・蒸留所について
スコットランドの南西に位置するキンタイア半島と本土にに挟まれた、穏やかな内海に位置するアラン島は、スコットランドで最も美しい島の一つとして知られております。  この島は夏のリゾート地としても有名で、特に王室の避暑地として利用された事から「ロイヤルアイランド」の名で呼ばれることもあります。又、スコットランドの地形、地質学的特徴を全て備えていることから、「スコットランドのミニチュア」とも称されております。当カテゴリーでは、アラン島で造られるウィスキーを中心に、ビールや食料品をご紹介いたします。

スコットランドでは、毎年新しい蒸留所がオープンしているわけではありません。それどころか、最近では歴史ある蒸留所が閉鎖されているのが現状です。そのような状況の中、1995年にアイル・オブ・アラン蒸留所が設立され、操業を開始したことは大きな話題となりました。シーバス・ブラザース社で代表を勤める等、ウイスキー業界での主要企業を経営してきた豊富な経験を基に、
ハロルド・カリー(写真・上右)は、彼自身の蒸留所をアラン島に設立することを決意しました。

彼は、自分の蒸留所を持ちたいと何度も夢見てきました。しかし、スコットランドの本土には、既に蒸留に適した場所は、残っておりませんでした。そこで、彼が注目したのが、アラン島だったのです。アラン島は、最盛期には、大小50の蒸留所が操業しており、1836年に最後の蒸留所が閉鎖されるまで、アラン島は素晴らしいウイスキーの産地として有名でした。

19世紀には、何人かのウイスキー評論家がアラン・ウイスキーのことをスコットランドでもっとも素晴らしいウイスキーであると評していました。ハロルド・カリーがそういった往年の名声を取り戻すことができるかどうかは、時がたってみなければわかりません。しかし、これまでのところ非常に期待を抱かせる良い評価を世界的に有名な評論家から得ております。

←アイル・オブ・アラン蒸留所

島中をくまなく調査した結果、新鮮な水が豊富にあり、海に近く、自然の景観が美しい場所―これらすべてがウイスキー作りにとって不可欠なのですが―ロックランザが蒸留所の立地に最適であるとの判断が下されました。蒸留所の外観は非常に近代的になっておりますが、建物は伝統的な手法に従って建築されました。 比較的小柄でずんぐりとしたポット・スチル(写真・右)は、カリー氏が独自に設計し、フォーサイス社が手作業で組み立て、島には船で送られました。 蒸留に使用する水は、標高874メートルを誇るゴートフェル山の山間にあるロッホ・ナ・ダビーを源泉としております。その清廉な水は、花崗岩を通ることによりまろやかに浄化され、ピート層を通ることにより独特の風味を持っています。

大麦は、スコットランド北東の伝統的な大麦生産地帯であるモーレイシャー及びアバディーンシャー産のオプティック種を使用。ピートを非常に軽く効かせた、ライト・ピートの麦芽を使用しております。 ウォッシュ・バック ウォッシュ・バックは木製で、ダフタウンにあるブラウンズ社のオレゴン松を使用しております。

←ウォッシュ・バック

シングル・アイランド・モルト・スコッチ・ウィスキーアラン蒸溜所が英国で最も栄誉ある
クィーンズ・アワード・フォア・エクスポート(女王輸出賞)を受賞しました。

アラン蒸溜所は、1995年にシーバスブラザースの前マネージングダイレクターであるハロルド・カリーが、島の西海岸の北端にある人里離れた美しいロックランザに創業した蒸溜所です。創業当時の様々な苦労を乗り越え、今やスコットランドのウィスキー業界の希望の星となりました。
世界中のウィスキー愛飲家やライターから賞賛を集めているアラン蒸溜所はその製品と活動に対して幾つかの大きな賞を受賞しています。2005年4月22日に、アラン蒸溜所は英国で最も栄誉あるクィーンズアワード・フォア・エクスポート(女王輸出賞)を受賞しました。今後アラン島の製品に対する需要が益々増えていくという確実な兆しでもあります。