明治18年(1885年)4月18日に専売特許条例が公布された。これを記念し、工業所有
権制度の普及・啓蒙を図ることを目的に、昭和29年(1954年)に制定された。
工業所有権関連制度では――
商標条例 特許条例より1年早く明治17年に施行
意匠条例 明治22年(1889年)施行
実用新案法 明治38年(1905年)施行
◎特許第1号は・・・・・・さび止め塗料
東京・京橋の彫刻家、堀田瑞松が発明した船舶・橋梁・機械用の「堀田式錆止め塗
料」が第1号。豊田佐吉の木製人力織機は23年、御木本幸吉の養殖真珠は27年に特許
取得。23年には、自動開閉、折りたたみ傘にも特許がでている。。
◎商標第1号は・・・・・・京都の平井祐喜が申請した膏薬の商標。
◎意匠第1号・・・・・・・栃木県足利・須永由兵衛の織物縞
◎実用新案第1号・・・・・岐阜・林蔦次郎の「陶磁器成形機」
=特許出願件数=
明治18年 425件
19年 1384
20年 906
21年 778
22年 1064
23年 1180
24年 1288
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昭和元年 12026
50年 159821
平成元年 351207
7年 369215
《 初期洋傘の特許取得 》
我が国で特許条例が公布されたのは明治18年である。そして、早くも23年には洋傘に
関する二件の特許取得例が見られる。
○明治23年1月8日付第810号「蝙蝠傘骨」(別途図の折りたたみ傘)
出願者=大阪市北区・浦岡松次郎
○明治23年7月3日付第901号「蝙蝠傘・自開」(自動開傘式でジャンプの先駆)
出願者=東京市神田区・高橋寛輔(出願は22年9月)
25年には愛知県・小畠幾次郎の「蝙蝠傘・伸縮式」(第1574号)、28年には東京市日
本橋区・青木申辨治郎の「傘・自開式」(第2619号)が特許登録されている。
なお、日本の洋傘(骨)産業の祖といわれる河野寅吉(1858〜1915年)が、明治23年
に溝折受骨、28年には溝親骨の製造に成功。これに依り、国内洋傘生産が促進され
た。
彼は23年頃、輸入された飛上傘(ジャンプ傘)、引締傘(折傘)を参考に製作して好
評を得ている。
河野の顕彰碑が、東京・亀戸天満宮境内に建立されている。
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