苔探訪 苔の里 苔の生育地を訪ねる

     苔の里


苔の宝庫 京都 丹波高原 〜生育地を訪ねる〜 苔の宝庫 和歌山県 〜生育地を訪ねる〜
 ・2017年9月18日
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 ・2017年12月28日 〜ムラサキミズゴケ編〜
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 ・2018年1月5日 〜ヤマトフデゴケ編 パート2〜
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滋賀県 〜生育地を訪ねる〜 京都市・長岡京市 〜生育地を訪ねる〜
 ・2019年10月28日
 ・2019年10月29日
 ・2019年12月4日



苔の宝庫 京都 丹波高原

生育地を訪ねる 2017年9月18日 京北町訪ねました


生育地を訪ねる 2015年10月18日
あるお宮さんで
街道筋で
ある集落で
その谷川に入ると
初めてコウヤノマンネングサを見る
違う谷に入ると
集落で
街道筋で
スナゴケの大群落
ハイゴケの生育地
フロウソウの生育地
フロウソウの生育地 パート2


生育地を訪ねる 2017年11月26日
知人宅の裏山を御案内いただきました。山への登り口にはイノシシ・シカ除けの柵がしてありました。 そして登り口は朝日だけが当たる北東向きなのでしょうか。 登り始めますとミズゴケの生育が見られ、かなり伏流水も流れ、湿潤な山であることがわかります。
山の林床へ入って行きますと、かなりの日陰になってきます。そこにはウマスギゴケが育っていました。 更に登りますと、ウマスギゴケがきれいに育っておりました。辺りはかなり水が滲みだしているのでは。
美しいシノブゴケに出会いました。日陰と湿潤な環境がこの青く美しいシノブゴケを育てたものと思われます。 その拡大画面ですが、オオアオシノブゴケかオオシノブゴケか。その優美な美しさは何とかしたいものです。
ミズゴケの群落。これには驚かされました。 自然に湧き出る水がせせらぎとなっておりますが、その辺りにミズゴケがびっしりと生育しており、その環境にマッチしたものと思われます。
そのミズゴケの生育しているところには桧が植えられており、その根元にはホソバオキナゴケが地面に育っていました。 その根元なのですが、湿潤であると思われるのですが湿潤を嫌うホソバオキナゴケが生育し、 しかも樹上に着生せず地面にその姿を見ます。


生育地を訪ねる 2017年11月29日
一路嵐山から広沢の池を通り、高雄を目指します。 途中、嵐山渡月橋を渡ってきたのですが、天下の名勝人、人、人でした。 紅葉で有名な高雄。そこにはスナゴケが見られるのでした。やはり山間部で 湿度も高く、しかも夏涼しいという環境のおかげでは。
本日の予定は奥地だったのですが、途中下車。ホウオウゴケのある谷へ再度訪ねました。 そこは防砂ダムの壁面。 ご覧の通りのホウオウゴケの群生。
アップしてみると。このホウオウゴケの品種の同定をお願いせねばと考えているのですが。 その壁面にはコタニワタリが見られました。
ホウオウゴケの絵になるようなやはり「苔の楽園」です。 景観。
近くの足元にはクジャクゴケが。当初クジャクゴケかと思っておりましたが、どうもヒメクジャ クゴケか? 山手にはシッポゴケが生育していました。
石にはホウオウゴケが着生。 そして別の石にはヒメクジャクゴケが着生しているのでした。
やはり山手にはコウヤノマンネングサが生育しているのでした。 そのアップ。少し荒い生育数ですので、年数が若いのか、伏流水がそう多くないのかと考えられ ます。
あちらこちらに見られるヒメクジャクゴケの生育。 生育数はそう多くは見ることができないクジャクゴケの類。 見ることが出来ましてラッキーとしか言いようがありません。
更に山手の斜面にはシッポゴケの群生が見られました。 そのアップです。でもよく見るとシッポゴケではないような?ヒメカモジゴケか?
あちらこちらに見ることのできるヒメクジャクゴケ。後でわかったことですが、 この谷に見られる特徴です。
ズバリ!ヒメクジャクゴケが見られる谷です。
幻想的な画像なのですが、ここが苔の楽園の景観です。 帰り際、コウヤノマンネングサが見られました。
更には不法投棄してあった一斗缶にはホソバオキナゴケが。この光景を見ると、従来の解説 つまり腐葉土が必要ということは?では。 そこは谷。でもヒメクジャクゴケも見られます。
正面から見ると立派なコロニー。自然では何年かかっているのか?相当な年数ではと思われます 。 そして木枝に着生したヒメクジャクゴケ。湿潤すぎてこのようなところに生育してしまったので しょうか。
スギゴケも倒木の上に生育していました。本来湿潤を好む性質なのですが。


生育地を訪ねる 2018年12月1日 京北町を訪ねました
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紅葉狩りのきれいな季節となり、高雄の里も一段と美しく色付いていました。観賞もしたいなあと思いながらも先を急ぐのは常日頃です。
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そしてこのトンネルを抜けると京北町、そのトンネルの手前にシノブゴケがコンクリート面に育っているのでした。 おそらくは何十年と時を経ているのでは。その間空中湿度の高さがシノブゴケを育ててくれていたのでは。
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京北町は中心地の周山を過ぎ、黒田という地名を通りかかったのですが、やはり石にシノブゴケが育っているのでした。 先ほどのトンネルの手前とは少し違うシノブゴケではと思いながら、採取もせずに先へ。
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黒田の水力発電所、一度お訪ねしたいと思っていましたところです。遠くからも苔の生育する姿が見られ、興味がありました。
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この辺りは空中湿度が高く、自然に苔が育っているのでした。都会では考えられない苔の生育、庭に苔を育てるひとつのポイントを示しています。 近づいてみますと、スナゴケ、多分エゾスナゴケとハイゴケ、そしてシノブゴケの三種混合にて地面を被っているのでした。
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発電所の前庭には桜の巨木が、そこにはハイゴケがやはり育っているのでした。都会の平地では信じられないハイゴケの生育です。山間部にて山に降る雨水が地下を通して辺りの地面をうるおしており、更には空中湿度も常に高いことがこのような状態になったのではと思われます。
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さらに車を走らせるのですが、途中スナゴケがきれいに石垣の上に育っているのでした。 スナゴケは排水の良い条件のみに生育するかと考えられます。夏の間は暑さで休眠状態ですが、秋の気温の低下、つまり9月の秋の長雨の頃より、こんなにきれいに回復してきているのではと思います。
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目的地へ着き、早々に案内を頂き、谷へ入りますとシノブゴケの群生地。 アオシノブゴケであったり、オオシノブゴケではと思われるのですが。
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集落の中にある家をお訪ねしますと、そこの庭には苔の見本園でした。 玄関先に苔が生えているのです。よく育っており、長年大切にされてきたことが分かります。でもここの住人であるおばあちゃん、入院されているとか。お話が聞けず残念です。
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よく見ますと、シッポゴケとシノブゴケ、たぶんオオシノブゴケかと。 その前にある庭の石には様々な苔が生育しているのにはびっくり。左よりフトリュウビゴケ、ヒノキゴケ、ヒロハヒノキゴケ、そしてオオシノブゴケ?周りにはハイゴケと、アオシノブゴケ?が育っているのでした。
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近付いて見るオオシノブゴケかオオアオシノブゴケではと思える美しいシノブゴケが何十年と育っているのでは。 小型によくしまったヒロハヒノキゴケです。
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ヒノキゴケです。 フトリュウビゴケもこのようなところで見られるとは意外でした。苔を美しいものと思われ、引っこ抜かなかった家人、自然との調和が何ともいえません。
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周辺を案内いただくと、石垣にはツヤゴケが。 シッポゴケとハイゴケのコラボです。
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或はシッポゴケがきれいに育っているのでした。このシッポゴケはかなりの湿潤を好む性質では。やはり山の斜面から伝わる雨水がシッポゴケを潤していることが分かります。 石垣の下にはウマスギゴケが見られるのでした。
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上面から見ますと、様々な苔が見られるのでした。 道路に戻りまして、以前より気になっていましたシノブゴケを観察。何十年と育っているシノブゴケは何というか気になるところです。
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スナゴケの収集をお願いしておりましたお宅の前の空き地にはウマスギゴケとハイゴケが自然に共生し、いつみても驚かされます。少し向こうに見えるのは集めていただいたスナゴケです。 近付いて見るウマスギゴケとハイゴケです。ここにウマスギゴケが生育するというのはやはり山に近いという条件であることが分かります。
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大トレーに集めていただいたスナゴケです。このスナゴケを持ち帰り養生していくのですが、一作しますとそれはそれは美しいスナゴケとなります。 近くには田んぼを地上げした畑があるのでした。そこにはハイゴケが群生しているのでした。
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芝生まみれですが、ハイゴケがよく育っているのでした。この畑は山から離れており、ウマスギゴケが育つ環境ではないことがよく分かります。その代わり、この斜面にはハイゴケが良く育っているのでした。 スナゴケも積み終え、早々に帰り支度。途中日暮れとともに街道をひた走るのですが、ここは高雄。ライトアップも美しい紅葉でした。



2019年12月23日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 丹波高原(その1)
カサゴケモドキの生育地を訪ねる

苔を販売して以来、何回かは訪ねるここ丹波高原のある所。いつもながらこの季節に訪れることになります。


紅葉しているツヤゴケが見られるのもこの地です。ツヤゴケはアントシアニンを含む珍しい苔ですが、秋の気温の低下とともに葉緑素の活動が低下するとこのように。


シノブゴケとの混生になって生育していますので全面的に真赤とはいきませんが、その特徴がよく出ています。但、夏の間うす暗いところに生育するツヤゴケはどうしてもアントシアニンの形成が悪いのか、この季節でも紅葉しません。


そしてその坂道となった下にカサゴケモドキが生育しているのです。回りにはウマスギゴケ、カモジゴケ等も見られ、この地が山の斜面という立地条件が好条件となっているようです。


何回目かのカサゴケモドキ。おもてなしをしてくれているのかいつも元気に育ってくれていてほっとします。何しろここでしかカサゴケモドキとは出会えないのですから。


いかがでしょうか、このカサゴケモドキのコロニー。なかなか見られるものでないだけに貴重な画像です。


大きなコロニーです。


焚き火をされた跡があってもこのように復活しているカサゴケモドキ。山仕事をする人々は但単なる苔なのでしょうねえ。


近くにもコロニーが。


紅葉するツヤゴケの間からも何かツヤゴケに負けているような生育状況。でもテラリウムには最高のコロニー、いわば苔の自然の寄せ植えが見られます。


ここにも焚き火の跡かなと思えるのですが、よく育っているカサゴケモドキ。


ツヤゴケとのコラボ、ここにも自然の寄せ植えが見られます。


焼けた松ぼっくりを見ていると、焚き火はそれなりの大きさ、その時この場所で焚き火を見ていたなら、と思うのですが。


でも元気なカサゴケモドキを見ていると、一安心。


それよりも焚き火の灰が肥料分となっているような錯覚ではないのかもしれません。


あちらこちらに広く見られるカサゴケモドキ。


よいながめです。


ぜいたくなカサゴケモドキです。


そのカサゴケモドキのコロニーのワンショットです。


絵になるカサゴケモドキのコロニーでは。




2019年12月23日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 丹波高原(その2)
コウヤノマンネングサ等、いろいろな苔も見られます。

シッポゴケ思われる美しいコロニーがカサゴケモドキとともに育っているのでした。


カモジゴケと思われるコケやら。ヒカゲノカズラ、シッポゴケと寄せ植え状態です。自然ならではの生態です。


そのような理想的な生育が見られる斜面です。でもここにはカサゴケモドキどころかオオカサゴケも見られないのです。すぐ近くにカサゴケモドキが生育しているにかかわらずです。


カモジゴケのような、それにウマスギゴケ、ツヤゴケも。このツヤゴケは紅葉しないタイプでは。色々と調べることが一杯です。


シッポゴケとウマスギゴケのコラボ。テラリウム或は苔盆栽等を考えますと何かヒントになるのではと思います。


そのあたりにある大木を見ますとフトリュウビゴケが着生しているのです。生育環境はかなりの高湿度と思われます。


きれいに育っているフトリュウビゴケです。


更度、苔の生育するあたりを観察すると、このあたりだけに苔は生育しているのです。やはり山の斜面であってもこのあたりに伏流水が浸み出し、湿潤な環境を作り出し、どちらかというと水を好む苔が育っているといえるのでは。


そしてそのパノラマが続き、紅葉するツヤゴケ、カサゴケモドキへと続いています。


大きな杉の大木の株元にはウマスギゴケがいかにも湿潤という条件では。


黄色い帯状に育っている苔はどうもツヤゴケ。ツヤゴケも色々なタイプがあるようです。


この谷を少し上流に行きますとコンクリートの護岸、そこにはホウオウゴケが見られるのでした。


どちらかというとホウオウゴケよりも小型のホウオウゴケ。うかつに判断するといけませんので少しいただいて鑑定に。


護岸を更にたどって行くとこのホウオウゴケが続いているのです。


よく育っているコロニーです。


ホウオウゴケの類はどこへ行ってもどこで見ても岩場に着生するように育っています。


こうして見るとナガサキホウオウゴケか?はたまた他のホウオウゴケか?鑑定の結果をお楽しみに!




2019年12月23日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 丹波高原(その3)
コウヤノマンネングサも見られる苔の仲間達

そのホウオウゴケからすぐさま林道と谷川が交差するところ。そこにはコンクリートの上にトヨタシノブゴケと思われるシノブゴケが着生するように育っているのでした。


その橋のすぐ下にはオオカサゴケが見られるのでした。そのわずかに見られるオオカサゴケ。ここは天国ではなかったようです。その原因は何なのか、オオカサゴケにたずねたいところです。


この季節、落葉して赤い実が目立つサンキライ。


何回か探索に来てはいますこの地、始めて気がついたサンキライの実。


林道にこのようにサンキライが育っているのでした。


そのあたりにはタマゴケも見られるのでした。


やはり山からの流れ出る伏流水がタマゴケを育んでいるよい例です。どこで見るタマゴケもこのような環境です。タマゴケは夏冷涼な気候を好む非対暑性の苔。この辺りでは夏やはり焼けてしまうのかどうか調べたいと思うのですが、いかんせん動ける季節はこの季節の冬限定です。


その崖下の林床にはコウヤノマンネングサのコロニーが見られるのです。もうこれで何回目か。いつ見ても見あきぬ楽しみがあるコウヤノマンネングサです。


このコウヤノマンネングサが生育する林床は、その昔耕作する目的で広かれた畑では思えるのです。


これだけ生育しているコウヤノマンネングサ。環境は富栄養化した林床にあるかと考えられます。長年積まった落葉からできる腐葉土に一次茎の根を張り、そして片や林道を介して山の崖という状件。その山に降る雨水がこの林床に流れ込むかと考えられます。おそらくはその時の林床は水が滞まる状態になっているのでは。その条件がコウヤノマンネングサをこのように育んでいるのではと考えられます。


コウヤノマンネングサは根の無い苔の仲間。山から流れ出る雨水は腐葉土の層を流れた富栄養化した雨水。そのような栄養化に富んだ雨水がこのコウヤノマンネングサ一面に生育期間中に何回となく水を湛え、その雨水を吸収することによってこのようによく育ったコウヤノマンネングサになったかと考えられます。


その林床がその昔人工的に造られたものとわかる石垣。その石垣にはツヤゴケが厚く育っているのでした。うっすらと紅葉しているツヤゴケを見ると夏の間日射量のかなり少ない谷間であるかと考えられます。


石垣の上がこのツヤゴケの育む環境に合ったのか、おそらくはかなりの高湿度が保たれている林床と考えられ、土の上では無く、石の上に育ったことがわかります。


コウヤノマンネングサのコロニーの環境条件を見ますとよく理解ができるかと思われます。ツヤゴケは高湿度は求めても停滞水による湿潤な環境はどうもにが手のようです。


よく見ますと林道に面した法面にコウヤノマンネングサが見られるのでした。


でもそのコウヤノマンネングサ、何んとなく負弱です。


これを見ますとコウヤノマンネングサがよく育つ条件がわかってきます。この法面にも長い年月を経てコロニーを形成しています。おそらくは対面の山に降った雨水がこの法面を潤おしているかと考えられます。


その雨水、腐葉土の層によって富栄養化してこのコウヤノマンネングサを育んでいるのですが、この法面の保水力だけが頼り。つまりどぶ漬けか散布かの違いがコウヤノマンネングサの育ち方を変えていることがここでは証明しています。


そのコウヤノマンネングサのコロニーから見上げますと、そこにはホウオウゴケが育つ小さな滝があったのです。山の降った雨水がこの滝に寄せられ、イッキにコウヤノマンネングサを潤しているのでしたつまりコウヤノマンネングサが育つにはある一定の湿潤になる条件、更にはその時間が関係していることがわかってきます。


くわしく見て見るとどうもホウオウゴケのような大きなホウオウゴケ。今まで何回となく見ているのですが、多分ですね。


少し小型のようにも見えるのですが、そこには年間の降水量とこの小さな滝の水量等色々な環境条件がそうさせたのでは。或は他のホウオウゴケかもしれませんが。




2019年12月23日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 丹波高原(その4)
コウヤノマンネングサ等いろいろな苔も見られます。

以前も行った別の谷へ移動。その谷の入口には以前よりコウヤノマンネングサが見られるのでした。


そこにはウマスギゴケとコウヤノマンネングサの共生する珍しい生育地でした。


あちらこちらに見られるウマスギゴケとコウヤノマンネングサなのですが、ことコウヤノマンネングサだけを見ると極めてやせているのです。いいかえればウマスギゴケはそんなところに生息するのかもしれません。


その昔、田んぼのあぜであっただとうなあと思うところにもコウヤノマンネングサが小さく小さく育っているのでした。何かコウヤノマンネングサが育つ限界点を見ている気がしてなりません。クラマゴケの生育する環境、しかも少し焼けています。


その近くには赤く紅葉したツヤゴケが見られるのでした。やはりこんなに紅葉するとは日照条件は光線量が多いことがわかります。


そしてハイゴケも黄金色を呈したハイゴケが育っていることからもわかります。


毎回訪ねる毎に観察するウマスギゴケとアラハシラガゴケの共生。アラハシラガゴケが好む環境がこれでわかります。つまりアラハシラガゴケはどちらどちらかというと湿潤を好む苔であることです。そしてこの季節、気温の低下とともに葉緑素の活動が増え色目がややかっ色を帯びてくることも実際見ることができました。といいますのも弊園でも生長期と違ってこの季節色目はどうしても落ちてきます。


そしてその辺りにはハイゴケが見られ、深山であってもある程度明るいことがわかります。


そのような環境であってもシノブゴケを探すのです。深山幽谷になる程、トヤマシノブゴケとは少し違ったシノブゴケが見られるはずです。


思いがけずオオカサゴケを発見。工事で辺り引っくり返されているのですが、もっと分布はあったのかもしれません。


アオシノブゴケではと思いながら。


こちらはオオアオシノブでは。


春の生長期、うず巻き状態となって生長するシノブゴケと思いながら撮影です。


谷川の大きな岩に着生するかのように育っている一見、タマゴケ風のコケです。何というかまったく不明です。


調べて見る必要がありそうです。




2019年12月23日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 丹波高原(その5)
この谷の最大のコウヤノマンネンゴケのコロニーに出会うことができました。

この杉林の最下部にあたるところに生息するコウヤノマンネングサ。やはり条件が揃っているのでは?その条件とは、山に降る雨水がここにまで伝わり、イッキにこの地点で停滞水のように富栄養化した雨水がここに滞まるのではと考えられます。おそらくはコウヤノマンネングサの下は花崗岩系の粘土層になって雨水の地下への浸透が遅いのと考えられます。


毎年杉の落葉期にはコウヤノマンネンスギの上に覆いかぶさるように落葉し、春のコウヤノマンネンスギの生長期を待たねばなりません。そして年を越すとこの辺一面積雪、おそらくは1m以上積もるかと思われます。そのくり返しを何十年、何百年と行われてきたかと思われます。


杉林から見たコウヤノマンネングサと谷川です。何かこの辺りで苔の培養場を作ると理想的にも思えるのですが。


先程見たタマゴケのようなコケがこの岩にも。


空中湿度が相当高いと見え、よく育っています。


岩の窪地に泥が帯まったのでしょうか、そこにはコスギゴケの仲間が育っているのでした。


そして山を降りる道中、やはり紅葉したツヤゴケが見られるのでした。







苔の宝庫 和歌山県

2017年12月28日
フデゴケのある和歌山県の秘境へ
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遠出をするにはぎりぎりの12月28日、「苔の生育地を訪ねる」の中でフデゴケだけが未処理。 そこで知人の紹介でフデゴケの里ならぬ生育地へ。 その谷に入る前にオオカサゴケの生育地を見学。 でもここのオオカサゴケ少し大きいのです。というよりも従来見たことのない大きさなのです。 その大きさ、後で計ったのですが、3cmはあるものがかなりあったような。 それと水切れして萎びているオオカサゴケも初めて見ました。 伏流水が常にあるとは限らず、どの程度まで耐えられるのか?これも興味あるところです。
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その生育地はやはり山の斜面で北側、そして一面にオオカサゴケが見られるのでした。 空中湿度は高いと見え、イトゴケが見られるのでした。
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この斜面のいたるところにオオカサゴケは見られるのですが、ふと見上げるとホウオウゴケらしきものが見えるのでした。 下から望遠レンズで。 ホウオウゴケは国内には40種あるとか。 このホウオウゴケは何というのか?今後調べてみたいと思います。
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いよいよフデゴケの生育する秘境ともいえる渓谷へ案内していただきました。 その入り口の岩肌にはイワヒバの群生が見られるのでした。 そのイワヒバのよく育っているアップはこの通りです。
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イワヒバを後にしてどれ位走ったことでしょうか。 初めてフデゴケが見られるのでした。 辺りを見渡すとあちらこちらにフデゴケが。
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地際にはホウオウゴケが、何ホウオウゴケかは不明ですが。 フデゴケが見られた最初の岩肌です。 後でわかるのですが、奥地にはヤマトフデゴケの大群落が見られるのでした。
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その岩肌なのですが、常に日陰になるところはコケシノブとオオシラガゴケがへばりついて育っているのでした。 その生育する岩肌は絶壁であり、その昔人がやっと通れる狭い道をどうやって広げたのでしょうか? 今は簡単に通れ、フデゴケも容易に見られることに感謝する次第です。 細い道が続く回路、それにしても。
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ヤマトフデゴケの生育する山へ到着、日が西に傾く頃、冬の日暮れは早いのですが、それでも谷へ入ってどれくらいの時間が経たのか? 随分走ったものでした。 ヤマトフデゴケです。 自然に生育する姿を見ることができました。
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夕日に照らされたフデゴケとヤマトフデゴケの混植です。沈みかけている西日にフデゴケのビロードは照り返されて輝いていました。 そのアップです。
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岩肌を真下から見たヤマトフデゴケの群落です。 東側は朝日は当たっても、午後の西日は当たらない地形、層状になった岩肌にうまく適応して生育しています。
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少し斜め上から見たところです。 当方ヤマトフデゴケを見られた感動からヤマトフデゴケばかり! 案内いただいた方から「ガクナンやぁ」との声。 こんな岩肌にハイゴケに囲まれて育っていました。
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厚い層に育ったヤマトフデゴケ、おそらく何十年、何百年と月日は経ているのでは。 そのヤマトフデゴケのアップです。胞子をよく見てください。
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片や谷底をのぞき込みますと、そこにもヤマトフデゴケが生育しているのでした。 これでも何年と時間は、或いはそれ以上かもしれません。 黒い岩肌はヤマトフデゴケが乾燥して休眠状態となっていることが見られるのでは。 おそらく梅雨の頃には青々としているかと思われます。 それにしましても何百年とこの状態が続いているのでは?


2017年12月27日
年の瀬に丹波高原へ
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年末ともなりますと、色々と片付けなければなりません。 午後丹波高原へ、山へ山へと向かっていきますとやはり雪、色々と勉強させていただきましたお宮さんもこの通りでした。 夜ははやり冷えると見え、つららもこの通りです。
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苔も雪に覆われ、これから春まで冬ごもりです。 でも苔にとっては良い環境では。 一路奥地を目指して目的地へ、林道から少し谷へ入りますと雪でした。
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比較的小葉性の「コケシノブ」です。 テラリウムを始め、ビバリウムには最適かと思います。 この小さな谷にはホウオウゴケが群生していました。
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せせらぎともいえるところにあちらこちらと見られるのです。 せせらぎの水はトンネルのように地下水となって流れています。
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よく見ますと2タイプが群生しています。 林道を奥へ進みますと岩肌が露出しているところが見られました。 そこにはタマゴケがきれいに育っていました。
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岩肌から染み出す水を得て育っていると考えられるタマゴケ きれいに育っているタマゴケも珍しいものです。
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この谷は空中湿度が高いと見え、イトゴケ(キヨスミイトゴケ?)が見られました。 あちらこちらと生育しております。 テラリウム、ビバリウムには今後良い材料になるのではと考えております。
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そしてその下を見ますと、オオカサゴケがあちらこちらに生育しているのでした。
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その生育地はといいますと、この通りです。 山の北斜面で伏流水があり、日光が入らない日陰です。 落葉の下はアスファルト、 でもそこにはオオカサゴケがじわじわと育っています。
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そのあたりの斜面にはシノブゴケが、多分ヒメシノブゴケでは?
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そしてホウオウゴケがこのように育っているのでした。 かなりしまって育っているところから、風通しが良いのか、伏流水が少ないのかと考えられます。
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日陰に育つシノブゴケ、そこにつららです。 よく見るとホウオウゴケが。
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以前より一度お訪ねし、お参りをしたいと気になっておりましたお社がありました。 昨夜降った雪が屋根に積もり、寒い一日でした。 境内摂社の2社も雪から守られていました。
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実は当初手ぶらでお参りをしておりましたところ、境内の庭にカモジゴケが生育しているのでした。 折り返しカメラを取りに行っている間に雪。撮影時にはこの有様です。 やはり府下山間部へ来ますと、天気が不安定なことがよくわかりました。
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雪で少しわかりづらいのですが、ヤマトフデゴケも生育しています。 こちらはシッポゴケかと思われました。
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お社の屋根で雪が積もらずに見られましたヒノキゴケです。 そして参道の山肌にはタマゴケがどれもこれもきれいに育っている姿が見られたのです。

2017年12月28日
ムラサキミズゴケのある和歌山県の秘境へ
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日暮れが迫り、フデゴケを後にして先を急ぐことにし、途中小さな滝に、 そこには小型のホウオウゴケが見られるのでした。
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次に大きな滝に掛かる橋、そこにはヒメクジャクゴケがコンクリートの壁面にびっしりと生育しているのでした。 乾燥する季節があると見え、少し枯れたところも見られます。
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ここが「ムラサキミズゴケの生育地やで」といわれて開けた絶壁の岩肌。 頂上を指差して「あそこに赤く見えるのがそうなんやあ」と。 途中まで登り望遠レンズを使用。
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更にアップ。 何となくそれらしく赤いものが見えてきました。 最大限にアップしましてムラサキミズゴケ生育地の全容がわかってきました。 さりとて足がすくんで登ることもできず、これにて御容赦下さい。
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当初、上にオオスギゴケがあるから登って見ようかとなったのですが、登って見るとつかむところはわずか、斜面には今はヤマトフデゴケが育っているのですが、ネットの跡の細いワイヤーだけが頼り。 途中の砂防壁から撮影したオオスギゴケです。
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中腹はオオスギゴケの大群落。 それだけ伏流水が豊富なのでしょうが、ところどころ焼けた跡があるところを見ると、過去日照り続きの時にこのような状態になったのでは? 遠くに見えるのはヤマトフデゴケです。 道路面に生育するフデゴケです。
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このように層状になってよく育っています。 ムラサキミズゴケ、オオスギゴケと湿生植物系の苔が生育しているわけですから、伏流水が豊富なのかもしれません。 アップしてみますとやはり密ですねえ。 よく成長している証拠かもしれません。
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辺りは暗くなる寸前、次の観察地であったヒメクジャクの生育地。 側溝のコンクリート面に生育する小型のホウオウゴケとヒメクジャクゴケ。
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車のライトに照らされての撮影。 よくヒメクジャクゴケが生育しています。 多分伏流水の成分、ミネラルが豊富で天然の肥料のおかげかと?
IMGP0647.jpg 暗闇となり、先へ急ぐことに。 次に案内いただいたのはやはりフデゴケ。 ライトの明るさで何とか撮影。 これ以上の観察は無理とあきらめ帰路につきました。 後でわかったのですが、ヤマトフデゴケの群落でした。 それにしてもこの回路入って出るには丸一日がかりでは?



2018年1月5日
秘境に見るヤマトフデゴケ。 新年早々再チャレンジ! パート1
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前回12月28日秘境の回路。山の夕暮れは早く、途中で暗くなり観察を諦めざるを得なかったのですが、今回は朝早くから前回の出口より入りました。 しばらく走っている間にヤマトフデゴケの生育する絶壁に到着。あいにくの曇空。すっきりと画像は撮れないのですが、ヤマトフデゴケの生育地の状況はご理解いただけるのでは。
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絶壁に生育するヤマトフデゴケ、これだけの景観を演出する場所もそう多くないのでは? 地面にはビロードゴケが生え、その回りには松葉等の落葉がきれいに囲み、コントラストが際立って美しさを生み出していました。
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ここではヤマトフデゴケも好き放題。胞子が飛んで道端にコロニーを作っていました。 そうこうしておりますと、アスファルトにも落葉が積もり、その湿度が合ったのかヤマトフデゴケもご覧の通りの生育。
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その生育環境です。 アップ画像です。でもここまで来るには何年もかかったのでは?
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ヤマトフデゴケの生育地も絶壁の岩肌の回路、太陽の当たり具合と環境が微妙に織り成すヤマトフデゴケの楽園です。でもその岩肌が微妙に違うのです。 この岩肌はどちらかといいますと乾燥肌。ヤマトフデゴケの生育もどことなく生育不良です。
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そこにはコスギゴケがはやり岩肌にへばりつくように生育しておりました。大変貴重な共生地帯です。 片側の路肩は谷底。この辺りは乾燥すると見え、ヤマトフデゴケも遠慮気味に育っていました。
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このヤマトフデゴケの生育する回路にはいたるところにミツバチの巣が置かれています。なんでもこの壁だと熊が登ってこないとか。 途中、古い石橋にかかりました。秘境に架かる橋だけに都会では味わえない苔の様々が見られました。
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下は谷川。橋の手摺にはハイゴケとヤマトフデゴケのコラボ。 その石橋の道端も湿度が高いと見え、やはりハイゴケとヤマトフデゴケが見られるのでした。こんなところは全国そう多くはないのでは?
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石橋の上から下を覗き込みますと、ヒメクジャクゴケがびっしりと見られるのでした。 その石橋の基礎ともいうべき礎石にもヒメクジャクゴケがこのように育っていました。
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ところが橋を渡りますとハイゴケとヤマトフデゴケが見られたのですが、 谷川に沿って少し入ると日が差さないのかヤマトフデゴケは見られなくなるのです。
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更に数歩行きますと、そこにはオオシラガゴケがびっしりと生えているのでした。 このオオシラガゴケを見るにつれ、苔が好む環境は自然界であってもm単位で劇的に変わる現場をここでは見られるのでした。
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石橋からどれくらい走ったでしょうか。辺りは小雨、ヤマトフデゴケの回路をただひたすら走るのでした。 この垂直の岩肌にもヤマトフデゴケが。この壁ではクマもさすがに登れまへんなぁ!
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谷川のコンクリートの護岸にもヤマトフデゴケが。 これから先、ヤマトフデゴケはどれくらい続くのでしょうか?
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ヤマトフデゴケの壁と言ってもよい壁面。どこまで続くのかという長い回路。 この回路のヤマトフデゴケがこのような大群落に育ったのはこの回路が開かれてからと想像するのですが。
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壁面を見上げますとこの通りです。 ヤマトフデゴケが見られる道というのはこの回路のことをいうのでは?
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なぜヤマトフデゴケがここまで生育するのか?環境だけではないのではと思われますが? そうこうする間にヤマトフデゴケのよく育ったところに出てくるのでした。
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そこはこの回路の中で1、2番を争うヤマトフデゴケの生育地でもあったのです。 見事なヤマトフデゴケの生育地です。
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中でも岩肌に驚くほど大きくそして分厚く育つヤマトフデゴケの生育地はここでしか見ることができないことでした。 その周辺も同様の状態では。
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分厚く育ったヤマトフデゴケ。本当に何十年と時間を費やしたのではと思うと同時にご苦労さんと褒めてあげたくなるヤマトフデゴケでした。 道路を見ますと、アスファルトのくぼ地には朽ちた落葉が積もり、ヤマトフデゴケの胞子が育っているのでした。
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更に車は絶壁を走り続けるのでした。 連続して見ることのできるヤマトフデゴケ。それであっても見飽きぬ楽しい回路です。



2018年1月5日
秘境に見るヤマトフデゴケ。 新年早々再チャレンジ! パート2
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回路をひたすら走り続けるのでしたが、途中道路工事の後、モルタルが吹き付けてあるところが一箇所ありました。自然の岩肌にはヤマトフデゴケが生育するのですが、モルタルにはまったく見られませんでした。 岩肌にはびっしりと生育し、最適の環境かと思われます。
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連続して見られるヤマトフデゴケ。 そのアップ画像です。
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谷川の面なのですが、ヤマトフデゴケがところどころ生育しておりますが、環境が合わないのか目立つほど育っていません。 天気予報が当たり、小雪が舞う天候となってきました。でもどうですか?このヤマトフデゴケ。
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ヤマトフデゴケのためにある回路と岩肌といえるのではと思うくらいです。 よくフデゴケの解説に「マット状に育つ」とされていますが、やはりマット状に育つのはヤマトフデゴケであることがよくわかります。
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と言いながらも雪は段々ときつくなってきました。 そうこうしている間に車はヤマトフデゴケが地面にびっしりと生育しているところへ案内してくれました。
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そこにはやはりイトゴケが。 なにか見覚えがあるヤマトフデゴケ?そうです。昨年末12月28日山の日暮れは早く、暗闇を走り、止まってくれたのがこの場所だったのです。今回は出口より入山。前回最終地点で諦めざるを得なかった地点へ到着したのでした。
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ヤマトフデゴケにとって環境が適応したのか、地面にマット状に生育している状態が観察できます。おそらくは知人の前回この辺りを明るい間に見せたかったのでしょうか。 降雪は少しづつ増えてくるのでしたが、それよりもヤマトフデゴケ、石の上に育っているのでした。苔は土が無くとも育ちます。そのよい例がここでは見られるのでした。
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谷川に向かってヤマトフデゴケは生育しており、何が条件なのか判断に悩みます。 谷川に架かる橋の向こう側にやはりヤマトフデゴケが。
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斜面というよりも絶壁にマット状に見られるのでした。 雪の降る中のヤマトフデゴケ。よく生育しているものです。
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道路を隔てた反対側の斜面、ヤマトフデゴケはマット状によく育っています。 振り返り、斜面をみるのでした。
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この環境はぜひ後々まで残したいものと思わないでおれない程に育っているヤマトフデゴケです。 斜面のヤマトフデゴケのアップです。
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ヤマトフデゴケを後にして車は森林のなかを走るのでした。そして立ち止まってくれたところは、、。 昨年末、車のライトを点け、暗闇になりかけている中を見せてくれたヒメクジャクゴケです。
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道路の側溝が余程気に入ったと見え、ヒメクジャクゴケ、ホウオウゴケがよく育っているのでした。 道路の壁面にもよく育っているヒメクジャクゴケです。
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ヒノキゴケまでもがよく育っているのでした。 山の斜面に育つヒノキゴケ。伏流水がけっこうあるのでは?
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ヒメクジャクゴケはいたるところに、 このように生育しているのでした。
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そして見てください。道路側にヒメクジャクゴケ、お見事としかいいようがありません。 朽ちた切り株に育つヒロハヒノキゴケ?余程湿度が高いのではと思われます。
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このように育っているのです。 森林を抜け、水が流れる岩肌に目がいってしまいました。そこには何ホウオウゴケかは知りませんがきれいに育っているのでした。
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岩肌にびっしりと。 つららと共に共生しているのでは?と思われるくらい絶妙な光景です。
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更に車は先を急ぐのでした。雪が降る中、ヤマトフデゴケの里は雪景色となりつつありました。 ヤマトフデゴケもいよいよ寒の入りか?
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風向きか?この辺りは雪が積もりません。 途中、シャンデリアのような氷柱が見られるのでした。
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そこには凍りついたムクムクゴケが見られるのでした。 雪の中「自然の美」といいますか、美しいものを見られました。
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コスギゴケが共生するヤマトフデゴケの見られる岩肌に差し掛かりました。珍しい光景です。 ヤマトフデゴケもコスギゴケもその生態がよくわからず、この岩肌にだけ生育している条件とは何か?今後の課題です。
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雪は更に降り続ける中、このヤマトフデゴケの回路を走り続けるのでした。 見事というより他に無いヤマトフデゴケの岩肌。その雪見に季節もなかなかのものです。
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雪が積もったヤマトフデゴケです。 谷川に沿った回路は曲がりくねっており、その風向きもいたるところで変わります。きっと様々な苔がその影響を受けているかと思われます。
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いかがでしょうか?雪帽子を被ったヤマトフデゴケ。このように見られるのももう二度と訪れることはないのでは? 谷では風向きによってこのように目まぐるしく変化しています。
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知人はこの回路を年に50回は通行するという、考えてみれば週一の回数。車は徐行しながら走るのでした。そして突然に「オオクボシダがあるわ」と指差すのでした。普通では稀にしか見ることのできないシダです。 そのオオクボシダが見ることのできる岩肌です。この谷の環境、おそらくは空中湿度は限りなく飽和状態ではないかと考えられます。
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前回の年末は走り抜けたすばらしい景観だった対岸の絶壁。雪の中すばらしいものでした。 マッターホルン程は無いにしても、知人は一旦谷に降り、この絶壁を登ったとか。よく落ちなかったことだなぁと思う前に常人ではできない、考えることができない出来事です。
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その谷川です。道路から見下ろすのも少し勇気の要る程です。この谷底まで降り、あの絶壁を登るのですから、あきれるとしか言いようがありません。知人は言うのです「向こうからこちらを見ると、同じような絶壁が続いている」とのこと。違いは道があるかないかだけのようです。 この回路のいたるところにトンネルがあるのですが、その昔ブルドーザーもなく近代的な機械も無い時代におそらくは手堀りで掘り進んだトンネルでは、その苦労がしのばれるのですが、そのおかげで今はヤマトフデゴケも簡単に見られるのです。
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そのトンネルの入口にある標識がつぶれて傾いているのです。そしてそこにイワヒバが育っているにはびっくりです。聞くところによると、上からの落石でこのようになったとか。 このトンネルのある岩肌といいますか、絶壁を登って行くとか、下を見ればあの谷川です。実は帰り際にあのムラサキミズゴケを「要りまへんか?」というのですから納得です。今回は吹雪であのムラサキミズゴケの絶壁も写真を撮ることもできず、前回のヤマトフデゴケが見られた初めての岩肌もスルー。それでも早朝5時過ぎに京都を出発。山を降りたのはこれでも4時過ぎ。おそらくは雪が降らなかったならば山で暗闇を迎えたのでは。走るだけなら2時間のコース。見るには余りある回路でした。
園主の日記 2019年6月18日 山野草販売 苔・コケ販売 30年来の夢 ホソバササユリを求めて フデゴケの生育地でもありました。 於 紀伊山地
国道から離れて山の中へ どのくらい走ったのか、案内の人に任せるしかありません。するとこの地方に見られる葉の細いホソバササユリの咲く花が見られるのでした。
ちらほら咲くホソバササユリを後にして林道は岩場に。植相はかなり変わってきたことが。そこには岩場にひっそりと咲くホソバササユリが見られるのでしたが、よく見るとフデゴケの生育する環境があったのです。
まだ咲き始めたばかりのホソバササユリ。雨の後だけにより美しく咲いてくれていました。
岩場に張りつくように生育しているフデゴケ。昨年初めて見たフデゴケもかなり山奥であったのですが、この地もやはり深山へわけ入っているということになるのでは。ササユリとフデゴケのコラボ何とも言えない景観がそこに見ることができました。
垂れ下がるように育っているホソバササユリの姿が。
コメツツジの間に咲く、ホソバササユリ。
草に隠れて咲こうとするホソバササユリの姿も。
自然実生で何年と経て育っているホソバササユリとフデゴケそしてコメツツジ。そこには奇妙としかいいようがない組み合わせの世界が見ることができているのでした。
よく見るとアサマリンドウでは、花の咲く頃に再訪できればと思うのです。
30年以上前になるでしょうか。「百合の通販」を始める前にご指導頂きました鎌田慶三氏に「紀伊半島には黄花粉のホソバササユリが見られます」と教えられていたのですが、そのホソバササユリ念願かなって初めて見ることができました。
こんな低い位置でも林道に設けられた側溝にせまるホソバササユリの姿がそこにあるのです。
ヒカゲノカヅラの季節を迎えようとしています。どこかで視認てきると良いのですが。
そして林道のアスファルトの上にはヤマトフデゴケが見られるのでした。さすが深山幽谷の紀伊半島です。
濃色のホソバササユリも見られるのでした。花咲くこの季節以外、ササユリの存在すら分からない草むらの中にひっそりと咲くホソバササユリでした。
辺りは霧。山へ入りかけた頃は「どしゃぶりの雨」それがササユリの咲く深山へ着く頃は雨も止みホッとしたのでした。
清楚に咲く白花のホソバササユリも。 霧にかかって咲くホソバササユリ。こんな機会はもう二度とお目にかかれないのでは。
岩場に咲くホソバササユリの姿も。 こんなところにもムロウテンナンショウが見られるのでした。
首を出すように咲くホソバササユリの姿も。 木々の中から咲くホソバササユリの姿も。
そこにはやはり岩に張りつくフデゴケの姿が。 大きな葉一枚のホソバササユリ。ここに至るまで何年も時を経ているのでは。
おそらくは腐葉土の層に咲くホソバササユリ。そして岩場に育つフデゴケ自然ならではのコラボです。
その岩場に育つフデゴケのアップです。岩場でしか見られないフデゴケはやはり水はけを好む事が条件の一つであると考えられるのでは。
崖に咲くホソバササユリの小型種。つまり「クシモトユリ」そっくりの花容がそこに見られるのでした。おそらくは分布がこの辺りにまで見られるのでは。
近くには白花らしきクシモトユリが見られます。
自然界ではこのように葉が食害にあい自然のきびしさを感じます。
足下を見ますと実生株が育っていました。何年かあとには花を咲かせることを願っています。
かなり山深く車は走ったのですが、今日案内して頂いたホソバササユリ。この地を見せたかったと思われる本来の群落が残されていたのです。
人が登れない崖。そこに本来あるべき姿のホソバササユリの群生が見られ、百合のカタログを作って以来、よくも30年間待っていてくれたものと感動いたしました。
霧の中で濃色のホソバササユリの咲く姿が見られるのでした。
ツワブキとともに咲くホソバササユリ。ここはやはり太平洋岸。このようなコラボも納得。 雨の後、水滴を含んだホソバササユリ。自然の景観の見事さに驚かされます。
更に車はお口へ。そこには極めつけのフデゴケの群生が見られるのでした。 おそらくはこの道が開かれて以来の生息では。
さらに進むとそこにはコアジサイの群生が見られるのでした。
よく見ると野生のコアジサイの姿も見られるのでした。初めて見る野生のコアジサイ。そこにはコメツツジも見られ、その分布には驚かされます。
コアジサイの群落が続くのですが、そこは環境が変わったのか、フデゴケからヤマトフデゴケに植生は変わっていたのです。何がこの様な条件をさせるのか不思議な思いが致します。
岩肌に着生するかのように育つヤマトフデゴケ。やはり排水は、通気性が良くそして水、降水量の多いこの地。よく育つ条件が整っているのかもしれません。
辺りにはヤマアジサイが咲き、更にはコアジサイが咲き続けるのでした。
キバナノホトトギスたしきホトトギスがその下にみられるのでした。
変わったチョウチンゴケが見られるのでした。オオバチョウチンゴケでは?と思われるのですが詳しくは不明です。この様なぬれた岩場の日陰に見られるようです。
こんな所にイモリが!! と驚かされました。 側溝の水たまりに長年住みなれているのでしょうか。
苔むした岩肌に育つホソバササユリ。わずかな腐植に長年育っている様子です。
ヤマトフデゴケが育つ岩肌。コメツツジもたくさん見られ、その中で咲くホソバササユリもこの季節ならではの景観です。 ホソバササユリの見られる個体も数少なくなり、この辺りにて引き返すことに。
国道にかなり近くまで降りて来たこの地帯。 昔はササユリも咲いていたのではと思われますが、今は一本も見られません。そんな岩肌にヒメクジャクゴケが育っているのでした。




















生育地を訪ねる 2019年12月23日 於 丹波高原
2019年12月23日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 丹波高原(その1)
カサゴケモドキの生育地を訪ねる

苔を販売して以来、何回かは訪ねるここ丹波高原のある所。いつもながらこの季節に訪れることになります。


紅葉しているツヤゴケが見られるのもこの地です。ツヤゴケはアントシアニンを含む珍しい苔ですが、秋の気温の低下とともに葉緑素の活動が低下するとこのように。


シノブゴケとの混生になって生育していますので全面的に真赤とはいきませんが、その特徴がよく出ています。但、夏の間うす暗いところに生育するツヤゴケはどうしてもアントシアニンの形成が悪いのか、この季節でも紅葉しません。


そしてその坂道となった下にカサゴケモドキが生育しているのです。回りにはウマスギゴケ、カモジゴケ等も見られ、この地が山の斜面という立地条件が好条件となっているようです。


何回目かのカサゴケモドキ。おもてなしをしてくれているのかいつも元気に育ってくれていてほっとします。何しろここでしかカサゴケモドキとは出会えないのですから。


いかがでしょうか、このカサゴケモドキのコロニー。なかなか見られるものでないだけに貴重な画像です。


大きなコロニーです。


焚き火をされた跡があってもこのように復活しているカサゴケモドキ。山仕事をする人々は但単なる苔なのでしょうねえ。


近くにもコロニーが。


紅葉するツヤゴケの間からも何かツヤゴケに負けているような生育状況。でもテラリウムには最高のコロニー、いわば苔の自然の寄せ植えが見られます。


ここにも焚き火の跡かなと思えるのですが、よく育っているカサゴケモドキ。


ツヤゴケとのコラボ、ここにも自然の寄せ植えが見られます。


焼けた松ぼっくりを見ていると、焚き火はそれなりの大きさ、その時この場所で焚き火を見ていたなら、と思うのですが。


でも元気なカサゴケモドキを見ていると、一安心。


それよりも焚き火の灰が肥料分となっているような錯覚ではないのかもしれません。


あちらこちらに広く見られるカサゴケモドキ。


よいながめです。


ぜいたくなカサゴケモドキです。


そのカサゴケモドキのコロニーのワンショットです。


絵になるカサゴケモドキのコロニーでは。

2019年12月23日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 丹波高原(その2)
コウヤノマンネングサ等、いろいろな苔も見られます。

シッポゴケ思われる美しいコロニーがカサゴケモドキとともに育っているのでした。


カモジゴケと思われるコケやら。ヒカゲノカズラ、シッポゴケと寄せ植え状態です。自然ならではの生態です。


そのような理想的な生育が見られる斜面です。でもここにはカサゴケモドキどころかオオカサゴケも見られないのです。すぐ近くにカサゴケモドキが生育しているにかかわらずです。


カモジゴケのような、それにウマスギゴケ、ツヤゴケも。このツヤゴケは紅葉しないタイプでは。色々と調べることが一杯です。


シッポゴケとウマスギゴケのコラボ。テラリウム或は苔盆栽等を考えますと何かヒントになるのではと思います。


そのあたりにある大木を見ますとフトリュウビゴケが着生しているのです。生育環境はかなりの高湿度と思われます。


きれいに育っているフトリュウビゴケです。


更度、苔の生育するあたりを観察すると、このあたりだけに苔は生育しているのです。やはり山の斜面であってもこのあたりに伏流水が浸み出し、湿潤な環境を作り出し、どちらかというと水を好む苔が育っているといえるのでは。


そしてそのパノラマが続き、紅葉するツヤゴケ、カサゴケモドキへと続いています。


大きな杉の大木の株元にはウマスギゴケがいかにも湿潤という条件では。


黄色い帯状に育っている苔はどうもツヤゴケ。ツヤゴケも色々なタイプがあるようです。


この谷を少し上流に行きますとコンクリートの護岸、そこにはホウオウゴケが見られるのでした。


どちらかというとホウオウゴケよりも小型のホウオウゴケ。うかつに判断するといけませんので少しいただいて鑑定に。


護岸を更にたどって行くとこのホウオウゴケが続いているのです。


よく育っているコロニーです。


ホウオウゴケの類はどこへ行ってもどこで見ても岩場に着生するように育っています。


こうして見るとナガサキホウオウゴケか?はたまた他のホウオウゴケか?鑑定の結果をお楽しみに!

2019年12月23日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 丹波高原(その3)
コウヤノマンネングサも見られる苔の仲間達

そのホウオウゴケからすぐさま林道と谷川が交差するところ。そこにはコンクリートの上にトヨタシノブゴケと思われるシノブゴケが着生するように育っているのでした。


その橋のすぐ下にはオオカサゴケが見られるのでした。そのわずかに見られるオオカサゴケ。ここは天国ではなかったようです。その原因は何なのか、オオカサゴケにたずねたいところです。


この季節、落葉して赤い実が目立つサンキライ。


何回か探索に来てはいますこの地、始めて気がついたサンキライの実。


林道にこのようにサンキライが育っているのでした。


そのあたりにはタマゴケも見られるのでした。


やはり山からの流れ出る伏流水がタマゴケを育んでいるよい例です。どこで見るタマゴケもこのような環境です。タマゴケは夏冷涼な気候を好む非対暑性の苔。この辺りでは夏やはり焼けてしまうのかどうか調べたいと思うのですが、いかんせん動ける季節はこの季節の冬限定です。


その崖下の林床にはコウヤノマンネングサのコロニーが見られるのです。もうこれで何回目か。いつ見ても見あきぬ楽しみがあるコウヤノマンネングサです。


このコウヤノマンネングサが生育する林床は、その昔耕作する目的で広かれた畑では思えるのです。


これだけ生育しているコウヤノマンネングサ。環境は富栄養化した林床にあるかと考えられます。長年積まった落葉からできる腐葉土に一次茎の根を張り、そして片や林道を介して山の崖という状件。その山に降る雨水がこの林床に流れ込むかと考えられます。おそらくはその時の林床は水が滞まる状態になっているのでは。その条件がコウヤノマンネングサをこのように育んでいるのではと考えられます。


コウヤノマンネングサは根の無い苔の仲間。山から流れ出る雨水は腐葉土の層を流れた富栄養化した雨水。そのような栄養化に富んだ雨水がこのコウヤノマンネングサ一面に生育期間中に何回となく水を湛え、その雨水を吸収することによってこのようによく育ったコウヤノマンネングサになったかと考えられます。


その林床がその昔人工的に造られたものとわかる石垣。その石垣にはツヤゴケが厚く育っているのでした。うっすらと紅葉しているツヤゴケを見ると夏の間日射量のかなり少ない谷間であるかと考えられます。


石垣の上がこのツヤゴケの育む環境に合ったのか、おそらくはかなりの高湿度が保たれている林床と考えられ、土の上では無く、石の上に育ったことがわかります。


コウヤノマンネングサのコロニーの環境条件を見ますとよく理解ができるかと思われます。ツヤゴケは高湿度は求めても停滞水による湿潤な環境はどうもにが手のようです。


よく見ますと林道に面した法面にコウヤノマンネングサが見られるのでした。


でもそのコウヤノマンネングサ、何んとなく負弱です。


これを見ますとコウヤノマンネングサがよく育つ条件がわかってきます。この法面にも長い年月を経てコロニーを形成しています。おそらくは対面の山に降った雨水がこの法面を潤おしているかと考えられます。


その雨水、腐葉土の層によって富栄養化してこのコウヤノマンネングサを育んでいるのですが、この法面の保水力だけが頼り。つまりどぶ漬けか散布かの違いがコウヤノマンネングサの育ち方を変えていることがここでは証明しています。


そのコウヤノマンネングサのコロニーから見上げますと、そこにはホウオウゴケが育つ小さな滝があったのです。山の降った雨水がこの滝に寄せられ、イッキにコウヤノマンネングサを潤しているのでしたつまりコウヤノマンネングサが育つにはある一定の湿潤になる条件、更にはその時間が関係していることがわかってきます。


くわしく見て見るとどうもホウオウゴケのような大きなホウオウゴケ。今まで何回となく見ているのですが、多分ですね。


少し小型のようにも見えるのですが、そこには年間の降水量とこの小さな滝の水量等色々な環境条件がそうさせたのでは。或は他のホウオウゴケかもしれませんが。

2019年12月23日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 丹波高原(その4)
コウヤノマンネングサ等いろいろな苔も見られます。

以前も行った別の谷へ移動。その谷の入口には以前よりコウヤノマンネングサが見られるのでした。


そこにはウマスギゴケとコウヤノマンネングサの共生する珍しい生育地でした。


あちらこちらに見られるウマスギゴケとコウヤノマンネングサなのですが、ことコウヤノマンネングサだけを見ると極めてやせているのです。いいかえればウマスギゴケはそんなところに生息するのかもしれません。


その昔、田んぼのあぜであっただとうなあと思うところにもコウヤノマンネングサが小さく小さく育っているのでした。何かコウヤノマンネングサが育つ限界点を見ている気がしてなりません。クラマゴケの生育する環境、しかも少し焼けています。


その近くには赤く紅葉したツヤゴケが見られるのでした。やはりこんなに紅葉するとは日照条件は光線量が多いことがわかります。


そしてハイゴケも黄金色を呈したハイゴケが育っていることからもわかります。


毎回訪ねる毎に観察するウマスギゴケとアラハシラガゴケの共生。アラハシラガゴケが好む環境がこれでわかります。つまりアラハシラガゴケはどちらどちらかというと湿潤を好む苔であることです。そしてこの季節、気温の低下とともに葉緑素の活動が増え色目がややかっ色を帯びてくることも実際見ることができました。といいますのも弊園でも生長期と違ってこの季節色目はどうしても落ちてきます。


そしてその辺りにはハイゴケが見られ、深山であってもある程度明るいことがわかります。


そのような環境であってもシノブゴケを探すのです。深山幽谷になる程、トヤマシノブゴケとは少し違ったシノブゴケが見られるはずです。


思いがけずオオカサゴケを発見。工事で辺り引っくり返されているのですが、もっと分布はあったのかもしれません。


アオシノブゴケではと思いながら。


こちらはオオアオシノブでは。


春の生長期、うず巻き状態となって生長するシノブゴケと思いながら撮影です。


谷川の大きな岩に着生するかのように育っている一見、タマゴケ風のコケです。何というかまったく不明です。


調べて見る必要がありそうです。

2019年12月23日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 丹波高原(その5)
この谷の最大のコウヤノマンネンゴケのコロニーに出会うことができました。

この杉林の最下部にあたるところに生息するコウヤノマンネングサ。やはり条件が揃っているのでは?その条件とは、山に降る雨水がここにまで伝わり、イッキにこの地点で停滞水のように富栄養化した雨水がここに滞まるのではと考えられます。おそらくはコウヤノマンネングサの下は花崗岩系の粘土層になって雨水の地下への浸透が遅いのと考えられます。


毎年杉の落葉期にはコウヤノマンネンスギの上に覆いかぶさるように落葉し、春のコウヤノマンネンスギの生長期を待たねばなりません。そして年を越すとこの辺一面積雪、おそらくは1m以上積もるかと思われます。そのくり返しを何十年、何百年と行われてきたかと思われます。


杉林から見たコウヤノマンネングサと谷川です。何かこの辺りで苔の培養場を作ると理想的にも思えるのですが。


先程見たタマゴケのようなコケがこの岩にも。


空中湿度が相当高いと見え、よく育っています。


岩の窪地に泥が帯まったのでしょうか、そこにはコスギゴケの仲間が育っているのでした。


そして山を降りる道中、やはり紅葉したツヤゴケが見られるのでした。



生育地を訪ねる 2018年9月8日 苔・コケ販売 焼きものの里 信楽町で青々と復活したウマスギゴケと出会いました
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本年は秋の長雨が例年より早く訪れたのでは。 その影響で気温もイッキに下がり10月並みとか。 ウマスギゴケもほんの少し前の8月21日には茶色く焼けていたのですが、生長モードに切り替わったところ、この通りになりました。 ウマスギゴケはオオスギゴケよりも回復力は弱いと思っておりました。 それはより日陰を好む性質だけあって、日照の強い強光線下では焼けやすくなるからです。 それが意外に早く青々するのには少し驚きました。
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貯水施設に生育するウマスギゴケは雨を連日得られたのか、活き活きとしている姿が見られます。 「苔と雨」ビックリの形容詞です。 隅っこにミズゴケも。 でも年間の水量が少ないのか、広くは成長しません。
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京都方面へ繋がる国道432号線の大津市側、真夏は消えていたように休眠しておりましたスナゴケもイッキに回復してきました。
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排水溝を境に上段、つまり山側はシノブゴケ、下段道路はスナゴケです。 そのシノブゴケの拡大画像です。 これからシノブゴケの品種を同定しなければと思います。




2019年12月25日 苔販売 苔の生育地を訪ねる  於 滋賀県信楽町

信楽町といえば焼き物の町。NHK「スカーレット」の舞台ともなりこの秋は観光ラッシュとのこと。きっと来年春の「窯元めぐり」は空前の人出ではと思われます。そんな中、信楽焼を仕入れに訪れ帰り道「スカーレット」の舞台となった窯場坂山文製陶所を訪ねました。そして目につきましたのは立ちざや(立匣鉢)と植木とのコラボの垣根。さすが焼き物の町。おしゃれに使ってありますが、何んとその立ちざや(立匣鉢)の上にスナゴケが育っているのでした。


小雨降る曇天の中、以前よりしっかり見せていただきたいとの思いが通じたのか、雲の間から日が照ってきましたのが、シャッターチャンス。


その昔、このお住いの家では登窯で火鉢を焼いておられたのではと思える程、立ちざやを贅沢に使っておられるのですが、長年に渡り、環境がそうさせたのか、スナゴケがこのように。


おしゃれなスナゴケです。


よく見るとあちらにもこちらにも。


このように育っているのでした。


やはり信楽町は信楽高原といわれる程、高度がそれなりにあり、夏涼しく、lこの垣根の下だけに空中湿度が保たれたことにより、長年スナゴケが育つ環境ができ上がったかと思われます。


機会があれば訪れて見て下さい。





2018年8月21日 苔・コケ販売  焼きものの里 信楽町で真夏のウマスギゴケと出会いました
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信楽の茶畑です。スギゴケは実にたくさん見られ、この茶畑はウマスギゴケが生育しています。ところがこの夏の日照り、雨も無く、まったく焼けた状態。この状態を見ますと「スギゴケは全日照を好む」ということは当てはまらないのでは?
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よく見ますと水が無く、枯れることを防ぐことに休眠状態になっています。これを通常枯れているということになっているのでは。
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ところがこの茶畑よくできておりました。どのような目的でこのような貯水施設?を作られたのかわかりませんが、ウマスギゴケにとって天国でした。
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何年も育っているウマスギゴケ、これを見ますとスギゴケの条件つまり「水が必要」ということが分かります。全日照というのにはその条件の中に水が充分供給されることが必要ということがよく分かる茶畑です。
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そしてこの茶畑の排水溝、そこに流れる雨水は肥料分を含んだ栄養たっぷりの水。茶畑に施される肥料が浸み出し、このウマスギゴケを生長させているのでは。いずれにしましても従来解説している伏流水が必要との条件を証明しているのではと思います。


2018年12月14日 苔・コケ販売 シダ植物販売 生育地を訪ねる(1) 於 京都府南部
茶畑が広がる和束町、以前は宇治茶の隠れた産地として茶業が主とした静かな農村でした。 ところが今やSNS時代、この隠れた産地が表舞台に、訪れる人も多くこの農村も変わろうとしています。
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その茶畑の広がりを見渡せるところです。 やはり自然がたくさん残っている農村だけに、コケやシダも観察できるのでは。 以前よりお願いしておりました、案内いただける方を頼りに、この京都府南部を訪れました。
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まずはカミガモシダが群生する谷を御案内いただきました。 このカミガモシダ、何か環境を好むと見え、あるようでないシダです。 谷川に沿った林道沿いに、カミガモシダはその壁面にへばりつくように育っているのでした。 以前よりカミガモシダは水を好むシダであることは経験しておりましたが、この生育地を訪ねまして初めて理解できました。 つまり、山に降る雨が斜面を通じて、この壁面に浸み出しているのです。
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大木の杉の株元にもこのような群落が見られました。
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岩肌にも着生して育っているのでした。 これらの環境を考えますと、コケとよく似ており、水を好むシダであることがよくわかります。
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足元には側溝に水が流れ、山から染み出す水と合わせて空中湿度を高めております。 そのような環境に大型のシノブゴケが見られました。 かなり大きく見た目も美しい大型のシノブゴケ、オオシノブゴケ、或いはオオアオシノブゴケではと思われます。
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すぐお隣には違ったタイプのシノブゴケ、多分アオシノブゴケではと思われるシノブゴケが側溝沿いに広がりを見せています。
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やはりホウオウゴケが見られました。 多分トサカホウオウゴケかなあと思いながら、上のシノブゴケとの相性を見ております。 ここではまた違ったシノブゴケが見られるのでした。何かより締まった細かいシノブゴケです。 そのシノブゴケの上の斜面には、キジノオシダ、オオキジノオシダが見られました。
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そのキジノオシダと仲良く生育しているシノブゴケでしたが、よく観察してみますと、何か違うような感じがしないわけでもありませんでした。 それはといいますと羽を広げるように生長しているシノブゴケが見られました。 一筋の谷でも様々なシノブゴケが見られました。
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今回珍しいシダも御案内いただきました。 それはカミガモシダの生育地であるだけに、ヌリトラノオとカミガモシダの自然交雑種が見られるのでした。 その自然交雑種はアイヌリトラノオと命名されています。そして大きいのです。
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そのアイヌリトラノオの小株です。 環境が良かったのか、たくさん寄り添うようにして育っていました。 岩肌にしがみつくように育っているアイヌリトラノオです。
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大きな杉の大木の根元に育っているアイヌリトラノオです。 やはり岩場と違って栄養分があると見え、美しくよく育っています。きっと腐葉土の層に根を広げ、そこから栄養分を吸収しているのではと思われます。
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大きな一枚岩です。 そこにはマメヅタがびっしりと育っています。 そしてシノブゴケもやや痩せているよう育っています。
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その岩の下の方にはヌリトラノオとカミガモシダが着生するように育っている姿が見られました。



2018年12月14日 苔・コケ販売 シダ植物販売 生育地を訪ねる(2) 於 京都府南部
次の目的地に移動。そこにはミズゴケの生息する様子が山道から見られるのでした。
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ここはやはり山間の田んぼ。畦にはシノブゴケが生育しているのでした。弊園が開園しております大原野にもたくさんの田んぼが見られますが、このように畦にシノブゴケは見られません。やはり空中湿度がいかに高いか、よく分かります。そしてこの空中湿度が高いということが、お茶にとって好条件で、この辺り茶業が盛んになった理由がよく分かります。
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そして少し山道へ入ったところで、イトゴケが見られるのでした。空気中の水分を吸収して育っているイトゴケ、いかにこの辺りの空中湿度の高さが分かるというものです。コケの生育に最適地です。
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山道を開くときに一部護岸工事をしたところがありました。そこにはシダのヤブソテツばかりが見られるのでした。コンクリートは石灰分つまりカルシウムを多く含んでおり、このカルシウムを好んでいるシダがヤブソテツかもしれません。 ヒノキシダも見られました。
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大きく育ったシッポゴケが突如として現れるのでした。おそらくはこの大きさになるまでに何十年の月日がかかったものと思われます。本当にきれいに育っていました。やはり日陰で、園芸的に言いますと「明るい日陰」といい、直射光線が当たらない条件をいいます。テラリウムでは、このような条件のところに置きますと、苔は枯れません。そしてこのシッポゴケ、やはり山の斜面に生息し、雨が伏流水となっていることがよく分かるかと思います。
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さらに歩いて行きますと、ミズゴケが見られるのでした。休眠期ですから茶色くなってはおりましたが。 近付いてみますと、よく締まって育っているミズゴケです。風通しが良いので締まるのかもしれません。
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はじめは人が来られて採取されたのかなあと思われたミズゴケの乱れでしたが、よく見るとどうもシカの歩いた足跡の様子。おかげでミズゴケの内部が分かりました。 切通した山道は、やはり明るい日陰。ミズゴケを栽培する条件は、このような環境かと思われます。
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辺りにはダチョウゴケらしきコケも見られます。 或はフトリュウビゴケではと思われるコケも見られます。
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ツルリンドウの実生株が見られます。きっと親株は林庄に花が咲いているのではと思われます。ショウジョウバカマも見られます。
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シッポゴケらしきものが見られました。シッポゴケにも個体変異があるのか、少し違っているようにも見えますが。
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倒木が見られました。本年9月の二度にわたる台風によってなぎ倒されたのでは。岩肌の腐葉土の層に育っていただけに、台風の強い風でめくれた感じでした。
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そしてそこにはミズゴケの育っている姿が見られました。 フトリュウビゴケも見られるのでした。
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引き返しざまに、ミズゴケにツルリンドウの赤い実を見つけました。絵になりますねえ。 反対の山裾には茶畑が広がっています。空中湿度が高く、きっとよいお茶のできる環境では。
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帰り道に気付きましたツチグリです。当方は初めて見ました。常に自然を見て回っている方からすれば珍しいこともないのかもしれませんが。 そしてシノブゴケのコロニー、多分トヤマシノブゴケではと思われます。



2018年12月14日 苔・コケ販売 シダ植物販売 生育地を訪ねる(3) 於 京都府南部
珍しいシダを観察に、思わぬコケとの出会い。赤いクジャクゴケの胞子を初めて見る。
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この谷筋シダが色々と見られるとのことで、ハイキング気分。一山一山異なった環境だけに、初めて訪れる谷に興味は尽きません。そうこうしている間に見るも美しいイトゴケとの出会いがありました。これだけ育っているということは、空中湿度も相当なもの。シダといい、コケといいよく育つわけです。
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しばらくすると、コケシノブが見られました。すると、案内いただく方はシダ植物に詳しく、「これはコウヤコケシノブです」との解説。なるほど、小型でしまっています。
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初めて見るイクビゴケです。やはりかなり日陰を好むタイプ、つまり「明るい日陰」が育てるポイントかなと思われます。
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ホウオウゴケにしては少し小型タイプ。トサカホウオウゴケか、それともホウオウゴケか。なかなか難しい判定です。何しろ種類が多くありますので。
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川沿いの護岸にヤノネシダが生育しています。
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それと同じようにへばりついて育っているヒメサジランです。空中湿度を必要とするシダです。 対岸の岩には、コウヤコケシノブがよく育っているのでした。
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岩場には、マメヅタの極小ともいえるかわいらしいマメヅタが見られました。 自然の木にも、このように着生して育っています。この谷は小型のマメヅタばかりが見られます。
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ジュウモンジシダも見られました。 タチシノブも見られました。
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大きな群落のタチシノブです。 生育する谷はこのような環境です。昔は街道であったようですが、今は新しい道もできて、通る車も出会えません。
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山道を下り始めますと、お茶の木が育っているのです。 鳥が運ぶと見え、さすがお茶の里での出来事です。
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初めて見る赤い胞子のクジャクゴケ。この季節にしか見ることのできない胞子だけが頼りです。
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当日は小雨混じりの曇空、たまたま晴れまして直射光線がクジャクゴケに届くというシャッターチャンス。うまく撮影できたでしょうか。



2018年12月18日 苔・コケ販売 シダ植物販売 山野草販売  生育地を訪ねる(1) 於・京都府丹波高原 南丹を行く
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ここは初めて訪ねる地区でした。 山間部の空中湿度が高い、苔・シダがよく育つ環境かと思われ、谷筋のコンクリートの壁面にはコタニワタリが着生しているのでした。
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その谷に迫る山との間にわずかな田畑があり、少し観察してみました。 この農道にはシノブゴケが雑草に混じり生育しているのでした。 恐らくはトヤマシノブゴケではと思いながら観察するのでした。
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その農道の脇には、山から流れるせせらぎともいえる谷川にセキショウが見られるのでした。 セキショウにも色々あるのですが、このタイプは野生種。 水を好む湿生植物であることがわかります。
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廃屋になった庭であったのか、池の跡のような、そこには手水鉢のようなたまりの石があったのです。そして空中湿度とたまりの水とにより、シノブゴケがよく育っているのでした。 そしてイワヒバも野生の状態でこの辺りにも生育が見られるのでしょうか。
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そして野生のカワラナデシコが見られるのでした。 より早い季節であれば次々と咲くカワラナデシコだったのでしょうか。 咲き終わりかけているといえども、この季節に花が咲いているとはラッキーでした。 よく見ると株は大きくなっており、自然でこの状態になるにはかなり年数が必要ではと思われます。
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探しますと種子ができているだろう鞘も見られ、この種子を播けばカワラナデシコも発芽させるかなあと思い少しいただきました。 その鞘を辿ってみると、近くにやはり大株のカワラナデシコが見られるのでした。 身近に販売しているのですが、野生の状態で見るカワラナデシコは初めての事。貴重な体験です。
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辺りにはハイゴケがよく育っているのでした。 やはり空中湿度が高いだけによく育っています。



2018年12月18日 苔・コケ販売 シダ植物販売 山野草販売  生育地を訪ねる(2) 於・京都府丹波高原 南丹を行く
更に国道を日本海側へ進んでいきますと、やはり初めて訪ねるところでした。
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休憩所がありましたので一休みと思っておりましたところ、目の前にタマゴケが木の幹に着生するかのように育っているのでした。 こんな姿を見るのは初めての事。いかに空中湿度が高く、しかも夏の暑さに弱いタマゴケが育っていることを考えますと、ここはタマゴケにとって最適な環境かと思われます。
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そこで山道を登り、辺りを散策することに。 するとホウオウゴケが丸太に育っているのでした。少し小型でトサカホウオウゴケかと思われるのですが、はっきりはわかりません。
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周りを見ますと、大きな岩にやはりホウオウゴケが着生しているのでした。
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さらに山道を行きますとシダ類やヒカゲノカズラ等が見られます。
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そしてタマゴケも見られるのでした。 かなり明るいところで見るタマゴケは初めての事。 夏はかなり涼しいのではと思われます。
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奥へ進んでいきますと、今度はシノブゴケがこのように育っています。 多分トヤマシノブゴケではと思われます。 この寒中に咲いている桜の木は十月桜ではと思いながら、誰も訪れることのない山の中で咲いているのは少しさびしさを感じました。
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見事に育っているタマゴケが太い幹に見られるのでした。 他では谷の日陰でしか見ることのできないタマゴケが、しかも水が豊富にあると思えない環境でこのように育っているのは不思議としかいいようがありません。 何しろ一説には30年はかかるという年月。 その間枯れることは無かったのか、タマゴケに聞いてみたい気がいたしました。
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木の幹に育っているのはハイゴケでしょうか。 おそらくは「柿の木」地面に育っても良いように思うのですが、コケにすれば少し事情が違うのでしょうか。
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帰り際の崖にはフトリュウビゴケも見られました。 そしてホウオウゴケも胞子がきれいに育っているところをもう一枚追加です。
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国道を少し歩きますと、あまりにも美しくよく育ったシノブゴケに出会いました。 山の斜面だけに常に湿っぽく、しかも空中湿度は高いのでしょうか。あまりにもよく育っているシノブゴケはそう見られるものではないと思われます。



2018年12月18日 苔・コケ販売 シダ植物販売 山野草販売  生育地を訪ねる(3) 於・京都府丹波高原 南丹を行く
由良川の支流の川沿いと、お宮を訪ねました。
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堤防にはびっしりとハイゴケの姿が、都会では見られない風景です。
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近くにお社があり、その石垣にはこのように苔がびっしりと育っています。
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この付近ではかなり立派な社ではと思われます。 地元の方々の信仰もかなり厚いのでは。
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辺りを散策しておりますと見慣れたコケ、 ヤマトフデゴケにこんなところで出会いました。
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道路を広げるのに斜面を削ったと思われる崖にヤマトフデゴケがこのように生育しているのでした。 きっと生育に適した条件がここには見られたのではと思われます。



2018年12月20日 苔・コケ販売  生育地を訪ねる(1)於 京都 丹波高原
本日は朝より曇天、紅葉の美しかった高雄を過ぎた頃より雨模様。 その中で昨年2回程訪れました谷を再度訪ねました。 ところが、よく観察しますと代表的な苔が何でも見られるのでした。 ここへ来ればあちらこちらへ行かなくとも簡単に観察できるのでした。 貴重な苔生育地です。
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昨年はまったく気づくことのなかったコウヤノマンネングサが生育していることでした。 しかも道路脇にです。 早速車から降りまして観察することに。
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やはり夏の涼しさと水分の豊富さでコウヤノマンネングサと同じような条件のシノブゴケが生育しているのでした。 このシノブゴケは夏の涼しさを求めるアオシノブゴケではと思えます。
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ところがシノブゴケだけではなく、コツボゴケらしきものが見えるのです。 初めて見ることのできましたコウヤノマンネングサとコツボゴケの共生です。 コツボゴケも夏の涼しさと水分を要求することは同一条件だけにこれはこれで納得です。というよりも新しい発見ですねぇ。
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そのコツボゴケです。 このコツボゴケも色々な変種がありますので今後勉強しなければなりません。 どうです きれいに育っているコウヤノマンネングサ、もう冬ですから夏の青さはありませんが、意外やそれでも青々としておりました。 やはりミネラル豊富な腐葉土層を通過した雨水がこのコウヤノマンネングサに最適な生育条件を供給していることがわかります。
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ただ、このコウヤノマンネングサ、少し草丈が低いことが気がかりでしたので、少しサンプリングさせていただきましたところ、下にはアスファルトの地面がでてくるのでした。成程です。 やはり成長期には供給される水量が少なく、それで思うように育っていないことがわかりました。 谷川とは反対の人の斜面に目を移しますと、クジャクゴケが側溝に見られるのでした。
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その側溝をよく見ますと、クジャクゴケ以外にも少し小型のトサカホウオウゴケらしきホウオウゴケが育っているのでした。
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そしてその斜面にはコウヤコケシノブが見られるのでした。
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その反対側の谷川側の地面を見ますと、今度はコウヤノマンネングサとオオカサゴケの共生です。 こんなこと有り?といいたいぐらい珍しいこと初めてです。
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そんなことで、ここではオオカサゴケも見られるのです。 みなさまには案内したいところNo.1です。
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そんなことでもう少し変わったコケはないかと探しておりますと、期待は裏切らないものです。 コウヤノマンネングサとは少し趣が変わっているなあとよく見ますと「フロウソウ」です。 コウヤノマンネングサとの陰に隠れて少し人気はないのですが、でも育てますと、よくできましたフロウソウを見ますとまるで別物に見えます。 もっと人気が出ても良いのかもしれません。
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このフロウソウこの12月頃になりますと新旧入れ替わる季節です。 育てておりますとよくわかるのですが、11月頃より新芽が吹いてくるのです。 自然でもそのようなことが起こっています。 小さな可愛らしい新芽がたくさん顔を覗かしています。
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そのようなことで反対側の山の斜面の側溝を観察しますと、クジャクゴケ風に広がったコケを見ることができました。何ゴケか知らないことだらけです。 その側溝を見て歩きますとフトリュウビゴケでは。
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そしてムクムクゴケも見られるのでした。 このムクムクゴケは夏はかなり涼しいところを好みますので、この辺り一度夏の季節に訪れてみたい思いがいたします。 そのムクムクゴケを上から見たところです。 山の斜面からの雨水が伝わっていることがよくわかります。
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そしてその奥にはミズゴケが、多分オオミズゴケが生育しています。 厳密に言いますとコケ植物の中で唯一の湿生植物であるミズゴケが育っているということは、やはり年間通じてそれだけの水分補給があるということになります。
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斜面を見上げますと、フトリュウビゴケが目に付くのでした。 このフトリュウビゴケは空中湿度がかなり必要な特徴であることがよくわかります。 その下の水路にはやはりフトリュウビゴケとヒノキゴケが見られるのでした。
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そしてその奥の斜面にはコウヤノマンネングサが再度見られるのでした。 よく見ると多分アオシノブゴケが見られ、同一の環境を好むことがわかります。 テラリウムにはやはり両者を使用することをおすすめいたします。
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時間もあまりなく、引き返すことに。 谷川に沿った山道を下りますと「稲荷明神」が祭られていました。 多分この大木に神が宿るとされ、この山を守ってくれる神を稲荷明神に託したものと考えられます。 そんなお稲荷さんを祭ってある台座の石にもシノブゴケが育っているのでした。
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その反対の苔むした山の斜面を見渡しましたところは、急斜面だけに落葉が積もれず、腐葉土の層にもできず、そのようなところに苔が育っていることがよくわかります。 そこにはシノブゴケとクジャクゴケが見られるのでした。
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このクジャクゴケを観察することに。 胞子の出ているクジャクゴケ、やはりその胞子から見てクジャクゴケに誤りはなさそうでした。
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この胞子をきれいに、そして特徴がわかるように撮影するのでしたが、いかがでしょうか。
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谷川にはムラサキシキブが見られるのでした。 紫の実がなる秋の人気種ですが、自然のものを見る機会も少なく、記念にと思いました。
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辺りにはイトゴケ、キヨスミイトゴケが見られるのですが、大きく育っている様子もなく、このイトゴケも空中湿度だけでなく、その他の環境があるのかもしれません。
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倒木には「きのこ」に混じってホソウリゴケのような青い美しいコケが育っているのでした。 そしてシッポゴケと思われるコケも見られるのでした。
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山の斜面にはタマゴケが、そしてショウジョウバカマがうずもれるように育っているのでした。 シノブゴケも道沿いにたくさん見られるのでした。
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いろいろな個体があるように思えるので、サンプリングをさせていただきました。 深山に育ったシノブゴケにはどのような種類があるのか楽しみです。
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里に下りてきますと、山水画の世界が見られるのでした。 普段見られる風景でないだけに恵まれた観察日和です。
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途中次の谷へ訪ねる合間に道の駅へ。 昔懐かしい京都ならではのしめ縄が販売されていました。 そして道の駅の中には、それこそ今では見られることが無く、「釜戸炊き」と言葉が死語となっている釜戸の写真が飾られていました。 京都では「おくどさん」と親しみを込めて呼んでいました。 この燃料である「薪」を燃やした炭を火鉢に移し、本来の黒炭の種火にしたものです。 そのように実家で行われていたことを思い出しますと、当方も老いたものだと思い知らされる昨今です。



2018年12月20日 苔・コケ販売  生育地を訪ねる(2)於 京都 丹波高原
あるお宮さんで、昨年は訪れた12月27日、その日は雪でうまく撮影できなく、再訪することをこの一年待ちに待ってのことでした。
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本年は朝から小雨模様、このお宮さんを訪れた時には小雨も止み、雨の後だけに苔もよく見えてくれました。
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境内には亀石と思われる石が配置してあるのですが、長年の月日にハイゴケが良く育っているのでした。 そのハイゴケです。 ハイゴケも色々なタイプがあるのですが、どうもその分類は難しそうです。 それはそれとして、このハイゴケ自然の雨と空中湿度だけで育っていることがよくわかるよい見本です。
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昨年より気になっておりました山際の苔、山に降ったあ雨水が浸みるところ限定で生育しています。 緑の濃い色をした苔はどうもカモジゴケかと。
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緑の薄いところはシッポゴケと思われるのです。 ビロードの美しさが目に見え、よい環境に育っていることがわかります。
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摂社の脇にはヒノキゴケが育ち、石垣にはウマスギゴケが育っているのでした。 反対側にはヤマトフデゴケが見られるのでした。 このヤマトフデゴケも雨水が浸みだすところがどうも好みの苔のようです。 ウマスギゴケが見られたりカモジゴケがあったりで、観察には楽しいお社です。
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そのカモジゴケです。 摂社の足元にはウマスギゴケ、フトリュウビゴケ、それにヤマトフデゴケが見られました。
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美しさに輝いているヤマトフデゴケ そしてフトリュウビゴケです。
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遅くなりましたがその摂社の御紹介です。 やはり雪が多い地区だけに雪から守ることが考えられ、大事にされているお社です。 砂利を敷いた境内ですが、ヤマトフデゴケがあちらこちらに見られ、好適の環境なのか。
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石垣には「苔むす」といわれる通り、ウマスギゴケとフトリュウビゴケでしょうか。 それにシダとびっしり育っています。 ここにはコケシノブが見られました。
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そして長年育ったシノブゴケもこのように。 これはウマスギゴケがきれいに揃って育っているのではと思うのですが、
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山の岩にきれいに育っているタマゴケです。 空中湿度の条件が良いのか、理想的に育っているような。 イトゴケです。 境内のツツジに低く着生した状態です。
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境内のやはり山際にはツヤゴケでしょうか。 ツヤゴケにも色々なタイプがあるようですが、分類までには少し時間がかかりそうです。
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山の壁面の切り立った岩を見上げますと、やはりタマゴケが着生しているのでした。 タマゴケの育った環境を考えさせられる岩場です。 きっと水が染み出すということと、やはり空中湿度でしょうか。 このような神仙ともいうべきところに農耕の神を祭ったのは自然のことだったと思われます。



2018年12月20日 苔・コケ販売  生育地を訪ねる(3)於 京都 丹波高原
昨年も訪れた谷筋、苔の育つ環境を改めて再確認いたしました。
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道路から入って間もない谷筋、山の北側の斜面です。 シノブゴケがあちらこちらに生育しているのですが、岩場には特に苔が生え揃っています。 この岩場にはタマゴケが育っています。 先程訪れましたお宮さんの岩場と同一条件、何かタマゴケの育つ環境があるのか、不思議な思いがいたします。
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シノブゴケもよく育っておりました。 やはり夏でも日照条件が悪く、シノブゴケにとっては好条件のようです。 奥側から見たタマゴケの岩場です。
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この岩にはシノブゴケがよく育っています。 岩の組成が違うのか、或いは微妙な環境変化なのか、考えさせられます。 よく見ますと、イトゴケにシノブゴケが着生している姿が、 それにしても長年月を要しているような。
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木の株なのか、岩なのか、そこにシノブゴケが盛り上がるように育っている姿が見られます。 そしてすぐ近くにはヤマゴケ、アラハシラガゴケが木の株元に育っています。 ホソバオキナゴケよりもより暗く、より湿潤を好むのでしょうか。
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実は今回、改めまして観察したかったのはこのホウオウゴケの小さな谷筋でした。 ホウオウゴケが理想的に育っている環境なのか、谷筋に沿って上部にまで見られるのでした。 そして2タイプのホウオウゴケが見られるのです。 ホウオウゴケに混じって育っている小型のホウオウゴケ、多分トサカホウオウゴケではと思いながら、少しサンプリングさせていただきました。
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更なる拡大画像です。 このような混生があちらこちらに見られます。
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登って行きますと、このような場面も。 やはり2種混生です。
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実に楽しいホウオウゴケの楽園のような姿が見られるのです。 ホウオウゴケがここに至るまでに何十年と時は経ているのではと思いながら登っていくのでした。
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ホウオウゴケのアップです。 こちらはトサカホウオウゴケではと見るのですが、詳しくは鑑定に。
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登っていくにつれ、ヒノキゴケが育っているのでした。 実にきれいに生育しているヒノキゴケ、このような環境を考えますとかなりの水分或いは多湿を好むヒノキゴケの姿があるように思います。



2018年12月20日 苔・コケ販売  生育地を訪ねる(4)於 京都 丹波高原
山の南側の斜面の観察
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昔はこの橋を渡ったであろう丸太橋。 そこにはやはりハイゴケが育っているのでした。 ハイゴケはシノブゴケに比べてより明るいところに見られるだけに、陽の光がよくあたる南側に生育している姿がよくわかります。
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そこに育っている杉の木の株元にはアラハシラガゴケが木の陰になるように育っているのでした。北の斜面ではより明るいところ、南の斜面ではより暗いところと、好む環境がよくわかります。 そして丸太橋の下を覗くと、日陰となるところを選ぶようにホウオウゴケが見られるのでした。
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そのホウオウゴケです。 小型でトサカホウオウゴケではと思いますが、やはり水分補給が少ないだけに大きなコロニーにはなりにくいのでは。 そしてその辺りにはシッポゴケであろうと思われるコケが見られるのでした。
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更に奥へ入って行きますと切り株にはフトリュウビゴケがこのように見られるのでした。 杉木立の中を見て回りますと、きれいなシノブゴケが見られました。 より青く、そして大きいのです。
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拡大してみるとそれはそれはより美しく、レース状に広がって育っている姿が見られました。
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やはりかなりの多湿であったのか、近くではオオカサゴケが見られるのでした。 そう大きくはないコロニーでしたが、少し暗すぎるのかとも思われました。
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それでも毎年落ちる杉の葉の間から新芽が育っているオオカサゴケです。 そしてそこには、上流から谷川の水を引いているパイプがあったのです。その上にアラハシラガゴケが育っており、コケには根が無いということがよくわかる場面です。 自然の雨水と空中湿度だけで育つアラハシラガゴケ、何か育てるポイントが見られるのでした。



2018年12月26日 苔・コケ販売  山野草販売 生育地を訪ねる(1) 京都 丹波高原
12月20日に訪れることを計画していましたが、行けず今回訪れることに。 一年ぶりのコケに出会えました。
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丹波高原といっても広いのですが、福井県側の深山へ。 そこへは必ず紅葉の名所高雄を通り抜けていきます。 季節は冬、紅葉シーズンも終わり訪れる人々も少なくなった高雄でしたが、海岸を思わせる岩に苔が育っている姿が改めて目に入りました。 苔はスナゴケのような感じがしますがはっきりとは…。 落葉した紅葉の姿を見る谷筋です。 美しかった紅葉も四季の移り変わりとともに静かに冬へと装いを変えています。
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ホウオウゴケがたくさん見られる砂防ダムを訪れることに。 一年後のコケはどのように変化しているか楽しみです。 川岸に石にはシノブゴケが着生するように育っています。 この環境がシノブゴケ、特にオオシノブゴケ或いはアオシノブゴケ等が好む環境であることがよくわかります。
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自然の雨と空中湿度だけで育っているシノブゴケ、何とか皆様に色々な情報をお伝えしたいと思うのですが、テラリウムには最適なこれらのシノブゴケの活用法を現在考えておりますので、お楽しみに。 そして違った場面では医師にホウオウゴケが多分トサカホウオウゴケではと思われるのですが、このような着生した状態がやはりテラリウムのヒントになるのでは。
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ホウオウゴケが着生するように生育しているダムです。 コケを観察する側にとってはありがたい砂防ダムをよくぞ作ってくれたものと思います。 びっしりと着生したホウオウゴケ。
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その拡大画像です。 トサカホウオウゴケのようですが、最終的には鑑定に。 倒木にもホウオウゴケが育っているのでした。
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ふとよく見ると、別のコケもホウオウゴケに混じって砂防ダムに育っているのでした。 今まで目に入っていても気づかずにおりましたが。 足元には倒木にシノブゴケ、テラリウムを考えます時に、参考となるロケーションが見られるのでした。
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いよいよテラリウムの解説もしたくなるようなシノブゴケの倒木に生育する最適なヒントを与えてくれています。 やはり倒木にシノブゴケとホウオウゴケのコンビネーション。 テラリウムを考えますと理想的です。
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昨年と同様ホウオウゴケに混じって生育するコタニワタリの姿が見られます。 フトリュウビゴケが地面に土の上に生育する珍しい生態が見られました。 この辺りは水はけが良いのかもしれません。
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杉の木の根元に生育するアラハシラガゴケとそこに育つツルヤブコウジの赤い実をつけたコラボが何とも言えません。 砂防ダムの上を歩きますと、シノブゴケがよく育っていました。 多分アオシノブゴケではと思いながらサンプリング。
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どうです。 きれいに育っているシノブゴケです。 アップすればする程きれいに見えるシノブゴケ。より活用法を考えねばなりません。
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いつものように辺りを散策。 そこにはカモジゴケとやはり赤い実をつけたツルヤブコウジのコラボ。自然ならではのロケーションです。 斜面に生育するカモジゴケです。
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何十年と育ったコロニーです。 その美しさは「羽毛のごとく」の有様。人気の苔の一つでもあるのは何となくわかる気がします。
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近くにはヒノキゴケが。 少し水はけが好過ぎてヒノキゴケには苦手な環境では。 コウヤノマンネングサも昨年同様見られました。
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でもその生育数は多いとは言えず、ヒノキゴケ動揺生育環境に適していないと思われます。 でも石の上に育っているコウヤノマンネングサを見ることができたのですが、やはり密集度は少なく、もう少し湿度があればと思われました。
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昨年は胞子が見られなかったクジャクゴケでしたが、本年は環境が良かったのか、胞子がよく観察できました。 どうです、胞子がよく育っています。
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俯き加減に育っている胞子の愛嬌も中々のもの。 そして千本立とはいえませんが、このような胞子の姿もまんざらではないような気がいたします。
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チョウチンゴケの生育するコロニーに出会いました。 このチョウチンゴケも色々な種類があって、分類は大変な作業になるのではと思います。
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杉の木の皮でしょうか。 その上に育っている美しい苔がありましたので、種類は不明なのですが、勉強不足がこのような場面に。 帰り際にやはり石の上シノブゴケのコロニーに。
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そこにはきれいに育っているタイプの違うシノブゴケの姿がありました。 トヤマシノブゴケのような感じがいたしますが断定はできません。



2018年12月26日 苔・コケ販売  山野草販売 生育地を訪ねる(2) 京都 丹波高原
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次の目的地に向かって街道を走るのですが、いつも気になっているお宮さんがあります。 石塔にびっしりと育っているハイゴケ、このハイゴケは黄色、良く言えば黄金色に染まっているのです。
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その拡大写真です。 この黄金色のハイゴケ、弊園でも入荷するハイゴケの中に時折見受けられます。ところが管理しておりましてもなかなか青々と育ってくれず、御注文いただきましても夏場は色目が悪くつい置いてしまいます。 ところが秋からこの季節には帰って黄色く染まるように変化いたしますので、それはそれで美しく、このタイプの活用はないものかと考えています。 桜の木でしょうか。 苔むした樹上に適度な湿度があることにより、シダが育つことになったかと思われます。都会では考えられない環境が、ここでは見られます。貴重な体験です。
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コウヤノマンネングサが生育する目的地に到着。 昨年と同様青々として育っています。 その拡大写真です。落葉は杉の木です。 やはり檜と違い、杉はの木は湿潤な環境を作り出す生態のようです。そして、その湿潤な環境こそが、コウヤノマンネングサが育つ条件です。 実はこの腐葉土層を通過する雨水が、微量でありますが栄養分を運び、常にコウヤノマンネングサをはぐくんでおり、常に青々とした姿が見られます。 以前にも書きましたが、海の牡蠣養殖には、山の植林が大事であることが知られていますが、その第一歩がコウヤノマンネングサです。 「コケには肥料が必要ない」と解説されている場合が稀に見られますが、やはりコケも植物の範疇、その解説は誤りではと思われます。
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こちらはツヤゴケです。 環境が良いのか青々としています。紅葉してほしいのですが。 谷川沿いに石垣が組まれ、その昔は畑に使用されていたのかもしれません。それが長い月日に住民もおられなくなり、今では植林されているのではと思いますが、その石垣にツヤゴケが育っているところを見ると、やはり排水が良いところに生育すると考えられるのでは。 そして空中湿度ではないでしょうか。
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倒木の上にはヒノキゴケが、山の北側の斜面だけに日照も少なく、やはりヒノキゴケが育つ環境のようです。 それだけで深山に来ていることがわかります。 石垣にもヒノキゴケがビッシリと。 年間通じて湿度が高いことがわかり、日照も少ない環境ではと。
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あちらこちらにコウヤノマンネングサが見られます。 そして道路を挟んで、山の斜面にはホウオウゴケが見られるのでした。
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少し小型のホウオウゴケです。 少々サンプリングをさせていただきました。鑑定の結果がどうなりますでしょうか。
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さあ、そのあちらこちらに見られるコウヤノマンネングサですが、斜面に見られるのです。 やはり山に降る雨水が伝わって、山すそを潤していることがわかります。 そして本来の目的の一つでもあったシダの斑入り? 実のところ昨年サンプリングさしていただきましたのですが、春の新芽は青々としているのです。それにて再度確認です。
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今回もたくさん見られますので、1株だけ採取。 後日専門業者に見せましたところ、「老化現象ですわぁ」とのつれない返事。「なる程」とうなずく当方でした。 シダの斑入りが専門でないだけに、これで一つ勉強いたしました。 その石垣に変わったコケがないかと降りますと、やはりホウオウゴケが見られました。 おそらくはできて何百年は経ている石組、そこに生育する小型のホウオウゴケです。
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そして谷川沿いにはシノブゴケがびっしりと見られます。 やはり空中湿度と日照が好む環境にあることがここでもわかります。
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いたるところに大きなコロニーではないのですが、ホウオウゴケが見られます。 生育環境がきびしいのでしょうか、大きなコロニーにはならない環境がそこにはあるということが実感され、自然に触れる思いがいたします。
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でもこのホウオウゴケを何とか芸術的に、撮影できないかと考え、「組み写真」風に、いかがでしょうか。



2018年12月26日 苔・コケ販売  山野草販売 生育地を訪ねる(3) 京都 丹波高原
次に目指すは、昨年の今頃見つけました「カサゴケモドキ」の群落を確認へ。
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年末に一度降りました雪、その後、日陰にわずか残っている雪の跡です。 やはり寒い山の谷川です。 谷川に沿って、そう大きくはない田畑があるのでした。先史時代より人が住み着いた集落。 おそらくは稲作文化が我が国に伝わった時代より耕作されていただろうと思われる田んぼ。その生垣には苔が育っているのでした。
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シノブゴケがよく見られましたが、特に注目したのはスギゴケ、おそらくはウマスギゴケです。 ウマスギゴケは本来日陰、おそらくは明るい日陰〜半日陰を好む性質の苔かと思われます。 一説には「日照を好む苔」のトップに列せられていますが、やはりシノブゴケとともに育っているということは、そうではないと考えられます。 そして、カサゴケモドキの生育地を訪ねることができました。 苔の生育地を観察するこの季節、通信販売も少し暇になることによって可能となるのですが、このカサゴケモドキここでしか見られないのです。いかに希少種かがわかります。
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そこにはツヤゴケとウマスギゴケが斜面の下部にびっしりと生育している姿が見られ、伏流水が多いところからその環境を好んでいることがわかります。 そしてカモジゴケも見られるのでした。 ツヤゴケは色素としてアントシアニンを含んでおりますので、秋とともに紅葉してきます。 苔の中では少し変わり種なのかもしれません。
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カサゴケモドキです。 シノブゴケの生育する環境を見ますと、かなりの日陰で湿潤を好んでいることがわかります。 このコロニー少なくとも何十年の月日は経ているのではと思われます。深山幽谷にひっそりと育つカサゴケモドキの姿でした。 このカサゴケモドキの周りには、やはりカモジゴケも見られ、山の斜面による水分補給がかなりあることもわかります。
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周りにはカサゴケモドキがたくさん見られ、「カサゴケモドキの楽園」と称しても良いのではと思われ、他所では見られないカサゴケモドキなのですが、オオカサゴケではなく何故カサゴケモドキなのかといった疑問も生まれてきます。
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周囲にはウマスギゴケ、或いはシダのヒカゲノカズラ等も見られます。 カモジゴケもこのように。
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そしてシノブゴケ、ウマスギゴケ、ヒカゲノカズラ等このように生育しているのでした。 このカサゴケモドキとお別れし、次いで案内していただくのは持山である谷へ。 そこにはシノブゴケが見られるのでした。 「ワサビ畑」を作られる予定で、山の斜面をブルドーザーで平らにされたのですが、数年後にはこのように。 元々シノブゴケがたくさん見られたのではと思います。
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その中でこのように育っています。 或いは一段高いところにはこのような風景も。
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シノブゴケの美しさを現したコロニーがあちらこちらで見られるのでした。 テラリウムの基本の苔として何とか普及したいものです。
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谷川沿いにはかなり成長したシノブゴケが見られます。 拡大してみるのですが、少し違ったシノブゴケに見えますが。
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斜面を削って平らにしただけに、始めに発生するのは苔。 ここではシノブゴケだったようです。 その上の斜面を観察しますと、コウヤノマンネングサが見られました。
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その斜面です。 アラハシラガゴケも見られますが、下部の生育に適したところにコウヤノマンネングサが見られるのです。 そう大きなコロニーではないのですが、育つ環境を理解するにはと思うところでした。



2018年12月26日 苔・コケ販売  山野草販売 生育地を訪ねる(4) 京都 丹波高原
コウヤノマンネングサの楽園を見つけました。
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辺りは暗くなり、帰ることに。 でも昨年も立ち寄りたいと思ったのですが、全くの暗闇にて引き返したのです。昨年より少し早く尋ねることができましたところ、やはりそこにはコウヤノマンネングサの大群落があるのでした。 ヒノキゴケも見られます。
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少し明るいところだけにコウヤノマンネングサも締まって育っている様子。 やはり環境によって育ち方も色々であることがわかります。 少し戻って山の斜面へ、そこにはウマスギゴケが見られました。
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次いでこの岩場にはヤマトフデゴケが見られるのでした。 京都府下ではヤマトフデゴケがあちらこちらに生育していることがわかってきました。
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そうこうする内に、辺りは暗闇になりかけてくるのでしたが、散策すると何と見たこともないようなコウヤノマンネングサの大群落。 来てよかったと内心微笑んだのです。
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足の踏み場のないくらい生育しているコウヤノマンネングサ、ここに至るまで何十年、或いは何百年と時は経ているのかもしれません。 次回は日中の明るい時間に訪れたいと希望して帰路に。



2018年12月28日 苔・コケ販売 シダ植物販売  生育地を訪ねる(1) まずはシダ植物であるアスヒカズラの生育地へ  於 和歌山県
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アスヒカズラを一度見てみたいということで、その生育地へ。 国道から一路山道へ車は走って行くのでした。すると「着きましたよ」と言って、この斜面を見せてくれるのでした。 やはり紀伊山地は山深く、年間降雨量も多く、しかも空中湿度がかなりある中で、このシダであるアスヒカズラも苔に守られながら育っているようでした。 根の少ない、というより細根がほとんど見られないアスヒカズラ、苔も根が無いといわれ、そのような中で育っているのでした。 そしてどうもこの苔はシッポゴケでは。
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道路から見上げるその斜面、アスヒカズラと苔が幽玄の世界へ導いてくれているような生育環境です。 苔はハイゴケですねえ。 ススキの株元に寄生しているかのように育っているアスヒカズラ、その周りにはカモジゴケがびっしりという言葉がピッタリの環境です。
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ハイゴケの切れ目に育つアスヒカズラ、 ハイゴケに覆われると、胞子の発芽もしないのかもしれません。 同じくシッポゴケに囲まれて育っているアスヒカズラです。
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シッポゴケとハイゴケの共生の中でのアスヒカズラ、埋もれるように育っています。 その斜面のアスヒカズラであっても、斜面の角度が違いますとまったくと言ってよい程生育する姿はありません。 日照の問題なのか、土の中の水分なのか、何が育つ環境なのか、考えれば考えるほど難しいことばかりです。 何しろこのアスヒカズラ、付近には全くその姿は見られないとのこと。何故ここにだけ生育するのか不思議な思いがいたします。
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その斜面にハイゴケだけが生育するのですが、そのハイゴケの拡大画像です。 ハイゴケも色々あるのですが、いずれも学名はハイゴケのようです。 側溝間際にはカモジゴケが見られるのでした。 やはり水分をより必要とする苔の特徴がでているのではと思います。
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アスヒカズラとカモジゴケのコラボはいかがでしょうか。 育てるには少し難しいアスヒカズラですが、植木鉢の上にてこの生育する姿の再現を試みられてならと思います。 そのカモジゴケとツルヤブコウジのコラボもなかなか粋なものです。 遠目にもよく目立ちます。
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同じ斜面であっても、地層によるのか、水が噴き出しているのかと思われるところには、ミズゴケが生育しています。 本当に何メートルしかないところで様々な生態が見られますのも、自然ならではです。 そして道路面のアスファルトの上には、ヤマトフデゴケらしきものが見られました。 好む環境がどのようなものか教えて欲しいとコケに聞いてみたい気もいたしますが。



2018年12月28日 苔・コケ販売 シダ植物販売  生育地を訪ねる(2) 太平洋岸の比較的乾燥した山へ入る。  於 和歌山県
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石灰岩地帯ではと思わせる岩場、そこにはシダのシシランとイワナンテンが生育する姿目に入るのでした。 シシランはあちらこちらの岩場に張り付くように育っている姿が見られます。
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その岩場にはコウヤコケシノブや小型のホウオウゴケが着生して育っている姿が見られます。 小型のホウオウゴケの拡大画像です。
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コロニーを上面から撮影した小型のホウオウゴケです。 多分トサカホウオウゴケかと思われますが、乾燥気味に育っていると見え、心なしか少し元気が無いようにも見えます。 やはり乾燥し、休眠状態のホウオウゴケの姿が見られるのでした。 雨期には育っているのでしょうが、意外に乾燥する季節もあることがわかります。 石灰岩地帯は乾燥地帯であることがわかります。但この地帯が石灰岩が隆起しているかどうかは調べなければなりませんが。 いずれにしましても全体が乾燥している感じです。
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急な山の谷の斜面から落石防止のコンクリートの壁がありました。 よく見るとトサカホウオウゴケらしき苔がびっしりと生えているのでした。 そのよく育っている拡大画像です。
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この先端が白っぽく特徴がある苔は珍しいなあと観察するのですが、コロニーも大きくなく、サンプル採取も諦めました。 葉の大きさからしてオオキジノオシダが見られました。
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いたるところに見られるヌリトラノオです。 先端から分枝している姿が見られました。
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次に急斜面の谷でしょうか、乾燥している為に水は枯れているのですが、きっと目指すホウオウゴケはあるに違いないと思い、観察することに。 すると、分布は大きくありませんでしたが、ありました。 トサカホウオウゴケらしきものが。
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水量が少なく、地下に潜ってしまうでしょうか。 トサカホウオウゴケもここにわずかしか分布が見られません。 クジャクゴケもないものかと探しますと、見つけました。 杉の枯葉を取り除くとその姿が。
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そうコロニーは大きくはありませんでしたが、クジャクゴケが生育する谷であることを確認しました。 どこにピントが合っているのか、後でわかるのですが、胞子を確認いたしました。
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更に車は奥へ奥へ進むのですが、コツボゴケとトサカホウオウゴケのコラボに出会えました。
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谷川に沿って山道は続くのですが、そこにはクリハランが育つ姿が見られました。 秋の山野草展にはシダ植物が重要なのですが、このクリハランもなかなか良いものです。
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大きな岩にシダらしきものが着生して育っていました。 その岩の下にはヒロハヒノキゴケが見られました。 ヒノキゴケに比較して小型のタイプで、テラリウムにはピッタリのサイズではと思います。
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枯れ木等に着生するように育つヒロハヒノキゴケです。 そしてその岩場周辺には、ホソバコケシノブが繁殖しているのでした。



2018年12月28日 苔・コケ販売 シダ植物販売  生育地を訪ねる(3) 於 和歌山県
次に目指すは、昨年の今頃見つけました「カサゴケモドキ」の群落を確認へ。
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年末に一度降りました雪、その後、日陰にわずか残っている雪の跡です。 やはり寒い山の谷川です。 谷川に沿って、そう大きくはない田畑があるのでした。先史時代より人が住み着いた集落。 おそらくは稲作文化が我が国に伝わった時代より耕作されていただろうと思われる田んぼ。その生垣には苔が育っているのでした。
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シノブゴケがよく見られましたが、特に注目したのはスギゴケ、おそらくはウマスギゴケです。 ウマスギゴケは本来日陰、おそらくは明るい日陰〜半日陰を好む性質の苔かと思われます。 一説には「日照を好む苔」のトップに列せられていますが、やはりシノブゴケとともに育っているということは、そうではないと考えられます。 そして、カサゴケモドキの生育地を訪ねることができました。 苔の生育地を観察するこの季節、通信販売も少し暇になることによって可能となるのですが、このカサゴケモドキここでしか見られないのです。いかに希少種かがわかります。
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そこにはツヤゴケとウマスギゴケが斜面の下部にびっしりと生育している姿が見られ、伏流水が多いところからその環境を好んでいることがわかります。 そしてカモジゴケも見られるのでした。 ツヤゴケは色素としてアントシアニンを含んでおりますので、秋とともに紅葉してきます。 苔の中では少し変わり種なのかもしれません。
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カサゴケモドキです。 シノブゴケの生育する環境を見ますと、かなりの日陰で湿潤を好んでいることがわかります。 このコロニー少なくとも何十年の月日は経ているのではと思われます。深山幽谷にひっそりと育つカサゴケモドキの姿でした。 このカサゴケモドキの周りには、やはりカモジゴケも見られ、山の斜面による水分補給がかなりあることもわかります。
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周りにはカサゴケモドキがたくさん見られ、「カサゴケモドキの楽園」と称しても良いのではと思われ、他所では見られないカサゴケモドキなのですが、オオカサゴケではなく何故カサゴケモドキなのかといった疑問も生まれてきます。
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周囲にはウマスギゴケ、或いはシダのヒカゲノカズラ等も見られます。 カモジゴケもこのように。
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そしてシノブゴケ、ウマスギゴケ、ヒカゲノカズラ等このように生育しているのでした。 このカサゴケモドキとお別れし、次いで案内していただくのは持山である谷へ。 そこにはシノブゴケが見られるのでした。 「ワサビ畑」を作られる予定で、山の斜面をブルドーザーで平らにされたのですが、数年後にはこのように。 元々シノブゴケがたくさん見られたのではと思います。
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その中でこのように育っています。 或いは一段高いところにはこのような風景も。
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シノブゴケの美しさを現したコロニーがあちらこちらで見られるのでした。 テラリウムの基本の苔として何とか普及したいものです。
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谷川沿いにはかなり成長したシノブゴケが見られます。 拡大してみるのですが、少し違ったシノブゴケに見えますが。
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斜面を削って平らにしただけに、始めに発生するのは苔。 ここではシノブゴケだったようです。 その上の斜面を観察しますと、コウヤノマンネングサが見られました。
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その斜面です。 アラハシラガゴケも見られますが、下部の生育に適したところにコウヤノマンネングサが見られるのです。 そう大きなコロニーではないのですが、育つ環境を理解するにはと思うところでした。



2018年12月28日 苔・コケ販売 シダ植物販売  生育地を訪ねる(4) 於 和歌山県
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遠目からも杉の大木に着生するように育っているそれは美しい苔に出会いました。 近づくとヤマゴケのホソバオキナゴケとも違う初めて見るコケでした。色々とあるものだなあと感心して見てしまいました。
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背面の岩場には何やらシダらしきものが見えるのでした。 近づいて見ると、チャセンシダのようにも見えるシダがびっしりと育っているのでした。 そこには間違いなくチャセンシダとコガタノホウオウゴケが見られるのでした。
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さらに観察していきますとクジャクゴケが見られるのでした。 どうもこの谷は一面クジャクゴケの生育地であったことがわかります。 そのアップ画像です。 このようなクジャクゴケの生態に出会えたものと感激も忘れ、ひたすらナイスショットにカメラアングルを構えました結果、この写真でした。
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初めて見るチャセンシダの大群落、このように目に入ることはもう二度とないのではと思いながら観察するのでした。 崖に生育するチャセンシダは普段見慣れたポット栽培のチャセンシダと趣が異なり、野生味たっぷり「ワイルドやなぁ」と思わずことばが出そうなチャセンシダです。
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少しよく育っているチャセンシダです。 私的に言いますと、小型で締まっているタイプが好みなのですが、きっと日照条件、栄養状態等が関係するのでは。 チャセンシダ、クジャクゴケ、トサカホウオウゴケ等のコラボのある岩肌、貴重な現地の自然の生態に感謝するばかりです。
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どうです。このエレガントなクジャクゴケ、苔の貴婦人と形容されても良いのではと思います。
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この大木の杉の木には様々な苔が育っています。 今後色々と調べていきたいと思います。
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あたりを見ますと、トサカホウオウゴケにゼニゴケ或いはジャゴケのコラボも見られるのでした。 生育中のアブラゴケです。これまでに確認できたアブラゴケは、一箇所の生育地で数個体しか確認できませんでした。しかしこの岩肌では環境がより良いと見え、それなりの塊となって生育しています。
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それらの生育する岩肌です。 そしてその全体像の山肌です。
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谷間の林道にはこのようにハイゴケが見られました。 こちらはシノブゴケ、見た感じではアオシノブゴケではと思えるのですが。
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開けた谷間に出ますと、その崖に少し変わったコケが。 ウスバゼニゴケでしょうか。先端で二又に分岐する淡緑葉に、フリル状の切れ込みが印象的でした。サクは蝸牛のツノのようです。
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道路沿いにはコスギゴケが育っていました。 胞子から見ましても、コスギゴケ、シノブゴケの生育する環境とはかなり暗いような。
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この紅葉する苔はといいますと、ツヤゴケではと思います。 何しろアントシアニンという色素を含んでおり、紅葉する苔ですから。
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そして上を見ますと、秋の実ものである野生の「サネカズラ」、別名ビナンカズラの結実した赤い房状の実が目に留まるのでした。 赤い実をした株を入手しても次の年には実が成らないとよく言われますが、雌雄異株。やはり花粉親が必要な樹木であることからやはり雌木1株ではと思います。
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次々と現れる岩場、そこにはミツデウラボシおが岩にへばりつくように育っている姿がありました。 日陰で空中湿度が高いというのが一つのポイントになっているのではと思います。



2018年12月28日 苔・コケ販売 シダ植物販売 樹木・花木販売 生育地を訪ねる(5) 於 和歌山県
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更に奥地へ車は走って行くのですが、するとマンリョウの野生種、かなり大きい株が目に入りました。 この大きさになるまで自然ではかなりの年数ではと思うのですが、やはり日照の少ない、薄暗いところに自生は見られます。
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アサマリンドウです。 やはり冬の寒さによって休眠状態になりかけています。年が明けて1月2日の本格的な寒気で、この辺りも雪が積もることも、その頃には地上部も消えているのではと思います。 そして、大きなイワナンテンです。 この辺り一帯、あちらこちらにその自生が見られ、環境が適していることがよくわかります。つまり、国内種のイワナンテンは日陰の花木ですねえ。 そして下垂性だけにキイジョウロウホトトギスと同様、崖にその生育する姿が見られます。
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マンリョウとまた出会えました。 この辺りは環境が適しているのでしょうか。やはり日陰の樹木、花木ですねえ。この谷は日照も少ないのではと思います。 江戸時代に流行した植物、当時冬の観賞植物として持て囃されたのはわかる気がいたします。
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車は少し開けたところへ出てきました。 するとそこにはコスギゴケが育っているのでした。
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辺りは天然林が切り開かれているところでした。多分植林を待っているのでは。そんな瓦礫の岩場にコスギゴケは育っているのでした。
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林道の下には谷が、その林道ののり面には小型のホウオウゴケがよく育っているのでした。
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ホウオウゴケの種類はといいますと、今後の鑑定を待たねばなりませんが、それはサンプリングさせていただきました。 巨木の二又には腐葉土が積もり、そこにはクリハランであったり、シシランであったりするシダが育っておりました。
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更に車は走って行きますと、今度はセンリョウに出会いました。 山で見るセンリョウは初めてのこと。珍しさもあって「あるんやなあ」と独り言をつぶやいているのでした。
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次に、水の流れの枯れた山の斜面の谷、そこにはホウオウゴケが大きな石に着生しているのでした。水が切れているせいか、少し痩せ細っている感じがいたします。
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或いは、水が切れて月日が経ているのか、ホウオウゴケも茶色変色を始めているのでした。 おそらくは休眠に入っている、強制休眠ですが、ある時期、例えば梅雨期の連日雨が降る頃には復活するのではと思います。 いずれにしましても、この山といいますか、付近一帯は乾燥した地帯です。
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ある谷川にかかるコンクリート橋を渡ると、その谷にはクリハランの群生が見られました。 日陰で水を好むようなシダであることがわかります。 そのコンクリート橋にはこのような苔が育っていました。 比較的乾燥に強いのかもしれません。
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しばらく走ると、案内してくれているドライバーでもある知人が「オオカサゴケですわ」との一声。どこどこと見回すとあるのでした。 通常オオカサゴケは地表面に育っている場合がほとんどなのですが、ここでは岩場に着生してオオカサゴケの姿があるのでした。 多分わずかの腐葉土の層に育っているのではと思います。
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このオオカサゴケ、コケだけに岩場に着生して育っているのには驚きです。おそらくは岩場に元々育っていた他の苔の上に、胞子で育って行ったのではと思います。 乾いた岩場にはオオカサゴケのミイラが見られるのでした。 おそらく梅雨期の雨の多い季節にはよく育っているのでは。 元々乾燥地帯のこの山、オオカサゴケがこのように育っているとは考えられないのですが、不思議なことがあるものです。 考えられることは、紀伊山地、我国では年間降雨量の多い土地柄、オオカサゴケには好適な環境。 ところがこの違いは乾燥する山のようです。すると、降雨量の少ない季節はこのような状態になるのでは、ともかくもよく乾燥に耐えて、毎年育っているものと考えられます。
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乾燥に耐えて育っているそのオオカサゴケです。 きっとこの上面には、オオカサゴケが連なって育っているかと思われます。
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一路林道は一本道を進んで行くのですが、フデゴケの生育地へ入って行きました。 そこにはツルリンドウの赤く色づいた実が見られるのでした。 普段育てようとするとなかなか難しいツルリンドウですが、涼しい山の中では野生状態でこのように育っているのです。
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こちらにもフデゴケが。 ハイゴケと混生して生育しているフデゴケの生育環境、それなりに明るいところでもあります。
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こちらは完全に休眠状態になっているアサマリンドウが見られました。 枯れているだけに少し見にくいのですが。 雑木の向こうに見える崖の岩場はフデゴケの群生のようです。
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いかがでしょうか。 フデゴケのコロニーは少し乾燥地帯なので、生育は今一歩と思えぬこともないかと思われます。
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しばらく走りますと、今度は土壌豊かな森林地帯、案内係は「キナンカンアオイですわ」といって車を停めてくれました。 このキナンカンアオイの群落を形成するには、何十年と月日は経ているのではと思われる程、株があちらこちらに見られるのです。
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いかがでしょうか。自然のキナンカンアオイの崖に育っているその姿は。 滅多に見られるものではないかと思われます。
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そしてそれらの花が咲いているのでした。 極めてラッキーでした。
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車はキナンカンアオイを後にして、一路林道を走るのでした。次に出会えたのはコンクリート壁に見られるホウオウゴケ。長年生育し、よく育っている姿が見られます。
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どうもこの姿からトサカホウオウゴケではと思うのですが、正しくは後程に。 日は西に傾きかけてくるのですが、林道はどこまでも、すると大きな岩にぶつかるのでした。 その岩場にはフデゴケが、乾燥する岩の上で育っているのでした。よく見ると足元には岩を砕いた砕石が摘まれているのでした。 よく考えてみるとこの林道の道幅を広げる拡張工事であったような。そのせいか痩せこけたフデゴケが皮をめくったように地面にたくさん落ちているのでした。 貴重なフデゴケでしたので、4枚を拾ってしまいました。 フデゴケの育て方を考えてみたいと思います。
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その乾燥した岩に張り付くように育っているフデゴケです。 いずれはなくなるであろうこの大きな岩です。フデゴケの姿を記念に。 やはり生育不良気味に育っていることがよくわかるフデゴケです。 その昔はそうでなかったのかもしれませんが、このコロニーを形成するのにも何十年の月日はかかっているのではと思います。
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その脇道のような林道、今度は遠めでもすぐわかる赤い実の集団、落葉した木々にぶら下がる姿が目に入りました。
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サメカズラです。園芸的にはビナンカズラと呼ばれることが多いかと思います。 調べますと雌雄異株、どうりで実がつかないといわれるビナンカズラ、自然では雄木もどこかに潜んで育っているのでしょうねえ。たくさんの実をつけてくれています。 盆栽業界では色々な説があるのですが、「雄木が必要」という決定的なコメントは聞かれません。今後雄木を何としなければと思います。
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そして次に目にしたのは、紀州産 コメツツジ。 天然林の林床に密生するがごとく沢山自生しているのでした。きっと春には美しい小輪のツツジが咲きそろっているのではと思いました。
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ようやく日が西に傾いた頃、原生林を切り開いたようなところに車は出たのでした。そしてその林道の崖にはコスギゴケが一面育っているのでした。
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そしてコスギゴケは日照を好むのではと思われます。 何しろ切り開け、明るいところにはこのコスギゴケばかりですから。
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そのコスギゴケが育つ岩場がある斜面にはウラジロといわれるシダの大群落があったのです。 そして赤い実が目に付くセンリョウも日陰となって、よく育っているのでした。 このセンリョウ、日陰ながらも明るい日陰で風通しも良く、よく締まった理想的なセンリョウに育っているのでした。
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それにしてもこのウラジロ、正月の飾りに使う習慣のある日本、需要は減ったとはいえ、十分にまかなえる量ではと思います。 そのウラジロの下に隠れるように育っているこれまた大きな株のセンリョウがあったのです。
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それはそれは大きな株のセンリョウ、しかもよく締まり、実付きもいっぱいで特上品クラスですねえ。 この山の裾野でセンリョウの切花栽培をするときっと良品が出来るのではと思います。
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切り開かれた山の斜面を見渡すとウラジロの大群落。天然林を切り開いて何年経ているのか、ウラジロもよく育つものです。
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ウラジロの大パノラマ風景です。 どうも鹿はこのウラジロは食べないようです。その結果大繁殖となりました。 山の斜面、下を見ますとマンリョウが日に当たりよく締まって育っているのでした。 なかなか立派な株となっておりました。それでも焼けずに育っており、条件によってはこのように育つことがわかりました。 明るい間に里へ降りることとなり、終の取材はスルーとなりました次第です。



2019年10月28日 生育地を訪ねる  滋賀県大津市国道432号線
季節は秋、焼き物の里、信楽焼の帰路、自然が見られる国道307号線・432号線を走っていますと至るところにお茶の花が咲いているのです。
道端に茶の木が野生化しているのです。茶の木が我国に伝わって以来、相当な年数。宇治に育てられた茶の木がこの辺り一帯にも見られるようになったのも歴史のなされる技かとも思われます。
今が盛りかのように咲きほこっている茶の木。
国道沿いにたくさん見られる茶の木の花。この季節の茶花には最適ではと思いながらあちらこちらと。
うす暗い山中にも茶の花が咲いているのです。茶の木は日陰でも日向りでも育つようです。
車を停車したところ、よく見るとやはり自然ですねえ。茶の木以外にもアオツヅラフジ、ノイバラの実が色づいているのでした。
手近かに見られるアオツヅラフジです。というよりも自然の中に道ができているといった方が適切なのかもしれません。
そのアオツヅラフジとともに赤い実が見られるのでした。そうノイバラの秋の実成りです。春ノイバラの花がこの国道沿いにたくさん咲いていました。それが今このように赤い実をつけているのでした。
季節を感じさせるノイバラの赤い実です。色々な使い方が考えられるのでしょうが、やはり茶花にも最適かと思うのですが。
鈴成りとはこのようなことをいうのではと思う程に見られるノイバラの秋です。
国道沿いに手近かに見られ、季節感を満喫させてくれる国道でもある432号線です。そしてそこにはコケがアスファルトを被うように育っているのでした。
山際の空中湿度が高いと思われるところに育つコケです。こんなところにでも苔の育つ環境が自然は教えてくれています。
よく見るとハネヒツジゴケでは。こんな環境で育っているハネヒツジゴケです。
環境がそうさせているのか、気持ちよさそうに生長しているハネヒツジゴケのアップです。
そしてそこにはハイゴケも見られるのでしたが、少し黄色く色づくハイゴケです。冬には黄金色とまではいきませんが黄色く美しくハイゴケの変異種です。このハイゴケも環境に合わせて自然の中で多様に変化するハイゴケ。一度色々なハイゴケを集めて鑑定していただいたところ、すべてハイゴケ。笑ってしまいましたというよりこれで一つ学びました。
しばらく走っていますと停車したところにまたまたアオツヅラフジがぶらさがっている光景に出会いました。
こんな枯れ木にも寄り沿うようにつるがぶら下がっているのでした。
よい眺めのアオツヅラフジ。都会では味わえることができない自然がこんなに手近に見られるとは。
そこにはやはり青い実のノブドウが、段々と色づいていく色とりどりの実をつけるノブドウです。ノブドウにもいくつかのタイプがあるのか我々業者が扱うノブドウはもう少し実の大きいタイプです。個体変化なのか種類が違うのか、勉強不足を感じさせます。



2019年10月29日 苔の生育地を訪ねる 京都洛西のとある神社の境内
紅葉の色づきかけた秋の雨の日に出会えましたホソバオキナゴケ。杉の大木の陰に生育する姿を見ることができました。
その境内の杉の木の巨木です。相当な樹齢。やはりお宮さんならではの光景です。
その杉の大木がホソバオキナゴケを育てる環境をはぐくんでいるのではと考えられます。
以外にもそのホソバオキナゴケは杉の根元には見られず、人の背丈程の高さに育っているのです。そこは北向きの日の当たる時間が少ないのでは。
そのホソバオキナゴケの育っているアップです。
更に近づきますと、まちがいありませんホソバオキナゴケです。
腰の高さの辺りにはホソバオキナゴケが見られず、この境内の環境がそうさせていると考えられます。適当な乾燥ぎみの空中湿度が大事なのでしょうか。地面に近づく程空中湿度は高くなりますので、この境内ではこのようなホソバオキナゴケの生育環境が見られます。
ちなみに10月13日晴れた日の夕方近くではこのように日がさしています。
直射光線の当たる時間はどれ位なのでしょうか。夏の西日はかなりの量ではと思うのですが。
なんとなく幻想的とも思えるホソバオキナゴケです。



2019年12月4日 苔・コケ販売・シダ植物販売 紅葉美しい粟生 光明寺  京都 長岡京市

早や12月、初冬の栗生 光明寺、紅葉の美しさも少し遅いのではと思いながらお参りに。一の谷の合戦にて平敦盛を討ち取った熊谷直実が出家し、敦盛を弔う寺がこの光明寺。


紅葉の美しさが表現できないのが残念。


その山門の手前に美しい紅葉。そしてその回わりにはスナゴケが見られるのでした。赤と緑のコントラスト。


スナゴケは気温の下がる秋より成長する性質。もう少し広がってもと思うのですが、条件が合わないのでしょう。


総門より参道にはまだまだ美しい紅葉が残こっており、観光客の方々を楽しませているのでは。


長岡京市の町を遠望する参道。「女人坂」と呼ばれているようです。


紅葉もさることながら美しい石畳の階段。


紅葉のトンネルを抜けますとそこには御影堂が目の前に。


御影堂。


お参りは阿弥陀堂より回廊を回させていただくことに。


御本廟に通ずる回廊でしょうか。


御影堂に通じる回廊。


その回廊脇にコウヤコケシノブが見られる石垣。こんなところにコウヤコケシノブが生育しているとは驚きです。


雨の降らない日々。好天続きの観光日和はよいのですが、コウヤコケシノブは心なしか元気がないような。


そのアップ画像。


回廊越しにヤブコウジも。


御影堂脇の紅葉の足元にはウマスギゴケが育っているのでした。


ウマスギゴケと落葉。絵になります。


御影堂より境内。


勅使門と信楽庭。


書院にはお香の「松栄堂」さんが出張販売されておられ、そこには現代的な香炉が置かれ、香を焚かれているのでした。


お庭から勅使門。桜の季節には訪れたいと思います。


正面からの勅使門。紅葉の盛りにはきっと絵になったのでは。


帰路は薬医門をくぐり抜けるのですが、この参道にはたくさんの紅葉が植えられ、「もみじ参道」と呼ばれているとか。


その薬医門。何かと有名な紅葉の名所。ところが人影はありません。


なぜかといいますか、この有名な薬医門をみなさんスマホに納めたいのか、にわかカメラマンに。この所に立止まってしまわれるのです。


薬医門より更に紅葉のトンネル。楽しませてくれる参道。これでは訪れる人々も多いのは納得。


今は有料となりましたが、それより以前はあまりにも多くの観光客にて参道の紅葉は踏み疲れ、根が弱わり、目に見えて紅葉が弱ったことにより、今や通行規制の時代に。


葉の大きな「ウチワカエデ」か。


近年に新しく植栽になったのでは。


もう少し早くに訪ねておりますと、このアップも見事であったのでは。


足元にはコクランが育っているのでした。


近くにある紅葉ではあまりにも有名な光明寺さん。近くすぎてその良さも気づかずに日々暮らしている当方です。




2018年10月16日 苔・コケ販売 紀伊山地に見る苔の生態
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キイジョウロウホトトギスの生息地を訪ねること、念願かなったのですが、その移動中に苔もたくさん見られました。山を切り開き、その崖をコンクリートでのり面を崖崩れしないように強化してあるのでした。そこには一般にビロード苔と言われる「ホソウリゴケ」が見られました。 夏の日照りには茶色く焼けたように休眠しているのですが、秋の長雨を過ぎますと、このように青々と育ってくるのです。
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コンクリの壁面には必ずと言ってよいほど、このホソウリゴケが見られます。 もりもりのホソウリゴケ、やはり山の中だけあってきれいに育っています。
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紀伊山地をかなり奥深く、キイジョウロウホトトギスの自生地を訪ねたのですが、すでに花は終わっていました。 その代わりと言っては何なのですが、湿潤な環境に生息する苔がたくさんあちらこちらに見られました。
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タマゴケです。湿潤を好み、しかも夏の涼しさ、つまり気温が高温になるところでは見られない苔です。弊園でも夏のタマゴケの御注文は頭が痛くなります。
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そしてこれは何度見ても感動するフデゴケが見られるのでした。 いかがでしょうか、フデゴケらしいフデゴケです。採取業者に依頼すると、中には素晴らしいフデゴケが入っているトレーが入荷するのです。その自然の姿を改めて見たいものだと思っておりましたところ、この生息地に出会えました。
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谷間のような一日の日照時間が限られたところに生息するキイジョウロウホトトギス、それとともに見られるフデゴケも何か地域限定の苔であるところはそのあたりの条件ではと思います。
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少し歩きますとタマゴケの群落です。 タマゴケとフデゴケの棲み分けは何なのか、今後の研究課題です。それが管理方法のポイントでは?
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聞くところによりますと、こうなるまでに30年以上の時間がかかっているとか。きれいに育っているタマゴケに、頭が下がる思いがいたします。 イワタバコとフデゴケとシノブゴケ、いずれも湿潤と夏の冷涼さを好む一段です。
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キイジョウロウホトトギスにイワタバコです。そしてスナゴケ、フデゴケとシノブゴケ、いずれも非耐暑性の植物ばかりです。 通る車があるのかないのかわからない道路なのですが、そこにはやはりフデゴケが育っているのでした。
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側溝に落葉が積もり、そこにはオオカサゴケが見られるのでした。 そしてコツボゴケでしょうか?
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キイジョウロウホトトギスとタマゴケのコラボ。ここだけでしか見られない現象ではと思えてなりません。 湿潤を通り過ぎて谷川の水が常に流れているところにホウオウゴケとイワタバコ。このホウオウゴケは小型種なのですが、少し違います。今後品種鑑定に出すため、少しいただきました。
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ミカエリソウの大群落が生育する山の斜面。そのコンクリート面に苔が色々と見られるのでした。 ホウオウゴケとシッポゴケでしょうか?色々と見られます。
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シノブゴケにアオチャセンシダでしょうか?湿潤なところにアオチャセンシダの胞子が育ったのでは。
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チャセンシダとシノブゴケ。シノブゴケもいよいよ種類を分類していかなくてはと思う今日です。
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ヒメクジャクゴケです。そう多くは見られませんでしたが、右上の苔はカサゴケの類では? ヒメクジャクゴケか、クジャクゴケか?分類は胞子が決め手です。
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コンクリートの壁面に水を好む苔、どうもハイゴケではないような。そこにイワタバコが。そのようなところにサワガニがお出迎えしてくれていました。 かなり下へ降りてきたキイジョウロウホトトギスの生息地は、タイミングよく花の開花期。その岩肌はゼニゴケが被いつくしているのでした。
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その道路を挟んだ反対側の岩肌には、コスギゴケが見られます。 そこには胞子が見られるのですが、この胞子が決め手です。コスギゴケの分類はこれからです。
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コスギゴケは常に岩肌に生息する姿を見ることが多いのですが、このコスギゴケが育つにはどのような条件が必要なのかということになります。



生育地を訪ねる 2017年12月10日 於 京都 丹波高原
林道から谷川沿いに上流へ登って行きました。 そこにはイトゴケ或いはキヨスミイトゴケが生育する程高湿度地帯であることがわかります。
林床を少し歩いて行きますと、オオカサゴケの生育地に出会いました。 近くにはヒロハヒノキゴケの生育が見られ、湿潤であることがわかります。
辺りにはオオカサゴケがあちらこちらに見られます。
大きな群落が見られます。 付近の地形は山の陰になり、一日の間でそう太陽は当たらないのではと思われ、伏流水が苔を潤していると考えられます。
なかにはアラハシラガゴケが見られテラリウムのコラボにはヒントになるのでは? この辺り一帯オオカサゴケの生育が見られる大群落でした。


特別編 倒木した樹皮に着生したオオカサゴケ 2017年12月10日 於 京都 丹波高原
ふと地面のオオカサゴケを見ますと少し感じが違う。手に取りますと、樹皮に生育している姿が見られました。 元に戻すとこの通りです。樹皮も腐植化するとオオカサゴケの地下茎も育ちやすいようです。



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