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 フノリでダイエット!
フノリの「フノラン」が腸内毒素を排出し、脂肪を燃やして肥満を解消

◆フノリには水溶性食物繊維が著しく多い

 かつてフノリは食品としてよりは「糊」として有名でした。織物・表具・絵の具・漆喰・着物などに糊剤として盛んに使われていました。昭和十年ごろまでは、どの家庭にもフノリが糊剤として置いてあったものです。

 フノリには水溶性の食物繊維フノランが豊富に含まれていて、ネバネバとした強い粘り気があり、それが糊として役立てられてきたのです。

 そのフノリに食品としての人気が高まってきたのも、そのネバネバとした水溶性食物繊維の効用が次々と明らかにされるようになってきたからです。食物繊維には、ガンを防ぐ、コレステロールや中性脂肪を減らす、腸内環境を整え便秘を防ぐ、肥満を解消するなど、さまざまな効果があることが知られています。

 フノリにはそうした働きのある食物繊維のうち、水溶性の食物繊維である酸性多糖類が海藻の中でも、群を抜いて多く含まれています。

 海藻に含まれる水溶性の食物繊維としては、コンブやワカメに多く含まれるアルギン酸やフコイダンが有名ですが、フノリの水溶性食物繊維フノランは、それらよりはるかに高濃度にフノリの中に含まれているのです。そのため、健康食品として、フノリがにわかに脚光を浴びるようになってきたのです。


◆フノランが中性脂肪を減らす

 動脈硬化の原因となる高脂血症に対して、フノランがどのような力を発揮するかの実験を紹介します。

 マウスを三つのグループに分け、20日間にわたってAのグループにはエサ以外は何も与えず、Bのグループにはエサのほかフノランを体重1キロ当たり300ミリグラム、一日一回与え、Cのグループにはエサ以外に市販の高脂血症の薬をやはり同量与えました。

 そして与えたエサはコレステロールたっぷりのもので、本来なら、そのまま飼育するとコレステロール値、中性脂肪値がどんどん上昇して、確実に動脈硬化になるというものです。

 実験終了後マウスの血液を調べてみると、エサ以外に何も与えなかったAグループに比べ、Bグループでは総コレステロール値が31%も減少していました。同時に重要な結果は、動脈硬化を予防する善玉コレステロール(HDL)が増えて、悪玉コレステロール(LDL)が減少していたことです。

 また、中性脂肪も47%も減少しています。その結果、動脈硬化指数も61%と低いものになりました。

 抗高脂血症を用いたCグループでも、血液中の脂質は改善されましたが、善玉コレステロールを減らしたり、動脈硬化指数がフノランを与えたほどには減りませんでした。

 各ABCのグループのマウスのフンを調べてみたところ、フンの中に含まれているコレステロールの量が最も多かったのは、Bのグループで、実に42%もコレステロールがフンの中に増えました。これはとりもなおさず、フノランがコレステロールを包んでフンとして体外に排出している証明に他なりません。

◆フノランには脂肪を分解する働きもある

 このように、フノランは血液や肝臓など体の中に含まれるコレステロールを減らして、最後は便の中に集め、体外に排泄するのです。

 コレステロールに限らず、食物繊維には腸内の有害物質、いわゆる腸内毒素を取り込んで、便として排出し、腸内環境を整える作用のあることが知られています。フノランにも、こうした高い作用があると考えられます。

 しかも、フノランを与えたBグループではエサの摂取量が16%増えていますが、フンの量は71%も増えていました。これは便量を増やして便秘を解消する効果も高いことを意味します。実際、フノリを食べると便通が良くなるのもそのためです。

 便通が良くなることで、余分な栄養分の吸収を防ぐことができ、肥満解消に有効です。また、フノランは、血液中の中性脂肪を減らす効力が強いなど、脂肪の分解を促す働きがあるので、効果的に痩せることが出来るのです。

 このほか、フノランには食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きがあり、肥満によって引き起こされる糖尿病の予防にも役立ちます。

 その意味では、フノランは海が私たちにもたらしてくれた、動脈硬化、肥満などから起こる生活習慣病を防ぐ「天然薬」といってもいいものなのです。