NLXLは存在感があるし異彩を放っていますよね。どうやって確立していったんですか?他とは違うユニークさの秘密は?

自分ではユニークだとか他とは違うとか意識したことはないかな。ただ自分の直感を信じて好きなことをやっているだけなんだ。
NLXLは2010年に“SCRAPWOOD WALLPAPER”から始まったんだけど、僕らには商品にぴったりのパッケージをデザインするセンスがあったらしい。
僕らには当たり前のことなんだけど、商品と同じくらいパッケージにも気を使っているメーカーは僕たちだけだったんだ。
後でわかったんだけどね。 もしこれが君がいうユニークさなんだとしたら、50%は偶然で、あとの50%は幸運かな。

日本での各コレクションの売れ行きの差をどう感じていますか?

“SCRAPWOOD WALLPAPER”がベストセラーだね。
それは日本だけじゃなくて世界中どこでも同じ。その中でも“SCRAPWOOD WALLPAPER”は日本が一番大きな市場なんだ。
すごく誇らしく思っている。僕は日本や日本の人々に感銘を受けているからね。僕たちは細部にまでこだわり抜く。日本もそこを大事にしているだろう。
日本での売れ行きには本当に嬉しく思っているんだ。僕たちがクオリティの高い良い商品を作っているからっていうのはもちろんだけど、重要なのは現地のパートナーの存在。
そういう意味でWALPAは最良のパートナーだよ。WALPAが僕たちを日本に広めてくれたんだ。

Studio Jobとコラボレーションしようと思ったきっかけは?

きっかけはViktor and Rolfのファッションショー。背景のデザインを見てビビッと来たんだ。
その時見たのが”Withered Flowers”のデザインだったんだ。壁紙業界は400年間くらい花柄の壁紙を作ってきただろ。そこへきてStudio Jobだよ。
モノクロのしなびれた花の壁紙!アイディアがとても気に入ったんだ。彼らにNLXLはディテールのスペシャリストなんだと話したんだけど、 Studio Jobの方がはるかに上を行っていたんだ。
彼らのディテールは僕らの次元よりも1000倍くらい細かいものだった。素晴らしいことだけど同時にとても苦労したよ。
ヨブとニンケに迷惑をかけたこともあったな。 彼らは本当細部にまで気がつくんだ。彼らの偉大さには感謝してるよ。

新しいデザイナーの情報はどこから仕入れているんですか?展示会やイベントに行ってハントしてくるとか?

最近は市場で何が起こっているか知りやすくなったよ。インターネットが普及する前は展示会に出向かないと情報が入ってこなかったんだ。
でも今はどこからでも情報は手に入るようになったね。

コラボレーションをするデザイナーを選ぶ時の一番のポイントは何ですか?例えばデザインのクオリティ?市場性?大衆性?

いくらデザインがよくても価値観が合わないと契約はしないかな。
僕はおいしい料理とワインが大好きなんだ。だからその時間を楽しく共有できるのなら大概は契約しちゃうね。
最近の例でいうとPaola Navone。彼女とは数年前にパリであったmerciのパーティーで出会ったんだ。
merciのクリエイティブディレクターのDanielが紹介してくれたんだよ。
以前から彼女の作品はとても好きだったけど、一緒に仕事をするとは思ってなかったんだ。
でも実際話をしてすごく気が合うことがわかったんだ!今年の4月からPaulaと5回のミーティングをしたんだけど、いつも最終的にレストランで赤ワインを飲んでいるんだよね。
そういうのが好きなんだ。素晴らしいデザインを作るには楽しまなくちゃダメだってこと!

交渉する上で一番苦労したことは何ですか?

契約書を1ページにまとめるのが一番苦労するところだね。NLXLの契約書は基本1ページだけなんだ。
大概の契約書は20ページくらいあるし、みんなそれくらいしないといけないと思ってる。
でも僕はそんなことに時間を費やしたくないんだ。それに提示する条件はいつも一緒だし、ロイヤリティもデザイナーごとに変えたりしない。
だから行程がすごくシンプルなんだ。 YesかNoだけさ。

既に目をつけてるデザイナーはいますか?

いるよ。今まさに交渉中なんだ。NLXLがコラボレーションしたいデザイナーのトップ3に入る人なんだ。
順調に進んでいるからもうすぐお披露目できるんじゃないかな。楽しみにしておいてね。

ミューラル壁紙の隆盛ついてどう思いますか?NLXLも出す予定はありますか?

僕がNLXLを立ち上げた頃、デジタルプリントの壁紙ではミューラルタイプが主流だった。
当時の僕のミューラルに対してのイメージは、NYのスカイラインとか海とか、ベタなデザインだけのつまらないもの。
だから立ち上げ当初はミューラルを作らないってポリシーを掲げたんだ。でもミューラルは完全に別の域に達したと思う。
今のミューラルはリピートがなく壁全体をデザインで覆うイメージなんだ。だからミューラルも作ることに決めたんだよ。
ポリシーを常に見直すことの大切さを実感するいい例だと思う。たとえそのポリシーを曲げることになっても恐れずに一歩踏み出さないとね。

新たなデザイナーやパートナー。リックにとって「出会い」とは?

僕らにとって人との出会いが一番楽しいことなんだ。同じ分野の人と話すのは本当に楽しいよ。
誰でも彼でもっていうわけじゃなくて、コラボレーションできる可能性のある人とだけ話すようにしてるんだ。
デザインに感銘を受けた人を狙ってアプローチしていく。

有名になってきて周りからの期待が増えてきているからね。競合社も増えてる。でも僕自身は誰のこともライバルとは思ってないんだ。 みんなが成功することを願ってるよ。

WALPAに来たお客さんにNLXLのムードをもっと楽しんでもらう為にRickさんの好きなアルバムを流したいのですが、お気に入りTOP5は?

良い質問だね。僕は音楽中毒なんだ!壁紙屋で流すとしたらジャズとブラジリアンミュージックがいい感じに合わさったのがいいかな。
僕のTOP5はこんな感じかな。
1: Kind of Blue by Miles Davis
2: Route 66 by Nat King Cole
3: The new album by Beck, Morning Phase ?これはジャズじゃないんだけど不朽の名作だよ!毎日10回は聴いてるんだ。
4: A little Ella Fitzgerald & Louis Armstrong
5: Gilberto Gil (日本でのライブのアルバムもあるから是非それを!)

ブランドを音楽に例えると?

ソウルとオールド・スクールかな。そしたら僕はMarvin Gayeってことで(笑)

もし無人島に持っていくならどのデザインを選びますか?

友達と大好きなお酒をプリントした壁紙を刷って持っていくよ。一人は寂しいからね
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