ウール素材は洗濯できる?

2018.11.22

セーターやマフラーなどウール素材のものも家庭で洗濯してみたいという方も多いと思います。
ウールという素材の特徴と、洗濯で注意すべきことをを見ていきましょう。

ウールとは?

ウールとは羊毛のことですね。羊の毛をほぐして、漂白して、紡いで糸をつくります。それを編んだり織ったりして衣類などになっていくのです。ウールは動物の毛ということです。まずは、動物の毛としての特徴をしっかり理解してから、洗濯の方法を考えていきましょう。

キューティクル?

人間の髪の毛もそうですが、ウールにもキューティクルがあります。髪の毛をテーブルになどにおいて指を滑らすと、一方の方向には滑りますが、反対方向には滑りません。これはキューティクルがあるからなのですが、見た目は竹の子みたいなイメージですね。根本の方から先端に向かっては滑るんですが、先端から根本の方には竹の子の皮が引っかってしまいます。羊毛もこのようなキューティクルに覆われます。ではキューティクルの特徴を見ておきましょう。
キューティクルは濡れると開き(お湯は特に開きます)、乾くと閉じます。濡れると先端方向に向かってイガイガがいっぱい開くような感じです。ですので、濡らした状態でもみ洗いしたり、こすったりすると繊維のキューティクル同士がもつれ合い、繊維同士が絡まってしまいます。絡まっていくとどうなるのかというと、生地がどんどん縮んでしまうんです。
では、この特徴を理解してから洗濯していきましょう。ポイントは4つ。

1. まずは洗濯表示の確認

まずは衣類についている洗濯表示の確認をしましょう。水洗い不可となっていた場合は、家庭での洗濯はできません。
ウールの場合は水洗いできても手洗い表示となっていることが多いと思います。洗濯表示を確認するのは基本中の基本。よく見ておきましょう。

2. やさしく洗う

洗い方ですが、専用の中性洗剤を使います。(洗濯用石けん等でも洗えるように調整しているものもあります)
まず桶などに水を入れ、中性洗剤を少量溶かして薄めの洗浄液をつくります。ここに洗濯ものを入れて軽く押し洗いしましょう。ごしごしともみ洗いするのは厳禁です。お湯を使うのはやめましょう。縮む原因になります。洗ったあとはよくすすいでください。すすぎも軽く押し洗いで丁寧にしましょう。洗剤がなくなるまで何度か繰り返します。水に浸ける時間はなるべく短くすることも注意のひとつですのでなるべく手際よくしましょう。

3. 脱水は短く

脱水は洗濯機で行います。大き目の洗濯ネットに軽くたたんだ洗濯ものを入れ、脱水します。なるべく形が崩れないようにネットに入れてください。
時間は10~20秒まで。長時間脱水すると型崩れなどの原因になるので要注意です。

4. 乾燥は日陰で形をくずさないように

ウールは形が崩れやすので、乾燥にも注意が必要です。ウールのズボンなどは、上下反対向きに吊したほうがいいですね。ベルト部を下にして干すとズボンの重みでピンと張りやすくなります。シャツなどはなるべく肩幅のあるハンガーにして、型崩れを防ぎます。セーターなどは吊るすと重みで伸びてしいまうことがありますので、なるべく平置きで乾燥させます。セーター干し用のネットなども販売されているようですので、活用してみるのもいいかもしれません。乾燥は陰干しで。

ウールの特徴を生かしたこんなものも

ウールの特徴は理解していただけましたでしょうか?
ところで、フエルトという生地はご存じかと思います。実は、ウールの縮むという特徴を生かしたものなのです。
最近ではウールだけでなくポリエステル製のものなど化学繊維のものも出てきていますが、本来はウールでできていました。ウールの特徴として、濡らしたり(特にお湯)、もみ洗いしたら縮むので洗濯ではダメと言ってきましたが、逆にこれを強制的にすることでフエルトになるんです。羊毛を高温で圧縮したりすると、羊毛のキューティクルがお互いに絡み合って離れなくなり、生地になるんです。日本では古くからお茶会などの時に使われる赤い毛氈(もうせん)もこのような作り方ですね。

ウール用の洗剤

木村石鹸には、今はありません。今後開発していこうかと思っています。
乞うご期待!!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

筆者しょうかい

ふるしゃわー

この記事を通じてみなさんに木村石鹸のことを
好きになってほしいと願って本気で頑張るベテラン社員です。