ハタ貴金属

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2020.12.25

「腕時計のお掃除」も忘れずに。

年末といえば大掃除

クリスマスが過ぎると、すぐに年の瀬、「年末の大掃除」がやってきます。
年末の大掃除は、「煤払い(すすはらい)」を由来とする風習で、

大掃除をして新年を気持ち良く迎えるためではなく、 1年の間に積もった煤を払い、新しい年を司る年神様を迎えるための神聖な清めの行事として根付いてきたそうです。

そう言われてみれば確かに12月になると各地の神社で行われるすす払いのニュースを目にしますね。
この大掃除の意味を理解した上で気持ちよく新年を迎えるためにも、1年という時の大半を共に過ごしてきた腕時計の掃除も忘れずにやっておきましょう。

ステンレス=錆びない?

腕時計の外装に最も多く使われる素材のステンレススチールは、
Stain(錆び)、less(より少ない)、steel(鋼)
と言うように、 非常に錆びにくい鉄の合金(SUS316は鉄+クロム+ニッケル+モリブデン)ですが、 まったく錆びないというわけではありません。

ステンレススチールに含まれるクロムが空気中の酸素と結合して、表面に非常に薄い酸化被膜を形成しているので錆びるのを防いでくれますが、
表面に汚れや水分、塩分が付着したままの状態が続きますとその酸化被膜を形成することができないため、錆びてしまいます。

人の皮膚からは、「汗」だけでなく「皮脂」や「垢」などの分泌物が出ます。
腕時計は、肌に直接、腕に装着しているため、どうしても汚れてしまいます。

その汚れが原因でかぶれたり、シャツの袖を汚したり、さらには臭いもします。

どんな外装素材の腕時計でも、出来れば毎日1日の終わりに全体を柔らかいクロスで優しく拭いてあげたいですね。
※余談ですが当店ではそういった意味も込めてご購入者様にオリジナルクロスをプレゼントしております。

コロナ禍で腕時計のお手入れにも影響

また、コロナ禍では手洗いをする頻度も多くなりますし、人は年中、発汗によって体温調整をしています。
革ベルトなどはいつも湿気を含んでいるので、時計を外してすぐに密閉された時計ケースに収納することはよくありません。

時計を外してすぐは直射日光を避けた通気性の良く平らな安定した場所でトレーなどに置いておきましょう。
その際は、くれぐれもスマホなどの磁気を発生する製品と一緒に置かないように気をつけてください。 ※時計が磁気を帯びてしまい、精度に影響が出てしまいます。

時計の「年末大掃除」

とはいえ毎日のお手入れをしていても、どうしても汚れは溜まってきてしまいます。
時計にもお家同様、年末の大掃除をしてあげると新しい年を気持ちよく迎えられるのではないでしょうか。

年末の腕時計大掃除では、わずかな隙間に入り込んだ、拭いても落ちない汚れを、柔らかい歯ブラシ、綿棒、爪楊枝を使って、取り除いておきましょう。 天然毛の歯ブラシであれば吸水性もありますので水分を含んだ汚れや水洗い後のお掃除にも適しています。

爪楊枝の先端はケースに傷をつけてしまうので、ティッシュを爪楊枝の先の方の横に当てて慎重に。

汚れを落としたら最後はクロスで仕上げてください。
クロスでもポリッシュ面には拭き傷をつけてしまうことがあるので、力加減を考え優しく拭きましょう。
また、クロスに異物が付着していると、それで傷をつけてしまうことになるので、クロスを確認してから拭いてください。

※柔らかい貴金属ケースに関しては、クロスのみで掃除した方がよいです。

腕時計は、毎日過酷な環境に置かれ、汚れています。

手洗いと同様に難しいことではないので、
腕時計の拭き掃除は毎日の習慣にしてもらえると、手をかけた分、末永くパートナーとしてお使い頂けると思います。


Author:林 泰行
株式会社ハタ貴金属
MAIL:jw-hata@shop.rakuten.co.jp
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