◆植物Q&A  〜枯れる原因を突き止めよう〜

植物を枯らしてしまう原因は様々ですが、日々の世話や観察によって、枯れるのを未然に食い止めることができます。
植物の小さな変化を見逃さず、異変が起きる前に対処できるよう日々の管理を見直しましょう。

環境
光が強すぎる/高温
光不足
寒さ
急激な環境変化
根詰まり
水やりと肥料
水やりの回数が少ない
水のやりすぎ
肥料不足
肥料過多
粗悪な培養土の使用
ピートモスの量が多すぎる
水はけが悪く過湿状態
土の酸度が適さない
病気
ウィルスによる侵害
かびや細菌
代表的な病気
 ・うどんこ病
 ・すす病
 ・さび病
 ・灰色かび病
 ・軟腐病・根腐れ病
 ・立ち枯れ病
 ・白絹病
 ・根頭がんしゅ病
 ・苗立ち枯れ病
害虫
発生しやすい害虫
   ・ハダニ
 ・カイガラムシ
 ・コナジラミ
 ・エカキムシ
 ・幼虫・夜行性の害虫
 ・アブラムシ
 ・ハマキムシ
 ・ナメクジ
 ・タバコガ類/コガネムシ
 ・スリップス
 ・ネコブセンチュウ

環境(植える場所)
植物の生育は、環境(植える場所)に大きく左右されます。光不足や気温などの自然環境はもちろん、植物を植える鉢などの人工的な環境も、それぞれの植物に合った環境を用意しましょう。
■光が強すぎる もしくは 高温のため
夏の強い日差しは要注意!!
強すぎる光は植物の生育に悪影響を及ぼします。日当たりの良い場所で育てていても、光が強すぎると葉の色つやが悪くなってしまったり、日差しが強い場合には葉焼けを起こすことがあるので注意しましょう。
また、明るい日陰が好きな植物も多く存在します。代表的なものとしてベコニア、インパチェンス、寒さに強い植物、山野草等々です。
◆症状と原因◆
・葉のみずみずしさがない
 ⇒夏の強い日差しが葉の水分を奪い取ります。よって葉が小さかったり、ちじれたりしていたら注意してください。
   また、西日が強い場所にも注意しましょう。

・葉が茶色っぽく、葉焼けを起こしている
 ⇒室内栽培の植物を日光浴などで急に強い日差しをあてると、葉やけを起こします。
  また、購入先の陳列が室内や寒冷紗の下で販売されていたものも葉焼けを起こしやすいので注意しましょ。
◆対処法◆
<容器栽培>
 日差しの強すぎない場所に移動させましょう。ベランダの場合は、遮光ネットを利用して、光の量を調節しましょう。

<露地栽培>
 落葉樹の下に植え替えるのがおすすめです。夏は葉で光が遮断され、冬は落葉するため日がしっかりあたります。
◆日ごろのお手入れ◆
植えたては3〜4日は日陰で管理して、徐々に直射日光に慣らしてください。
その後はそれぞれの植物にとって、適切な光があたる場所で栽培します。
ベランダ栽培の場合、下からの熱を避けるため、棚を用意したり、ウッドデッキを敷いて、床に直接鉢を置かないようにしましょう。
索引へ戻る
■光不足による生育不良
光不足で栄養不足!!
植物には光合成が欠かせません。日陰を好む植物でも日照不足は厳禁です。適度な日光浴で植物にも栄養補給をしてあげましょう。
◆症状と原因◆
・茎が細く節間が間延びた徒長状態。葉やつぼみの数が少ない。
・斑入りの植物だが、葉が濃い緑色をしている。
 ⇒光が不足したため、光合成が十分に行われず生育不良の状態です。
◆対処法◆
室内栽培の鉢植えは、時々カーテン越しの弱い日差しをあてましょう。
光を好む植物は一日2〜3時間程度、日のあたる場所への植え替えや鉢の移動を行いましょう。(西日でもOK!葉焼けに注意)
日陰を好む植物はなるべく明るい日陰に移動してください。
◆日ごろのお手入れ◆
それぞれの植物の好む光の強さや日照時間を把握しましょう。
日陰を好む植物は、光が不足しすぎると生育不良を引き起こし、花を付けないことがあるので注意しましょう。
また、光合成促進剤を定期的に散布してください。 (光合成促進剤ペンタキープSはこちら>>GO)
索引へ戻る
■寒さによる葉や根の損傷
冬の寒さ(霜)や土中の凍結に要注意!!
一度も冬を経験していない苗は、冬の寒さ(霜)や土中の凍結が原因で、葉がしおれたり落ちたりします。防寒対策を心がけましょう。
◆症状と原因◆
・生育が悪く、枝葉が数日で黒変したり、枯れたりといった凍傷害が起きている。
・葉がしおれたり落ちたりする。
(落葉樹、宿根草は自然生理現象ですので勘違いしないように注意してください)
 ⇒気温の低下や昼夜の急激な温度変化が 葉を痛め根をいためる。
◆対処法◆
<露地栽培の場合>
 -3℃程度まで耐えられる植物なら、株全体を寒冷紗で覆ったり、株元に落ち葉やワラを厚く敷いて防寒しましょう。
 霜と土中の凍結に注意してください。

<鉢植えの場合>
 霜が積もらない軒下や玄関先に取り込んでください。

しおれている植物は、根腐れしている可能性があるため、根が黒く変色している場合は、植え替えを行いましょう。
◆日ごろのお手入れ◆
植物がどの程度の寒さに耐えられるのか知ることが重要です。植物の様子がおかしいときは、早急な防寒対策を心がけましょう。
熱帯植物は寒さに非常に弱いため、露地栽培は避け、鉢植えで育てましょう。
索引へ戻る
■環境の急激な変化に順応するため
春先の環境変化に注意!!
植物は、急激な環境の変化に対応するため、葉やつぼみを落として栄養を調節しています。寒さの残る春先の移動には注意しましょう。
◆症状と原因◆
・春先に玄関内から屋外に移動したら葉やつぼみが落ちてしまった。
 ⇒植物は、急な環境変化には対応できません。そのため、葉やつぼみを落として栄養を調節するなどの植物の生理現象を起こし、変化に対応しようとします。
◆対処法◆
夜間は玄関内に移動するなどして徐々に環境に慣らしてください。
◆日ごろのお手入れ◆
徐々に環境に慣らしてください。
索引へ戻る
■根詰まりを起こしている
鉢の中で窒息状態?!
長年、同じ鉢や場所で育てていると根詰まりを起こし、葉の色つやや花つきが悪くなります。植物の成長に合わせて植え替えや鉢替えを行いましょう。
◆症状と原因◆
・花つきが悪く、葉の色つやが悪い
・緑から枯れ込んだり、株全体の成長が悪い
 ⇒鉢植えやコンテナ栽培の場合、水やりや雨によって土の粒子が固まり、水はけや通気性が悪くなったり、植物の成長とともに根が鉢の中で窒息状態に陥り、根詰まりが発生すると、こういった症状が現れます。また、露地栽培の宿根草も、何年も同じ場所で育てて大きく繁ると、同様の現象が起こります。
◆対処法◆
<容器栽培の場合>
 ワンサイズ大き目の鉢に植え替えましょう。
 同じ大きさの鉢に植え替える場合は、余分な根を取り除き、葉や枝も切り、根とのバランスと取りましょう。

<露地栽培の宿根草の場合>
 植え替えと同時に株分けを行いましょう。
◆日ごろのお手入れ◆
<宿根草・観葉植物>
 数年ごとに植え替えや鉢替えを行いましょう。鉢替えは2年に1回を目安に株分けも同時に行いまと良いでしょう。

<露地栽培の場合>
 長年同じ土地で栽培すると、特定の養分が不足したり、病害虫が発生しやすくなるため、別の場所へ植え替えるようにしましょう。
索引へ戻る
水やりと肥料
栽培されている植物は、自然の中から栄養が吸収できないため、肥料を施す必要があります。そして、水やりには、水分だけでなく水に溶けた肥料や酸素を根から吸収させる目的があるのです。
■水やりの1回の量が少ない
夏は水が不足しがちになるため、容器栽培は要注意!!
夏は気温の上昇に伴い、葉から水分が蒸発し、葉や花がしおれてしまいます。また、水やりの方法にも注意が必要です。葉や花に直接水をかけると病気の原因になるので避けましょう。
◆症状と原因◆
・葉のみずみずしさがなく、葉の色つやも悪く、緑色が白っぽくなっている
・葉や花がしおれたり、落ちたりする
 ⇒容器栽培の場合、土の量が少ないため、夏場は1日1回の水やりでは不十分です。
◆対処法◆
鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。
水分は昼間に蒸発するため、水やりは基本的に午前中に済ませます。
鉢植えは夏は涼しい場所に移動し、水やりが足りない場合は、夕方にも行いましょう。
◆日ごろのお手入れ◆
土の乾燥具合をこまめにチェックすることが重要です。容器栽培の場合、土の色が白っぽくなっていたら、水やりを行いましょう。
葉や花に水が直接かかると病気の原因となります。ジョウロのハス口を取り、株元に水を注ぎましょう。
索引へ戻る
■水のやりすぎによる根腐れ
水のやりすぎは逆効果!!
水やりは植物を栽培する上で欠かせない作業ですが、水のやりすぎは逆効果です。季節や植物の状態に合わせて水やりの回数を見極めましょう。
◆症状と原因◆
・葉が緑のほうから枯れこんでいく
・細い根が黒く変色している
 ⇒水やりの量や回数が多すぎます。また、鉢皿に溜まった水が根腐れの原因となります。
◆対処法◆
根が黒く変色している場合、水やりの回数を減らし、乾き気味に管理しましょう。生育が戻ったら、水やりの回数を調節しましょう。
◆日ごろのお手入れ◆
土の表面が白っぽく乾いてきたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水分を与えます。鉢皿に水をためないようこまめに捨てましょう。
水やりの回数は、季節や植物の状態によって変えます。冬場は水やりの回数は控え、室温と同じ温度の水を与えるようにしましょう。
索引へ戻る
■肥料不足
肥料不足で植物も栄養失調に!!
植物が栄養失調に陥らないために、植物の生育に応じて適切な「追肥」を行いましょう。
◆症状と原因◆
・株全体の元気がない
・葉の色が薄くなったり、葉や花の数が減った
 ⇒生育が旺盛な植物や花数が多いものは、植え付け時の元肥だけでは栄養が足りません。
◆対処法◆
元肥だけでは足りない場合、生育に合わせて、肥料を与えます(追肥)。
生育不良に陥っている場合は、即効性の高い「液肥」を用いましょう。また、予防として与える場合は、固形タイプを土の上に置き、水やりのたびに少しずつ効果があらわれる「置き肥」を行いましょう。
◆日ごろのお手入れ◆
植え付け時や植え替えの際は、緩効性の肥料を元肥として施します。市販の培養土を使う場合、緩効性肥料が配合されているものが多いので確認しましょう。
追肥は、生育旺盛な時期に施します。冬に開花する種類や観葉植物などは、冬でも肥料が必要です。
索引へ戻る
■肥料過多
肥料の与えすぎは植物が枯れる原因に!!
肥料の与えすぎは、生育不良や枯らす原因となります。規定の量を守って、正しいタイミングで肥料を与えましょう。
◆症状と原因◆
・肥料を与えているのに生育が悪い
 ⇒肥料を多く与えすぎると、土の中の肥料の濃度が高くなり、浸透圧により根から水分が抜け出てしまいます。

・葉が繁っているのに花が咲かない
 ⇒チッソ肥料を与えすぎると、葉が繁りすぎて花が咲かないことがあります。
◆対処法◆
肥料を与えるのを止めましょう。
草花の場合、冬に花が咲く植物以外は必要ありません。
鉢植えの場合、水をたくさん与えて、肥料を洗い流します。
チッソ肥料を与えすぎた場合は、チッソを減らし、リン酸肥料を与えます。
◆日ごろのお手入れ◆
肥料を与える時期は「新芽が次々と出る時期」です。植物に合わせて、量と回数を調節しましょう。
突然生育が止まったときに、肥料を施すのは逆効果です。再び新芽が出てくるまで待ちましょう。
液肥を施すときは、規定の濃度を守ることが大切です。なるべく正確に計量しましょう。
索引へ戻る
水や栄養、酸素を吸収しやすい土は、植物の成長にとって不可欠です。植物の性質や育てる環境に合った良い土を用意しましょう。
■粗悪な培養土の使用
市販の培養土も油断は禁物!!
市販の培養土のなかには、産業廃棄物が混じった粗悪品もあります。良い商品を見極める目を養いましょう。
◆症状と原因◆
・日ごろの管理はバッチリなのに、突然枯れてしまった
 ⇒培養土の品質に問題があるかもしれません。培養土に含まれている堆肥が未熟の場合、発酵が進み、根を傷めてしまいます。
 また、産業廃棄物を使った粗悪な培養土の可能性もあります。
◆対処法◆
未熟な堆肥入りの培養土は完熟させてから使用します。培養土を湿らせ3ヶ月ほど寝かせ、嫌な臭いがしなくなったら大丈夫です。

<培養土購入のチェックポイント>
 1. 適用植物名または用途
 2. 容量
 3. 主な配合原料
 4. 肥料配合の有無
 5. メーカーの連絡先
◆日ごろのお手入れ◆
いい培養土を見つけたら、なるべく長く使いましょう。
自分で土をブレンドする場合も、完熟した腐葉土・堆肥を使用しましょう。
索引へ戻る
■ピートモスの量が多すぎる
ピートモスが多すぎると根が酸欠状態に!!
ピートモスが多すぎる用土は、夏は酸素不足になりがちです。土の配合はもちろん、夏の暑さ対策に注意しましょう。
◆症状と原因◆
・夏越しできずに枯れてしまった
 ⇒ピートモスは空気が体積の7割近くを占めます。そのため、水分を含むとそれまで空気があったところが水でみたされるため、根が酸欠状態に陥ります。特に暑さに弱い植物は、夏は特に多くの酸素を必要とするため、根腐れを起こし枯れてしまいます。
◆対処法◆
自分で土をブレンドする場合は、ピートモスが全体の3割以上にならないようにします。ピートモスの変わりに腐葉土を加えても良いでしょう。
◆日ごろのお手入れ◆
夏越しは、土の配合も重要ですが、置き場所や水やりにも気を遣いましょう。容器栽培なら、半日陰に移動し、水やりは午前中に行いましょう。
露地栽培の場合は、地温上昇を避けるため、株元にワラなどを敷きましょう。
索引へ戻る
■土の水はけが悪く過湿状態
水はけが悪い土は根腐れの原因に!!
水はけや通気性の悪い土は、過湿状態となり根腐れを起こします。排水性のいい用土を使用しましょう。
◆症状と原因◆
・葉や株全体の生育が悪い
・鉢植えの細い根が黒く変色している  ⇒過湿が原因で根腐れを起こしています。水のやりすぎはや土の水はけや通気性に問題があります。
◆対処法◆
根腐れした株は、黒くなった根を取り除き、水はけのいい用土に植え替えます。鉢皿に溜まった水は、過湿の原因となるため、こまめに捨てましょう。
◆日ごろのお手入れ◆
過湿を嫌う植物は、土の配合に注意します。通気性や排水性の高い軽石などを増やしましょう。
どの土も表面が十分に乾いてから水やりを行いましょう。
索引へ戻る
■土の酸度が生育に適さない
酸度調整が重要!!
ほとんどの植物は、酸性から弱酸性の土を好みます。それぞれの植物にあった土の酸度に調整しましょう。
◆症状と原因◆
・葉が黄色くなり枯れてしまった。
 ⇒中性〜弱アルカリ性の土を好む植物を酸度調整せずに植えてしまうと、こうした現象が起こります。
◆対処法◆
酸度メーターやリトマス紙などで土の酸度を測定し、植物にあった土に調整しましょう。

<容器栽培の場合>
根の周りの土を取り除き、新しい土に植え替えます。

<露地栽培の場合>
一度株を抜き取り、土の酸度を調整してから植えつけます。
◆日ごろのお手入れ◆
<容器栽培の場合>
水やりのたびに土が酸性に傾くため、数年ごとに植え替えを行います。

<露地栽培の場合>
植え付け作業では、土づくりの4〜5日前までに、酸度調整を行いましょう。
索引へ戻る
病気
植物を育てるとき、もっとも注意しなければならないのが病気です。一度侵されると、ほとんどの場合枯れてしまいます。日ごろの管理を徹底し、病気を予防しましょう。
■ウイルスによる侵害
ウイルスの感染はアブラムシが原因?!
ウイルスによる病気は数多く存在しますが、主な原因は、アブラムシを媒介して感染します。アブラムシの駆除に力を注ぎましょう。
◆症状と原因◆
・葉や花弁に白や褐色の斑模様が出ている
・葉脈に沿って葉が白くなっている
・葉が縮れている もしくは、株が萎縮している
 ⇒ウイルスによる症状で「ウイルス病」「モザイク病」などを発病しています。たいていの場合、アブラムシを媒介して発生します。
◆対処法◆
被害にあった株には、効果的な対処法がないため、株ごと焼却処分しましょう。
発病の原因となるアブラムシなどの害虫を駆除しましょう。
◆日ごろのお手入れ◆
アブラムシによる感染が主なので、アブラムシ駆除に力を入れましょう。発生しやすい春秋に薬剤を散布しましょう。
また、ハダニやスリップス類は光の反射を嫌うため、株元にアルミホイルを敷くと良いでしょう。
そのほか、ハサミやナイフなどの園芸道具からも伝染するため、熱湯や消毒用アルコールで殺菌しましょう。
索引へ戻る
■かびや細菌による斑点性の病気
斑点性の病気はかびが原因?!
斑点性の病気の原因は、ほとんどがかびによるものです。かびが好む高温多湿を避け、風通しがよく湿気が少ない環境を保ちましょう。
◆症状と原因◆
・葉の表に褐色や黒の斑点が出現している
・斑点が出現後、葉全体の色が変わり、枯れてしまった
 ⇒斑点性の病気の原因はかびや細菌です。また、ほとんどがかびによるもので、病原菌や発病する植物によって様々な症状がり、病気の種類も数多くあります。
◆対処法◆
<被害が小さい場合>
 葉を切り取って、株全体に殺菌剤を散布します。

<被害が大きすぎる場合>
 株ごと抜き取り焼却処分しましょう。

病原菌は、風や雨水などからも感染します。葉の裏に雨水の跳ね上がりなどがつかないよう鉢を地面から遠ざけたり、株元にワラを敷きましょう。
◆日ごろのお手入れ◆
病原菌であるかびは高温多湿を好むため、風通しがよく湿気の少ない環境を保ちます。繁りすぎた枝や葉はこまめに切り取りましょう。特に梅雨時などは、水のやりすぎや葉への水の付着に注意しましょう。
また、枯葉などはそのままにせず、こまめに処分し、発病を防ぎましょう。
索引へ戻る
■代表的な病気
 病名  特徴/症状 原因  対処法  日ごろのお手入れ
うどんこ病 葉の表面に白いかびが発生する病気

白い斑点が出ている
葉全体が小麦粉をまぶしたように白い
高温で湿度が低いと発生しやすい
梅雨期を除く春から秋に多発
専門薬(ミラネシン水溶剤)を1週間おきに2〜3回散布
(薬剤が効かない場合は、違う種類のものを散布する)
チッソ肥料の過多や不足、カリ不足に注意
落葉樹は、冬期に石灰硫黄合剤を散布
<予防>薬剤を定期的に散布
すす病 害虫の排泄物に黒いかびが発生する病害

葉の表面がすすをまぶしたように黒い
日あたりや風通しが悪いと発生しやすい
主な害虫は、アブラムシ、カイガラムシ、オンシツコナジラミ等
発生したすす病には、殺菌剤を散布
原因となっている害虫の駆除は、<スミチオン乳剤><オルトラン水和剤>などの薬剤をを定期的に散布
発生源である害虫の駆除が大切
害虫を見つけ次第、薬剤を散布する
さび病 斑点の色や形状など様々なさび病が存在

黒や赤、褐色の斑点
葉の表面に凹凸が生じている
風通しが悪いと発病しやすい
チッソ肥料の過多
病原菌の胞子が葉に付着、次第に盛り上がる
斑点が小さいうちは、葉の表と裏に、殺菌剤を1週間おきに2〜3回散布
斑点のある葉は、葉を切り取るか、株ごと消却処分
肥料の配合に注意し、風通しのいい場所で育てる
灰色かび病 どの植物もかかりやすい

花やつぼみに水がしみたような斑点
斑点が広がり、花全体が褐色になっている
気温が低く、湿気の多い場所で病原菌が発生しやすい(特に梅雨期は要注意) 発病初期なら、1週間おきに薬剤を散布
(病原菌に薬剤に耐性ができるため、時々違う種類の薬剤を使用する)
枯れた花やつぼみから、次々の伝染するので、摘み取って焼却処分する
水やり時に花に水がかかるとそこから発病しやすいため、花に水がかからないよう注意する
水のやりすぎ、葉の繁りすぎで株が蒸れるため気をつける
軟腐病
根腐れ病
地際部の茎から発病

葉が黄色くなっている
根元から突然倒れて枯れた
茎などの傷口から感染
チッソ肥料の与えすぎによる根の損傷
薬剤による治療は不可能
株ごと抜き取って焼却処分(周囲の土も処分する)
手入れの際に傷がつかないよう注意
冬の過湿や肥料は根が傷むため控える
<予防>薬剤を定期的に散布
立ち枯れ病 どの種類の植物にも発生しやすい

株の生育が衰え、日中はしおれている
下葉が黄色くなり、立ったまま、もしくは根元から倒れるように枯れた
地際が黒く腐っている
古い土を使っている場合や未熟の堆肥を使用した場合に水や土を介して感染
薬剤による治療は不可能
株ごと抜き取って焼却処分
周囲の土は太陽消毒や殺菌剤などで殺菌する
被害のひどい株から取れた種は、採取しない
茎に異常を発見したらすみやかに対処
植え付け時は清潔な用土を使用
古い土は
土壌消毒を行う
連作は避ける
白絹病 草花や庭木などさまざまな植物に発生

根や地際が腐敗して黒っぽく、白くて光沢のある糸のようなものが見られる
高温多湿の場所で発生しやすく、土を通じて病原菌が根に寄生する 株を掘り上げて、根や土を殺菌してから植え替える
被害がひどい場合は、焼却処分する
植え付けの時は、土に石灰質肥料を施した清潔な用土を使用する
連作は避ける
高温多湿を避けるため、、水はけのいい土に植え、水やりの回数に注意する
根頭がんしゅ病 地際部から根にかけてコブができる病気

白っぽいコブから、徐々に大きく黒っぽいコブに変化した
土の中にいる病原菌が損傷した根から感染 効果的な対処法がないため、発病した株は、焼却処分する
周囲の土も処分し、残した土は消毒する
植え付けや植え替えで根や茎を傷つけないよう注意する
植え付けの時は、清潔な用土を使用し、再利用する場合は消毒を行う
道具類も作業後は、消毒する
苗立ち枯れ病 草花を種から育てるときに最も注意したい病気

発芽して間もない苗が、根元から一斉に倒れてしまった
土中の菌によって、春から秋にかけて発生
高温多湿の場所で発生しやすい
株ごと抜き取り焼却処分する
発病していない株もすぐに掘り上げて、新しい土に植え替える
直植えの場合は、苗周辺の土を処分し、周囲の土に殺菌剤を散布する
種まきの時は、清潔な土を使用する
床まきする場合は、適切な深さの容器を用意する
索引へ戻る
害虫
害虫は、姿を変えたり動き回ったりするため、発生を予防することよりも駆除がメインとなります。姿を発見したらすぐに捕殺し、被害が広がらないよう早期発見・早期対処に努めましょう。
■発生しやすい害虫
 害虫  害虫の特徴/症状 発生場所/発生時期  対処法  日ごろのお手入れ
ハダニ 体長0.5ミリ

葉の表面が白いかすり状
葉全体の色が白や褐色に変わり、葉の裏にクモの糸のようなものが見られる
あらゆる植物に発生し、葉の裏に寄生し養分を吸う

梅雨明けから夏にかけて発生しやすい
葉の裏にダニ類の専用剤を散布
(ハダニに免疫がつかないよう、複数の薬剤を順番に使うと良い)
水に弱いため、葉の裏に水をかけると良い
5月頃から10日おきに2〜3回、ダニ専用財を散布
定期的に霧吹きで水を散布すると良い
カイガラムシ 体長2〜3ミリ
白や茶色の円形や楕円形

葉の裏や枝に白いカサブタ状のものが見られる
葉の裏や枝に寄生

風通しの悪い場所で発生しやすい
薬剤は効果が期待できない。
成虫は歯ブラシでこすり落とすか、直接手で取る
すす病が発生している場合には、殺菌剤を散布
成虫を見つけたらすぐに駆除
5〜7月頃に月2〜3回、薬剤を散布
冬期に薬剤を散布すると発生を予防できる
コナジラミ 体長2ミリ
白いハエのような害虫

葉が縮れたり、しおれている
葉の裏に白くて小さな虫の大群がいる
あらゆる植物に発生し、葉の裏に群がる

梅雨明け頃から9〜10月に大量発生しやすい
被害にあった株と周辺の株、周囲の雑草にも薬剤を散布
コナジラミ類は成長が早いため、定期的に薬剤を散布する
葉の裏を定期的にチェックし、発見したら薬剤を散布
エカキムシ 「ハモグリバエ」「ハモグリガ」を総称して「エカキムシ」と呼ぶ
ハモグリガ:体長5〜7ミリ
ハモグリバエ:体長2〜3ミリ

葉の表面に白いすじ状の模様
葉全体が真っ白になって枯れる
草花、庭木、野菜など様々な植物に寄生

4〜10月頃に発生
被害にあった葉を葉ごと押しつぶす
殺虫剤を1〜2週間おきに3回散布する
野菜に発生するとやっかいなので、植え付け時と新芽が出たころに、粒剤を施し発生を予防する
被害を発見したら、葉ごと捕殺もしくは、薬剤を散布(但し、収穫前は薬剤は使わないこと)
葉裏にいる虫
 アオムシ
 毛虫

夜行性
 ヨトウムシ
葉に虫食いの跡がある 春から秋にかけて発生 発見次第、捕殺
ヨトウムシは、孵化後間もない幼虫は群生しているため、見つけやすい
葉の裏をこまめにチェックし、定期的に薬剤を散布
ヨトウムシには誘引殺虫剤が効果的
アブラムシ 体長2〜4ミリ
ウイルス病を媒介したり、モザイク病やすす病を発生させる

葉が縮れ、株の生育が悪い
葉が黄変して枯れる
葉の裏や枝先に群生

春と秋に多く発生
薬剤に弱いため、薬剤を散布する
ただし、繁殖力が強いため、見つけ次第早急に対処する
長期間効果が続くタイプの薬剤の使用も効果的
植え付け時に薬剤を土に混ぜると発生を予防できる
春と秋に薬剤を10日に1回の割合で散布
道具類の消毒も行うと良い
ハマキムシ 体長2〜4センチのイモムシ

巻き込んだ葉に住みつき、内側から葉やつぼみを食害
バラやツバキ、ウメ、ツツジなどの花木や柑橘類などの果樹、観葉植物に多く発生

春から秋にかけて4〜5回発生
被害にあった葉ごと、摘み取って処分し、殺虫剤を散布する
小さい株の場合、葉を摘み取りすぎると成長に悪影響をおよぼすため、殺虫剤を散布する
春から秋にかけて、殺虫剤を10日に1回程度の割合で散布
葉のチェックをこまめに行う
冬は幼虫のまま葉のなかで越冬するため、この期間に捕殺すると良い
ナメクジ 葉の表や土の表面に、濡れて白く光っているすじが見られる

花芽や新芽が食害されている
薄暗くジメジメした場所に一年中発生 夜行性のため、夜間に探し見つけたらすぐに捕殺
専用剤を散布する
おびき寄せる薬剤の使用も効果的
植木鉢やプランターの下などをこまめにチェックし、見つけ次第捕殺
梅雨時は発生しやすいため、誘殺剤を使用すると良い
タバコガ類

コガネムシ
タバコガ類:体長3センチ程度のイモムシ

花やつぼみ、葉が食い荒らされている
キクやバラ、カーネーション、野菜などに大量発生 見つけ次第すぐに捕殺
コガネムシは土の中に産卵しているケースもあるため、土に混ぜるタイプの殺虫剤を使用し発生を予防する
コガネムシの成虫は株をゆすって落下したところを捕殺
薬剤を使用し、定期的に散布して防除する
スリップス
(アザミウマ)
体長約2ミリの小昆虫

花弁にシミのような斑が出て、茶色く枯れる
つぼみ新芽に入り込み養分を吸収

高温・乾燥を好むため、夏に発生しやすい
被害を見つけたら、殺虫剤を新芽やつぼみに散布する
長期間効果が持続する薬剤を併用すると効果的
夏に定期的に薬剤を散布し予防する
被害にあった場合は、できるだけ早く被害にあった花や葉を取り除き薬剤を散布する
ネコブセンチュウ 体長1ミリ以下で肉眼で確認できない

植物の生育が衰え、根に白っぽいさまざまな大きさのコブが発生
同じ植物を続けて栽培すると発生しやすい

マメ科の植物の根についているコブは、成長を助ける根粒菌
被害にあった株は抜き取り、焼却処分し、被害が拡大しないようセンチュウ専用の殺虫剤を散布する 連作は避ける
同じ土を使い回す場合は、日光消毒を行うと良い
索引へ戻る