アイラモルト(ISLAY MALTS)
東西40キロメートル南北32キロメートルの島で、インナーヘブリティーズ諸島の最南端に位置し、アイルランド北部沿岸からも約20キロメートルの距離にあります。
地域としては、ハイランドにもローランドにも属しません。島の北部と東部には岩石が多くへザー(ツツジ科の低木)に覆われた標高500メートル弱の丘が連なり、南部にはピートモス(泥炭苔)に覆われた肥沃な沖積平野が広がっています。
アイラ産のモルトを加えると、ブレンデッドウイスキーは独特な風味を醸し出します。
ハイランドモルト(HIGHLANDS MALTS)
ハイランドはスコットランドの中でも最も面積の広い地域であり、そこでは多種多様なモルトウイスキーが造られています。セントラルハイランドは山が多く、丘の間には深い峡谷(グレン)や湖があります。
ハイランドの蒸留所の多くは、スコットランド最大の川、テイ川沿いの肥沃な谷あいに集中しています。また、ハイランドとローランドをどこで区切るかということは、ちょっとした議論の的にもなっています。
スペイサイドモルト(SPEYSIDE MALTS)
スペイサイドは、インバネスとアバディーンの間、スコットランド随一の急流として知られるスペイ川の流域を中心とする一帯です。
ここは花崗岩の山々から北海に向けて広がる肥沃な土地であり、主要農作物として大麦が収穫されます。南北32キロメートル、東西50キロメートルほどの地域内にスコットランド全土のモルトウイスキー蒸留所の約3分の2が集中しているスペイサイドは、まさにシングルモルトウイスキー製造の中心というのにふさわしい場所です。
アイランズモルト(ISLANDS MALTS)
スコットランド北部・西部の、特徴ある魅力的なウイスキーを産出する島々は「アイランズ」と呼ばれます。そのうち最も大きな島が、インナーヘブリディーズ諸島のスカイ島です。
本島から狭い水路で隔てられたスカイ島は、荒涼とした大地にクィリン・ヒルズをはじめとする険しい山々が連なる美しい島で、ボニー・プリンス・チャーリー(スコットランドの歴史上の英雄。
1745〜1746年王位回復のため蜂起)がフランスに逃亡する際に経由したことでも知られています。
気候は本島と異なり海洋性で、激しい風が吹き、高湿度。風雨の影響を受けない場所は冬も比較的温暖です。
ローランドモルト(LOWLANDS MALTS)
ローランドで造られるモルトウイスキーは、ハイランドのものよりも軽くドライで、食前酒に最適であると言われています。
ピート香が加えられていないモルトを使用しているので、口当たりとフレーバーに甘みがあります。
今日、ローランドに現存するシングルモルト蒸留所は非常に少なくなっています。