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 わかめが体にいい!

かめは食物繊維の宝庫

 わかめには、乾燥重量の約40%の食物繊維が含まれています。 ヒジキやアオノリよりは少ないものの、のりや昆布よりは多く含まれています。 乾燥わかめの一回分で食べている量は約5gといわれますから、つまり約2gの食物繊維を取っていることになります。

 含有率が高いので、ほかの食品に比べると、わかめからは効率良く食物繊維が取れるのす。

 また、わかめに含まれる食物繊維は、その量の豊富さだけではなく、その質にも注目されています。 その成分は水に溶けない食物繊維のセルロースなどや、水に溶ける食物繊維のアルギン酸などをはじめ、いろいろな種類のものがあります。

 とくにアルギン酸やフコイダンなど、細胞間に貯蔵されている水に溶ける食物繊維は、海藻が海という陸上とは違った環境の中で生育していることから特異な働きを持つ成分です。 こうしたことから、わかめが食物繊維の宝庫といわれるのです。


かめの食物繊維はセルロースとアルギン酸が中心

 わかめの食物繊維の代表的なものが、セルロースとアルギン酸です。 水に溶けないセルロースは、乾燥わかめには約8%ほど含まれています。 ほかの海藻では、比較的含有量の多いのは、てんぐさで約14%干しヒジキで約11%です。

 水に溶けず、消化もされないセルロースは、腸の中で水を含んでふくらみ、腸の中でできる便の量をふやして柔らかくします。 さらに腸の壁を刺激して腸のぜん動運動を活発にして、便が腸の中に長くとどまることを防ぎます。

 便の腸での通過時間が短いということは、便の中の有害物質が吸収されることを防ぎます。 便秘気味の人にはかなり有効なのです。 一方、水に溶けるアルギン酸は、乾燥わかめで約30%含まれています。 アルギン酸は塩分を体外に排出する働きをします。

 そのため体内のナトリウムは減少し、血圧の上昇を抑えることになるのです。 食事をするときは、まず塩分をとりすぎないことが大事ですが、わかめを食べているとその害をかなり取り除くことができます。 みそ汁にわかめという組合せは、古くからの日本人の知恵なのでしょう。

 また、アルギン酸には、血液中のコレステロールを減らす働きや、腸内細菌のバランスを整える働きもあります。 動脈硬化が招く怖い成人病を防ぎ、腸から始まる老化を防ぐためにも、わかめは積極的に取り入れたい食品です。

かめのビタミン

 ビタミンは体の中でおこっている私達の生命を維持する、複雑な科学的反応をコントロールするのに不可欠なもので、食べ物を通してとりいれなければなりません。 ビタミンというとまず野菜や果物を考えますが、実は海藻にはさまざまなビタミンが含まれていて、その量は野菜や果物に勝るとも劣りません。

 もちろんわかめにもたくさん含まれています。 わかめの中でも、とくに素干しわかめと板わかめにビタミンは多く含まれています。 とくに板わかめのカロチンは8700マイクログラムで、カロチンが多いといわれるパセリの7500マイクログラムを大きくうわまわります。

 それは生のわかめをそのまま干すので、成分がほとんど逃げないのと、天日乾燥による太陽光の影響ではないかと考えられます。 わかめに多く含まれているビタミン類はビタミンA、ビタミンC、それにビタミンB郡などです。

菜にも劣らないわかめのビタミンA

 ビタミンAが欠乏すると、成長がとまったり、骨や歯の発育が悪くなったりすることが知られています。 そのほかビタミンAには、皮膚や粘膜を保護する働きや、最近では抗がん作用もあるといわれています。 植物性食品の場合、ビタミンAはカロチンという形で含まれています。

 カロチンはそれ自体ではA効力をもっていませんが、腸で吸収されるとビタミンAに変わります。 そのため、ビタミンAになる前のものということで、プロビタミンAと呼ばれることもあります。 わかめに含まれるカロチンの量は、ほうれん草などの緑黄色野菜と比較しても、決してひけをとるものではありません。

 生のほうれん草には100g中3100マイクログラムのカロチンが含まれていますが、生わかめでは1400マイクログラム、乾燥わかめ(素干し)ではなんと、3300マイクログラムも含まれているのです。 もちろん、ほうれん草とわかめでは一回に使う量が違います。

 ほうれん草の一回の使用量は約80gで乾燥わかめは約5gです。 しかし、わかめはいろいろな料理に使える便利な食材ですから、毎日の食事にとりいれることが容易です。

 また、ビタミンAは油に溶ける性質があり、油と一緒にとると吸収率が3倍にも増えるといわれています。 料理をするときに油と組合せる工夫をすると、効率良く生かせるでしょう。

かめのビタミンB郡は食物繊維がパートナー

 ビタミンB郡にはいろいろな種類があります。 B郡の特徴として、その一部が腸内の細菌によって合成されているということがあげられます。 腸内細菌の中には、一部の食物繊維を栄養にして生きているものもいます。

 ビタミンB郡をとるには食物からとりいれることと、体内の腸内細菌から供給されることの二つがあるのです。 こうしたことを考えると、わかめはまさにうってつけの食べ物です。

 もともと乾燥わかめ(素干し)にはビタミンB1が100gあたり0.30mg、B2は1.15mg、ナイアシンが8.0mgと比較的多く含まれているうえに、食物繊維も豊富にあるからです。

ビタミンB郡が不足すると、脚気(かっけ)になったり、皮膚や粘膜、胃や腸などに異常が現れたり、神経の働きが正常でなくなり、精神状態が悪くなるといわれています。


かめからもビタミンCを

 海藻の中ではアマノリのビタミンCの含有量が抜群に高いのですが、乾燥わかめ(素干し)にも、生わかめにもビタミンCが100g当たり15mg含まれています。 ビタミンCは細胞の老化を防ぎ、生命をいきいきと活発に保つために欠かせないものです。

 また、最近では、がん予防に重要なビタミンの一つとされ、コレステロールの量を正常にするのにも役立つことが分かってきました。 日本人のビタミンCの摂取量は年々増えてきていますが、それでももっと、いろいろな食べ物からとり入れることが大事です。