花ハス・花蓮栽培 6.一年間の管理

5.肥料使用方法  <<  6.一年間の管理  >>  7.花ハスの水栽培

一年間の管理
1 春3月〜4月に蓮根を初めて入手された方は「1.初めて蓮根を入手した場合」を参考にして下さい。
2 初めて植替えされる方は「2.春の植替え編」を参考にして下さい。
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ア. 弊園では元肥を施肥しません。なぜなら「田の土」には蓮根が育つ初期栄養分となる肥料分が含まれておりますので、改めて肥料を施す必要がありません。

イ. もちろん蓮根自体に貯蔵養分がありますので、それも含めて十分に育ちます。

ウ. ですから肥料は立葉がでる頃から生育を促す意味において施肥して下さい。

エ. 化学肥料の無い時代、つまり江戸時代は肥料としてニシンといわれるものしか無かった時代は元肥として使用したと思われます。それは腐って分解してから初めて効果がでますので元肥ということであったと思います。

7月始めに浮いていた蓮根を植えましたところ、
8月28日現在、蕾を上げてきました。
田の土で無肥料です。

オ. 第1回目の施肥のポイント

・5月に入りますと、浮葉から立葉が出始めます。

・画像の葉姿 或は過ぎた頃が第1回目の施肥の
タイミングです。京都基準で5月中頃です。


・10号(30cm)18L基準 肥料施肥例
 IB化成、小粒化成肥料ともに
  小袋10g入り 1/2を1回に施肥する。

・8号(24cm)9L基準 肥料施肥例(茶碗蓮栽培)
 IB化成      大小2粒
 小粒化成肥料  使用しない

4 ア. 5月26日現在の生育の様子ですが葉が奇形になっております。肥料過多の場合になりやすいようです。
弊園では様々な蓮根を植え付けます。


イ. 肥料過多の障害が出やすい場合は

例1.品種によって肥料がやや多くないと花上がりが悪いもの。反対に通常で花上がりが良いものは多いと障害がでやすい。

例2.同じ品種でも、植え付けた蓮根の大きさでも小株のものは出やすいと考えられます。


ウ. 肥料過多の解消法
  肥料過多の症状(品種によって異なる)
   1.浮き葉、立ち葉と問わず奇形になる。
   2.クロロシス(黄化現象)を起こし葉脈に沿って
     黄色くなる。

できるだけ早くに容器の水を捨て新しい水を入れてやって下さい。そして、育ち方をしばらく見て下さい。
おそらくは次回より施肥しても問題は少ないと思います。





クロロシス(黄化現象)の例
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ア. 6月に入りますと2回目の施肥をします。
1回目、2回目の施肥が適切な場合、生長が良く、草丈がかなり大きく育ってきます。

イ. もし施肥量が多く、肥料過多の場合は濃度障害により生長が遅くなって行きます。
通常の育ち方より草丈が低くなりますので注意して下さい。

ウ. 反対に施肥量が少なかった場合は同じように育ちますが、栄養不足による花芽の育ちが悪く、
花芽が遅いか全く上がってこないという現象になります。

エ. 6月中旬 3回目の施肥をします。早いものはこの頃より花が咲いてきます。

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ア. 7月に入り4回目の施肥をします。通常の場合花芽がどんどん上がってきます。

イ. 7月中旬に5回目の施肥をします。大型種を30cmポットでの栽培はやや遅れて花が上がってきます。

7
ア. 8月に入りますと6回目の施肥をします。
 これからの施肥は秋に向けての蓮根の肥培に重点を置いた肥料と考えます。
 通常従来の考え方による栽培法では肥料切れを起こし、花を見ることができなくなる月になってしまいます。
 弊園の栽培管理がうまくいっている場合は8月でも花を上げてきます。

イ. 千弁蓮を30cmポットで栽培しますと大体8月に花芽が上がってきます。

ウ. 開花期が長い品種 言い換えれば花上がりの良い品種は8月でもどんどん咲いてきます。

エ. 8月中旬 お盆をすぎ最後の肥料をやります。止め肥といいますが、お礼肥ともいうかと思います。

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ア. 生育の悪いポットは7月後半より8月にかけて咲いてきます。

イ. それでも葉は十分に育っているにもかかわらず花が咲かない場合があります。
  それはやはり肥料不足と考えられます。

ウ. 或は花ハスにとって肥料バランスが良くない肥料を使用したことによるものとも考えられます。

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8月の盆(旧盆)の頃に次々と咲いてくれますと「育て方100%正解」といったところでしょうか。
肥料と管理がうまく行きますと大体この時期まで咲いているかと思います。

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9月に入りますと一部の茶碗蓮系を除いて花が終わり、葉だけの季節となります。
肥料はやらず、ただ水やりだけの毎日です。暑い日もありますので、水切れには注意して下さい。

そして気温の低下とともに葉も順次黄変していくかと思われます。

注意して頂きたいのは、だからといってまだまだ元気な葉を含めてハサミで葉を切らないようにして下さい。
自然に枯れた葉から掃除して下さい。

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10月に入りますと枯れた葉が多いという状況になります。
生育もほとんど吸水もせずに後は枯れるのを待っているという状態ではと思います。

水やりは10月以降ほとんどやりません。
というよりも雨によりポットがいつも満水状態になっています。
もし水切れしそうであれば水を張って下さい。
蓮は水生植物ですから常に水があることが望ましいと思います。

画像は2011年10月9日です。

だいたい枯れ上がってきていますが、肥料不足或は肥料過多による生育が今一歩劣るものから枯れ上がるのが早いようです。
だいたい肥料管理が計画通りに行っていますとまだ葉は残っています。
かといっていつまでも青い葉があるというのもすすめられた話ではありませんが。
12 11月

画像は2011年11月4日です。

ほんの一部を除いて枯れている状態です。
ほぼ休眠状態になってきております。
自然の雨だけでポットはいつも水がありますので、
この1ヶ月、水はやっておりません。
道路沿いのところより、葉刈りをしております。

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