夏の島旅、神津島!【3】

2016年07月29日(金)
テーマ: ツーリング

さあさあ、関東地方も梅雨が明けて、夏本番!
お待たせいたしました、神津島ツーリングの最終話です。
前回までのお話…
第1話はこちら
第2話はこちら
でごらんくださいね。

さて、あっという間に駆け抜けた土曜日が過ぎて、日曜の朝。
民宿のお部屋の、カーテンの隙間から覗くのは…今日も青空!
あぁもう、今日でこの楽しい島ともお別れなんだなあ…。
と、淋しくなってる暇はない。
一時たりとも無駄にせず遊ぶわよっ!
午前中は自由時間ということで、
私は大好きな”bike & hike”を満喫すべく、
島のライダーさんに導いていただいて、
やってきたのはこの島のシンボル的存在、「天上山」。
島にきてからずっと私たちを見守ってくれているような気がしていたお山に、
ついにご挨拶が叶います♪



▲白島登山口にバイクを停めて、おトイレを済ませたら、6kmほどのハイキングへ出発! 虫よけ、日焼け止め、汗拭きタオル、飲料水も忘れずに。



●島の真ん中で、龍に出会う

天上山の標高は572m。
同じ東京都で言うなら、登山初心者にも人気の低山・高尾山の高さにも届きません。
にもかかわらず、とにかく眺めが壮大で、
なおかつ、独特の気候風土が作用してのことだそうですが、
この低さでありながら多種にわたる高山植物が自生しているので(不思議!)、
少し歩けばもう、自分がどのくらいの高さにいるのか、さっぱりわからなくなる。
こんなドラマチックな登山、初めて!!



▲果てしない空、青い海、手つかずの森。これぞ島登山!
花の百名山にも選ばれています。ピンク色のオオシマツツジは神津島を代表する花。



▲所要時間約1時間で無事登頂☆
あたかも私が仲間を率いてきたかのようにセンターを飾るも、
最後尾で息も絶え絶えたどり着いたのは隠しようもない事実である…。
心優しいみなさんありがとう♡

そんなことより、みなさん、気がつきました?
山頂の、更なる頂に、私たち以外の誰かがいること…。





そうです、龍です!
こんなところに龍?





その龍がいる山頂から15分ほど歩いてたどり着いたハート型の池、
「不動池」で謎が解けました。
ここはかつて、この山を霊山として崇める島の人々により
雨乞いの儀式がされていた場所で、
池の真ん中のこんもりとした島の中には祠があり、
その中に、”クラカラ剣”と”石の竜王”が祀られている、と案内版にあります!
なるほど、龍神によって守られてきた山なんだ!

(「クラカラ剣」とは、不動明王の立像が右手に持つ、
龍が絡みついた剣「倶利伽羅剣」のことではないかとの説が有力。)



「むやみに祠に近づき中を見るべからず」とは、島の言い伝え。
カメラを向けるのもなんだか気が引けて、この一枚を最後にしました。
とっても不思議で、凛とした空気に満ちた場所。
身を置くほどに気持ちがニュートラルになっていく。
私にとってのパワースポットはこういうところ♪

(島の中心にたどり着いた…)

登頂の瞬間よりも強く、そんな気持ちがじわじわと体を満たしていったのでした。



●「神々が集いし島」の真実

自由時間を終えて、神津島港近くで漁協女性部が運営する
「よっちゃーれセンター」で昼食と買い物を済ませたら、ついにお別れのとき。
島の時計はいつもどこでもゆっくりなのに、
楽しい旅時間は本当にあっという間に過ぎていく(泣)。



波が穏やかな帰路は神津島港からの出航。
すると…






なんということでしょう!

村長さんがまたまたVFR750で登場! 見送りに来てくださいました。
もう、うれしいを通り越して胸が熱いっ!






乗船を待つ間、
みんなそれぞれに島での2日間を思い起こしていたと思います。
私は、今まで訪れたどの島にもなかった、
神津島特有のあることを想って、感動を新たにしていました。
それは…


神様の存在をずーっと感じていたということ!

私はごくお気楽な無宗教者ですが、
小さいころから、山や海、地震や雷…
自然そのものに神様の気配を感じるタチで、
この島の滞在中も、バイクを走らせ、島の風を受け止めながら、
神様と一緒にいる感覚がずーっとありました!
透き通る海に。
眩しい白砂の浜に。
甘露な湧き水に。
深い森に。
山のお花に。
島にいることを忘れてしまうほどスケールの大きい、手つかずの自然に。

そうなると気になるのは、
「神々が集う島」であったという伝説。
そんな神話が今もなお残っていることと、
私のこの感情…果たして偶然!?




日常に戻ったら、このことについてあれこれ考えてみようじゃないか♪
こんな楽しい考え事ができたことが、この旅の一番のお土産かな。
あー、思い切って来て本当によかった!
自分の足で訪れて、感じられたことこそが、真実だものね。




そして、自然の恵みに足るを知り、
離島ゆえの不便さを「島らしい暮らし」と楽しむおおらかな人たちに、
また会いにこよう。
そのときは、神津島をまだ訪れたことがない誰かと一緒に。
東京に、自分のバイクで走れるこんなに美しい島があること、
もっと多くの人に知ってほしいから!

<完>


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Bon voyage!!








ライフスタイルエッセイスト 小林 夕里子(コバユリ)

執筆、イベント・メディア出演などを通じてオートバイのある暮らしの喜びを女性の視点から発信しています。アウトドア×モーターサイクルブランド「nomadica」をプロデュース、キャンプイベントやワークショップなど、女性とビギナーにやさしい癒し系のアクティビティーと、オリジナルアイテムを展開しています。日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。日本キャンプ協会認定キャンプインストラクター。



nomadica ノマディカ

余暇のひとときを、もっと"active & natural" に。

『ノマディカ(nomadica)』は、モンゴルの大草原で暮らす遊牧民(nomad)の、たくましくてしなやかな姿にインスパイアされて生まれました。自然を愛し、ときにその厳しさと対峙しながら、アクティブに、ナチュラルに、馬と旅を続ける彼らの姿は、四季を愛しみ、ときに雨に打たれながらも、オートバイで走り回ることを楽しむライダーの姿と重なります。

「オートバイで自然の中へと出かけること、太陽の下で遊ぶこと、人とつながっていくことを、もっともっと楽しみたい!」

ライフスタイルエッセイスト小林夕里子の、そんな願いから生まれた『ノマディカ』は、ライダーが発信するアウトドアブランドです。”アクティブ&ナチュラル”をコンセプトに、女性やバイクビギナーでも安心して、自分らしく、新しい世界へ扉を次々に開けていけるような、アウトドアアイテムおよびアクティビティーを展開してまいります。


 


 

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