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16:10の13.3型画面で使い勝手アップ!ファブリック素材で個性が光る 2 in 1「Lenovo Yoga 670 (AMD)」レビュー

ペン付き360°回転ディスプレイで仕事からお絵描きまで使いやすい!


レノボ・ジャパンの<Lenovo Yoga 670 (AMD)>は、360度回転するヒンジを搭載したコンバーチブル型の2 in1 PCだ。ディスプレイの角度を調節することでノートPCとしてもタブレットとしても使用することができる。また天板にファブリック素材をあしらい、本体カラーに深みのあるアビスブルーを採用するなど、デザイン家電のような洗練された外観も大きな特徴。その実機を試す機会を得たので、気になる使い勝手やパフォーマンスなどをチェックしてみた。

薄型軽量で個性的なデザインの2 in1 PC

ノートPCやタブレットなどの情報端末は、本体に樹脂や金属、ガラスなどの素材を使用した製品が多い。そうしたなかで異彩を放っているのが、天板にファブリック素材を採用した<Lenovo Yoga 670 (AMD)>だ。手染めの糸を織り込んだようなナチュラルな風合いで、手に持ったときに一般的なPCにはない温かみが感じられる。レノボによればファブリック素材にはリサイクルプラスチックを活用しているとのことで、今どきのPCらしくサステナブルな面も十分配慮されているようだ

天板にはファブリック素材が採用されている

本体カラーは深海を意味するアビスブルーで統一されている。どんな色とも相性がよく、フォーマルにもカジュアルにも合わせやすいので、仕事からプライベートまで幅広いシーンで活躍してくれそうだ。

本体サイズはおよそ幅304×奥行き218×厚み18.27mmで、13.3型液晶ディスプレイを搭載したノートPCとしては比較的コンパクト質量も約1.39kgと軽く、バッグなどに入れて気軽に出先に持ち出すことができる。

ディスプレイは前述のように360度回転でき、その角度を調節することで「ラップトップ」、「テント」、「スタンド」、「タブレット」など、利用シーンに合わせた自由なスタイルで使用することが可能。マルチタッチに対応しており、指で画面に直接触れて操作することができる。また、製品には筆圧感知に対応したスタイラスペン「Lenovoペン」が付属しており、手書きメモやスケッチなどに活用することも可能だ。

「ラップトップ」
「スタンド」
「テント」
「タブレット」

ディスプレイの角度を調節することで一般的なノートPCのように使える「ラップトップ」のほか、動画視聴に便利な「テント」や「スタンド」、ペンや指で触れて直感的に操作できる「タブレット」など、さまざまなスタイルで利用できる

アスペクト比が16:10になって仕事や趣味に使いやすく

ディスプレイは13.3型で、視野角の広いIPS方式の液晶パネルが採用されている。既存モデルの<Lenovo Yoga 650/660>にはアスペクト比が16:9のパネルが搭載されていたが、本機は16:10と縦に少し長いパネルに変更されている。同様に、<Yoga 650/660>ではフルHD(1920×1080ドット)だった解像度が、本機はWUXGA(1920×1200ドット)と一度に表示できる情報量も少し多くなった。ほんの120ドットではあるが、Windowsのタスクバーを出した状態でもフルHDより多くの情報を表示できるので、画面の見やすさや作業効率は格段にアップしている。とくにWebページの閲覧やビジネス文書の作成など、縦にスクロールする機会が多い作業ではありがたみを感じる。また、電子コミックや電子雑誌などを見開きで表示させた場合でも、フルHDと比べて左右にできる余白が少なくなるためとても見やすい

13.3型WUXGA(1920×1200ドット)液晶ディスプレイを搭載する

Lenovoペンを使ってお絵描きをする際も、縦に少し余裕があるだけで画面の見やすさや絵の描きやすさは結構違う。逆に動画はWUXGAだとフルスクリーン再生したときに上下に余白ができるが、音楽ビデオの歌詞や、映画の日本語字幕などを表示した際、映像と重ならないというメリットがある。

アスペクト比16:10のディスプレイはLenovoペンでお絵描きする際も使いやすい

液晶パネルの色域はsRGBカバー率100%で、ノートPCのディスプレイとしては広い方。写真や動画も、本来の鮮やかさを損なうことなく美しい発色で表示することができた。グレアパネルのため明るい場所で使う際は映り込みが少しあるが、そのぶん、黒が締まったメリハリのある映像を楽しむことができる。ちなみにディスプレイ表面のガラスは硬度が高く、Lenovoペンを使う際も傷を心配せずに操作することが可能だった。

ディスプレイの上部には1080pでの撮影に対応したWebカメラと、Windows Helloの顔認証に対応したIRカメラが内蔵されている。このほか、パームレスト右上には指紋センサーが搭載されており、事前に登録しておけば指先でタッチするだけでログインすることもできる

ディスプレイ上部にはWebカメラとIRカメラが内蔵されている
キーボードは一部変則的な配置のキーもあるが慣れれば問題ないレベル。パームレスト右上あたりにあるのが指紋認証センサー

インターフェースは本体左側面にUSB 3.2 Gen1 Type-C×2、HDMI、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャックが、本体右側面にUSB 3.2 Gen1 Type-A×2、microSDメディアカードリーダーが搭載されている。このうち左側面のUSB Type-CポートはPower DeliveryとDisplayPort出力に対応しており、付属の電源ケーブルもこれらのポートに挿す仕様になっている。

通信機能は、Wi-Fi 6(IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n準拠)とBluetooth 5.2に対応。このほか、ドルビーアトモスに最適化された2.0W×2のステレオスピーカーも内蔵しており、臨場感あふれるサウンドを楽しむことが可能だ

本体左側面にUSB 3.2 Gen1 Type-C×2、HDMI、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャックが搭載されている
本体左側面にUSB 3.2 Gen1 Type-C×2、HDMI、マイクロホン/本体右側面にUSB 3.2 Gen1 Type-A×2、microSDメディアカードリーダーが搭載されている

文書作成や画像編集なども快適にこなせるパフォーマンス

今回試した<Lenovo Yoga 670>の主なスペックは次の通り。プロセッサーはAMD Ryzen 5000シリーズのうちZen 2世代となるRyzen 7 5700Uで、グラフィックスはAMD Radeonグラフィックス、メモリは16GB、ストレージは512GBのM.2 SSDという構成だった。


テスト機の主なスペック
機種名 <Lenovo Yoga 670 (AMD)>
CPU AMD Ryzen 7 5700U(1.80GHz/最大4.30GHz)
グラフィックス AMD Radeonグラフィックス(プロセッサーに内蔵)
メモリー 16GB
ストレージ 512GB SSD(PCIe NVMe/M.2)
バッテリー 約20.0時間(JEITA 2.0)


マルチコア性能に優れたAMD Ryzen 7 5700Uを搭載している
グラフィックスはプロセッサー内蔵のAMD Radeonグラフィックスが搭載されている

次に、本機のパフォーマンスを測るため、各種ベンチマークソフトで性能をチェックしてみることにした。

まず、CPUの性能を見るため「CINEBENCH R23」を実行してみたところ、シングルコアが1251pts、マルチコアが8210ptsとなった。マルチコアのスコアが非常に高く、動画のエンコードやマルチタスクなども快適に行えることがわかる。またZen 3世代ほどではないもののシングルスコアも好成績で、クリエイティブ系アプリやビジネス系アプリもサクサク動作しそうだ

「CINEBENCH R23」の結果。マルチコアが8000を超えており、マルチタスクや動画のエンコードなどが快適に行えることがわかる

続いて、PCの総合的な性能をチェックするためベンチマークソフト「PCMARK10」を実施してみたところ、次の図のようになった。

「PCMark 10」の結果。クリエイティブ系アプリも快適に使用できることがわかる

快適さの目安は、基本性能を示すEssentialsが4100以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500以上、クリエイティブ系アプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上となっているが、そのいずれも大きく上回っている。ビデオ会議やOfficeアプリを使った文書作成はもちろん、写真編集や動画編集などクリエイティブ系の作業もある程度快適に行える性能を持っていることがわかる。

次に、「3DMARK」でグラフィックス性能をチェックしてみた。


「3DMARK」スコア
テスト 総合スコア グラフィックススコア
Time Spy 1331 1172
Fire Strike 3375 3687
Night Raid 13138 14507

「3DMARK」Fire Strikeの結果。CPU内蔵のグラフィックスとしては高めのスコアだった

いずれもCPU内蔵のグラフィックスとしてはパフォーマンスが高め。GPUを利用するグラフィックソフトなども快適に使用できそう。軽めのゲームもある程度は楽しめるはずだ

そこで、ゲーム系のベンチマークテストも試してみた。今回は、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」と「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を使用している。


ドラゴンクエストX ベンチマークソフト
グラフィック設定 解像度 スコア 評価
低品質 1920×1080 11618 すごく快適
標準品質 1920×1080 10775 すごく快適
最高品質 1920×1080 9118 とても快適

「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」の結果。フルHDでも快適にプレイできる結果になった

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
解像度 品質 スコア 評価
1920×1080 標準品質 5046 普通

「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果。解像度や品質を調整すれば、それなりに楽しめそうだ

『ドラゴンクエストX』くらいの軽いゲームなら十分快適にプレイできるのがわかる。DirectX 11ベースの『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ』でも、解像度や品質を妥協すればそこそこ快適にプレイできそうだ。

ストレージは、PCIe3.0x4のM.2 SSDが搭載されていた。「CrystalDiskMark」でチェックしてみたところ、シーケンシャルリードが1800MB/s弱となった。最近のSSDとしてはすごく速いというわけではないが、一般的な用途には十分すぎる速度で、実際OSの起動やアプリの立ち上がり、スリープからの復帰、データの読み書きなどはサクサク快適に行うことができた。

「CristalDiskMark」の結果

所有欲を満たす個性的な2 in1 PC

天板にファブリック素材を採用した、いい意味で"PCらしくない"デザインが魅力的な<Lenovo Yoga 670 (AMD)>。既存モデルからディスプレイのアスペクト比が変更になり、より多様なシーンで使いやすくなったという印象だ。その個性的な外観は唯一無二の存在と言っても過言ではないので、所有欲を満たすデザイン性の高いPCを探している人には特におすすめしたい。

Lenovoペンが標準で付属することを考えるとコスパはかなりよいので、リーズナブルで使い勝手のよい高性能なノートを探している人にもぜひ注目してみてほしい製品だ。

ファブリックカバーを採用した<Lenovo Yoga 670 (AMD)>。コストパフォーマンスの高さも魅力のひとつ
テスト機の主なスペック
機種名 <Lenovo Yoga 670 (AMD)>
CPU AMD Ryzen 7 5700U(1.80GHz/最大4.30GHz)
グラフィックス AMD Radeonグラフィックス(プロセッサーに内蔵)
メモリー 16GB
ストレージ 512GB SSD(PCIe NVMe/M.2)
バッテリー 約20.0時間(JEITA 2.0)
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