クリスマスローズチベタヌス 育て方 輸入株の育て方

輸入株の評判が悪い訳 チベタヌス輸入株の育て方 チベタヌス歳時記 23年輸入株の現状
24年輸入株の現状 25年輸入株の現状 山野草研究家
久志氏のチベタヌス探訪
輸入一作株の現状
24年秋〜25年春現状
25年輸入一作株の現状
チベタヌスの解説と管理法
弊園での栽培例
28年輸入株の現状

チベタヌス輸入株の育て方

輸入株を入手後の管理


1.輸入株が国内に入荷するのは11月下旬、一般に流通するのは概ね12月以降と思われます。

 ア)中国からの輸入株の状況は自然に自生している株を採取したものです。
  現在のところ実生生産が行なわれているとの情報がありますが、弊園の知るところではありえないと
  思います。なぜなら山岳民族の住む中国奥地で、長く年数のかかる実生生産よりもその地域に野生が
  あるチベタヌスを採取するのが普通であるからです。わざわざ実生するとは考えられないことです。
  久志博信氏の解説文にもある通り「林床の奥まで自生していました」とあり、実際の画像は「Hチベタヌス
  原生地を訪ねてgooブログ 四川省宝興」を参照していただければ御理解いただけるものと思われます。
  話は変わりますが、中国よりアツモリソウが毎年輸入されています。その株を見ますとバックバルブが
  長いものは10年分ついております。
  
    画像はウンナンキバナアツモリです。

  これらの株を見ますとどう考えても自然のものを採取しているとしか思えない株です。

  輸入株を見ていますと現地で植替え時の損傷による再生根が見られました。
  
  おそらくは自然のチベタヌスを採取し、一作或は二作していると思われます。
  このことを培養株としているのかもしれません。
  日本国内だけでも相当数輸入され、世界中に中国より輸出されていることを考えますと、
  毎年採取しないことには追いつかないかと思われます。
  或はそれだけの量をすでに確保しているのか興味のあるところです。


 イ)様々なサイトを見ておりますと、色々な株が販売されております。
  一応中国サイトでは規格を設けているようです。
  例えば1芽株と複数芽、或は大株という規格があるようです。
  弊園でも2芽株を入手しましたがその中で比較的良好な株は画像にあるとおりです。
  
          2011年12月17日撮影

 ウ)輸入株の根はカットされていません。
  様々な情報があるのですが、輸入株そのものは現地で採取された状態で輸入されておりますので、
  一部を除いて特別に外見上非難されるような株は流通していないと思います。
  
          2011年12月2日撮影

 エ)そのかなり悪い株つまり根が少なく、短く切れている株もそれなりに混入しています。
  おそらくは自生地の株を片っぱしから掘り上げるためにそのような現象になるかと思います。
  何らかの形で輸入株を購入された趣味家の方々はこの悪い状態に当たると、不信感をいだかれるのも
  当たり前といえば当たり前です。まるでくじ引きのようなものです。
  しかしながら中国奥地の現状を考えるとやむを得ないのかもしれません。
  何しろ中国奥地の人々にとって自生する野草は漢方薬つまり採取して乾燥し、麻袋に入れて販売する
  のが中国4000年の長い歴史上の習慣であって、それが海外で花を観賞するために採取し、生のままで
  販売するというのは4000年の中でここ20〜30年のことではないでしょうか。
  しかもおそらくは乱雑に扱っても現地では十分に根づくのではと思います。
  そして、現地の人々にとっても想定内のことなのでしょう。

 オ)ホームセンター、ガーデニングセンター等にてポット苗の販売品については根はカットされています。
  理由としては専門店ならともかくも一般では大きいポットではそれだけコストが高くつき販売価格に
  転嫁できないのが最大の理由と思われます。
  それにて小さいポットに植え込まれています。植え込みの関係上根はカットされています。
  このことが輸入株を非難されることになっているかと思われます。


2.輸入株、ポット苗の定植の前処理について

 ア)殺菌剤の使用
  使わないより使う方が良いという程度に理解していただくのが良いかと思います。
  なぜなら輸入株そのものが壊死状態のものは殺菌剤で蘇生しないからです。
  期待よりもむしろ環境を整えてやるのがより理想的かもしれません。
  
  但し、この殺菌剤の使用は輸入時のみの殺菌と考えていただきたいと思います。
  なぜなら清潔な赤玉土にはある種の放線菌等が存在し、他の雑菌等の増殖を抑えるとの説があります。
  つまり土壌のカビからペニシリンが発見されたことから御理解していただきたく思います。
  培養土に腐葉土を加えることにより、腐敗菌の巣窟となる一方、チベタヌスの腐敗を防ぐという理由だけで、
  極端な場合、毎月1回殺菌剤を多量に使用する土壌灌注をするという説は矛盾に満ち、一考を要するかと
  思います。
  何もチベタヌスが枯れるというのは雑菌によるものでは無く、標高の高い自生地の環境に適応できないから
  であって、それを殺菌剤で防ぐというのは無理な解説ではと思います。
  そして、上記にも書きましたように、ある種の放線菌を殺菌剤の多用により、自然界のバランスを壊していくこと
  が返って不自然なこととなって行くのではと思います。
  放線菌の殺菌作用をうまく利用するというのも一考かと思います。
  「輸入株の現状」を参照していただければ御理解いただけるのですが、腐葉土の混入しない清潔な培養土で
  チベタヌスの自生地つまり、高冷地に自生していることを考え、夏、冷涼な環境を整えるということにより、
  本来のチベタヌスの生育をうながすというのが本論かと思います(追記:平成24年12月30日)。

 イ)活力剤に浸ける
  (a)状態の良い株つまり生きている株は回復力が増していくかと思います。
  (b)なんとか生きている株の場合、この株も水分及び肥料分を吸収する力がある場合は
   回復力が増すと考えられます。
  (c)見かけ上、生きているように見えますが、現実には根の細胞が壊死しているものは
   まったく効果が見られないと思います。


3.培養土は水はけと通気性を第一に考え、硬質赤玉土(小粒)、硬質鹿沼土(小粒)を主体に後は
 日光砂(小粒)もしくは薩摩土(小粒)等同程度の質の用土を混合したものが良いかと思います。
 それぞれの比率は1:1:1になるように混合して下さい。
 弊園では赤玉土、鹿沼土等と硬さが違う軽石(日向土)等は使用しません。なじみにくく、通気性を
 特に好むラン科植物には向いているように思いますが、チベタヌスには少し考えてしまいます。
 腐葉土等は混合しません。山草業界では腐葉土を培養土に加えません。
 なぜなら平地では夏越しさせるためには水はけ、通気性等をよくすることが第一と考えられるからです。
 腐葉土を加えることにより、
   (歐緡呂増す。
   ∧解が進むと根づまりを起こしやすい。
 等が考えられ、更に鉢そのものが日光に当たることにより鉢内の温度が上がり、結果として
 ムレル現象が起こり、枯れやすくなっていくことになっていると思います。
 言い換えれば、高温多湿による生育不良による枯死、そこに腐敗菌が繁殖するという
 現象になっているかと思います。

 赤玉土の使用上の注意点
   ‐粒単独の使用は避けます。なぜなら山草業界では水を好む日本桜草等を栽培するに
    赤玉土小粒を多用するぐらい保水力がありますので要注意。
   ∪峩姪擇皀瓠璽ーによって保水力は随分と異なります。
    安価なもの程、保水力が高く、一般の山野草でも安価なものを使用することにより、
    根腐れしやすい傾向にあります。できれば硬質のものをおすすめします。
   2種混合、或は3種混合によって培養土の物理的性質を向上させますので、
    腐葉土を除いた混合培養土をご使用下さい。

 話は変わりますが、原種シクラメンヘデリフォルニウムを本年秋導入しました。
   \源挫呂歪耕遒任后2椴篶辰糞じは高温多湿とはかけ離れた環境です。
   培地には腐葉土(ピートモス?)がかなり多い混合培地になっています。
    おそらくは草花培養土を使用されていたと思います。
   J星爐隆浜は他の山野草と同じ水管理をしましたところ、バタバタと枯れてしまいました。
   す皺溝深召原因と考えられます。水やりを控え目にするのが防ぐコツかと思います。
    おそらくは生産地である長野県ではあまり問題にならない事が平地では問題になっている事です。

 考えられることは
   ,修發修皀茵璽蹈奪僂任惑歟呂縫圈璽肇皀垢鯊人僂靴泙垢、
    気温が高くならないために特に問題にならないようです。
   ▲茵璽蹈奪僖好織ぅ襪虜惑殍,気候が違うにも関わらず日本でも取り入れられ、
    腐葉土を使用することが基本となってしまっているようです。
   山野草業界では職人の知恵といいますか、腐葉土の混合は現在否定されています。
   ぅリエンタリスでも経験することですが、腐葉土を混合した培地を使用し、なおかつ夏の休眠期に
    水やりを頻繁にした結果、水分過多による根腐れにより、枯れた現象が多々見られたと思われます。
    ガーデナーでよく枯らされるということを聞きますが、原因は水やりです。
    書物には夏控え目にと書かれています。突き詰めれば腐葉土の使用であり、
    日本の気候を考えますと、できるだけ混合培地の使用は避けたいと考えられます。

 弊園も失敗した経験からクリスマスローズの育て方も参照下さい。

4.植え方は

 (ア)輸入株は根の長さが20cm前後あります。

 (イ)莟みはある程度隠れる深さが良いかと思います。
  なぜならある程度の深さの位置が乾湿の影響が少なく、安定しているからです。発根部は蕾の直近
  にあるわけですから、蕾を出して植え付けますと、発根部が常に乾燥状態になるということになり、
  生育に及ぼす影響も少なくないと考えられます。
  チベタヌスが育っていく上でのストレスを少しでも防ぐことができます。

  チベタヌスではありませんがオリエンタリスでも株をやや浅く植えますと、1年後の植替えでは新芽が
  下から吹いています。
  
          2011年9月30日撮影

  これは何を意味しているかといいますと、生育中乾湿の差があり、常に水分の安定したところを
  キャッチして地中に潜って新芽が吹いています。
  ということは始めから適当な深さに植えて下さい。


 (ウ)それだけの深さの鉢或はポットに植えて下さい。

 (エ)ポット苗入手の場合はそう深い鉢は必要ありませんが、そこそこの大きさの鉢に植えて下さい。
  やはり乾湿の差が少ないことが望まれます。

 (オ)後は入手された輸入株の生命力を祈るだけです。

 <23年12月23日追記>
 (カ)輸入一作株を見つけました。輸入一作株のポットを扱っていましたならありました。


                          2011年12月19日撮影

  1年前に浅く植えたことにより、新芽の生長が良くありません。  それだけにバックバルブに陰芽が
  ありますと、チベタヌス自体は生育の快適性を求めて、下部の芽を充実させました。
  通常ではあり得ないことなのですが、生きていくため、種の保存が働きます。


  
          2011年12月19日撮影

  バックバルブに発芽部が無い場合は新芽が肥大しない状態になってしまいます。
  この場合翌年の植替え時により深く植え込んで下さい。

 (キ)24年2月2日追記
  輸入3作株が入荷しました。
  
          2012年1月31日撮影


  クリスマスローズ業界なぜか浅く植えるということが定説?になっているのか、
  今回入手したチベタヌスも浅く植えられています。
  新芽が下から出ているのですが、親の芽はいじけて育っておりません。
  現地では毎年落葉が積もり腐葉土の中で育っております。
  自然には腐葉土にて芽が常にかくれる状態が続いており、乾燥にも耐えるように育っているかと思います。



5.肥料並びに活力剤
 健全な輸入株が入手できた場合と仮定すると

 (ア)低温期でも比較的肥料効果のでるIB化成を植替え時に、或は輸入苗を植えつけると同時に
  施肥して下さい。  或は薄い液肥を週に1回はやって下さい。
  なぜならこれから芽が大きく膨らんでいくわけですから体力をつけなければなりません。
  IB化成は肥効期間が約1ヶ月ですので、1ヶ月毎に施肥して下さい。
  但し冬期間は水やりの回数が自然栽培ですと極端に少なくなりますので注意して下さい。
  液肥の場合、同じく効果の出るようにバケツに鉢を浸けるが良いかと思います。
  IB化成は冬期間12月1月2月3月と4ヶ月の間に2回程で良いかと思います。
  4月以降生育期間は1ヶ月に1回とお考え下さい。
  (実際には1ヶ月以上肥効がありますので、一度に多量は禁物です。)

  【注意】
  IB化成は一般のガーデニングセンターでは取り扱いがないかと思われます。
  一般には輸入IB化成(10-10-10-1)が商品名を変えて販売されているのでこれで十分です。

 (イ)なぜ肥料をやらなければいけないか?
  輸入株は花芽をつけており、どんどん生長して行きます。その源は栄養分であり、肥料です。
  そして同時に再生根並びに新根が成長します。(輸入一作株の現状を参照して下さい。)
  この再生根、新根は吸肥力がばつぐんですので、成長を促す意味においても秋から休眠前まで毎月施肥して下さい。
  再生根、新根がでているにかかわらず、施肥しないということ、そして2年目に施肥するということは理屈が通らないか
  と考えます。

  そして「輸入一作株の現状」を見ていただければわかりますが、輸入時の根であっても給水力があり、
   生育し、葉を展開します。
  肥料を施肥することにより、3号ロングポットであっても花芽をつけている株があります。

  
           2012年12月18日撮影

  この場合、再生根、新根はあまり成長していないにも関わらず、花芽を付けていることは、輸入時の根であっても
  吸水力、吸肥力があることのなによりの証明になっているかと思います。
  やはり植えつけた直後の施肥は行うべきでしょう。


  更には輸入株をガーデニングセンター、ホームセンター等にて3号ロングポットにて販売されている株。
  つまり根をカットされている株の中で、説明するにはうってつけの株が見られました。


  
           2013年1月7日撮影

  この苗を見ますと、
  (1)2年前の秋に輸入。その秋に根をカットし、3号ロングポットに植えつけ。
  (2)その秋から翌年春までカットされた根から再生根が成長している。
  (3)昨年の夏、休眠した後、秋から新根が成長しています。

  以上の成長が見られることから、肥料は2年前の秋、言い換えれば植えつけた直後から
  適切な肥料を施すことが当たり前というより、常識であることが言えるかと思います。


 (ウ)活力剤も効果がでます。バケツ等に活力剤溶液を作り、そこに鉢ごと浸けて下さい。
  色々な種類が販売されていますが、必ず規定の濃度を守って下さい。
  なぜなら逆効果の出る場合が考えられます。
  できれば鉄をイオン化した活力剤をおすすめします。
  なぜなら何百倍のレベルで使用するので危険が少ないと考えられます。
  HB101等を使用の場合、その濃度には特に注意して下さい。何千倍の希釈で使用するわけですから。

 (エ)この活力剤を利用された場合、必ず肥料を施してください。
  単独の利用は植物にとって負担となり、濃度が濃い程 良くない結果となります。
  チベタヌス輸入株の場合、定植する前に活力剤に浸けられるかと思いますが、この時も液肥を所定の
  濃度に薄めたものを同時に併用されることにより、その効果がより出るものかと思います。

 (オ)なぜかといいますと、活力剤は植物細胞に直接働きかけ細胞分裂を旺盛にします。
  その結果植物の成長を促し、勢い良くより植物体を大きくします。だから皆さん利用されると思います。
  でもそのためには栄養つまり肥料分が必ず必要なのです。活力剤と肥料は相乗関係にあります。
  何も活力剤単独でそのようにはなりません。専門用語で窒素飢餓と同じようなことが起こると考え
  られます。単独での使用は薦められたものではありません。

  詳しくはメーカーにお問い合わせ下さい。
  「必ず単独では使用しないで下さい」と答えが返ってくるかと思います。
  常識的に考えても昔から植物を育てるのは肥料と言われ、そのことを実行してきた歴史があります。
  この活力剤はその肥料の吸収を助ける働きです。この理屈をご理解頂きたく思います。


 (カ)活力剤の使用法
  現在市販されている活力剤には大別して2系統あります。

  ア.鉄を2価イオン化しているもの
    ネオ・グリーン、メネデール、ハイアトニック

   上記は水溶液であって希釈して使用しますが、粉状のものとして 鉄力あぐりグレード があります。
   定植時に施すと、約半年間効果があるようですのでおすすめします。
   但し、肥料分は複合となっていますが、肥効期間は約1ヶ月と思われますので、その後は定期的に
   施肥して下さい。くれぐれも忘れないようにお願いいたします。
   


  イ.植物を原料としているもの
    万田酵素、HB-101

   HB-101顆粒の使用
   たまたま「HB-101の顆粒」が市販されていますので、これが便利かと思いました。

   

   何しろ4ヶ月間効果が持続するとのこと。
   12月始めに1回目施すと
   4月始めに2回目施すだけで計算上は良いかと思います。

   但し、肥料も必ず使用して下さい。それでなければ効果がでません。
   液状のものは所定に薄め、バケツ等に鉢ごと底面より吸収させる方法が効果が大きいと思います。



6.水やり
 上記の培養土は通気性が優れている反面、保水性が今少し足りないかと思われます。
 特に輸入株のチベタヌスは細根、毛根が無く傷んで吸水力が弱っております。
 それにてやや多い目に与え、植物自体の力をつけてやるようにするのが好ましいかと思います。

 特に蕾が膨らみ、開花に至るまでの期間は植物にとって一番細胞分裂の盛んな時です。
 この時水分が不足しますと生長が阻害される結果となります。乾燥には注意して下さい。

 例えば蕾が上がってきたが、花が咲かないという現象はやはり水切れです。
 或は葉が展開した時点で蕾がダメになっていることも含めて水切れかと思います。




チベタヌス輸入株の育て方

開花後の管理

1.(ア)3月〜4月頃にかけて開花しますが、11月〜12月定植した直後は細根、毛根が無いので、
  水やりはやや多い目にやって下さい。

 (イ)そして肥料も生長と共にやって下さい。もし施肥しない場合、チベタヌス自体の貯蔵養分のみにて葉の
  展開をしなければならず、やはり体力の消耗につながるかと思います。根は少なく、吸肥力は落ちていま
  すが、基本的に水は吸収するわけですから肥料分も吸収します。

 (ウ)そして元気な良株は葉の展開と共に新根を出します。この新根こそ活力がみなぎっておりますので、
  肥料の吸肥力は抜群と思われます。引き続き過度の肥料は禁物ですが適当な肥料はやり続けて下さい。
  この成長期の管理が後々のチベタヌスの育ち方を左右するものと思われます。

 (エ)チベタヌスの自生地である奥地の中国は夏冷涼な気候と思われるので、できる限り6月7月を涼しくなる
  ような管理をし、一日でも長く生育期間を設定し、株の充実を計りたいものです。
  仮に早くに黄変し、落葉しますと株の充実が不完全な状態となり、充実度が悪いためにその後の休眠期に
  腐っていくことになるかと思います。

 (オ)そして休眠前にできるだけ株の充実を計りたいものです。
  活力剤の同時併用もおすすめしますが、ここで注意しなければならないことがあります。
  例えばHB-101のパンフレットにも見られるように、活力剤を使用することにより異常に生育が良くなります。
  その時はそんなものと考えてしまうのですが、活力剤の使用を中止したとたんにおそらくは1年後に良く
  わかるのですが生育が異常に悪く思えるのです。
  それは悪くなったのではなく、通常の生育にもどっているのですが、そのように思えないところが不思議です。
  ですから他人に譲渡するもの或はプレゼントするもの等につきましては要注意です。
  但し、輸入時活力が有る株が入手できしかも培養土、栽培管理が上手な方が使用してこそ効果が出るもの
  と思われますますので、毎年毎年購入しては枯らすという条件の方ではその効果がでるとは限らないと思われます。

2.遮光は

 (ア)3月までは100%直射光線でも構わないのですが、やはり根の吸収力が弱いために4月は50%の
  ダイオネット市松をかけてやるのが良いかと思います。

 (イ)そして5月に入りますと更にもう一枚間隔をとってかけてやるのが良いかと思います。
  この時の遮光ネットはやはり50%市松、理論上は25%の光線量です。
  光量としてはこの程度が最適かとおもいます。もしこれでも葉焼けするようでは水、肥料と日照量を更に
  考えねばなりません。中国の生まれ故郷はこの程度の光線量ではと思います。
  水やりも毎日十分やり、それでも葉焼けする場合は70〜80%の遮光ネットをかけ直すべきでしょう。
  でも水切れもよくある話で、葉焼けは遮光不足よりも水切れによろところが案外多いかもしれませんので
  注意をお願いいたします。


3.置き場所は

 (ア)5月以降、気温の上昇と共にチベタヌスの生長が固まってくるのではと思いますのが、株の充実を
  計るために施肥は続けてやって下さい。
  人間でも暑い中を乗り切るためには栄養を取ります。同じことと思います。

 (イ)そしてその充実をより一層促進するために、チベタヌスの故郷と同じ環境設定が一番かと思います。
  温室、ハウスの棚下に置き、朝日夕日を避ける所に置いて下さい。
  空中湿度が高く、しかも冷気を感じチベタヌスにとって最適の環境かと思われます。
  或は建物の北側に置いて下さい。必ず朝日、夕日を避ける所に置くことに注意して下さい。




チベタヌス輸入株の育て方

休眠は

1.7月頃順次休眠に入るかと思います。しかしながら根或は株のコンディションの良くないものは生育期間中に
 バタバタと枯れて行くかと思います。
 そして残った株であっても回復力の弱いものから黄変し、落葉していくかと思われます。


2.一説には秋まで休眠させないでとありますが、シクラメンでもそうなのですが、実生一年目の成長期には
 休眠せず、一年中青い葉がありますが、2年目開花しますとその後は休眠するかと思います。
 チベタヌスでも同じことが言えるのではと思います。

 実際、現地での生育の様子はチベタヌスを再発見された荻巣樹徳さんによると
 『落葉性だったチベタヌス』と題して、その文中「1時間程して戻ってきた彼らの採集籠の様々な植物の中に
 クリスマスローズの根がありました。」とあり、「この時のチベタヌスは根だけであった。」更に「それまでの
 植物分類上ではヘルボルスウィリディスの変種とされていた時期もあり、チベタヌスは常緑だと考えられて
 いた。荻巣さんもチベタヌスは常緑と仮定し、他の草木が枯れる10月が調査に適当な時期と考えた。しかし、
 実際はチベタヌスは落葉性であった。3月に咲くという・・・・」とあります。
 この引用文献はガーデナーズクラブneatによりますので興味のある方は是非見て下さい。

 やはり、ここで同じ仲間のキンポウゲ科の福寿草と良く似ていることが思い起こされます。
 特徴は
   ア.寒さにめっぽう強い。
   イ.夏休眠する。
 という共有する性質を持っています。
 やはり夏の高温多湿のアジアのモンスーン気候を乗り切る、或は嫌がってか根茎となって休眠します。
 そして福寿草の分布は九州から北海道と全国に分布していますが、その分布量は東北、北海道が多いと
 聞きます。やはり夏涼しいところが生育が良いと思われます。

 チベタヌスも東北、北海道で育てますと良くできるかと思われます。
 おもしろいことにヨーロッパに自生する福寿草の仲間 アドニス・ベルナリスは「見た感じは福寿草とそっくり
 なんですが、葉が細かく切れて茎が細く、秋まで葉が残っていることが福寿草 と異なるところで、これは
 面白いと。」とあります。
 引用文献は「福寿草 日本福寿草の会編-世界の福寿草について-富樫誠氏談」
 ヨーロッパの福寿草は夏休眠せず、そして面白いことに「偽ヘレボレス」と呼ばれていることです。

 ヨーロッパにあるクリスマスローズの原種、中国のチベタヌス、ヨーロッパ発生の福寿草、そしておそらくは
 遠くヨーロッパからシベリアを経由して日本に自生する福寿草と、それぞれの気候にあった進化をしたようです。
 調べれば調べる程おもしろい事実が生まれます。


3.そして休眠期間中はやはり棚下等の日陰に置き、鉢に直射日光が当たらないよう注意しながら
 水やりをして下さい。


4.温室の棚上で室温が高い、或は鉢に直射日光が当たる、或は高温時に保水力の高い用土を使用し、
 必要以上に水やりをした場合等、鉢内でムレル現象が起こります。
 チベタヌスにとって静かに休眠できない状態になりますと夏に枯れるということになるのではと思います。
 あくまでもチベタヌスの生まれ故郷を思い越し、他のヨーロッパ原種、とりわけオリエンタリスと同じ管理では
 上手な育て方にはならないのではと思います。


5.開花後の管理のところでも説明した通り、生育不良により株の充実の悪いものは休眠期に腐っていくことに
 なるのではと思います。


6.弊園育て方の解説「福寿草の育て方」を参考にしていただければと思います。


 以上簡単に説明しましたが、輸入株はあまり良い状態で入ってきませんので、毎日或は気がづけば
 想定外のことばかり起こるのではと思います。



チベタヌス輸入株の育て方

最後のまとめ

チベタヌスは他のクリスマスローズの原種がヨーロッパと違い中国です。
しかも中国の奥地にあり、標高も高く、森林の中に自生しているようです。

この自生地を照葉樹林帯と呼び、東側が雲南省、西側が日本となります。
自生地がたまたま中国ですが、日本の奥深い山々にあってもおかしくない話ですからその管理も日本の
山野草的発想、とりわけ高山植物を育てる思いがあってしかるべきであり、そうあらねばなりません。
この発想こそがチベタヌス栽培上手になる近道ではと思います。

クリスマスローズはガーデニングの世界で評価され愛好家の方々もバラ、クレマチスの延長線上に品種改良
の進んだクリスマスローズという大きなジャンルをを作り出してしまいました。
とりわけオリエンタリスは元々丈夫であったため、よりヨーロッパの山野草ということを理解せずに育てられ、
更にその延長線上にチベタヌスを管理されることにより、大袈裟にいえば医者の誤診による治療ミスのような
ことが起こっているのではと思います。

具体的に言いますと、チベタヌスは高山植物と同様に考え、同じように育てなければならない植物にアツモリソウ
があります。日本には従来長野県、山梨県或は北海道が産地として有名です。
記録によりますと当京都にも自生があったようです。
そのアツモリソウは中国ではたくさんの自生種があり、チベタヌスとほぼ同じ地域に生育し、更には隣雲南省に
たくさん自生しております。そして毎年たくさん輸入されています。残念ながらチベタヌスと同様、消耗品的に
扱われているのが現状です。

そう考えると、両者の育て方はよく似ており、一般のガーデナーが育てられるレベルのものではありません。
そう考えるとチベタヌスが育てられない理由は良くわかります。やはり秋の新根が発根する前のおそらくは9月頃
に輸入され、植えつけた後に新根が出ることが理想的です。

そして何よりもチベタヌス言い換えれば高山植物を育てられる技術をクリスマスローズ愛好家は持つべきものでしょう。
そのノウハウが無いにも関わらず購入し、育てるため毎年のように枯れた話になっているのが現状かと思います。


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