練香はお線香などと違い、火を直接つけて楽しむのではなく、間接的にじわじわと温め、香りを楽しみます。基本的には香木の薫き方と同じになりますが、ここでは練香の薫き方でお手軽な方法・空薫(そらだき)と上級者向け・銀葉で薫く方法(聞香)をご案内しています。

お手軽になら
【中級者向き】

空薫(そらだき)

香炭と灰と香炉があればできる方法です。手軽にお部屋に香りを漂わせたい時に。

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本格派なら
【上級者向き】

銀葉で薫く(聞香)

香炭団、灰、香炉、香道具、銀葉が必要になります。

→ 銀葉で薫く手順へ

道具不要
【初級者向き】

電子香炉

炭と灰と香炉があればできる方法です。お部屋に香りを漂わせたい時におすすめです。

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 空薫(そらだき)

必要な道具

空薫の手順

香炉灰を静かにかき混ぜ、表面をならしておく

灰に空気を含ませるよう、香筋(きょうじ)で底の方からゆっくり静かにかき混ぜます。
表面が平らになるよう、軽く整えてください。

チャッカマンやライターなどで香炭に火をつける

香炭の角をあぶるように着火します。火傷しないように気をつけましょう。
空薫の場合、お香に熱が届きやすいため、 香炭団ほど大きい炭でなくても大丈夫です。

火が香炭にまわるのを待つ

火が香炭全体にまわるまで、灰の上に置いておきます。

灰の中に香炭を半分ほど埋める

香炭全体に火がまわったら、香筋(きょうじ)で香炭を半分ほど
灰の中に埋めます。

香炭の近くに練香を置く

灰にうずめた香炭より少し離れたところに練香を置きます。
じんわり温められた練香の香りがお部屋に広がっていきます!

[ポイント]
・この方法で香木も薫けますが、灰に香りが移るため練香とは別の香炉をお使いください。


おすすめ!上級者向き 聞香(もんこう)

必要な道具

聞香の手順

香炭団に火がまわるまでよくおこす

電熱器やコンロなどで、香炭団全体に火がまわるまでよくおこします。
写真では電熱器を使用しています。コンロをお使いになる際は網を敷き、
その上で香炭団を熱してください。

香筋(きょうじ)で灰に穴を作る

灰に空気を含ませるよう、香筋(きょうじ)で底の方からゆっくり静かにかき混ぜます。
香炉の中心に香炭団が収まるくらいの穴を作ります。

灰の中に香炭団を入れる

表面が白くなった香炭団を火傷しないように気をつけながら
準備した穴の中に入れます。

香炭団の上に灰をかぶせ、山にする

香炉を左手で手前に回しながら、右手の香筋で手前から中心に向かって
山形にかき上げていきます。

灰押さえで灰の表面を整える

香炉を左手で手前に回しながら、灰押さえで山の表面を整えていきます。押すのではなく、垂直に置いて整える感覚です。山をなくさないよう気をつけましょう。また灰の乗せすぎ、山の固めすぎは香炭団が消える原因になります。

聞筋をつけ、火窓を作る

一本の香筋で山の斜面に香炉の正面の目印として『聞筋(ききすじ)』を浅くいれます。山頂部分から香筋を垂直に差し、香炭団まで続く『火窓』と呼ばれる穴を開けます。聞香炉の正面は各脚の中心となります。

火窓の上に銀葉をのせる

銀葉挟みを使い、火窓の上に銀葉を水平になるよう置きます。
この時、銀葉の中心に火窓がくるように置いてください。
また銀葉がぐらつかないよう、挟みで軽く銀葉を押してください。

練香を銀葉の上にのせる

練香をそっと銀葉の中心に乗せます。
この時、練香から煙が上がる場合は銀葉を外し、もう一度灰をかき上げるか
香炭団を香筋で押して遠ざけるなど調節してください。

[ポイント]
・聞筋の付け方、銀葉の向きは流派によって異なります。
・銀葉はとても熱くなるので手で直接さわらないようにしてください。