調整に入る前に、ワイヤー同士が絡んでいないかチェックしてください。

これは明らかに絡んでいますね。

ちょっと分り難いですが、これも絡んでいます。
ワイヤー同士が絡んでしまうと、ブレーキ操作、シフターの操作に悪影響をおよぼすことがあります。

これが絡んでいない状態です。
ワイヤー同士が絡まないようにハンドルをセッティングしてください。


ブレーキシューリムとの隙間をチェックします。
0.5〜1.0mm程度離れていればOKです。

このチェックは、目線をシューより下げて行ってください。
上から覗きこんでしまうと、タイヤの陰に隠れて隙間がチェックできません。

また、同時にブレーキレバーを握って、シューの動きもチェックしてください(握るとシューリムにくっつき、放すとリムから離れます)。

もし、隙間が狭かったら・・・
スプリング調整ネジを、プラスドライバーで少しずつしめて(時計方向に回して)ください。
シューリムから離れていきます。

もし、隙間が広すぎたら・・・
スプリング調整ネジを、プラスドライバーで少しずつゆるめて(反時計方向に回して)ください。
シューリムに近づいていきます。


ここまでの調整で、走行中、ブレーキング中に音鳴りがしなくなったかチェックしてください。


最初のチェックで音鳴りが解消されなかった場合、次の項目に進んでください。

ブレーキシューを取り外すために、シュー固定ナットをゆるめます。

5mmの六角レンチで、シュー固定ナット反時計回りに回してください
(付属のレンチをお使いいただいても結構ですが、短いので少々使いにくいかもです。)

シュー固定ナットがある程度ゆるんだら、あとは手で回して取り外してください。
このとき、ブレーキシューがぽろっと落っこちないよう、支えておいてください。
続いて、ワッシャーRワッシャーARワッシャーBを取り外します。
最後にブレーキシューを取り外します。
斜め下方向に向かって外すような感じにすると、上手く取れます。


取り外したブレーキシューを見てみましょう。

各パーツの並び順です。
まとめると、こんな感じです。


ブレーキシューの表面をチェックしましょう。

ブレーキシューの、リムと接触する面を見ています。
稀に、ここに異物(小さな石ころ等)が挟まっている・・・というより、めり込んでいる場合があります。
そんな時は、カッターの刃先や千枚通しで異物を取り除いてください。

最後に、きれいに拭いてあげてください。
ここからは、ちょっとひと工夫。
ブレーキシューの表面を、サンドペーパーで擦ります。

今回使用したのは150番のペーパーです。
もう少し、目が細かくてもいいでしょう。
シューの表面が均一になったのが、お分かりいただけますか?


ブレーキシューを取り付けます。

取り外した時とは逆の手順で、ブレーキシューを取り付けていきます。
RワッシャーARワッシャーBワッシャーシュー固定ナットの順で取り付けていきます。この段階では仮止め状態です。ブレーキシューはグラグラ動きます。
ブレーキシューの取り付け角を調整します。

シューが、リムと平行になるようにしてください。
ブレーキシューに、トーイン角度をつけます。

左図は、ブレーキを真上から見た模式図です。
進行方向(リムの回転方向)に対して、シューリムの隙間を「後を広く、前を狭く」します。

シューが、「ハの字」になります。
スキーのボーゲンみたいな感じです。
今回は、薄い冊子を挟んでみました。
冊子を挟んだまま、ブレーキレバーを握ります。
このまま、六角レンチでシュー固定ナットをしめていきます。
シューが動かないよう、ブレーキレバーはしっかりと握っておいてください。
ブレーキワイヤーを、ブレーキ裏側の突起に引っ掛けておいてください。


ブレーキシューの取り付けが終わりました。
最後に、ブレーキシューとリムの隙間のチェックをもう一度お願いします。

ブレーキシューは、意外と早く擦り減っていきます。
定期的なチェックと交換が安全運転につながります。