いくつかの真珠鑑定機関が独自に花珠の基準を定め、『花珠鑑別書』を発行しています。
その目的は、専門職の目を通した客観的な品質鑑別をお客様にもご覧いただき、真珠をより安心して
お求め頂けるよう、その証明書を発行しています。

現在、「花珠」と言えば『花珠鑑別書が付いているもの』を指すようになっています。

参考までに、花珠鑑別書の主な鑑定項目は下記のような内容です。
（各鑑定機関によって多少基準・検査項目は異なります）

【形：ラウンドであること】
【真珠層の巻き：厚巻きであること】
【照り：強い照りであること】
【傷：無傷～微細傷であること】

これらにネックレスの場合は、連相（＝ネックレスに使われている真珠の色目と品質の統一感）の完成度を加えて鑑定されています。

上記で述べましたように、鑑別書とは、真珠鑑定機関が独自に定めた“一定の基準”を満たした全ての真珠に称号として『花珠』という名称が使われています。

花珠鑑別書は、本来「品質を保証する為の一定の基準を満たしている」というガイドラインとして機能するものですが、近ごろでは 鑑別書が付いていれば、最高品質！であるかのような思い違いが生じています。

ですが、本当に最高品質のものが「特選品 セット価格3万円」「驚きの80％OFF」や、「中間マージンカットで実現のこのお値段」などの低価格で販売できるものなのでしょうか。真珠は卸だからものすごく安く仕入れ出来るということはありません。

養殖業者さんが手間暇をかけて大切に育て上げた、品質の良い真珠は卸段階でも必ず相応に評価をされて立派な価格で取引されています。

ですから鑑別書が付いている・付いていないに関わらず、真珠を販売している人の信用が大切です。

鑑別書は、高品質の真珠にとって必須のものではなく、販売店が独自の判断であくまでも参考として取得しているものなのです。

同じ鑑定機関の花珠鑑別書が付いていて、同じサイズのネックレスでも お店によって、あるいは同じお店の内でも商品によって価格が違っています。 どうしてなのでしょうか？

それは、鑑別機関が定めた基準を超えた真珠すべてに花珠鑑別書を発行しているためです。 つまり、言い方を変えますと、基準をすれすれで通った真珠にも、余裕を持って通った高品質な真珠にも、同じ内容の鑑別書が添付されているということになるからです。

ですから品質が違えば原価も異なり、その結果、販売価格も違ってきます。同じ鑑定機関の花珠鑑別書が付いていて、同じサイズのネックレスでも価格が違う場合、それは品質の差です。 高価な方が、品質が良いはずです。

一定の品質以上であることを第三者が証明した鑑別書は、 “お客様”にとって安心の材料になりますが、糸川の真珠は、鑑別の付いた商品も、付いていない商品も「全て」、真珠へのこだわりのある代表自らが厳しい目でチェックをし、自信を持って送り出せる真珠を皆様のお手元へお届けしています。

私たちは、真珠販売に携わる者としての責任において、鑑別書だけをセールスポイントにするのではなく、真珠の持つ固有の特徴や長所・短所などを含めたご説明をして、お客様の用途やご予算に合わせた提案に努めさせていただいております。

糸川真珠が扱う真珠製品は、鑑別書がないものであっても怪しげな商品ということでは決してありません。

花珠鑑別書が取得できる品質であっても敢えて鑑別書を取らず、販売店の保証書のみを付けて丁寧に販売している真珠もたくさんあります。

皆さまにお伝えしたいのは・・・

鑑別書の有無に関係なく、しっかりと真珠そのものもの品質を見極められるお店で真珠製品を選ぶことが、
最も大切なのではないでしょうか。

という１点に尽きます。