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こだわりの冷却機構とクールなライト演出の ミニタワー型ゲーミングPC <Lenovo Legion T550>


レノボからミニタワー型のゲーミングデスクトップPC<Lenovo Legion T550>が登場した。コンパクトながら徹底的に冷却効率にこだわっており、プロセッサーとグラフィックスの性能をフルに活かすことができる。強化ガラスを採用した筐体デザインやLED内蔵パーツも大きな特徴で、クールなイルミネーション演出でテンションを高めながらゲームをプレイ可能。ここでは、その外観や使い勝手、パフォーマンスなどを紹介していこう。


テスト機の主なスペック
CPU AMD Ryzen 7 5800(3.40 GHz 最大 4.60 GHz)
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 3060 LHR 12GB GDDR6
メモリー 16GB(8GB×2)
ストレージ 2TB HHD(7200rpm)+256GB SSD(PCIe NVMe/M.2)
通信規格 無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.1、有線LAN(1000BASE-T / 100BASE-TX対応)
インターフェース USB 3.0×4、USB 2.0×2、USB 3.1 Type-C×1、
オーディオポート×3(ライン出力×1、ライン入力×1、マイクロホン×1)、
ヘッドホン×1、マイクロホン×1、LAN×1、DisplayPort×3、HDMI×1
サイズ/重量 およそ幅205×奥行411×高さ396mm/約14kg(最大構成時)
OS Windows 11 Home(64bit)

CPUはAMD Ryzen 7 5800が搭載されている
グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 3060が搭載されている

シンプルながら洗練されたデザインの筐体を採用

「Legion T」シリーズは、ユーザーの快適なゲーム体験を重視して開発されたタワー型のゲーミングデスクトップPCだ。高性能なプロセッサーやグラフィックス、イルミネーション演出の映える筐体デザインなど、ゲームを楽しむための特徴を数多く備えている。

今回試した<Lenovo Legion T550>は、ラインアップのなかでは比較的コンパクトなモデルで、本体サイズは、およそ幅205×奥行411×高さ396mmとなっている。いわゆるミニタワー型のPCケースを採用しており、ミドルタワー型などに比べて天地や奥行きが小さく設置スペースも少なくてすむ

足元や机の上にも置きやすいミニタワー型のPCケースを採用する

本体カラーはブラックで、直方体の側面の角が丸まったようなフォルムをしており、シンプルだが洗練された飽きのこないデザインになっている。本体天面および本体前面から左側面にかけては目の細かいメッシュ状のパネルが嵌め込まれていて通気性はかなり良さそう。本体背面や底面も部分的にメッシュ状になっており、内部の熱を逃がしやすい構造になっている。

直方体だが、角にRがついているため、うっかり体をぶつけても痛みは少なそう
本体天面のメッシュパネル。網目が細かいので内部に物が入り込む心配は少ない。奥側にはLenovoのロゴプレートが嵌め込まれている
本体前面。メッシュパネルに「LEGION」の「O」のマークが嵌め込まれている
本体前面から左側面にかけて回り込むようにメッシュパネルが搭載されている
本体背面も部分的にハニカムメッシュになっており、内部の熱を逃がしやすくなっている

本体左側面は強化ガラス製のサイドパネルが搭載されており、パネルを開けなくても内部パーツの動作状況を見ることができる。後述するように内部にはLED内蔵パーツが組み込まれており、電源を入れるとカラフルなイルミネーション演出を楽しむことが可能だ

本体左側面は「LEGION」のロゴ入り強化ガラス製サイドパネルが搭載されている

インターフェースは、本体天面の前方にUSB 3.0×2とヘッドホン端子、マイクロホン端子、電源ボタンが、本体背面にUSB 2.0×2、USB 3.0×2、USB 3.1 Type-C、LAN、ライン出力、ライン入力、マイクロホン端子、電源コネクタが搭載されている。映像出力端子はグラフィックスカードに依存するが、今回試したモデルの場合はDisplayPort×3、HDMI×1が搭載されていた。頻繁に利用するポートがアクセスしやすい天面にまとめられており、使い勝手は良好だ

このほか、通信機能として有線LANのほかに、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n準拠)とBluetooth 5.1も装備している。

本体天面のインターフェイス。USB 3.0×2とヘッドホン端子、マイクロホン端子、電源ボタンが搭載されている
本体背面には、USB 2.0×2、USB 3.0×2、USB 3.1 Type-C、LAN、ライン出力、ライン入力、マイクロホン端子、電源コネクタが搭載されている。グラフィックスカードにはDisplayPort×3、HDMI×1が装備されていた

こだわりが感じられる内部レイアウトと冷却機構

左側面の強化ガラス製サイドパネルと右側面の金属製サイドパネルは、背面のネジを緩めるだけで簡単に取り外すことができる。内部は最近のタワー型PCのトレンドを押さえたチャンバー構造になっており、CPUやグラフィックスはケース上部、電源やドライブ、配線は本体下部に分けて配置されている。しかも本体下部はカバーで覆われているため、左側面(ガラス側)からはごちゃごちゃしたケーブルやドライブ類は見えず、非常に整然とした雰囲気だ

左側面の強化ガラス製サイドパネルを外したところ。完全な無色透明ではなく、少し黒っぽいスモークガラスになっている
内部を左側面から見たところ。上下のエリアに分かれており、電源などが収まった下部スペースはカバーで覆われている
右側面サイドパネルを外したところ。配線はこちら側にまとめられている

本体には前面にふたつの吸気用ファン、上部中央にCPUクーラー、背面に排気用ファンが内蔵されており、前面から取り込んだ空気が上部と下部に分かれ、背面から排気される仕組みになっている26Lというコンパクトな筐体ながらケースファンはいずれも大型で、CPUクーラーもTDP150Wに対応したタイプが採用されており、エアフローの効率はかなり高い。しかもファンはいずれも静音タイプのため、全開で回転していてもほとんど音が気にならない。ノイズに邪魔されることなくゲームに集中できるのは好印象。ちなみに、底面の吸気口のフィルターは取り外しができるようになっている。机下に設置していると埃を吸い込みがちなので、手軽に清掃できるのはありがたいポイントだ。

ファンは全部で4つ。いずれも大型で冷却性能は高い

このほか筐体内部にはPCI Express×16とPCI Express×4が各1基、M.2 SSD用スロットが2基、3.5インチベイが2基用意されている。PCI Express×16はグラフィックスカードが搭載されているため空きがないが、それ以外はそれぞれ1基ずつ空きがあり、後からストレージなどを増設することも可能メモリースロットは合計4基あり、最大128GBまで搭載することができる。5インチベイが省かれているため光学ドライブなどは内蔵できないが、PCゲームもSteamやOriginなどのオンライン配信が主流になっており、物理メディアを使用する機会が減っている現状を考えれば、十分な拡張性と言えるだろう。

PC本体の電源を入れて驚くのがそのLEDライティング。前面パネルのロゴマークと内部のアンビエントライト、4つのファン、グラフィックスカードのサイドパネルにLEDが内蔵されており、カラフルに光る仕組みになっている。このうちロゴマークとアンビエントライトは光り方を変更できる。また4つのファンは、光り方だけでなく色を1680万色の中から好みに合わせて変更することもでき、たとえばCPU温度に合わせて色が変わるようにすることなども可能。いずれもプリインストールされているシステム関係のユーティリティ、Lenovo Vantageで設定できる。イルミネーション演出によってテンションがかなり上がるので、ゲームプレイ時のモチベーションアップに大いに役立ちそうだ

電源を入れたところ。前面からはロゴマークやふたつの吸気用ファンが光っているのがわかる
左側面の天面付近に配置されたアンビエントライト
左側面から見たところ。ファンやグラフィックスカードのLEDによるイルミネーションが楽しめる
Lenovo Vantageの照明設定画面。光り方や色を設定することができる

高負荷でも安定したパフォーマンス

<Lenovo Legion T550>はCPUやGPU、ストレージ容量などの構成の違いで複数モデルが用意されている。今回試したのは、CPUにAMD Ryzen 7 5800、GPUにGeForce RTX 3060を搭載したモデル。そのほか、主なスペックは次の通りだ。


テスト機の主なスペック
CPU AMD Ryzen 7 5800(3.40 GHz 最大 4.60 GHz)
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 3060 LHR 12GB GDDR6
メモリー 16GB(8GB×2)
ストレージ 2TB HHD(7200rpm)+256GB SSD(PCIe NVMe/M.2)
OS Windows 11 Home(64bit)

ゲーム向けプロセッサーとして人気のRyzen 7 5800や、ミドルクラスのグラフィックスが搭載されているが、どのくらいのパフォーマンスだろうか? そこで、いくつかのベンチマークを実行して性能を測ってみることにした。

まず、「CINEBENCH R23」ではマルチコアが15222pts、シングルコアが1539ptsという結果だった。8コア16スレッドのCPUだけあって、マルチコア性能の高さが目立っている。また、ゲームやクリエイティブ系アプリの動作に影響するシングルコア性能も非常に高い。ゲームはもちろんだが、マルチタスクを多用するビジネスシーンや負荷の高い動画・写真編集などでも活躍してくれそうだ

「CINEBENCH R23」の結果

次にパソコンの総合的な性能をチェックするため「PCMARK 10」を実行したところ、次のようになった。


「PCMARK 10」スコア
総合スコア 7524
Essentials 10497
Productivity 9962
Digital Content Creation 11054

「PCMARK10」では、基本性能を示すEssentials、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivity、クリエイティブ系アプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationのいずれもが快適さの目安を大きく上回っていた

快適さの目安は、Essentialsが4100以上、Productivityが4500以上、クリエイティブ系アプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上となっているが、いずれも倍以上のスコア。普段使いやビジネス用途はもちろん、画像・動画編集などのクリエイティブワークまで余裕を持って対応できる性能だということがわかる。

「PCMARK10」実行時のCPU温度の推移。おおよそ70℃以内に収まっている
「PCMARK10」実行時のGPU温度の推移。おおよそ50℃以内に収まっている

次に、グラフィックス性能をチェックするため「3DMark」を実行してみた。比較のためデフォルト設定のときと、プリインストールされているユーティリティ、Lenovo Vantageで最高性能を出せるパフォーマンスモード(GPUクロックアップ機能有効)にしたときのスコアをあわせて紹介しよう。


「3DMark」スコア(グラフィックススコア)
モード デフォルト パフォーマンス
Time Spy Extreme 4189 4209
Time Spy 8689 8783
Fire Strike Ultra 5219 5241
Fire Strike Extreme 10120 10188
Fire Strike 20804 21036
Port Royal 5100 5123

結果を見ると、フルHDなら重めのゲームも快適なプレイが楽しめそう。ただし、4K解像度でのテストであるTime Spy ExtremeやFire Strike Ultra、レイトレーシング対応のPort Royalが5000前後となっており、少々物足りない印象。軽めのゲームなら4Kでも問題なさそうだが、重めのゲームだと力不足を感じることはありそうだ。

パフォーマンスモード時の「3DMark」 Time Spyの結果
パフォーマンスモード時の「3DMark」 Fire Strikeの結果

そこで、ゲーム系のベンチマークソフトもいくつか試してみた。


「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」
グラフィック設定 解像度 スコア 評価
最高品質 1920×1080 25239 すごく快適
最高品質 3840×2160 24022 すごく快適

「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」の結果

「FINAL FANTASY XIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」
グラフィック
設定
解像度 スコア/評価
(デフォルト)
スコア/評価
(パフォーマンス)
標準品質 1920×1080 28521/非常に快適 28794/非常に快適
最高品質 1920×1080 20253/非常に快適 20407/非常に快適
標準品質 3840×2160 15964/非常に快適 16101/非常に快適
最高品質 3840×2160 7114/やや快適 7157/やや快適

パフォーマンスモード時の「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果
「FINAL FANTASY XV ベンチマーク」
グラフィック
設定
解像度 スコア/評価
(デフォルト)
スコア/評価
(パフォーマンス)
軽量品質 1920×1080 12245/非常に快適 12389/非常に快適
高品質 1920×1080 8872/快適 9053/とても快適

パフォーマンスモード時の「FINAL FANTASY XV ベンチマーク」の結果

フルHDであれば、『ドラゴンクエストX』のような軽めのゲームから『FINAL FANTASY XV』のような重量級ゲームまで快適にプレイできる結果になった。4Kでも中程度の重さのゲームなら、画質次第で快適に楽しめることが分かる。パフォーマンスモードにすると若干ではあるが確実にスコアがアップするので、少しでも勝ちにこだわりたいときは活用するのがよいだろう。

なお、本機にはシステム用としてM.2 SSD、データ用としてHDDが搭載されている。そのストレージ性能を「CrystalDiskMark」でチェックしてみたところ、それぞれ次のようになった。

システム用のSSDは、シーケンシャルリードが3500MB/s前後と非常に高速データ用のHDDも250MB/s前後とHDDとしては十分な速度だ。

「CrystalDiskMark」のM.2 SSDの計測結果
「CrystalDiskMark」のデータ用HDDの計測結果

コストパフォーマンスのよさも魅力的

洗練されたデザインのボディに高性能なプロセッサーやグラフィックスカードを搭載したミニタワー型ゲーミングデスクトップPC<Lenovo Legion T550>。強力な冷却性能や、イルミネーション演出が楽しめるLED内蔵パーツアクセスしやすい天面のインターフェースなど、随所にこだわりが盛り込まれており、ゲーム初心者からベテランまで幅広いユーザーにおすすめできる製品に仕上がっている。

直販サイトでは今回試用したGeForce RTX 3060搭載モデルが本校執筆時に164,726円(税込)という価格で販売されており、コストパフォーマンスのよさも魅力的。ラインアップにはGeForce RTX 3070を搭載したモデルも用意されているので、重めのゲームを精細な映像でヌルヌル楽しみたいという人は併せて検討してみてはいかがだろうか。


テスト機の主なスペック
CPU AMD Ryzen 7 5800(3.40 GHz 最大 4.60 GHz)
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 3060 LHR 12GB GDDR6
メモリー 16GB(8GB×2)
ストレージ 2TB HHD(7200rpm)+256GB SSD(PCIe NVMe/M.2)
通信規格 無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.1、有線LAN(1000BASE-T / 100BASE-TX対応)
インターフェース USB 3.0×4、USB 2.0×2、USB 3.1 Type-C×1、
オーディオポート×3(ライン出力×1、ライン入力×1、マイクロホン×1)、
ヘッドホン×1、マイクロホン×1、LAN×1、DisplayPort×3、HDMI×1
サイズ/重量 およそ幅205×奥行411×高さ396mm/約14kg(最大構成時)
OS Windows 11 Home(64bit)

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