山野草の育て方 ホトトギス・杜鵑草の育て方

 



ホトトギスの育て方の解説を見ていますと本邦産と台湾産ホトトギスが同一に育て方を解説してるものが多くあり、
栽培していく上での誤った育て方につながっていると思われます。

育て方は2系統のホトトギスの中で、とりわけ本邦産のホトトギスは
特に夏に注意した育て方をしないと秋に花が見られなくなります。




本邦産ホトトギスとは

 全国に色々なホトトギスが自生していますが、共通していえることは花を各節に咲かせるという特徴を持っており、
 分類のわからない方でも容易に判別できます。
 種類として大きく分けて2系統に分けることができます。

◎各節に花をつける

直立型

    ホトトギス、キハナノホトトギス、ヤマホトトギス、ヤマジノホトトギス、シロハナホトトギス
    タマガワホトトギス、チャボホトトギス、タカクマホトトギス  など

下垂性
    深山の岩場の崖に自生しており、垂れ下がって育つ性質をもっている。

    キバナノツキヌキホトトギス、ジョウロウホトトギス(トサ)、キイジョウロウホトトギス、
    スルガジョウロウホトトギス、サガミジョウリョウホトトギス  など
     

・育て方
  極端に直射日光を嫌い、特に夏場の高温時の直射日光は厳禁である。
 深山の山中は日中でも涼しく、こもれ日というほどよい光線下で葉焼けもせず育っています。
 家庭でそのように育てるには、一言で言えば日光の入らない建物の北側、
 或は家と家の間に鉢を置くようにして、できるだけ直射日光を避け、
 葉焼けさせないように管理するのがポイントです。
 もちろん水切れさせることも注意しなければなりません。
 下垂性のホトトギスは胴長の鉢を利用し、植木鉢自体をたなの上に置くように注意が必要です。




台湾系ホトトギスとは

 生長してきた茎の頂芽から8月から10月にかけて花芽を上げてきます。
 この特徴は本邦産を交配しても、その性質は変りませんので、相当強い遺伝性を持っているように思われます。

◎育ってきた茎の先端に花をつける

種類は元々台湾に自生しているホトトギスの中である程度選抜して
我国に伝来しているのではないかと思われます。

原種 台湾ホトトギス

     松風、東雲、ニイタカ など

     たくさんの野生ホトトギスが持ち込まれていると思われますが、詳しくは不明です。


台湾系交配品種
     1.本邦産のホトトギス等と交配されている。
     2.台湾産の初期の変化花等の交配が更に進み、近年かなりの花色が変化が生まれています。

     桃山、桃源、明星、紫光、紫錦、江戸の花、大納言、葵、暁、紺竜丸、新秋空、
     織姫、静、静御前、大虹、虹、白秋、彦星、黒染、満点の星、面影、恋紫、紅富士 等
     その他たくさんの品種が生まれています。
     

・育て方
  いたって丈夫で、夏の直射日光さえ注意して、少し日陰になるようなところに鉢を置いたり、
 植え込んだりするだけで良い。若干品種によって差があります。
 増殖もランナーでよく殖えますので 管理はいたって簡単で一般ガーデナー向きですが、
 最新品種は山野草趣味家も魅了する品種が多く生まれています。


・台湾ホトトギス 花色は?

 近年台湾系ホトトギスの交配がかなり進んでおり、毎年新花が発表されます。

 1.元々の原種或は基本種は東雲(しののめ)、松風等の品種と考えられます。
 そして初期の新品種は現地で花変わりが発見されますと、日本へ入ってきたものと
 思われます。

 2.基本種のホトトギスの花色はクリスマスローズオリエンタリスと同じく、
 複雑な花色の色素が含んでいると考えられ、交配が進むにつれ多様な花色が
 見られるようになりました。

 3.花色が多様化した結果、観賞価値が高くなりました。
 品種もさることながら、花色が咲き始めから、終わりにかけて変化する特徴を
 持っています。
 花一輪でも、季節にでも見られます。
 その主な原因は気温と考えられます。(日照不足の場合も考えられます)

 4.注意点としまして花色が変化するところから、アップされている画像と
 異なる場合が多々あるかと思います。
 お送りする株によってはその年の出来、不出来も生まれそのまま株本来の花色が
 発色しない個体も生まれるとも考えられます。
 お送りした株をできる限り時間をかけて観察して下さい。
 例えば同一株であっても咲く時季、時間でもどんどん変化します。


青光
桃酔


  5.花色についてお気付きの点が御座いましたなら、弊園まで画像と合わせて
  お尋ねいただけたならと思います。
  弊園でも気付かぬ事が多々あるかと存じます。
  例えば夜間配達を希望されますと1日日照が無く、日陰になった結果、
  本来の花色が出にくいことも考えられます。



2012年10月13日
(土)


台湾ホトトギスの青光です。
この咲き方のタイプは以前なら藤娘に見られましたが、
近年の作出品種はこのタイプが増えました。
特徴として、春から夏の生長期には
株の分岐ばかり見られ、株は張って行きますが、
さし木する枝は採れません。
従来型の台湾ホトトギス満天の星です。
この咲き方は古い品種では東雲、松風等に見られるタイプで、
台湾ホトトギスというとこのタイプを思います。
1芽を植えますと1株そのまま生長します。
開花期も1本立の状態で花を咲かせます。
つまり分岐性はありません。
この性質の違いはどのようなことなのか、
現地台湾ではどうなのでしょうか?



2009年10月18日
(日)



10月18日
ホトトギス 紫酔のこぼれ種でしょうか、
そっくりの花が実生の中から咲きました。
台湾系ホトトギス 恋紫のこぼれ種でしょうか、
そっくりの花が実生の中から咲きました。



2009年10月15日
(木)



ホトトギス 紫酔
紫酔の花数ですが、10節以上は花芽が
あると思います。水切れさせましたが
秋まで管理が良かったと思われ、花芽が
たくさんついています。
やはり、遮光はダイオネット2枚掛けです。

10月15日




2009年10月14日
(水)



ホトトギス 紫酔
この鉢は葉焼けというよりも、水切れです。
株の割に鉢が小さく(8号サイズ)1日水やりを
忘れておりましたところ、下葉が上がって
しまいました。
紫酔はやや大型で立派にできますので、
肥料を充分に施していただければ1茎に相当な
花数がつきます。

10月14日




2009年10月13日
(火)



白覆輪タカクマホトトギス
これも黄覆輪タカクマホトトギスと同じくカンアオイと
同じところに置いて管理しておりました。
まったく葉焼けしておりません。

10月13日



2009年10月11日
(日)



斑入キイジョウロウホトトギスが咲きました。
遮光の具合によって葉焼けしません。

10月11日




2009年10月9日
(金)



黒花ホトトギスが咲きました。
だいぶ終わりかけておりますが、葉も焼けず
上出来の作りです。これも別の棚ですが
やはりダイオネット2枚掛けです。

10月9日



2009年10月5日
(月)



黄覆輪タカクマホトトギス
遮光ネット2枚掛け、カンアオイの横で夏越し
しましたところ、焼けせずにきれいな葉で秋を
向かえました。

10月5日




2009年10月3日
(土)



キバナホトトギスですが、葉も焼けず、
下葉から残っています。これもキイジョウロウ
ホトトギスの横に置いてありました。

10月3日
キイジョウロウホトトギスが咲き始めました。
キバナホトトギスが咲き始めました。



2009年10月2日
(金)



キイジョウロウホトトギスが咲き始めましたが、
2−3年植え替えずにおりましたわりには
よく咲いています。肥料が不足しており
葉色が少し悪いようです。
夏、ダイオネット2枚掛けです。

10月2日

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