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Season8「な気分」さの🐟な気分 2023年12月26日

人は時折、ある特定の土地に引き寄せられるような感覚を経験することがあります。特にルーツがある訳でもないのでに、その土地に足を踏み入れると、不思議な魅力が心を引っ張るように感じられ、魔法のように何度でも訪れたくなる。

みなさんには、そんな、ついつい引っ張られてしまう「引力を感じる土地」はありますか?

僕は、関東に住んでいるにも関わらず、何かと関西方面へ行く用事が多いんですね。なぜ東北じゃないんだろう…?と思いならがも、訪れる度に「西に来い。」と神様からの指令をどこか心の奥底で感じています。今回は、そんな「引力を感じる土地」について、その魅力と引き寄せられる理由に迫ってみたいと思います。

泉佐野

大阪府の南、関西国際空港に程近い場所に位置する、美味しいものが満載の街「泉佐野市」。西は大阪湾、東は和泉山脈に面し、美しい山河、緑あふれる恵まれた自然環境にあります。きっかけは、仕事で訪れるようになったのですがもうすぐ通算10回くらいになるかもしれません。

ものづくりでは、タオルの発祥である泉州タオルが有名です。今治タオルよりも歴史は古く、少し薄手のサラッとした柔らかな風合いが特徴。そんな爽やかさを彷彿とさせる泉佐野の街の雰囲気は、同じ大阪府内でもいわゆるコテコテの「ザ・大阪」とは一線を画していて、海沿いの景色がそれを一瞬で物語っています。

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見てください。毎回ついつい写真を撮ってしまうほど美麗な海岸線。季節や気候・時間によって表情が全く違うので、飽きる事が全くありません。角度は少し違いますが、夜になるとこんな感じ。

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海に向かって真っ直ぐ進む一本橋の先には、関西国際空港があります。逆に空港からは2駅位と利便性もかなり良し。新しいホテルも数々建設されていて、今まで色々と泊まってきました。どの宿でも、ある程度の景色が楽しめるのですが、中でも僕の最近の推しホテルは、今年の3月にオープンしたばかりの、OMO関西空港 by 星野リゾート。OMOは星野リゾートのカジュアルラインのホテルなので、決してお部屋は広くはないですが、ホスピタリティが抜群のホテルです。

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内装もモダンにまとまっていて、スタイリッシュ。上に載せたのは実際に部屋から見える景色ですから、それ以外に華美な装飾は必要ありません。その代わり、マットレスにはかなり力を入れている様子で、寝心地は格別。こういう力の抜き差しが上手なのが星野リゾートのセンスなんでしょうね。

施設としては、外気浴の気持ちよい大浴場があって、お湯に浸かってゆったりと。そして、ワークラウンジで軽く仕事をすませることも。屋上のダイニングでは、景色を眺めながら朝食や夕飯がいただけます。

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特に朝食は、目の前でパンケーキを焼いてくれたり、時間がなければボックスに入れて部屋で食べる事も。お薦めは、あざとい盛り付けの、エッグベネディクトとサーモンのパンケーキ。サーモンには、オニオンで作られた3つの輪っかを。エッグベネディクトには、幸運のクローバーを必ず乗せてくれます(笑)。

SEAのFOOD

泉佐野の海がもたらす魅力の一つは、その豊かな海産物。新鮮で美味しい魚介類や海の幸が、食文化を支えています。地元の漁師たちが大切に守り育ててきた海の中で育まれる食材は、地元料理や海鮮グルメの宝庫となっています。

と前置きはこの位にして。ホテル食もいいけれど、泉佐野の神髄はシーフードにあり。新鮮な刺身になるマグロやハマチ、地元特産のアワビやホタテ。タチウオのような珍しい魚も。もうね…ここは海鮮楽園。めちゃめちゃ美味いです。

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泉佐野に来たら、絶対に行って欲しい(ほぼ義務)海鮮居酒屋「三平」。地元の人で連日満席の大衆酒場です。大衆とは名ばかりで、出てくる魚料理の数々は、完全に料亭の域。

必ず頼むべくは、刺身の盛り合わせ。通称、刺盛り。 今まで数々の刺盛りを食べてきましたが、 2人で来たから、2~3種盛りかなぁと頼めば、5種類は乗っていて、5点盛りなんて頼もうもんなら、10種盛りくらいになっている。
思っている量の倍は出てくる、このシステム。嫌いじゃありませんが、日本のこの文化、何なんでしょうね? その割に、1種だけで頼むと、それだけが出てきたり。 増えないんかい!って。そして、魚が美味しい地域には、美味い日本酒が必ずある。

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これも、泉佐野名産「がっちょの唐揚げ」。関東では「メゴチ」と呼ばれている10cm前後の白身魚。なんともブサイクでネズミのような体型であるため雑魚扱いの魚ですが、天ぷらにするとその味は、もう最高。これは天ぷらになるための魚、そう言って過言ではありません。旨み、甘みがありサクサクした食感で上品な食べ心地。

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夏になると、脱皮して間もないワタリガニが出回るそうで、これがまた格別な美味。脱皮直後の蟹は殻が柔らかいので、焼きたてを、殻ごと食べることができます。特に旬のオスは、身がぎゅっと詰まっていて、甘さも格別。身を堪能した後は、味噌のついた甲羅に、熱燗を注いで甲羅酒。あぁ、幸せ…。

惹かれつづける

もちろん、大阪市内のナニワな感じも大好きです。が、親しみやすい人々が迎え入れてくれる泉州の雰囲気は、都会では味わえない心地よさがあります。そこに美食が融合され、他にはない魅力に惹かれてやみません。

今回だけでは、氷山の一角しか紹介しきれていない泉佐野の魅力。攻めて守れる泉州茄子、気づいたら4時間が経過してしまう燻製の店、強烈に記憶に残る天津飯…。考えるだけでも、まだまだあるなぁ。これは後編やった方が良いでしょうかね?ちょっと年末年始で考えようかな…。

そうそう、地元の人達は泉佐野のことを「さの」って呼ぶんです。


皆様、良いお年をお迎えくださいね。

つづく

スタッフコメント

関東生まれの私にはなかなか縁がない関西地方。こんな良い街があるのですね!オシャレなホテルに、海鮮が美味しい居酒屋……これは引き寄せられるのも納得です。もっと泉佐野を知りたくなりました♪

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和田 健司 オランダDesign Academy EindhovenにてDroog Design ハイス・バッカー氏に師事、コンセプチュアルデザインを学ぶ。 同大学院修士課程修了。大手広告代理店勤務の後、2011年 “what is design?”を理念とする(株)デザインの研究所を設立。研究に基づく新たな気付きを、個人から企業まで様々な顧客に価値として提供し続けるコンセプター。(インスタグラム:@k_enjiwada