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海藻を食べて健康に・・1   食物繊維が足りない!

物繊維とは?

食物繊維というとまず思い浮かべるのが、さつまいもやセロリを食べると歯に引っかかる細長いすじ状のものでしょうか。
今、栄養学上で注目されている食物繊維とはそのような目に見えるものではなく、体の中で行われているミクロレベルの話です。 すべての食物を分解していくと、いろいろな分子で作られていることが分かります。

食物繊維とは、細くて長い分子の構造を持った物質です。
ほとんどの食べ物は消化されていくうちに、分子まで分解され吸収されます。
消化、吸収に関して、食物繊維はほかの栄養素とは、まったく違う特徴を持っています。

たとえば、たんぱく質はアミノ酸という物質が何十個も何百個つながってできていますが、消化によってたんぱく質はいったん小さなアミノ酸にバラバラに分解され、腸の壁を通して吸収されて体内を運ばれ、再び体のいろいろな部分で必要なたんぱく質をつくります。 それが、血となり肉となるのです。

炭水化物や脂質も、消化によって小さな分子のレベルまで分解され、そして吸収されるとエネルギーになります。
しかし、食物繊維は、人間の消化酵素では分解されない物質なのです。
つまり消化、吸収されにくい特徴をもっています。

以前は、長い間食物繊維は栄養にならない不必要な物と言われてきましたが、1973年にイギリスのバーキット博士が、欧米人に比べアフリカの原住民に大腸ガン、糖尿病、心筋梗塞等の成人病が少ないのは、食物繊維を大量に取っているからであるという説を発表し、その後多くの研究のとってその説が正しいことが明らかになってきました。

今では、健康の為に必要不可欠のものであると知られるようになりました。

代人は食物繊維不足

『すべての成人病の根源は、今世紀の食生活が食物繊維を失ったことにある』
前述の、バーキット博士の言葉です。

日本でも欧米型の食事が一般的になるにつれ成人病が増えてきました。
成人病が増えた背景にあるのは、まず肉食が多くなってきている毎日の食卓を見れば分かることですが、動物性脂肪の取りすぎが第一にあげられます。

そして、精製された食品や加工食品を多く取ることによる食物繊維の不足も、大きな原因の一つです。古来、日本人が好んで食べていた食品の中には、食物繊維が多く含まれる物がたくさんあります。  そのひとつが海藻です。

白米や白いパンの味になれた現代人が、精製技術の普及していなかった時代に戻って、玄米や全粒粉のパンを食べるようにするというのは、容易なことではありません。

しかし、海藻をたっぷり食べることで、現代の私たちが失ってきた食物繊維を取り戻すことができるのです。 そして何より、海藻は長寿のもとでもあるのです。

海藻を多く食べている地域の人たちに長寿で健康な人が多いのが何よりの証拠なのです。