このページは、私、桐田平八が、石川県輪島の漆器工房を訪問したときの知識に基づいて、蒔絵漆器のできるまでの行程を解説したものです。専門家ではないので、内容に不備な点がありましたらご容赦下さい。
   

漆の木:
漆はウルシ科の植物でアジアを中心に多くの種類があり、中でも日本のウルシの木が最も高質の漆を産します。
漆液は、一定年数(20年程度)を経た漆の木にキズをつけて、滲み出してくる樹液を採取します。
期間は6月初から10月までの約150日間で、この間に取れる漆の量はたった200グラム前後です。
掻ききった漆の木は、秋の終わりには切り倒され、切り株から出てくる芽を再び育てます。

   
漆の実です。
   
 
   
見学した漆器ショップでは、実物の漆の木と掻く道具を展示していました。
   
塗り:
採取された漆液は濾過、精製され、器などに塗られます。
器の素材は当然木製が中心ですが、漆自体は素材を選ばず金属やガラスなどに塗ることも可能です。
塗りは下塗り、中塗り、上塗りを各3回程度ずつ、合計10回近くの重ね塗りを行います。
下塗りはへら、中塗り、上塗りは特殊な刷毛が使われます。
   
  重ね塗りをするため、器の素材はかなり薄いものが使われます。
   
 
   
下塗り
   
 
   
上塗り
   
乾燥中です。
   

研磨:
塗りを1回入れる毎に研磨をします。
塗面に微妙な乱れがあると光が拡散し、深い映り込みは無くなります。
そのため下地塗りから一工程ごとに美しい形に完成させる必要があります。
下塗りの研ぎには目の粗いペーパーなども使い、塗りを重ねるに従って、目の細かい砥石を使用します。

   
下塗りの研磨。
   
 
   
上塗りの研磨
   
器の各部位の曲線に合わせて、
それぞれ砥石を制作、使用します。
   
箱物の研磨
   
手作業です。
   
蒔絵:
漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔く」ことで器面に定着させる技法です。


元絵の図柄を写し取ります。置き目
   
地塗り
   
塗り込み
   
金粉蒔き
   
金粉入れ
   
研ぎ出し
   
椀のような丸物は展開図で描きます。
(ボールペンもですね。)
   
 
   
 
   

 

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