私たちの体の中では、絶えずさまざまな化学反応が起こっています。
細胞を作ったり、エネルギーを作り出したりしています。
たとえば、体内に取り入れられた糖質は、エネルギーに変わるときにビタミンの力を必要としますし、ストレスなど、外から加えられた悪影響に対して体を守るよ
うに働く機能が作用するときにもビタミンは活躍しています。
ビタミンは私たちの体の生理作用を調整している大切な栄養素です。
ですからビタミンが不足すると、たちまち体は不調を訴え、細胞を作ったり、エネ
ルギーを作り出すことが円滑にできなくなります。
たとえば、ビタミンB6が不足すると手足のしびれや舌炎などを起こします。
ビタミンB1が欠乏すると脚気の原因になったりします。
ビタミンB2が欠けると舌炎や眼精疲労、皮膚や毛髪の健全な発育も阻害しますし、
ビタミンC不足は壊血病につながります。
また、ビタミンB12は重い貧血症には欠かせないビタミンとして、特に妊娠中の女性、授乳中の母体には欠かせない栄養素となっています。
これらのビタミンやさまざまな栄養素を過不足なくとることによって私たちは、
健康を維持しようと努めます。 しかし、私たちの体は年齢を重ねるにつれて衰えは必ずやってきます。
年相応の衰えはある程度やむを得ないことだとしても、それが年齢より早くやってくるかこないかは、体に必要なビタミンなどを十分にとっているかいないかに関わっているといってもけっして過言ではありません。
ビタミン不足の不活発な体には、老化現象は早く訪れてくるのです。
肌は、目に見えるだけにもっとも老化を感じる部分と言えます。
特に女性にとっては、かさかさ肌、くすみ、小じわ、しみ・・・気になりますね。
私たちの皮膚は絶えず新陳代謝を繰返しています。
古い皮膚はだんだんとかたくなり、アカとなって体から離れていき、それにとって代わるように新しい皮膚が成長してきます。
この過程に要する期間はおよそ4週間。 つまり、新しい細胞が作り出されて成長するまでにそれだけの時間がかかるわけですが、その時に重要な役目を果たしているのがビタミンなのです。
特にビタミンAは、皮膚細胞のうるおいを保つのに欠かせない存在で、これが不足すると肌はかさかさになり、乾燥した状態になってしまいます。
乾燥肌は小じわの原因になります。 女性がビタミン不足を気にかけるのも、やはり十分な理由があるわけなのです。
ところが、ビタミンのほとんどは体内で合成できないため、食べ物からとる必要があります。
私たちはビタミン豊富な野菜をせっせと食べて補給に努めていますが、意外に知
られていないのが海藻のビタミン効果です。
ビタミンの種類によっては野菜より多く含まれているものもあり、美容のためには野菜に負けず劣らず豊富なビタミンを含有しているといえます。
海藻の中でも美肌にいいとされるビタミンを比較的多く含んでいるものに、アマノリがあります。
体の中に入ってビタミンAに変わるβ−カロテンのほか、栄養素をエネルギーに変える酵素の働きを助け、皮膚の成長やくちびるの荒れを防ぐ効果のあるビタミンB2もありますし、皮膚にできる湿疹を防ぐビタミンB6も微量ですが含まれています。
メラニン色素を押さえて、しみ、そばかすを防ぐビタミンCなども、たとえば、
ほうれん草などに比べると含有量は少なくはなりますが、含まれています。
その他、皮膚の湿疹を防ぐ、イノシトールやコリンなどのビタミンB群も含まれています。
アマノリよりはビタミンA効力は劣るものの、食べられる量を考えると、むしろ
有利となる塩蔵ワカメも、美肌に効果を示します。
ただし、ビタミンさえとっていれば肌荒れや老化を防げるということではありません。
日常的な肌の手入れも重要なファクターの一つになるでしょう。
そしてなんといっても、毎日の食生活がバランスのとれたものであること。
体の内面から活性化して病気知らずの体を作ることが美肌には欠かせない条件です。
その意味からも、さまざまな有効成分を持つ海藻を毎日食卓に並べ、美肌作りに
役立ててほしいものです。
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