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  ■ワイルドターキー・ライ
ライ麦比率は51%以上。ライ特有のスパイシーさ、華やかさがあり、甘さは控えめ。現在、アメリカではライウイスキーの人気が高まっている。それ以前から地道に生産を行ってきた。ライウィスキーの王道を行く1本。

 

 
  ■ワイルドターキー・レアブリド
6年、8年、12年の原酒を、加水をせずにブレンド。6年からはコーン、12年からは熟成したたるの香味が引き出され、ちょうどいい具合に。飲んだ瞬間、舌先にがつんと来るが、ビター・バニラのような甘口で飲みにくいことはない。
 

 
  ■ノブ・クリーク
熟成年数9年。「ジム・ビーム」ファミリーの4つあるスモールバッチ(数10という少量樽からのボトリング)のミドルランクの位置づけ。ノブ・クリークはケンタッキーの小川の名前で、リンカーン大統領の生家の近くを流れていた。
 

 
  ■ウッドフォード・リザーヴ
オレンジなどの柑橘系の香り。度数も高くなく飲みやすい。初心者にもストレート、ロックがお勧め。もとはバーボンの技術上に貢献したジェームズ・クロウ博士がいた蒸留所で、改装の際、バーボン唯一の銅製ポットスチルを導入した。

 

 
  ■ジム・ビーム
年間約600万ケース、ケンタッキー・ストレート・バーボンとしては世界で最も売れている銘柄。バーボン業界の名門ビーム家で禁酒法解禁後の指揮をとったジェームズ・ビームの名を冠する。熟成は若めで穀物の味が鮮明にし、やや辛い。

 

 
  ■アーリー・タイムズ
居酒屋チェーンにも必ずある、初心者向けのロングセラー・バーボン。飲みやすい口当たりで、ソーダ割りやトニック割りなど、どんなの見方にも合う。7種類の酵母の併用などで、より華やかな香りが増したブラウンラベルもある。


 

 
  ■ジャック・ダニエル
年間890万ケースを販売。ジョニ赤をぬいて世界で一番売れているウイスキー。徳二のチャコール・メローイング製法でバーボンと一線を画し、やや平坦な甘みだが飲みやすい。ロックでちびちび舐めるようにして、軽く数杯は飲める。

 

 
  ■フォアローゼズ・ブラック
ブラックはイエローラベルの上級ラベル。やや眺めの熟成にこだわり、バーで飲むのに適した重さがある。




 

 
  ■フォアローゼズ・シングルバレル
特徴のあるイーストを使用し、樽とコーンの風味を率直に味わえる。やや高めの50度でありながら飲みやすく、シングルモルトファンにもお勧めの1本。1樽から200本弱のみボトリングの限定品。

 

 
  ■メーカーズ・マーク・レッドトップ
ライ麦の代わりに小麦をしよう。らい特有のスパイシーさがなく、ソフトで飲みやすい。サミュエルズ家の伝統的なバーボン造りを継承し、メーカーズ・マークの単一ブランドのみを販売。赤いロウ付けはすべて手作業で行われる。

 

 
  ■ブラントン
シングルバレルを早くから製品化していた代表例。熟成庫はトタン屋根で覆われ、寒暖の差が激しく、熟成が早く進む。ストレートでも、まろやかで飲みやすい。馬をかたどったボトルキャップは、8種類のポーズがある。


 

 
  ■エヴァン・ウィリアムス12年
12年は日本のみ販売。50.5度でストレートに樽の味が出て、やや渋みが強く、いわゆるバーボンらしいバーボン。スタンダード7年、多くの賞を受賞したシングルバレル、超長期熟成の23年をラインナップ。


 

 
  ■エライジャ・クレイグ12年
エヴァン・ウィリアムスと同じく、ヘブンヒル蒸留所の生産。度数がやや低い分、まったりと甘口。バランスがよく、初心者にも飲みやすい。氷を入れた瞬間から甘みが増すので、ストレートよりロックがお勧め。

 

   


【酒税法制定と大きな関係があるバーボン】
 1791年に、アメリカ連邦議会でスピリッツに対し税を課するという酒税法案が採決。この酒税法を逃れるためにウイスキー製造  業者は、未開拓で政府の影響が及ばない、中西部のケンタッキー州に移ってウイスキー製造を始めた。これが今日のバーボン製造に  到っている。

【19世紀に入ってつくられるようになったバーボン】
 バーボンの起源は定かでない。1789年にエライジャ・クレイグというバプティスト派の牧師が初めてつくったと言われるが、  今日のバーボンとは全く違っていた。1835年、ケンタッキー州フランクリンカントリーに住む医師ジェームズ・クローウェが、  今日のバーボンに近い最初のバーボンをつくり出したようである。

【牧師がつくった偶然のバーボン】
 牧師エライジャ・クレイグのバーボンは、偶然から生まれた。彼は、ライ麦ではなく、コーンを主原料に蒸留し、内側の焼けた  樽に入れたまま丸太小屋に置き忘れた。3〜4年後に開けてみると、焦げた樫のために赤味がかった芳醇な液体が現れたといわれている。

【18世紀まではライウイスキーが主流】
 イギリスの植民者が持ち込んだウイスキー製造技術が、今日のバーボンウイスキー製造につながっている。イギリス系開拓農民は、ペンシルバニア州、メリーランド州、バージニア州などに入植し、小麦・ライ麦・大麦・トウモロコシなどの穀物を栽培した。寒さに強く、不良土壌・酸性土壌でも発芽するライ麦の栽培が最も安定し、豊作時の余りをアルコール原料として蒸留。当時はこのライウイスキーが主流だった。ペンシルバニア州周辺では、18世紀後半にはライウイスキーのディスティラリーが5000  ほどあったといわれる。

【バーボンはホワイト・オーク樽で熟成させる】
 内側を焦がしたホワイト・オーク樽で熟成させると、バーボン独特の赤味をおびた色が生まれる。ホワイト・オーク樽の内側を  焦がすことで褐色に変化し、これが熟成中に浸出するのである。

【バーボンはエージングをあまり謳わない】
 バーボンは新品のホワイトオーク樽で熟成されるが、樽は内側を焦がしてあるため、単に年数だけで原酒の熟成度合が  進むとはいえない。逆に焦がしているために年数が経ちすぎるとマイナスになる。10〜12年程度が限界とされている。

【サワーマッシュによるバーボンの製造法】
 バーボンの製造工程で一番の特色とされるのが、サワーマッシュ製法。発酵させる際に少量の酵母とモロミ蒸留残液を全体の30%  程度加える製法で、発酵がゆっくり時間をかけて進行し、香り高い発酵液が得られる。バーボンの大多数がこの方法で造られている。