雛人形の飾り方


おひなさまのあれこれQ&A

初節句のお祝いをいただきました。お返し方法をおしえてください
お返しはお祝いの日から一週間以内にします。お礼の手紙と赤ちゃんのスナップ写真をお赤飯や祝儀用詰合せなどと添えて贈ることが多いようです。のし紙には「内祝」とし、紅白の蝶結びの水引の下に子供の名前を書きます。お祝いの席に招待した方にはお返しの必要はありません
男雛と女雛、向かって右、左どちら?
一般的には向かって左に男雛、右に女雛を飾ります。この飾りは昭和以降、関東を中心に広まったもので、古式を好む京都では左右逆の飾り方をしています。古風なら左(向かって右)を上座に、現代風なら右(向かって左)を上座にと好き好きに飾ってよいのです。つまり、どちらに飾っても間違いではありません。
おひなさまは、いつからいつまで飾るの?
季節の節目の立春(二月四日)頃から、次の節目の雨水(二月十九日)頃までの間には飾りたいものです。また地域によっては、旧暦でお祝いするところもあります。桜が咲く頃までお飾りいただいてもよいかと思います。しまうのは天気の良い乾燥した日を選んでください。
早くしまわないと、お嫁にいくのが遅くなる?
これは、いつまでもダラダラしないで、片付けなさい。という「しつけ」の意味の言葉の例えですので、あまり気にする必要はありません。
次女、三女のおひなさまは、どうすればいいの?
一人一人のお守りですから、出来れば次女三女にも、用意したいものです。しかし、それが無理な場合は、それぞれ何かその子の記念になるような人形を用意し、いっしょに飾ってあげましょう。
子供が、おひなさまを触りたがるのですが…
そもそもおひなさまは、お守りであり、病気や災いを肩代わりしてくれる「ひとがた」なので、むしろ触ることに意味があります。大人の話が理解できるような年齢、三才ぐらいになったら一緒に飾りましょう。大切なものに触るときは、まず手をきれいに洗い、やさしく扱うことを教えてあげてください。それまでの間は、お子様の手を取っておひなさまを撫でてあげてください。
もう何年も箱から出していない、おひなさまがあるのですが…
飾らなくなったおひなさまは、もうお役目が終わったと解釈します。何かの事情で人形を保存できなくなった場合は、全国各地の社寺で行っている人形供養(人形感謝祭)に持参し、若干の供養料を添えて納めるのがよいでしょう(一社)日本人形協会では、人形感謝(供養)代行サービスを行っております。詳しくはホームページをご覧ください。

防虫剤編

なぜ防虫剤を使うの?
衣類の繊維を食べる「カツオブシムシ・イガ」などの害虫が、お人形の衣装や髪の毛などを食べてしまう可能性があります。大切なお人形を守るのには欠かせません。
防虫剤を使う上で注意する点は?
無臭の薬剤(エンペントリンなど)は、どの薬剤と併用しても問題ありません。但し、パラジクロルベンゼン・ナフタリン・樟脳の組み合わせには、ご注意ください。2種類同時に使うと、化学変化を起こして薬剤が溶け、衣装や顔にシミが出来てしまう場合があります。入れ替えの際は、十分ご注意下さい。パッケージに記載されている使用量や使用上の注意を良くお読みになりお使い下さい。※人形カバータイプの防虫剤も同様です。
お人形に防虫剤の臭いがつくのが気になりますが…
現在は無臭の防虫剤が市販され、主流となっています。入れるタイプや、お人形を包んでホコリから守るカバータイプもあります。
お人形のカビ対策は?
カビ対策には、早く片付けることを優先せず、天気が良く湿気の少ない日を待ってしまうことが大切です。また保管の際は、湿気が少ない場所にしまいましょう。気密性が高く、湿気が溜まりやすい住宅の場合は、シリカゲルや調湿剤を使用して下さい。防虫剤と併用しても、問題ありません。

おひなさまのしまい方

~よく晴れた空気の乾いた日にしまいましょう!~
おひなさまは年に一度しか飾らないものですから、保存方法も大切です。上手に保存して、毎年のひな祭りを楽しんでください。


しまう時に用意するもの
・毛ばたき……ホコリを払うときに使います。
・柔らかい布(ネルなど)……塗りの部分の乾ふきに使います。
・柔らかい紙……お人形のお顔を包みます。
・人形用防虫剤……お人形、ぼんぼり、お花の箱の中に入れます。
・しまう時には、毛ばたきでやさしくホコリを払い落してからしまいましょう。
・大きな箱の中に複数のお人形やお道具を入れる場合は、ぶつかり合わないように、隙間に紙などを軽く詰めてください。
・持ち道具は取り外して、元の袋や箱に入れましょう。
・人形用防虫剤は、パッケージに記載されている、使用上の注意を良く読みお使い下さい。また使用量を守り、お人形や装飾品に直接触れない様に入れましょう。
・お人形やお道具は元の箱に納めてください。飾る前に収納状態の写真を撮っておくと、しまう時にまごつくことがありません。
・お人形の顔や手は、柔らかな紙などでやさしく包んでください。
・お人形のお顔は、素手で触ると脂が付き、シミの原因になります。白手袋などのご使用をおすすめします。
・飾り台等の塗り部分のホコリや指紋跡などはふき取ってからしまいましょう。
・箱に納めた人形は、湿気のない納戸や押入れの上段など家の中の高い場所に保管しましょう。