一生もの、とは一生壊れない傘という意味ではありません。
壊れない傘というのはこの世には存在しません。
人間が病気になったり怪我をしたりするように、傘達も不具合を
訴えることがあります。それは傘が生きている証拠です。
問題は、このときに的確に診断治療のできる体制が整っているか
どうかというところになります。それができればこそ、一生
つきあっていけるライフパートナーになる=一生もの となります。
とはいえ、一生とは確かに長すぎるかも知れませんので
10年〜20年程度のスパンでとらえていただければどうでしょう
職人の傘はモデルチェンジが頻繁にはないので、部品の保有
年数が長いですし、しかも職人達も「自分の傘だから」という意識
で面倒見良くしてくれるので、パーツさえあれば20年たっても
修理が可能です。
ただし一生ものを一生ものとして使えるかどうかは、どこでお求め
になるかによると思います。
メンテに関する知識、そして職人・職場とのパイプライン、修理の
流れに添うインフラ、すべてを持っている店で購入をされませんと
一生ものである傘の寿命が短くなってしまいます。
その意味では百貨店や専門店といったところがお薦めできます。
スポット的、イヴェント的に取り扱っている販売業態での購入は
このような「一生もの」クラスの職人傘をお求めになるのは、
避けたほうが賢明かもしれません。
●一生ものとは一生壊れない傘でなく、メンテを繰り返して
長く愛着をもって使える傘である
●時の流れに朽ちるデザインではなく、20年たっても時代遅れと
ならず、かえって価値を増す傘である。
●そのためには、店のクオリティを見定める必要がある。
一生つきあえる店があればこそ、それは生涯の友となりうる
匠の傘コンセルジェ JUPA認定アンブレラマスター
心斎橋みや竹(創業明治29年 生粋の傘専門店)
四代目店主宮武和広