現在、死亡率の第一位はいうまでもなくガンです。
この業病に蝕まれた人は死刑宣告を受けたような衝撃を受けるとも聞きます。 しかし、治療法もさまざまに研究され、文字通り日進月歩を遂げています。
克服される日がそう遠いことではないことを期待せずにはいられません。
一方、私たちが日常的に食べている食品の中にも抗ガン作用のあるものがあることが次第に明らかにされてきています。
海藻の抗ガン作用についても、ここ20年間にわたって研究が続けられてきま
した。 アルギン酸、フコイダンなどのポリアニオンの多糖類の効果はすでに証明され、注目もされています。
発ガン物質を混ぜた餌だけを与えた動物のグループと、それにヒジキやアラメ
、ナガコンブ、ワカメ、リシリコンブなどの褐藻類、ヒトエグサなどの緑藻類、
アサクサノリなどの紅藻類の粉末や熱で抽出したものを餌に混ぜて与えたグループとの比較実験では、海藻を餌に混ぜたグループで47〜80%までガンの発生を阻止することができました。
これは、アルギン酸、フコイダン、硫酸ガラクタンなどの酸性多糖類の働きと考えられます。
さらに、約60種の海藻を粉末にしてそれをガンをもつマウスの胃の中に注入して、注入しないグループとガン細胞の増殖率を比較したところ、ほとんどの海藻で約40〜50%前後の阻止率を示したのです。
その他、海藻から抽出して精製した多糖や海藻の脂質もガン細胞を押しとどめ
る効果が出ています。 すべての実験で好結果が出たわけではありませんし、動物実験の結果ですから
そのまま人間にあてはめることはできません。
しかし、海藻にガンの発生とその増殖を阻止する力が備わっていることは確かに証明されたといっていいでしょう。
今後の研究は人間にとっても希望のあるものであることは間違いありません。
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