の使い方を広めたい

初心者の方が素晴らしい星空を楽しむための、素晴らしい天体望遠鏡は用意できました。
次はルーペスタジオの番です。職人さんたちが手間ひまかけて作ってくれた天体望遠鏡を、皆さまに届くように全力を尽くさないといけません。
ルーペスタジオが選んだのは、星空の美しさ、天体望遠鏡の使い方を説明する地道な啓蒙活動です。

大阪で開催する天体観測会

ルーペスタジオはネットショップです。実際に対面してお客様へ天体望遠鏡のご説明をすることはできません。
せっかく職人さんが素晴らしい天体望遠鏡を作ってくれているのに、それをお客様に伝えきれなくては意味がありません。

なんとか伝えたい。当店の天体望遠鏡の素晴らしさを知っていただけるように、ルーペスタジオで購入してよかったと思っていただけるようにするにはどうしたらいいのか考えた結果、天体観測会の開催へと至りました。

天体望遠鏡のことで分からないことがあれば、気軽に相談していただける場所を作りたいという思いから、2016年より継続して行っております。

ルーペスタジオ天体観測会/望遠鏡/双眼鏡

大阪市内で観望会と言えば、ルーペスタジオ天体観測会。星空観望会を毎月開催!天体望遠鏡の使い方から星の探し方まで、なんでもサポートいたします!

現在、大阪市内で不定期に天体観測会を開催しています。
もちろん、これでは大阪近郊の方にしか天体望遠鏡の素晴らしさを直接伝えることはできません。

しかし、ありがたいことに私達の地道な活動はSNSという地域の垣根を越えた口コミで広がっていき、大きなイベントへ出展させていただいたり、関東や他の地域の方にもルーペスタジオを知っていただけるようになりました。

もう一点、大阪で天体観測会を開催している理由があります。
それは、大阪という街中でも気軽に星を楽しめることを知っていただきたいということです。

人工照明が多い街中でも、明るい星や惑星は十分楽しめます。初めて土星や木星を天体望遠鏡で覗いたお客様の感動の声が、それを証明しています。

また、2017年7月には北神戸田園スポーツ公園での大規模な星空観望会「天体望遠鏡で月と星を見よう」へ『天体望遠鏡購入相談ブース』としてお招きいただきました!

2017年7月29日でんスポ観望会出展 | 大阪市内観望会 ルーペスタジオ楽天市場店

2017年7月29日に、北神戸田園スポーツ公園にて開催された「天体望遠鏡で月と星を見よう」に天体望遠鏡購入相談ブースとして出展しました!その模様をお伝えいたします!

天体観測会は、大阪でも星を楽しむことができることを伝えるため、これからも開催します。
ぜひ気軽に遊びに来てください。

ネット店では珍しい、星空案内人®資格

初めに天体観測会の開催を決定した時、私たちルーペスタジオにはその経験が圧倒的に不足していました。
そこで、まずは当店でも商品を販売させていただいている天体望遠鏡メーカービクセンの方にサポートしていただき、天体観測会を開催して経験を積んでいくことにします。
いくら素晴らしい天体望遠鏡があっても、その素晴らしさを上手く伝えることができなければ意味がありません。2016年より開催している天体観測会で、ビクセンさんに支えてもらいながらルーペスタジオも少しずつ成長していくことができました。

その中で目をつけたのが、天体観測会で星空を案内する「星空案内人®」という資格です。

豊かな知識と経験からおいしいワインを選んでくれるソムリエのように、星空や宇宙の楽しみ方を教えてくれるのが星空案内人です。資格をとって、科学館や学校で指導したり、地域のボランティアとして活動してみませんか。子どもたちに星空や宇宙の世界を語ってみませんか。

星空案内人 ® 資格認定制度サイトより引用

ルーペスタジオは天体観測会を開催し、星空の素晴らしさ、天体望遠鏡の素晴らしさを伝えるためにこの資格を取得することに決めました。
そして2017年現在、ネット店としては珍しく星空案内人 ® 資格を所持しているスタッフが2名います。

ポルタ検定を取得できる天体望遠鏡教室

天体観測会でお客様と直接ふれあい、天体望遠鏡の使い方についてご相談いただける機会はできました。
しかし、大勢の方がいらっしゃる天体観測会では、じっくりとご説明することが難しい状態です。

そこで、次にルーペスタジオが考えたのは天体望遠鏡の使い方講座の開講です。

当店の天体望遠鏡なら初心者の壁となるファインダー合わせは必要ありませんが、ピント合わせや狙った天体をレンズに収める(これを導入と呼びます)コツなどを、講座で直接ご納得いただけるまでご説明することができます。

そして、当店の方針にご賛同いただいたビクセンさんから、株式会社ビクセン/星空公団認定のポルタ検定の認定証を発行する権利をいただきました。

株式会社ビクセンを除いて、ポルタ検定を行えるのはルーペスタジオだけです(2019年2月現在)。※現在、天体望遠鏡教室 ポルタ検定取得付き講座は開催しておりません。

公共機関への納品の実績

当店の天体望遠鏡の性能、実用性をご理解いただき、 大阪府四条畷市の四條畷市立野外活動センターリゲルハイ60Dを納品させていただきました。

四條畷市立野外活動センターでは『SORA☆星の学校』というイベントを毎月開催しておりますので、ぜひ当店のリゲルハイ60Dをお試しください。

星を楽しむ素晴らしさをどんどん広めていきます

市街地に暮らしていると、空を見上げても星空を楽しむという感覚は掴みづらいものです。
しかし、惑星や一等星、二等星なら市街地でも十分に楽しめること、天体望遠鏡はコツを掴めば難しくないものだということがもっと広まって、たくさんの方に星空を楽しんでいただきたい。その願いから、今後もルーペスタジオはこの活動を続けていきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ルーペスタジオの天体望遠鏡