LIP【リップ】ヒストリー

LIP(リップ)は1867年にフランス東部の街、ブザンソンで創業したフランスを代表するウォッチブランドです。
LIPの時計は、フランスを代表する時計ブランドとして自国のドゴール首相、国賓扱いの英国チャーチル首相に贈呈されました。
150年以上にわたり、フランス・ブザンソンの工場で
一つひとつ組み立てられているコレクションの数々は、
決して流行だけに留まらない独自の魅力を備えています。



1844-1913年

Emmanuel Lipann(エマニュエル・リップマン)





エマニュエル・イザーク・リップマンは、 1844年にフランスの“Neuf Brisach(ヌフ=ブリザック)”で生まれました。
もともと、アルザスのユダヤ系時計職人の家系で、彼の父は時計部品を販売していました。
1867年、エマニュエルは時計工場を設立しました。彼の仕事に対するパワー、美学に対する革新的なビジョン、
そしてその自発的な姿勢のお陰で、工場は急速に発展しました。
1868年、エマニュエルは結婚し、3人の子供を授かりました。
3人のうち新しい工場長を務めたカミーユは、家族経営の拡大に大きく貢献しました。 
ジェニーはカミーユほど関わりが多くありませんでしたが、しばらくの間、事務として働いていました。
1913年、エマニュエル・リップマンはこの世を去りました。



1904年

キューリ夫妻による、発光ダイオードの開発

エルネスト・リップマンは、キュリー夫妻に暗闇でも文字盤が読める素材を探すよう依頼しました。
1898年、彼らはラジウムを発見し、初めての発光ダイヤルをLIPのために開発しました。





1905-1966年

Fred Lip【フレッド・リップ】





エマニュエル・リップマンの孫、フレデリック・サムエル・リップマンは、1905年11月2日にブザンソンで生まれました。
パリでの混沌とした学校生活を終え、1922年に学士号試験を受けましたが、不合格でした。

そのため父親のエルネストは、彼を家族のいる故郷へ連れ戻し、ブザンソンの時計技術学校へ入学させました。
兵役を終えた後、フレデリックはアメリカに行き、ハーレーダビッドソンやインディアンモーターサイクルのオートバイ組立工場や、
時計生産工場の見学ツアーに参加しました。
この旅と彼のモータースポーツへの情熱が、彼のビジョンやメソッドに影響を与えることとなります。
1931年8月、彼はLIP社へ入社しました。


“天才と狂人は紙一重” フレッドは伝統を覆しました。
彼の指揮のもと、LIPはフランスで最初の革新的な時計メーカーとなりました。
1954年にLIP社は、ピークを迎えました。当時、15,000人が働き、1年に30万もの時計を生産していました。
そして1960年には、パレンテ工場を開設。

しかし、フレッド・リップは、1971年2月に訪れたクォーツショックに対応することが出来ず、
彼は1996年にパリでその一生を終えました。




1908年

LIPがブランドに



“LIP”の3文字がブランド名として、初めてダイヤルに刻まれました。


1910年

流通ネットワークの革命



LIPは、雑誌広告をはじめとするプロモーションキャンペーンを取り入れました。
ポスター広告を流通ネットワークに使用したことは、世界的な時計業界にとっても大きな革新でした。

この独自の取り組みにより、LIP社が決めた価格での販売を世界中から認められることになったのです。


1946年

T18(チャーチル)

T18は、1935年から1950年代の終わりまで生産されました。
T18は、第二次世界大戦中にイギリスがフランスを救った証として、“サー・ウィンストン・チャーチル”に贈呈されました。
そのため、現在でもこのコレクションは“チャーチル”の愛称で親しまれています。





1952年

LIPが最初のエレクトリックウォッチを開発



フレッド・リップ氏の指揮下で、1946年から世界初のエレクトリックウォッチの開発が進められました。
1952年の3月に発表され、1958年まで市場で販売されていました。


1967年

伝説のノーティックスキー



IP社の100周年記念として、1967年の春にノーティックスキーを発売しました。
初めて200メートル防水機能を備えたこの時計は、トラブル防止のためガラス内側に回転ベゼルを装備しました。



1974年

7人のデザイナーの冒険

1974年、LIP社の新しいGM、クラウデ・ノイシュヴァンダー氏は、様々な業界から、
最も有能だとされる7人のデザイナーを呼び寄せました。
そして、7人のデザイナー達(Roger Tallon, Rudolf Meyer, Marc Held, Michel Boyer, Isabelle Hebey, Michel Kinn and Jean Dinh Van)は、
翌年のコレクションに参加しました。その結果は輝かしいものであり、今でも最先端とされています。


中でもフランスを代表するロジェ・タロンがデザインを手がけたマッハ2000コレクションは、
まさにLIPの顔とも言えるトップセラーとなっています。








2014年

LIPのタイムレスなデザイン



フランスで初めての200メートル防水機能が付いたノーティックスキーは、
LIP社の洗練された時計生産技術のノウハウを証明する、タイムレスで伝説となったコレクションです。
頑丈で、信頼できる完璧な防水機能を持ったノーティックスキーは、
伝説のヨットマンであるエリック・タバルリーも着用していたと言われています



2015年

Henriette(アンリエット)

60年代のビンテージスピリット
LIP社が女性らしさを注ぎ込んだHenriette【アンリエット】コレクションは、可愛らしさとノスタルジックにあふれています。
エレガントな女性らしさ、ビンテーシ感の融合は、まさに現代でも受け入れられる姿です。
LIPの未来は、これからもブザンソンで形成されていくことでしょう。









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