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Joshin 試用レポート
オリンパス デジタル一眼カメラ「OLYMPUS PEN E-PL9」

 人気のデジタル一眼カメラ『OLYMPUS PEN』の新モデルE-PL9。今までのシリーズモデルと同じように、可愛くてどこにでも連れていきたくなるファッションのようなカメラ!使い勝手もよくなり、トコトンこだわった最高の1枚をすぐにシェアする事もできます! 発売したばかりのE-PL9を一足先にお借りして、いろんな場所で撮影を楽しんできました!

(ライター:ぴよこ)

小さくてかわいい OLYMPUS PENシリーズ

  • 一緒に出かけたくなるコンパクトサイズ
  • セルフィーもラクラク! チルト式モニター
  • ブラウン・ホワイト・ブラックの3色展開

 女性に人気のOLYMPUS PEN シリーズ。新モデルのE-PL9の見た目も、今までと変わらず、ちょっとレトロで可愛らしい。ダイヤルとグリップが前モデル(E-PL8)よりも大きくなっています。E-PL8の細いグリップもスッキリしていて良かったですが、筆者はグッと握れる大きなグリップを好みますので、大きくなったのは嬉しい変更点。
 カラーバリエーションはホワイト、ブラック、ブラウンの3色。E-PL8でのブラウンは、赤味がある明るいオレンジのような色で、カメラ自体がアクセサリーのようでしたが、E-PL9のブラウンは、落ち着きのある大人びた色合いです。さりげなくファッションに溶け込むかのような色がオシャレですね。結局はオシャレなんです、OLYMPUS PENシリーズって。

  • 画像左がE-PL9、右がE-PL8
  • グリップが大きくなった
  • ボタンの所までレザー仕上げ
  • メニューダイヤル(奥)も大きくなった
  • むむ?何か切り込みが・・・
  • ストロボが内蔵になりました!

 E-PL8もお借りしましたので並べてその違いを見ましょう。ダイヤルもグリップも大きくなっていますね。大きいほうがやっぱり良いですね! ボディ上部の左側を見てみると、E-PL9には何やら切り込みが入っており、手前部分に小さなボタンが付いてます・・・。そのボタンを押すとビョイ〜ンと飛び出してきたのは・・・そう!E-PL8ではオプション品だったストロボが内蔵になりました! なんだかお得な印象です!

  • タッチ操作でピントあわせも簡単
  • 1:1のスクエア構図で撮影出来ます
  • 付属のレザーストラップ

 ボディがホワイト・ブラウンだとストラップはホワイト、ブラックボディにはブラックのストラップが付属。カメラと統一感のあるレザー調のストラップがやはりファッショナブル。そんな可愛い念願のPENを肩にかけ、ついにお出かけ、さっそく撮影!と、シャッターを押したものの『撮りたいところにピントがあわぬ』…。そんな時は画面をタッチしてください。ピントを合わせたい所を触れると簡単に調整できるタッチ式モニターです。
 撮影サイズは1:1のスクエア構図設定も行えますので、インスタにアップする際、画像を切り抜かずに、狙った構図で撮影ができますよ。1:1は構図が決まりやすいので初めてのカメラの時でも良い写真が撮れるのでオススメの撮影サイズだったりもします!

  • カメラの電源を入れなくてもスマホと繋がった!
  • スマホとの接続が
    とってもカンタン!

     よ〜しよし、1:1で良い写真とったぞ!SNSにすぐにアップしたい! 最近のデジタル一眼カメラはスマホと接続が出来る機能が搭載されていますが、E-PL9は、カメラとWi-Fi接続が出来る上に、Bluetoothでの接続も行えます。
     これの何がいいのかと言いますとですね・・・カメラとスマホを接続する際、カメラの電源をONにするのが一般的ですが、Bluetoothの特性を生かして、カメラの電源OFFの状態でも、自動的に電源ONさせ、Wi-Fi接続を自動的に行うのです。そのため、カメラに触らず、スマホのアプリ画面からカメラのデータにアクセスできて、画像の転送が行えてしまうのです!

     カメラの電源をいちいちONにするのにカバンからカメラを取り出したりする動作って、意外と面倒だったりするのですが、カメラはバッグに入れたまま、スマホだけでカメラで撮った写真が見られる手軽さは、E-PL9の魅力に間違いないなと、筆者は使いながら便利さに感動していました。痒い所に手が届くような気持ちよさがあります。

     さらに、ボタンの所をよ〜く見てみますと、動画の録画を行うボタンの横に、スマホで見かけるシェアマークが・・・

カメラのシェアボタンでスマホに転送!

  • おや、シェアマークがいますよ
  • 再生画面でボタンをポチると・・・
  • 画面右上にシェアマークが登場
  • 一覧画面でポチポチすると・・・
  • 一括でスマホにデータが送れます!

 このシェアボタンは、アプリ上で『写真転送』メニューを選び、写真を選択して、データに取り込む、という動作をせずとも、すぐにスマホに取り込めてしまう魔法のボタン。 使い方はとってもカンタン。まずは写真を再生ボタンで表示させ、転送・シェアを行いたい写真を選んでシェアボタンをポチります。すると画面上右上にシェアマークが登場。一覧再生した状態でもポチポチすれば複数選択も行えますよ。
 シェアボタンで転送したい写真をチェックした後にカメラの電源オフにすると、アプリ画面を見ると『カメラ内にシェア予約された画像があります』と通知があり、取り込み・シェアのどちらかを選択すれば、シェアボタンで選択した写真を一気に取り込み・シェアが行えます。お気に入りの写真を確認している時にボタンをポチッておけば、後でスマホを見た時に、サクサク快適なデータ転送が行えますのでとても便利ですよ!
※iOSではアプリ起動時(バックグランドで起動も可)、Androidではアプリの起動をしていなくても、スマホがスリープ状態でなければ転送可能

写真の印象が手軽に変わる
『アートフィルター』

  • フィルター効果の違いもひと目で分かる
  • 新アートフィルター『ネオノスタルジー』
  • アートフィルター『リーニュクレールI』
  • デイドリームI
  • ポップアート
  • ファンタジックフォーカス
  • ウォーターカラーI
  • ヴィンテージ
  • ブリーチバイパスII

 メニューダイヤルにある『アートフィルター』を使うと、日常さえも非日常に見える写真に仕上がります。ポップだったり幻想的だったりノスタルジックだったりとおなじみのフィルターに、新たに『ネオノスタルジー』が加わって、全部で30種類のフィルター効果を楽しめます。
 同じ場面でもアートフィルターを使う事で、違った味わいが出ますので、色々試してベストショットを作り上げてみてください!
 筆者は今まで『クロスプロセス』がお気に入りでしたが、新しく追加された『ネオノスタルジー』の、味のある効果と相性が良かったです(作例はページのもう少し下にあります)。

もっとアートな写真を楽しむなら『AP』ダイヤルの中に注目!

  • APダイヤルの中には
  • ライブタイム撮影や・・・
  • 多重露出も簡単に撮影できます!

 ダイヤルにある『AP』の文字。このアドバンストフォトモードでは、通常では難しい撮影もサクッと行えたり、便利なモードがたくさん納められています。今回は作例を作れませんでしたが、光の変化した部分のみを合成するライブコンポジットなら星の軌道撮影や、ライブタイム撮影なら高速道路の車のネオンがギューーーンと伸びた写真なども撮れちゃいますので是非チャレンジしてみてください!

 ちなみにカフェなどでの撮影や発表会などの静かな場などで『・・・カシャッ!』とシャッターの音を立てたくない場合は、APモードの中にある静音撮影モードをお選びください。筆者は多重露出などを使う場合以外はだいたい静音モードで撮影していました。下に作例があるのですが、結構カフェでは何回撮るんだというくらいにパフェを撮ったりするので、静かに撮影をしたいのです・・・照。

いろいろあるAPモードの中でもオススメしたいのは『多重露出』モード! まずは下の作例をご覧ください。

  • MFで玉ボケを撮影し、
  • ピントを合わせて被写体を撮影すると・・・
  • こんなに幻想的に仕上がるんです!

 多重露出モードは、撮影した2つのデータをカメラ側で重ねて1枚にしてくれるモードで、そもそも普通に撮影するのがとても難しい手法です。多重露出モードとマニュアルフォーカス(MF)を合わせればこんなに幻想的な写真が撮影できます。『マニュアルて! 急に難しい撮影教えてくるやん! 難しい事言うんじゃないよ!』と思われたかも知れませんが、難しい撮影は筆者も出来ません。大丈夫、ピントなんて合わせませんから。じゃあなぜMFなのか。玉ボケを作りたいからです。

 玉ボケとは光の玉がボケたもので、テレビドラマとかでイルミネーション輝く夜に、男性が女性に胸キュンな言葉を放った直後、キラキラ目を輝かせる女性の顔をさらにキラキラに見せる、キラキラの背景のアレです。
 玉ボケを作る場合、オートフォーカスだとピントが合いすぎてボケないので、MFでボケを作るわけですね。玉ボケの材料となるのはイルミネーションなどの光です。MFに設定したなら、その光に向かってピントリングを手動で回せば、ピントがずれてボケ玉が作れます。その状態でシャッターを押し切れば、1枚目のデータをカメラが記憶し、その状態で再度シャッターを切れば、2枚目が記憶されます。

 筆者の上の作例は、玉ボケを作成した後、今度はピントを合わせてイルミネーションの輝く木を撮影(上記画像の2枚目)したものなのです。玉ボケのデータと木のデータが重なった結果、上記画像の3枚目のような幻想的な写真が撮れたのです(上記1枚目・2枚目画像は筆者がイメージ用に撮影したもので、3枚目の画像で記憶させたデータとは異なります)。筆者のような写真を撮る場合は、2枚目でピントの合った写真が必要となりますので、MFが苦手な方は『シングルAF+MFモード』に設定しておくと便利ですよ!

 ピント合わせが難しいMFは、玉ボケを作るために活用してみてはいかがでしょうか。もちろんAFで撮影した多重露出でもステキな写真は撮影できますので、色々な作品を作ってみてください!

 

色んなレンズを付け替えたりして撮影を楽しもう

    • フィッシュアイボディーキャップレンズ
    • M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
    • M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
    • M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro

 レンズ交換による撮影は、本格カメラの醍醐味の1つです。軽く違いを説明すると、遠くの物にも近づける望遠レンズや、標準レンズで近づける距離よりもさらに近づいて被写体の細部まで撮影できるマクロレンズ、人物の撮影などに最適な単焦点レンズ、魚眼効果が得られるフィッシュアイなど、その効果は様々です。今回はE-PL9と合わせていくつかのレンズもお借りしたので、ちょっと撮影してみました。

  • [単焦点レンズ] F1.8で被写体を引きたてる
  • 標準ズームなら寄れるのはこれくらい
  • マクロ+デジタルテレコンならこんなに寄れる!

  背景がしっかりボケるF1.8の単焦点レンズを使って筆者はパフェを際立たせましたが、人物の撮影などにオススメのレンズです。
通常の標準レンズでお花を撮影すると、上記写真の中央くらいのキレイなお花全体の写真に仕上がります。それがマクロレンズなら、めしべの細部まで見えてしまうほど近距離での撮影が可能! レンズをお花ギリギリまで近づけて撮影していました。ちなみにこの3枚目の写真はマクロレンズと、カメラに搭載されているデジタルテレコンを使って撮影したものです。
 借りたレンズの中に、と〜っても薄型のフィッシュアイボディキャップレンズがあったのですが、これがメチャメチャ楽しかったです。個性爆発させられます。

  • レンズキャップのような、レンズです
  • 標準レンズ(左)よりもさらに薄い!

 オリンパスのカメラはそもそもレンズが小さくてかさばらないのですが、このフィッシュアイボディキャップレンズは、名前のとおりレンズキャップのようなレンズで、その厚さは12.8mmと驚きの小ささ・薄さです! それでいて広角、フィッシュアイ(魚眼)。しかも手頃な価格帯。レンズを見た瞬間、単純に凄いなって・・・思いました。サクサクッとスナップ写真を撮影するならとても楽しめるレンズです。摩天楼を撮る、お花を撮る、景色を撮る・・・アートフィルター同様、気軽に使ってその効果を体感してほしいレンズです!

サクサクッと撮影を
楽しんでみました!

まとめ

 新しくなったE-PL9と一緒にカフェに行ってインスタ映えしそうなご飯を食べてみたり、突然コインロッカーの鍵の統一感が目に留まってアートフィルターの『パートカラー』で赤を際立たせてロッカーに寄り添ってみたり、ベンチに置かれた2つのコーヒーの容器から愛を感じて玉ボケでその愛を演出してみたり、冬場の公園の端っこでうずくまって花の撮影に夢中になり、ふと我に返って自分が変な人だと思われていないかと周りを見渡すと「あの人、凄く写真撮ってるな」っていう目でカップルやサラリーマンの方が見ていたり。
そのたびに「カメラってそれだけ夢中にさせるもんなんだ」と思うのですが、E-PL9は豊富なアートフィルターとAPモードでの特殊な撮影と、手軽に作品作りが出来るカメラですので、いつもより撮影に夢中になる状態は長かったです。今回はレンズも沢山ありましたので、その熱は高まるばかりでした。

 ここまで楽しさだけをお伝えしてきましたが、筆者は夜の撮影には三脚を使わず、かなり暗い室内での撮影も実は行っており、フィッシュアイで撮影している円形の建物の写真はISO1600で撮影しています。高い感度で撮影したのにも関わらず、写真にザラザラとしたノイズが少ないキレイな撮影ができたのは、フラッグシップカメラである「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II」と同じ画像処理エンジンが、E-PL9に搭載されているんです。ですのでオシャレな写真が撮れた!というだけでなく、画質の良さで写真の品質を落とさず仕上げてくれていたりします。その画像処理エンジンが生きる4Kでの動画撮影も実は出来ます。手軽に使えて、実はとても高品位ですので、初めての本格カメラがE-PL9というのは、個人的には「メッチャ贅沢だ」と思います。

 E-PL9はアートフィルターを使った写真の加工もスマホへのシェアもとてもカンタンに行えて、APモードダイヤルにあるような難しい写真にも挑戦しやすく、トコトン作品作りにのめりこめるカメラです。本格カメラを使ってみようと考えている方は、E-PL9と一緒にカメラの世界に一歩足を踏み入れてみてください。 筆者のように公園の端っこで丸くなってお花を撮影するのが楽しいとわかっていただけるはず・・・です!

2018.3.9 ぴよこ


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