シルクは、蚕(カイコ)の繭から作られるタンパク質の天然繊維です。なめらかな肌触りや高い保湿性、紫外線のダメージを軽減して肌を守る効果など、特有の魅力を多く持っています。古来より人気の高い素材と言えるでしょう。
シルクの主成分は人間の皮膚と同じタンパク質で、肌への親和性が高い一方で、水に弱い性質があります。そのため、洗濯機でそのまま洗うと品質が損なわれることがあります。大切に長く着たいシルクの衣類は、クリーニングに出すのが安心です。
しかし、汚れるたびに毎回クリーニングに出すのは少し面倒だと感じる方もいるでしょう。
そこで、シルクを自宅で洗濯する方法をご紹介します。
シルクを自宅で洗濯する前に確認するポイント
| -洗濯表示の確認をする |
まずは、お洗濯前に、「洗濯表示」タグををよく確認してください。
よく使われる洗濯表示は以下のものです。

洗濯表示内に「洗濯可能」マークがあれば、洗濯機で洗うことも不可ではありません。
しかし、シルクはとてもデリケートな素材なため、可能な限り手洗いするのがおすすめです。
| -色落ちしないか確認する |
色物柄のシルクの場合には、洗濯前には、色落ちしないか確認を行います。
〈色落ちの確認方法〉
1.中性洗剤を「シルク」の目立たないところに少量だけ付ける
2.5分後、タオルなどでトントンをたたき、色がうつっているか確認する
この方法で、もしタオルに色などが移っていた場合は、洗濯をすると色落ちする可能性があります。
その際は、無理に洗濯せず、クリーニング店などに依頼することをおすすめします。
・自宅でシルクを洗濯する方法
| -シルクを手洗いで洗う手順 |
シルクは、衣類や物同士の摩擦に弱いため、基本的には手洗いをおすすめします。
手洗いで洗う場合は、以下の手順を参考にして丁寧に扱いましょう。
1.20℃くらいのぬるま湯が入った洗面器に中性洗剤を混ぜる
2.衣類を入れてやさしく押し洗いする(力を入れてこすったり、もんだりしないこと)
3.洗面器の泡が完全に消えるまで、手早く水を変えながらすすぐ
4.軽く畳んで水を切り、タオルで挟んで水気を吸い取る(ギュッとひねって絞ったりしないこと)
注意点としては、柔軟剤や漂白剤は絶対に使用しないこと。シルクが傷む原因になるため、必ず中性洗剤で洗うようにしてください。
| -シルクを洗濯機で洗う手順 |
シルクは手洗いがおすすめですが、「洗濯表示」タグに「洗濯機マーク」が記載されている場合は、自宅の洗濯機でも洗濯できます。
ただし、他の衣類と摩擦を起こさないよう、シルク製の衣類のみで洗濯しましょう。
洗濯機で洗う手順は以下の通りです。
1.汚れが気になる部分が表にくるよう軽く畳み、洗濯ネットに入れる
2.中性洗剤を入れ、「ドライコース」「おしゃれ着コース」「弱水流コース」のいずれかで洗う
3.脱水は15〜30秒と短めにする
手洗いと同様、柔軟剤や漂白剤は使用しないようにしましょう。また、繊維が傷まないように脱水は必ず30秒以内にして取り出してください。
シルクの干し方
洗濯後、水にぬれた状態のシルクは、シワが付きやすく変形しやすいので、なるべく早めに干して乾かしましょう。
干すときは「洗濯表示」タグを確認し、干し方に関する記載があれば、表示通りに干してください。特に記載がないときは、型くずれを防ぎながら乾かすことができる「平干し」がおすすめます。
また、直射日光に当てると変色する可能性があるため、風通しの良い日陰に干すのがポイントです。
その他の注意点としては、シルクを乾燥機で乾燥させるのは絶対にNGです。シルクは、熱によって変色や変形する可能性があるので使用しないようにしましょう。
また、ハンガーや洗濯バサミなどに吊るして干すと、自重で形崩れを起こしやすいので避けてください。
シルクのアイロンのかけ方
アイロンがけをする前に、「アイロン不可」のマークが付いていないか、「洗濯表示」タグを必ず確認してください。 マーク例は以下のようなものです。

〈シルクへのアイロンのかけ方〉
1.「洗濯表示」タグにアイロンに関するマークがあれば記載に従う
2.アイロンを低温(110~130度)に設定する
3.衣類が乾いている場合は、霧吹きで少し湿らせる
4.当て布をしながら短時間でスチームなしでアイロンをかける
シルクは熱に弱いため、完全に乾いた状態で直にアイロンをかけるのは避け、半乾きの状態、または霧吹きで湿らせてからアイロンがけするようにしましょう。このひと手間を怠ると、色落ちしたり変形したりする可能性があるので、必ず行うようにしてください。
シルクはとても繊細な繊維なので、洗濯に失敗すると光沢を失ってゴワゴワになってしまうことも。
そのような場合は、以下の方法で対処してみてください。
1.ぬるま湯が入った洗面器にシャンプーを1プッシュ入れて混ぜる
2.洗面器の中へシルクを30分つけ置きする
3.洗面器の水を入れ替えて軽くすすぐ
4.ぬるま湯が入った洗面器にコンディショナーを1プッシュ入れて混ぜる
5.洗面器の中へシルクを10分つけ置きする
6.洗面器の水を2、3回取り替えながら泡がなくなるまで軽くすすぐ
7.タオルで挟んで水気を吸い取る
8.直射日光に当たらない風通しの良い場所で、平干しする
シルクの原料でもあるカイコの繭は、頭髪と同じタンパク質が含まれています。 そのため、シャンプーやコンディショナーを使用することで、滑らかな仕上がりになるのです。ただし、この方法でも完全に元の状態に戻るとは限りません。
自宅での洗濯に失敗すると、シルク製品を取り扱うプロでも元に戻すのは難しいので、洗濯に失敗したくない大切な衣類は、クリーニング店にお任せした方が安心です。
シルクのお手入れのポイント
・着用後は陰干しする
シルクの衣類を着用した後は、いすや肩に厚みのあるハンガーにかけて陰干ししましょう。着用時にできたシワをある程度伸ばしたり、汗や湿気を飛ばしてシルクの劣化を防いだりする効果があります。
・1〜2日おきに着用する
大切なシルクを長く着るためには、毎日着るのではなく、1日着たら1〜2日休ませるようにしましょう。
・なるべく皮脂や汗をつけない
シルクは水に弱いため、長持ちさせるためには洗濯頻度を下げるのがベター。
シルクの衣類を着るときはインナーを着るなどして、なるべく皮脂や汗を直接つけないようにしましょう。
・吊るして保管する
シルクの衣類は、ハンガーに吊るして保管するのがおすすめ。たたんで保管すると、シワができてしまいやすいです。
シルクを長期保管するときのポイント
・暗所で保管する
シルクはタンパク質でできた繊維で、人間の皮膚と同じように直射日光に当たると日焼けをする性質があります。ただし、室内の蛍光灯でも変色する恐れがあるため、しばらくしまっておく時は暗所での保管が基本です。
・通気性を確保する
ビニール袋やプラスチックケースのように通気性が悪い場所での保管は、カビの原因になりかねません。シルク専用の収納袋や不織布の収納ケースに入れて、風通しが良く、湿気の少ない場所で保管してください。湿気からシルクを守るには乾燥剤の使用も効果的ですが、3ヶ月に一度程度は状態を確認するついでに陰干しすることをおすすめします。
・防虫剤を入れる
シルクは動物性の天然繊維で、衣類害虫の大好物です。虫食いの被害にも遭いやすいので、防虫剤を使ってシルク製品を守りましょう。ただし、2種類以上の防虫剤を同時に入れてはいけません。化学反応を起こして薬剤が溶け、シミや変色の原因になります。
また、収納ケースにしまう時はぎゅうぎゅうに詰め込むと全体に防虫剤が行き渡らなくなってしまいます。通気性も悪く、湿気もこもりやすいため、スペースの7割くらいを目安にしまってください。また、長期保管する前には、できるだけクリーニングに出して、汚れを一掃しておくのがおすすめです。
大切なシルク製品を正しくケアして、長く愛用しましょう。