LLFK-vol75

Season8「な気分」どっちな👀気分 2024年2月29日

人生は選択の連続です。休日に仕事をするか?買って帰るか?自炊にするか?思い切ってやってみるか?やらないか。目の前に常に現れては消える、無数のチョイス。物心がついてから死ぬまで、私達はこの「選択肢」とずっと付き合い続けています。僕自身、選択を失敗してきた事も幾度となくあり、「こうしたらいいですよ」なんて事は言える身分ではありません。ただ、なんとなく最近「選ぶ」という行為を改めて考えてみたくなったのでした。

WHAT IS BASIC?

「お父さん、コピックマーカーが欲しい。」
そう娘が言うので、誕生日プレゼントにと選ぶ事になりました。

コピックマーカーというのは、デザイナーやイラストレーターなどに良く使われている、ドローイング用のカラーマーカーです。全358色もあり、透明度が高いため塗り重ねて多彩な表現ができます。僕も美大生時代に良く使っていました。

画材店に行くと、ベーシックセットなるものがありまして、バランス良く揃えた36色セットだそう。「これでいいんじゃない?」と買う寸前まで行きましたが、色を良く見ていると、濃いブラウンなんて使うのか?このブルーは車でも描くのだろうか?と使わなそうな色がどんどん目に入ってきます。

価格17,000円程と、決して安い訳でもないし、メーカーが選んだ組み合わせは安心だけど、どことなく思い入れも弱い。だったら面倒だけど1色づつ選んでみたらどうだろう…?と一旦お店を出るのでした。

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色々調べたので、結構時間はかかったものの、描きたい物とピッタリ合う36色を一緒に選びました。コピックさん、その辺りは抜かりなく、専用アプリがあり、欲しい色を比較できたり、実際に購入した色を登録して管理できる。これは便利でした。娘もあれじゃない、これじゃないと、選ぶ間も楽しそうにしていて、これはこれで良い経験だなと嬉しく思う親心。

もう一度実際に店舗に行って、一本づつ手に取って集めた36色をベーシックセットと比べてみると、全然違いすぎて驚きでした。

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ふと頭によぎったのが、一人暮らしを始めた時に買ったIKEA 365シリーズのスターターセット。食器からカトラリーまでが30点近く揃っていて、これでいいやと飛びつきました。20年経った今、自宅に残っている食器はひとつもありません。

ベーシックって一体誰の事を指すんでしょうね?

のぞみN700 Supreme

東京~福岡間を走る東海道新幹線。良く使う方も多い日本の大動脈ですが、分刻みで運行する中で、たま〜に出会う、新型車輌があります。

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名前は、「のぞみN700 Supreme」。外観はN700系であまり差がないものの、内装が異なります。横揺れも少ない感じもするし、前との座席間も広くてシートの座り心地も良くなっています。走行中は照明が少し暗くなったりと、色んな所がちょっとづつアップデートされていて、運良く乗れたりするとテンションアップ↑。本数も増えて、事前に調べれば確実に乗れるので、オススメです。

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ところで、皆さんは新幹線に乗る際は窓側、通路側どちらに座りますか?いつでもトイレに行ける通路側で安心するも良し、窓側で人目を気にせず「富士山待ち」をするも良し。新幹線という乗り物一つ取っても、その中に様々な人間模様があり、無数の選択がうごめいています。観察をしていると、中々興味深いですよね。

左側と右側

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皆さんが、必ず一度は選択に迫られた事のあるもの。関東では左側は立ち止まり右側は歩行、関西ではその逆というルールは「東西文化の違い」の代表例として挙げられる「エスカレーター」。ずっと気にはなっていたのですが、エスカレーターって片側どちらかが空いてるじゃないですか。歩行側・急いでいる人用に空けてあるのでしょう。
ですが数年前に、将棋倒しされる事故があり、それからエスカレーター内で歩く人が減ったような。場所によっては「歩かないでください」と書いてある事も。

混雑時には、片側ガラガラで、エスカレーターに長蛇の列なんて光景もよく見ます。急いでいたので、右側を歩こうとすると、誰かが立っていて詰まっているので結局歩けない。高齢の方などは、致し方ないし、その方が安全ですからね。

そもそも、「片側に立ち、片側は歩く」という今の乗り方は効率的でしょうか?そろそろ両側同時に乗っても良いルールに変更した方が良くないですか?

そもそも、「歩かないで良い」のがエスカレータのコンセプトなのでは。

規則こそ、時代と共に、柔軟に変えて行く、
むしろ無くしたり、元に戻したりしても良い。

いつもエスカレーターに乗る度に思うのです。

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選んだことのない自分に

目の前に現れる、選択の数々。早く決めなきゃと、前の人と同じにしたり、ルールに沿おうとしてみたり。経験や情報は、役に立ちます。役には立ちますが、本当に新しい体験や発見を届けてはくれません。

過去とかその先とかを考えずに、思い切って正直に選ぶ。

これができる環境って世界中を見渡しても、日本が一番適している気がするのです。災害が起きても、強奪が起きない。道端で誰かが倒れたら、周りのほとんどの人が走り寄って、大丈夫ですか?と声をかける。こんな平和な国はありません。

皆で支え合うことのできる、愛に溢れた国。

困った時は、その時々でなんとかなるんです。
だから、つまらない選択はやめて、周りが何と言おうが
自分の「今」の気持ちに正直な方を選択して、
新しい事にチャレンジしてみたいなと思うのです。

つづく

スタッフコメント

「困った時は、その時々でなんとかなる(中略)周りが何と言おうが自分の「今」の気持ちに正直な方を選択して、新しい事にチャレンジしてみたい……」 ものすごく共感しました!いつも安定なのは良いけれど、たまには思い切って新しい選択をしてみる。そうすれば自分の幅も広がるし、違う景色が見れそうです。

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和田 健司 オランダDesign Academy EindhovenにてDroog Design ハイス・バッカー氏に師事、コンセプチュアルデザインを学ぶ。 同大学院修士課程修了。大手広告代理店勤務の後、2011年 “what is design?”を理念とする(株)デザインの研究所を設立。研究に基づく新たな気付きを、個人から企業まで様々な顧客に価値として提供し続けるコンセプター。(インスタグラム:@k_enjiwada